日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

スペイン後遺症

2007-08-31 07:43:29 | パリ右岸
スペインから戻ってきてもう2週間が経とうとしているのに
なんだか頭の中に霞がかかっている、というか
スペインの果てしない荒野の風景がすぐ脳裏に浮かぶ、というか
要するに心をスペインに置いてきてしまったみたいなのだ。
次にスペイン行くのいつだろうか、なんてすぐ考えてしまう。
メドは全然たってないが。スペイン後遺症と呼んでもいいような
状態なんだ。ちなみにこういうのってフランス語でなんて
言うんだろうか?dépaysementとか?ちょっと違うか。

仕事の打ち合わせの前に来客があって、わけの分からない
話を聞かされ、そのあとまた雪崩のようにいろんな仕事が
入ってきて、そのうち同僚から馬鹿な質問を受けイライラし、
夕方から外勤して外で会議し、それがダラダラと続き
深夜帰宅。こんな非人間的な日なんてあるだろうか?
あ、なんか愚痴ってるみたいな文章だな。
しかも仕事の関係で原稿執筆引き受けたし。って大丈夫かよ。
締め切り守れるのか????

自分の容姿について

2007-08-30 07:57:57 | 自分について
朝、鏡を見ていたら何本か長く伸びた眉毛を発見。
もともと僕の眉毛は必要以上に長かったり濃かったり
して、日本にいたときから「九州人の眉毛」などとからかわれて
いたのだが。しかも、ショックなことにその長い眉毛、一本
枝毛になっていた。眉毛で枝毛かよ。
こんなこと俺だけだよ、などと自分で思いつつ。

で、ふと思ったんだが人間は、幼児期、少年期、青年期、中年期
などと人生の節目節目があると思うんだが、
それを言えば僕はもうおじさんになる時期に来ているような気がする。
気がするというか物理的にそうなんだけど。
でも自分をおじさんだと思うかといえば、まったく
そんな自覚はない。例えば周りの同じ年代の同僚を見てもまったく
おじさんという気はしないし。フランス人だけど。
というか、周りはおじさんなんだけど僕は断じておじさんじゃない、とか。
そもそも僕が少年から青年になったときなんか自覚というか
変化を感じたかというと、まったくそんなことないんで
青年から中年になるときもそうなんだろうな。
体力の限界を感じたとか、表情に覇気がないとか
そういうことをまだ実感しないんで。

去年の年末に実家に久しぶりに戻ったとき
驚いたことがあった。僕の母親が僕をカッコいいと思ってる
ような発言を、僕の小さい甥っ子にしていたからだ。
「たくさん食べたら、おじさんみたいにカッコよくなるよ」
などと僕の4歳になる甥に話していてびびった。
今まで「みっともない」とか「かっこ悪いダメ男」とか
って息子に対して言ってたのにな。

行ってみないと分からないスペイン(7)

2007-08-28 06:36:54 | スペイン
あまりに空が青いせいからか、サラマンカに来て
何かあるたびに、いや何もなくても、ついつい
青い空を見上げてしまう癖がついてしまった。
高い、一点の曇りもない空を。

さっきの大聖堂の脇をすり抜けて、ヨーロッパで
三番目に古いというサラマンカ大学の正門前。
中世の学生たちも勉強していたそのままの
講堂や壁、談笑していたであろうオアシスのような中庭、
ざらざらになったレリーフも残る階段など
大学の中を見学する。知力は権力であり、
一部の限られた人間にしか教養は手に入れることが
できなかった歴史を実感する。
そんな時代に比べると、確かに大学は大衆化したが、
意欲さえあれば教養をつけられる現代のほうが
僕は好きだと思う。

行ってみないと分からないスペイン(6)

2007-08-27 04:24:17 | スペイン
翌日は特に急ぐわけでもなくノロノロと起きて
11時過ぎにホテルを後にする。今日はどうやって
サラマンカを観光しようか。

大聖堂のある街区をぶらぶら歩いているとき
ふと目にした光景にシャッターを切る。
なんのことはない風景なんだけど、スペインの
光と影を端的に表す風景だと思った。
日差しはどこまでも強く、くっきりとして
乾いた風が吹いて。

トカゲのように

2007-08-26 05:57:51 | フランス語
バカンス中に海に行って日焼けしたことを
フランス人の友人に話したら、

Ah tu as fait le lézard!

と言われた。直訳すると「トカゲをやったんだ」
ということになるが、これは要するに
トカゲが日向でよくじっとしていることからの連想で
「日向ぼっこをする」という意味になるらしい。

で、無謀な日焼けのせいで今背中の皮が剥けまくってます。
ちゃんとプロテクションしていなかったのだ。
顔も真っ黒で「猿の惑星みたいになって」などと言われるし。
ってもう38歳なのに「猿の惑星」なんて言われる自分。

行ってみないと分からないスペイン(4)

2007-08-23 06:16:17 | スペイン
通りに出て、大聖堂と反対側の方向へ歩いていくと
街のヘソ、マイヨール広場に行き着く。
行くべきにして行き着いたような場所にある広場だ。
サラマンカの街は、目抜き通りだけでなく、
全方向からあらゆる通りが
この広場に行き着くような構造になっている。

スペインにある広場の中でもっとも美しいと言われる
マイヨール広場。通りを取り囲む優雅な建物は
レストランやバール、ホテル。そして広場に張り出した
テラスでは観光客も地元の人もビールを傾ける。
フェリペ5世により18世紀に建立されたこの広場は
王位継承戦争の勝利の記念に作ったらしい。

行ってみないと分からないスペイン(3)

2007-08-22 06:06:01 | スペイン
宿は大聖堂とマイヨール広場を結ぶ
目抜き通りにある、こじんまりとした安ホスタル。
一泊30ユーロしかしない部屋は簡素そのもの、
浴槽なんてもちろんないし、テレビだってない。
窓を開けたら狭い中庭、そして向かいの隣家が丸見え。
なんか狭苦しくて優雅にシエスタなんかできない。
部屋にいてもぜんぜん涼しくないしね。

ホスタル前の通りは観光客であふれる。
レストラン、バール、おみやげ物やが途切れなく続く。
その中のひとつのカフェに一人で入って、
生ビールを飲む。カチカチに冷えたグラスに入った
ビールが運ばれてきた。一杯飲むと、周りの喧騒も
30度近くある熱気もすべてかき消されていい気分になった。


行ってみないと分からないスペイン(2)

2007-08-20 05:22:15 | スペイン
パリから車を飛ばし、バイヨンヌ、ブルゴスで
それぞれ一泊し、三日目にようやくサラマンカに到着。
曇天のフランス北部が嘘のような抜けるような青空が
頭上に広がる。
サラマンカは古い、大学都市。街全体に歴史的建造物が
所狭しと散らばっている。その要になっているのが
小高い丘から町を見下ろす大聖堂。ロマネスク様式の
旧聖堂を中世以降修復、増築を繰り返し現在の新大聖堂が
できた。スペインでも最後のゴシック建築の傑作と
言われているらしい。
街の南を流れるローマ橋からの眺め。恒久の時の流れの
中で何も言わずに静かに街を見守っているかのような大聖堂。

行ってみないと分からないスペイン(1)

2007-08-19 16:13:15 | スペイン
お盆休みというかこっち式だと短いバカンスを
一週間取ってスペインに車で行ってきた。
今回はスペイン中部の古い、大学都市サラマンカに
初めて行ったのだが。で、感想が表題。
当たり前だけど、やっぱ行ってみないとどんなもんか
分からないのだ、スペインって。
この結論に尽きる。すべてがまぶしくて、
日なたと日陰のコントラストが強烈で、
地平線まで荒野が続いていて。
どれも雑誌や写真で見たことのある風景で、
頭の中では知っているつもりだったのだが、
やはりその場に身を置いてみないと分からない
感覚というのがあるのだ。
ということで車の中からみたカスティーリャの大地。

純粋さの勝利

2007-08-10 06:14:24 | フランス語
フランス人の友人が言った、「そういう行動を
innocents aux mains pleinesと言うんだよ」
直訳すると「両手が一杯になっている無邪気な人
という意味だ。

彼女の解説によると、泥棒が盗品を両手にたくさん
持っているくせに、咎められたとき何も知らないような
無実を装う場面からこの表現は来ているらしい。
つまり白々しく無実を主張する人間を指すってこと。
たしかに、彼女と会話しているとき僕は図々しくも
純粋というか、無垢な人間を装ってしまったなあ。
すぐに見透かされて上記のような言葉を投げられてしまった
というわけだ。

で、日本の辞書を調べてみたら、この表現
「愚か者に福あり(無邪気な者には両手一杯の果報がある)」
という意味で出ていた。全然違うじゃん、ニュアンスが。


ヴィレット界隈

2007-08-09 06:50:37 | パリ右岸
仕事の関係でパリの北東部、郊外への入り口に広がる
広大な文化都市、ヴィレットに行く。
昔の場を再開発したこの公園の中には
巨大なコンサートホール、庭園、芝生のグラウンド、
科学博物館、音楽博物館、ダンスと音楽のコンセルバトワール
そして劇場、とありとあらゆる文化施設が備わっている。
よくこんなの作ったなあ、と思うぐらい広大なのだ。
国が文化予算に物を言わせて作ったとしか思えない。

日本からのお客を連れて行ったのだが、英語で話を
進めてくれるかと思いきや、何も話さないので結局
得意でもないフランス語で僕が通訳をする羽目に。
何度やっても僕は通訳というものに慣れない。
ちっとも上達しない。きっと向いてないのだと思う、性格的に。
勿論、今回のように必要に迫られたらやるけど、しぶしぶ。

夕暮れがきれいだった

2007-08-07 06:03:51 | パリ左岸
今日は事務所内も人も少なく、
仕事の電話も日本語が多く、あまりフランス語を
喋らなかった。フランス語の記事もチラッとしか
読まなかったし。こんな日が続くとフランス語が
退化するんだよねえ、などと気が小さい自分は心配
するのであった。

午前中のひどい雨は昼過ぎにはやみ、曇り空が
ただ広がっていたパリにも街も、夕暮れ時
会社を出る夜9時ごろにはすばらしい夕焼け雲が
広がっていた。久しぶりの夕暮れ。オレンジの
空がずっと西の、デファンス方面まで続いていた。
自然現象の色彩というのはたまにはっとするほど
鮮やかで美しいもんだ。
昔、家族で阿蘇をドライブしたときに車の窓から
見た茜色の広大な空を思い出した。ああいう時間は
もう二度と来ないんだろうな。

買い物三昧

2007-08-05 05:19:42 | パリ左岸
今日は久しぶりに土曜に出勤しないでいいシフトだし、
部屋の掃除も順調に進み、昼寝をしても昏睡状態に
陥らず、午後3時過ぎには目が覚めた。これは絶好の買い物日和だ。
ソルドも今日は最終日だし。ということでアパルトマンを午後4時出発。

ソルドという言葉を聞くだけで、あの大混雑を思い出し
気分が悪くなってしまうのだが、今日は変なアレルギーも
なく、まずはモンパルナスのギャラリーラファイエット
に行ってみる。実はこのラファイエット来るの2年ぶり
ぐらい。内装も全然変わっていてメンズの服売り場が
1階に移っていた。前は地下だったのだが。
レジの前に長蛇の列。一瞬で買い物する気が失せる。
って全然、絶好調じゃないじゃん。

結局フロアを一周しただけで何も買わず(買いそうな
もんもなかったし)、ギャラリーラファイエットを出る。
エスカレーターを降りた先にHABITATがあった。
そういえば2ヶ月前に割ったまま、そのまま放置している
カラフとワイングラスを新しく買わなければ。
HABITATの食器売り場はソルドとは思えないほど、
とんでもない値段の食器が並んでいた。ワイングラス
一個がどうして7ユーロもするんだどうか?カラフも
14ユーロもしてしまったぜ。ただのガラス製品なのに。

そのあとモンパルナスのFNACに。ここも半年ぶりに
来てみるとフロアがガラッと改装して似ても似つかない
ものになっていた。CD売り場が地下に移ってるし。
最近雑誌で評判で、トリュフォーの「ピアニストを撃て」
にも登場する伝説の歌手、Boby LapointeのDVDが
新しく出たらしいので、それを探していたのだがどこにも
おいてなかった。探し方が悪かったのだろうか?