波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

思いつくまま

2009-01-14 09:44:25 | Weblog
小正月も終わる時期になった。そろそろ普段どおりの生活の雰囲気である。少し遅くなったが、年賀状を整理してみた。年々数が少なくなるのは仕方が無いと思うし、当たり前だと思うのだが、交わりを持ってきた年賀状は貴重である。訃報を年内に貰っていて、来ない人もいるが仕方が無いと思う。そんな中で年に一度の近況を知る人も大勢居る。
「お元気ですか。」と健康を尋ねてくださる付言が多いのだが、今年はその中に
「孫が出来ました。」と文字からも喜びが感じられるものや「昨年、がんの宣告を受けました」「昨年はお会いできなくて残念でした。」など、それぞれのおかれている場で、自分への気持ちが良く分り、何となく微笑ましいのだが、ご病気の知らせはことのほか、心が痛むのである。
そして、中に「今年は是非お会いしたいです。電話番号を知らせてください。」
「いつか、会いたいなあ。」と言うものがあった。前者は長い間仕事を共にした
先輩であり、後者は可愛い姪っ子である。始めてこんな言葉に接して、自分からこんなことを書いた事が無いので、一瞬、戸惑いを覚えた。そしてどのように理解したらよいかと迷ったが、素直に相手の気持ちを受けることが大事なことだと思い、春が来て、暖かくなり、花が咲く頃、お会いしましょうとそれぞれに返事を書いた。自分からそんな思いになれない素直な気持が出来ていないことを恥ずかしく思いながら。
今年こうして新しい楽しみが出来たことを感謝したのである。人間の出会い、交わりは人生において若い時は自然に増えて、煩わしく思うものだが、年齢を重ねながら、減っていくものである。
ある本によると、中年を過ぎたら私たちはいつも失うことに対して準備をし続けていなければならない。失う準備とは準備して失わないようにするのではなくて、失うことを受け入れると言う準備態勢を創っておくことであることを覚えることだと書いてあった事を思い出した。
少なくなってくる年賀状を一枚一枚見ながら、その人のことを思い浮かべ、昔を思い出した一日であった。