日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

地下鉄に乗って

2012-01-27 22:52:10 | パリ左岸
最近は、残業が多く会社と家の往復するのみの生活なんだが、
今日は珍しく友人に誘われて、13区の中華街に中華料理を
食べに行った。

食事自体を済ませ、地下鉄6号線に乗って一人で座っていると、
隣の小柄な、60がらみのおじさんが話しかけてきた。
「電話?」と僕の携帯を見ながら言う。
「は・・・はい」といきなり話しかけられびっくりして返事すると、
「地下鉄の中は通話が切れるだろう」と繰り返し言う。

そのあと、中国人かと聞かれ、日本人だと答えると、
「ピオニエ、ピオニエ」と何度も言う。
なんのことを言っているのだろうと思って、
適当に流していると、そのうちおじさんは降りて行ってしまった。
あとから、気がついたのだが、オーディオメーカーの
pioneerのことを言いたかったのだと思う。たしかに
フランス語読みするとピオニエだし。


その日のできごと

2012-01-23 22:09:27 | パリ右岸
今日昼飯を同僚と食っていると、なぜか携帯に
昔の同僚のヴァレリーから電話がかかってきた。いい味出している
面白いやつだ。「何の用?」と電話に出ると、「ごめん、
電話番号間違った。他の人にかけたかったの」と言われて電話を
切られた。というか相変わらずおっちょこちょいな感じだ。

夕方スーパーで長い列に並んでいると、レジの女の子と目が合って、
「ムッシュー、この列はあなたで最後でお願いします」と言われてしまった。
大型スーパーでは、複数のレジが開いているが、ある時間になったら
計算のために交代でレジが閉まるのだ。とは言っても普通は
レジの列を閉めるためのバンド状のテープのようなものをある部分に
ぱっとかけるのだが、そのテープに行くまでまだ3人ぐらい並んでいる。
で、結局黙っているとどんどん人が並んでしまうので、
僕の後ろに人が来るたびに、「すんません、このレジもうすぐ
閉まるので、僕が列の最後なんです」といちいち言わされる羽目に。
ということで少なくとも4人ぐらいに断りを入れる。

レジの女の子はニヤニヤ笑って僕の番に来ると(というか僕が
最後尾なんで、もう後ろには誰もいないのだ)、
「フランス語だけ話すの?」と聞かれたので、「英語と日本語」
というと面白がって、知っている日本語の単語を言って見せた。
パリにもこういう好奇心の強い、若い女の子がいるんだなあ。

家に帰ると、昔から師匠と仰いでいる人からメールが来ていた。
東日本大震災で旅立った人への気持がつづられていた。
あまりに良かったのだ、ここに書いておこう。

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この世にあるかぎりは、断乎として、一日一日一刻一刻を、
めでたい歓びのおとずれのときとして迎えることこそ、旅立
った人への礼なのだと、自分にいいきかせました。

ラロシェル(2)

2012-01-21 22:43:13 | フランス
ラ・ロシェルの町は、これが二回目で、昔留学生だったころに
一回観光に来たことがある。あのときは人気のない、暗い街だな、
ぐらいにしか思わなかったのだが、今回行くと実は活気のある街
だといういことを認識した。まあ、以前も駈け足の滞在で、
大して観光もしなかったのだが。
特徴的な建物の前面に張り出したアルカード(同じタイプの
建築をスイスのベルンで見たことがあるが、フランスでは見たことはない)
が幾重にも連なって続くさまはラロシェルならではなんだろう。

以前は気がつかなかった細い通りや歩行者天国、港近くの
レストランが立ち並ぶ通りなど、せっせと観光してみる。


ラ・ロシェル

2012-01-15 00:37:54 | フランス
ということで予定通り、日帰りでラ・ロシェルに行ってみた。
観たい展覧会があったので。展覧会自体を観るのは1時間も
かからないので、十分日帰りできるはずなのだが、
TGVに3時間もゆられて移動しているうちに、
一泊でもしてもっとのんびりしてもよかったかもしれない、
などと後悔の気持ちが広がってきた。まあ、心のなかで
広がっただけで、何もしなかったが。

駅を降りると、いきなり体感温度を下げるような海風が
ピューピュー吹いている。ラ・ロシェルは大西洋に面した
港町で風が強いのだ。港に向かって歩いて行くと
通りには人があふれている。週末というのと、セール時期ということで
カフェも、ブティックも黒山の人だかりができている。

展覧会を観た後、少しそこのギャラリーの人と話してきた。
夏はラ・ロシェルの町は映画祭とロックフェスティバルがあって
それはそれは大賑わいになるらしい。ぜひ、夏に来てください、
と地元愛あふれる笑顔でそう言われた。
そういえばこうして海を眺めるのも数か月ぶりだ。
大阪にいたころは毎日大阪湾を見ていたのになあ。

南西部

2012-01-12 23:22:28 | フランス
知り合いの作家さんが展覧会をしているラ・ロシェルという
南西部の町に土曜に行こうと思っているのだが、
仕事がバタバタしてなかなか旅行の手配が進まない。
本当に行けるんだろうか?

関係ないが、ルサンチマンについてウィキペディアで調べてみた。
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主に強者に対しての、弱い者の憤りや怨恨、憎悪、非難の感情をいう。デンマークの思想家セーレン・キェルケゴールにより確立された哲学上の概念
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フランスに住んでいると、たまにルサンチマンの感情にあふれた
日本人に会うことがある。自分もルサンチマンオーラを
発していないか気をつけよう。

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ルサンチマンを持つ人は非常に受け身で、無力で、フラストレーションを溜めた状態にある。つまり、実際の行動をとるには社会的な制約があり、自身の無力を痛感している人である。そういう状態にあっては誰であっても、ルサンチマンを持つ状態に陥る。
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自分もたしかにたまに自分の無力感をよく感じるのだが、
ルサンチマン的な行動には出ない(はずなんだが)。
まあ、何があっても希望を持って生きよう。

ブリュッセルの駅

2012-01-03 19:09:49 | 海外(フランス、スペイン以外)
短い、駆け足の観光を終え、パリに戻ろうと、あの
治安の悪いミディ駅に戻った自分だったが、北駅行きの
タリスの発車時刻30分前になっても、駅の電光掲示板に
発車のホームが表示されない。

思えば、欧州の鉄道というのは昔は時間に正確じゃないとか
よく遅延するとか、悪い噂をよく聞いていたものだが、
フランスに関して言えば、遅延はたまにあるが、概して正確。
駅のアナウンスもちゃんとしていて、ああ、緻密なダイヤグラム
が守られているんだなあ、という感じだ。
で、フランス以外はほとんど電車で旅行したことないので、
他の国もフランスみたいなもんだろう、と高をくくっていた。

で、全然ホームが表示されない。ちょっと不安になってきた。
ベルギーって、ドイツに近いし、フランスよりも正確なんじゃないか、
という勝手な思い込みもあり、ますます不安に。
ようやく到着時刻15分前ぐらいに電光掲示板にホーム名が表示。

68番ホーム。

しかし、ホームは22番ホームまでしか存在しない。しかも、
タリスの専用ホームというのもあるのだが、それは4番と6番と8番
ホームなのだ。嘘ばっかりじゃねえかよ、と思いながら、しぶしぶ
あてずっぽで4番ホームに行ってみると、ちゃんとホームの
掲示板に5時15分にタリス到着と書かれている。

掲示板をよく見ると、11号車から18号車はA1~A4ゾーン
に停車とある。僕は11号車だったのでA1のゾーンに立っていると、
駅員が来て、「タリスで北駅まで? その場合は時計の向こう側で
待ってくれ」とはるかホームの先のほうを指さす。
滅茶苦茶じゃんか、と思いつつホームの時計の向こうのほうまで、
移動する。僕の近くにいた乗客もみんなゾロゾロ移動。

しかも、タリスは18号車まであるのに、駅員は「時計の向こう」
としか言わないので、いわゆるホームにかかった時計の周りに
乗客がズズなりになって、ホームから落ちんばかり・・・。

タリスが到着したとき、僕がたっていたところは、
乗らなければいけない11号車から案の定遠く、
短い停車時間のうち(タリスはアムステルダムから来たらしい)
ホームをかけずり回らないといけなかったのは言うまでもない。

写真はザ・アールヌーボーみたいな建築。

新年のブリュッセル

2012-01-02 21:08:28 | 海外(フランス、スペイン以外)
と大層なタイトルを書いたが、日帰りで出かけて行っただけである。
家でブラブラしていてもしょうがないし、かといって思い立って
すぐ行けるような場所と言ってもそう簡単にないし・・・と
消去法で考えていったらブリュッセルが最後に残った。
本当はリヨン近郊の郵便夫シュバルの宮殿を見に行こうと思ったのだが
例によって準備不足で残念。

3年ぶりにブリュッセルの街を歩いていたのだが、
目当てのマグリット美術館が閉まっていてがっかり。
(1月1日、2日は休館だった)
仕方なく、街をぶらぶらいく。以前来た時気付かなかった
商店街やパッサージュ、新しいショッピングセンターなどを
通ってみる。パリと比べると、北にあるだけあって
気温が3度ぐらい低い感じで、冷ありえ冷えする。

ブリュッセルはパリと違って、富裕層は郊外もしくは
山の手地区に移り、中心部は貧困層や移民が集まる都市構成に
なっていると聞いているが、相変わらずブリュッセル南駅
(タリスの終着駅)周辺は、昼間から何が起きてもおかしくないような
雰囲気だった。

写真は街角の建物に書かれた壁画。BDの都だけあって
他にもこんな壁画が目に付いた。