日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

肉食動物現る

2006-03-31 06:37:52 | パリ左岸
というか自分のこと。なんでこんな肉食なんだろうか?と思う。
日本のサイトでわが出身地鹿児島(実家は福岡なんだけど)が日本で
黒豚生産一位、という記事が出ていたけど、やっぱ納得。幼少のころから
豚肉たくさん食ってたもんな。って別に鹿児島だけじゃないか。

ということで今日はサンジェルマンデプレにあるentrecoteという
レストランに行ってみた。名前の通り、メニューは牛のリブロースだけ。
混雑したレストランについても、何も言わずにすぐ前菜のサラダが
運ばれる。そしてすぐ焼き方とワインの種類を尋ねられるだけ。

ほどなくリブロースがレストラン独自のソース(レシピは秘密らしい)
に乗って運ばれる。すごくシンプルで迅速なサービス。何も悩む
必要はない。牛肉が食べたければここにくればいいだけ。
もっといいのは肉とフライドポテトのおかわりができること。
ウェイトレスにがんがんポテトを追加される僕だった。

モナコ2日目

2006-03-30 06:41:38 | フランス
といってももうモナコには戻らず、今日はカンヌ方面へ車で抜ける。
カーニュ・シュル・メール、アンティーブ、サン・ジュアンなど
伝説的なコートダジュールの最たるイメージを体現するような
港町を車で走っていく。どの街にも砂浜の海岸があって、海岸通沿いに
ホテルやリゾートマンションが立ち並び、海の幸を出すレストランが
軒を連ねている。

ぼんやりしているうちにカンヌに到着。よく考えると僕は通算6年半
フランスに住んでいるんだけど、カンヌに行くのはこれが初めて!
なんでも初めてはいいもんだ。訳わかんないけど。

有名なカールトンホテルの前をすり抜け、カンヌ映画祭で赤いじゅうたんが
敷き詰められるパレ・デ・コングレの階段を横目に旧市街地に回る。
旧市街地のあまりパッとしないビストロのテラスでランチ。
どんな定食を取ったとしても20ユーロもしないこのビストロで
隣のテーブルで食事をしていたフランス人のカップルは4ユーロも
チップを置いていくのだった(600円ぐらい?)。さすがコートダジュール。

カンヌの旧市街はル・シュケ地区と呼ばれる。クロワゼット通りの
華やかさとは対照的な、地中海風の庶民的な建物が細い路地の両側に
並ぶ静かな街だ。のんきで時間が止まってしまったかのような場所。
僕はこっちのほうがずっと好きだ。
丘を登ってこの地区の高台にある、12世紀に立てられた教会、
ノートルダム・デスペランサを訪れる。教会の中は訪れる人もなく
ひっそりとしている。希望のノートルダム教会なんていい名前かも。
教会の前のベンチに腰を下ろして、しばし下界に目を落とす。
松の木の陰で地中海から気持ちのいい風が吹いてくる。カンヌの
赤いプロバンス屋根の街路がどこまでも連なって見える。海は青いし。
ほんと、こんな幸福があっていいんだろうか?

モナコ1日目

2006-03-28 06:59:53 | フランス
パリから週末を利用してニースにやってきた。
ニースのホテルで鞄を下ろし、レンタカーを借りて
海沿いをドライブ。と、書くとなんか優雅。
でも、シーズンオフで人影もまばらなビーチ、
車も観光客も少なくて、なんかお得な感じなんだよ。

有名な鷲巣の村、エズを回って目のくらむような
断崖の上を走る道路を地中海沿いに走る。海の青さが
視界に飛び込んでくる。本当に青い地中海。
カーブを曲がった途端、いきなり目の前に高層アパートが
所狭しと林立する別世界に到着する。これがモナコ。

猫の額ほどの狭い港には外国船籍の豪華クルーザーが立ち並ぶ。
車を止めて街歩き。ちょっと坂を上るとブランドショップが
軒を並べる通りが広がる。その先にはあの有名なカジノ、
あとアランデュカスのレストランの入ったホテル・ド・パリ。
デュカスのレストラン、相場を見ようと思って店先のメニューを
覗き込んだら、値段が出ていなかった。なんだよ。

モナコをぶらぶら歩いていてこの町と周辺の町とを
圧倒的な相違させているものはなんだろうか、と考えた。
街を走っている車および路上駐車している車はほとんど
ベンツやポルシェなどの高級車。フィアットとかルノーとか全然ない。
あと、レストランがなかなかない。みんなどこで外食しているんだろう?
レストランどころか、バー、ビストロ、タバコ屋、カフェなど
大衆が集うような場所がまったくないのだ。タバコの吸殻なんて
ひとつも落ちていない。モナコ。恐るべし、警察国家。

明日から

2006-03-24 16:14:43 | パリ左岸
今日カルチエラタンのGIBERT JOSEPHに
ガイドブック買いに行ったんだけど、界隈は
思いのほか静かだった。もっと騒々しい雰囲気に
なってると思ってたんだが・・・。

明日からニースに週末旅行してくる。
GUIDE DU ROUTARDとかGUIDE HACHETTEなどを購入。
同僚のバレリーから非常に美しい小さな村を
紹介されるが、どのガイドにも出ていなかった。
ASPREMONTという村なんだけど。

夜10時ごろぶらぶらして帰宅。
シャッターの下りたレストラン、誰も乗っていないバス、
明かりを落とした映画館、濡れた歩道。黙って橋の上に
立って夜景を見ているカップル。なんて思わず文章に
したくなるぐらいわびしい風景を通り過ぎてしまった。

疲れている、をフランス語言うと

2006-03-22 06:40:30 | フランス語
まず最初に学校で習うのは、fatiguéだろうな。
そのほかには、
épuisé
exténué
à plat
とかいろいろあります。最近学んだのが、

lessivé

lessiveというのは洗濯、の意味だけど、洗濯機で
振り回されて、脱水かけられて、後になにも残ってない
カラカラの状態になるほど疲れている、なんてニュアンスか。

ふと思い出したんだが、10代の学生のころ、よく親や
周りの人間から僕は、「スポーツもできないけど、勉強も大してできない」
みたいに言われて、自分への自信をなくしていた。
で、大人になった今どうなったかというと
「恋も仕事も大してできない」人間に
なったみたいで、あまり状況は昔と変わってねえよ。



罪と罰

2006-03-21 07:40:52 | 自分について
先般、オペラ座で勅使河原の「風花」(AIR)を見たと書いたが
知人によると、「風花」と「AIR」は別のものらしい。
よくも調べもせずに早とちりか。

今日は仕事帰りに13区にある小さな劇場にギリシャ悲劇を
見に行った。アンティゴーンってやつ。見ていて集中力がついていかず
かつ背景知識もなかったもんだから、すごい苦痛だった。
そういえば幕が上がる前に、連れからその場にいた日本人のおばさんを
紹介されたんだけど、このおばさん、僕をみるなり、
「あら、演劇されている方?」などとのたまった。
演劇やっている人間に見えたんだろうか?

日曜から人間関係が絶不調。なんかの拍子に親しい人間に
隠し事がばれてしまい、なかば絶交状態に。その連鎖反応で
それに関係する人間とも決別。ああ、大人って秘密をもってこそ
なんぼのもんだと思ってたけど、やっぱこれって罰なんだろうか?

種さんのことば

2006-03-19 16:12:49 | 種ともこ
時間はくり返さない
言えなかったコトバは
もう二度と伝わらない
暗闇でしおれてく

種さんのアルバム「カナリア」の最後を飾る
名曲「伝説」。その中で種さんはコトバを
花に例えて、相手に伝わらなかったコトバは
水を与えられなかった花のように暗闇で「しおれてく」
と歌っている。

土を耕す
種を撒く
芽生える
育つ
つぼみをつける
咲く
咲き誇る
しおれる
しぼむ
枯れる

種さんにとってコトバははかない花のようなもんなんだろうな、
とふと思った。そういえばアルバム「感傷」の中の最後の曲
「花」で彼女はこう歌っている。

花は枯れる 花はしぼんでいく
時の風に吹かれて心を揺らす
でも晴れた午後に咲きそろって微笑んでる


AIR? 空気? 風花?

2006-03-18 16:02:08 | パリ右岸
オペラ座みたいなハイカルチャー(そういえばフランス語じゃなんと言うんだろ
う?単純にhaute culture とかいうのかな? culture cultivéとか?)の
殿堂のような場所というのは妙に照れくさいし、なんだか気取っているし、そこに
集っている輩たちも自分の上品さを売りにする俗物ばっかりでいやな感じ、などと
いろいろ偏見を持っていてできるだけ近づかないようにしていたのだが、ついつい
今日行ってしまった。ポスターと題目を見ていたらチケットを買わずにはいられな
かったから。勅使河原三郎の「風花」(オペラ座でのタイトルは「AIR」)と
キリアンのbella figuraというコンテンポラリーダンス。

それぞれの演目は40分ぐらいで、普通せりふも何もない舞台を40分ずっと
ダンスだけ見ているのは自分の場合、集中力が続かなくて苦痛なんだが・・・
ぜんぜんそんなことない。特に勅使河原の「AIR」。素晴らしい!
なんだか具体的に説明をしてしまうと余韻がぶち壊しになってしまうので
避けるけれど、う・・・ん、朝の散歩に例えれば、朝露をそっと避けながら
春の野辺を一人で歩いている感じ! で、たまに朝露が肘や脛にひんやりと
落ちてくるんだけど、それがまたまた心地の良い冷たさなのだ!なんて
舞台を見ながらぼんやり思ってしまった。

オペラ座は毎年この時期にコンテンポラリーダンスをやっていて、
そういえば一年前もなんかブレヒトか七つの大罪のダンスバージョン
を見にきたような気がする・・・。って、俺、なんやかや言って
来てるんじゃん、ハイカルチャーの殿堂に。

カルチエ・ラタンじゃ

2006-03-17 16:09:57 | パリ左岸
アパートに戻ってテレビをつけると機動隊と小競り合いをする
学生たちと燃え上がる電話ボックスや入り口のガラスを粉々に
破壊された本屋や美容院が映っていた。

ここ数日パリの学生街、カルチエラタンで学生がデモをやっている
のは知っていたが、ここまでひどいのは初めて。
ドビルパン首相が提唱した雇用に関する新法に反対する学生のデモなんだが、
論議は別として、フランスは大学生がデモをやるとすぐに暴徒と化して
物壊すやつらが現れるんだよなあ。いつも。
というか騒動に便乗して、エネルギーの余っている若者がすぐ
加わって物を破壊に走るようだ。留学時代にも学生のデモが
何度もあって授業が中止になったりしたけど、そのときも
最後はなぜか商店破壊とか放火とか、そっちのほうにベクトルが
いっちゃったもんなあ。



ビジネス文書の書き出し

2006-03-14 04:06:09 | フランス語
FAX文書を作成するとき、普通「●●の電話に基いて~」という
決まり文句があるんだけど、仏語だと以下(↓)

Pour faire suite à notre entretien téléphonique du 10 mars 2006.....


という調子で書いていたら、同僚のフランス人から今は
そんな言い方しない。ただ単に、

Suite à notre entretien téléphonique...

だけで十分、と言われた。外国人である僕にはどっちも同じに
思えるけど、前者のほうがやっぱり重たいらしい。
そういえばメトロに乗っていてストで交通が麻痺しています、
ってアナウンスされるときも

Suite aux mouvements sociaux, le traffic est perturbé...

なんてよく言ってるよなあ。



「変なヤツ」をフランス語で言うと・・・

2006-03-08 15:43:25 | フランス語
一体何になるんだろう? と考えてみると、
ヤツは「type」だろうけど、「変な」は
どの形容詞になるのか?
ここに二つの言い回しがある。

un type bizarre
un drôle de type

どちらも日本語に訳すと「変なヤツ」でしかないのだが、前者の
bizarreというのは本当にネガティブな意味しか持たないため、
「(気味悪い)変なヤツ」というニュアンスか。
ちなみに後者は「(面白みのある)変なヤツ」という感じ。
他にもinsoliteなんて単語もあるが、日常会話で使われているの
を聞いたことがない。あと、cingléとかdingue(dingo)とかいう単語もあったけど、
どんどん意味が離れていくから省略。

on peut bien être compétent sans être cinglé
(キチガイなんかにならなくとも有能な人材にはなれる)
とは同僚が言っていた言葉、キチガイみたいに働かなくても・・・。
みたいな文脈だったかも。

三月になるとフランスを旅行したくなる。初めてフランスに来たとき
三月だったから。つーか、卒業旅行のつもりだったんだけどね。
(しかし卒業が延びたから、卒業旅行にはならなかったが)


デスパレイト・ハウスワイブス

2006-03-05 16:52:23 | 読書生活
deparate housewivesというアメリカのTVシリーズ。
同僚がシーズン1のDVDを貸してくれたので、週末にかけて
ボチボチ見ようと思っていたら・・・、はまった。
テレビの前釘付け、5時間。こりゃ麻薬性があるぜ、このシリーズ。
見始めると終わらないのだ。

恋あり、サスペンスあり、犯罪あり、姦淫あり(あ、同じこと列挙してしまった)
日常あり、非日常あり、と精密に計算し尽くされたストーリー展開と
登場人物(4名の魅力的な主婦が主人公)のキャラクターについつい
はまってしまうこと必至かも。

パリを知るには

2006-03-04 07:05:36 | パリ右岸
パリを知ろうとするなら、少なくとも20年はかかるだろう、

il faut compter au moins 20 ans pour découvrir tout Paris,

と言っていたのはノルマンディーの友人。本当にそうだと思う。
もう4年近く住んでいるが出歩くたびに知らない場所や、
知らない歴史に出くわす。最近パリコミューンの本をパラパラと
読んだが、ベルビルやメニルモンタン界隈の話が出てきて、また
違った目でパリの北東地区を眺めるきっかけになった。
そんなパリだが最近の統計では、また市内人口が増えているらしい。
純粋なパリ20区の2004年時人口は214万5000人。
これは1999年と比較して、18800人の人口増。

最も人口増加率の高いのが9区(6,3%増・・・サンラザール駅のある庶民的な区)、
そのあと19区(5,4%・・・スターリングラード、グット・ドールなどもっと庶民的な区)、
18区(3,2%・・・ベルビル、ビュットショーモン公園などやっぱり庶民的な区)と続く。
人口規模では相変らず15区が最大(23万1000人)で、その後に
18区(19万500人)、20区(18万6400人)が続く。
なぜ人口が増えているのかと言うと、①自然増(出生率の伸び)、
②死亡率の低下(住民の若年化)、③社会増(パリからの転出者の減少)
などがその理由らしい。
なんか書いているうちに何が言いたいのか分からなくなってきたぜ。


大人になっても友達でいよう

2006-03-02 07:45:18 | 自分について
写真のジャケットは種さんの名盤「OHAYO」。
この中の一曲に「initialize」という曲があるのだが、その中で
種さんが歌っている次の一節、

♪統計はみんな他人事♪

これこそ、種さんの世界観を端的に表していると思う。そうそう、
最大公約数的な価値観なんてくだらないし、取るに足らない。
なぜって他人事だから。
そういうマイペースな僕にも高校時代からのクサレ縁の親友がいる。
高校の頃はその友人と「大人になっても友達でいよう(もしくは、いたい)」
と思っていて、実際に大人になった今でも友達なのだが、なんか違うんだよなあ。
あの頃考えた「大人になっても友達でいる僕ら」というのは
僕たち背が高くなって、カッコ良くなって、おしゃれなジャケット着て
可愛い奥さんなんか連れて一緒に談笑しているような友達同士・・・
のはずだったんだけど、どう間違ったのか僕ら、いい歳こいて独身、
見た感じもちょっとパットしない中年の友達同士、になってしまったぜい。