日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

何の得にもならないけれど7

2008-02-27 08:25:48 | 自分について
普段の自分の行動を見ていると、空振りが非常に多いうえ、
良かれと思ってやっても徒労に終わることが無茶苦茶多い。
「エネルギーの無駄遣い」とよく言われる。
自分のための行動ですらそうなのに、最近、他人の会社の
仕事までひょんなことでやる羽目に。
山形県の田舎の市町村のグループを受け入れるフランスの
会社の知り合いのフランス人に頼まれて、ボランティアで
メールのやり取りをしたり、フランス語の通訳をやったり。
はっきり言って1円の金にもならないよ、自分の仕事と
関係ねえもん。

といいつつ、なんかやってしまう自分だった。
損得考えてたら仕事になんかならないもんね、と自己暗示。
そんな余裕ないんだがな。

今日はすごい勢いで

2008-02-24 08:48:00 | パリ左岸
今日は仕事ですごい勢いでいろんな人にあった。
若いフランス人から自分と同じ世代のフランス人の
女の子(いつもニコニコしてすごい気持ちがいい)、
イタリア人で日本に60年代に行った思い出を語るおじさん、
オーストラリアのラジオ局に働いている初老のフランス人の
ジャーナリスト、「忙しく働いているねえ」と励まして
くれた日本人のおじいさんなど。数が多すぎて把握しきれない。

イタリア人のおじさんの話を聞いて、この人のように
自由に国境を行き来して、いろんな国やいろんな場所に
友達がいたらどんなにいいんだろう、と思った。

ふと思ったのだが、すぐにフレンドリーになってたくさんの
友達を作れる類の人間がいる。いろんな話題を持っていて
どんな人とでもシンパシーを感じることができる人。
僕は全然そんなタイプではない。もともと友達も少ないし、
自己防衛的だしな。

仕事中にバレリーから電話がかかってきた。「調子はどう?」って。
「何もかもうまくいっているよ。そっちはどう?」と聞くと
「引越しの最中でまったく大変なのよ」との返事。
2つ隣のメトロの駅に引っ越すらしい。そっちのほうに
広いアパートが見つかったらしい。

感情の保存とラジオ

2008-02-21 07:00:26 | パリ右岸
仕事の関係でラジオ局にバレリーや同僚と
行かないといけない羽目に。
主担当のバレリーがこのうえもなく興奮していて
手のつけられない状況に。何時間も前からソワソワしている。
ラジオ局まで僕が運転する車にみんな乗っていたのだが、
後部座席でバレリーが「右に曲がれ」とか「もっと前に
駐車しろ」とか運転もしないくせにうるさくがなるので
最後にはいらいらして怒ってしまった。
いちいち言われなくても知ってるよって。

上司が車の中でバレリーに最近覚えた表現とかと言いながら

J'AI LA PECHE
(直訳すると桃を持っている、という意味)

という表現を披露していた。要するに元気があって、うまくやってる
という意味なのだが。伝統的な仏和辞典には載っていないが、
口語フランス語ではよく出てくる。「サバ?」みたいな感じで
この表現は使われる。

はっと思ったのだが、こうやってバレリーを煙たがったり、
上司の話を聞いて、「今頃そんなこと言ってるのかよ」などと
馬鹿にするような気持ち、って持続はしないんだろうな。
誰かを好きであったり、誰かにそばにいてもらいたい気持ちが
いつの間にか消えてしまうように。

コソボ独立

2008-02-19 08:16:16 | フランス
セルビアのコソボ自治州が独立した。
今日は今朝からテレビはそのニュースで持ちきり。
パリでは在フランスのセルビア人1万人ほどが独立
に反対するデモ行進を行った。
セルビア国内では独立を後押ししたとされる
アメリカ大使館への抗議行動や暴動が後を立たなかったという。

セルビア人の友人に電話をしようとするが通じない。
民族の聖地とされてきたコソボが独立するというのは
どんな気持ちなんだろうか? ユーゴスラビアの解体は
どこまで行くのだろうか? モンテネグロの独立のあと、
コソボまで独立していき、セルビアには何が残るのだろうか?



オリビア・ルイズの「不在」

2008-02-17 18:42:32 | 音楽(種さん以外)
オリビア・ルイズ(olivia ruiz)
という歌手はまだ若いのだが
どこかノスタルジックな歌声で、
ヌーベルシャンソンと言われるジャンルの
曲を歌っているのだが、最近気に入ってよく聞いている。


なかでも一番のお気に入りが「不在」という曲。
"l'absente"
深遠な、本当につかみどころのない彼女の存在を
うまく表している曲なのだ。以下歌詞を記す。
(2コーラス目ですが)

Je vis dans chacun de tes gestes
Je m'évanouis dans chacun de tes mots
Je suis le temps qu'il te reste
Sombre et claire comme l'eau
Une douleur insidieuse
Un soupir inachevé
A ton âme au combien précieuse
Le manque qu'il te faut combler

Je suis l'absente
L'insaisissable
Je suis l'attente
L'insupportable

私はあなたの仕草一つ一つの中に生きる
私はあなたの言葉一つ一つの中に気を失う
私はあなたに残された時間
水のように澄み切っては淀む
知らぬ間に深まる痛み
途中で止まったため息
あなたの大切な魂の中
塞いでしまいたい空虚

私は存在しない
つかみどころのない存在
私は待ち望まれる
耐え難い存在


http://www.deezer.com/

ちなみに上のサイトで検索して聞けます。




13年ぶりの再開

2008-02-15 07:04:37 | フランス
今日はほぼ13年ぶりにフランス人の友人と再会した。
13年ほど前に僕はナントに留学していたのだが、
その頃の知り合いがパリにたまたまきていて、ひょんな
ことで連絡を取って合う羽目に。

年月って残酷だなあ、と思うぐらい老けていた友達。
実はナントにいた頃、今以上にいろいろなことに
激昂することが多く、要するに精神的に安定してない
生活を送っていた僕なのだが、そういう不安定な僕しか
知らない友人は現在のなんだか小さくおさまってしまった
僕を見て、なんか違和感のあるような眼差しで僕を見ていた。
あの頃の僕は嫌なやつだったんだろうな、きっと。

午後事務所に戻りバレリーとああでもない、こうでもない
なんていがみあいながら仕事の打ち合わせをする。
彼女、会議室の黒板に嫌いな同僚の似顔絵を書いて
「これは誰でしょう?ヒント・・・」などと僕に問いただす始末。
そういう陰湿なことやめてほしいんだが・・・。

感情生活の谷間

2008-02-14 08:19:54 | 自分について
最近新しい音楽を聴いたり、DVDを見たりして
いろいろ文化的刺激(のようなもの)も受けては
いるんだが、それをどうこう言語化して他人に聞いて
もらおうという気になれない。大した刺激じゃないって
ことかな。

今週はまだ半ばなのに、二回も会社の同僚からの
飲み会もしくはディナーの誘いがあった。一件目は
日本人の同僚から。こないだ別件であった、パリの
ほかの日系企業の人と一緒に飲みにいかないか、
とのお誘い。もう一件は、昔うちの事務所で働いていた
フランス人の元同僚が家にディナーに誘ってくれたのだ。
見事に、どっちも断った。
つーかどっちもつまらなさそうで。なんか惰性で、
自分の意思とか感情とかどっかにおいて、飲みに行くの
っていやなんだよな。この歳になってもそういうことするの。

若けりゃいいってもんじゃない

2008-02-12 06:18:52 | 自分について
日中はデスクワーク。国際電話かけて電話口で
怒鳴られたり、それなりに大変な一日であった。
外部からの問い合わせ(日本語とフランス語)も
まんべんなくあったし。なんでこんな電話がたくさん
かかってくるんだろう? どっかだれかが僕の電話番号
さらしてるんだろうか? 電話ボックスとかに(嘘)。

夕方ごろ、日本から来た割と同年代ぽいおじさんと話す。
ヒゲもはやしてるし、髪の毛も結構薄いし、てっきり
40代半ばと推察。人生について、いろいろ雑談する。
人生のよき先輩としてちょっとアドバイスもらったり。
話してるとき、横から同僚が
「○○さん(僕の名前)もひげ伸ばしたらどうですか?
似合うんじゃないですか?」などと勝手なことを言う。
すかさずそれを聞いた、どんな言いにくいことも躊躇なく
いうことで有名な上司(女)が、
「○○さん(僕の名前)はだめよ。ヒゲはやして貫禄つける
なんて。あなたは(僕の顔を指差し)、黒い髪、黒い眉毛、
黒い大きな目で(というかそんな大きい目じゃないんだけど)
永遠の青年でいたいんでしょ」
などと勝手なことを言う。というかそんなこと言った覚えはない。

そのあと同僚によると、そのヒゲのおじさん、
1972年生まれ、と僕より4歳も若かったことが発覚。
人生の先輩は俺のほうだよ!と自分に突っ込むのだった。
人間の老化って怖い。


下品な話

2008-02-09 16:37:03 | フランス語
普通のサラリーマン(というか自分もそうだが)の友人の
ブログをちょこと覗いたら、今日は上司に褒められて
嬉しかった、みたいなことが書かれていてぎょっとした。
あいつ、上司に褒められると嬉しいんだ。
自分だったら嬉しくもなんともないんだが、そんなこと。

フランス人の同僚と少し猥褻な話をしていて、
「そんな卑猥な話を・・・」という意味で、
gauloiserie
(いやらしい冗談、の意味。
陽気で好色だったガリア人の性格から来ている単語)
と言ったら、「そんな単語知らない。grivoiserieのこと?」
などと反論された。ちなみにgrivoiserieも大体
そんな意味の単語。でもこの手のタームは無尽蔵にあるなあ。

ダイナミックな仕事

2008-02-07 07:34:02 | フランス語
どうでもいいことなんだけど職場で広告戦略の話をしていたら
すかさずバレリーが大声で言った。

je vais bombarder tous les milieux
(すべての関係者を爆撃するから)

bombarderなんて今ではアフガニスタンのタリバン空爆の
文脈でしか使われないから度肝を抜かれた。
さすがバレリー。というかもうちょっと言葉を慎め。

全然関係ないが、相手を許す、とはどういうこと
なんだろうか、とひょんなことで今日は考えた。
相手のミスを許すこと、相手の不手際を許すこと。
人間性によっては僕は許すこと自体問題外な他人も
いるけど、それを除けば僕は他人のことを許している。
そんだけ他人に無関心ということなんだろうが。



着地する場所

2008-02-05 07:05:46 | 自分について
今日たまたま仕事で日本から来たおじさんを案内
していたら、ひょんなことから自分の留学経験
の話になった。「どこで、何を勉強していたの?」と。
「こっちの大学の社会学部に登録して社会学勉強してたんです」
「なんで社会学勉強してたんですか?」
「いや、なんか、社会学者になろうと思って。
結局なれなかったけど」
そういうとおじさんはニコニコ笑って
本気とも冗談ともつかない口調で
「いや、まだ若いから今からでもなれますよ」と言った。

僕が将来があるぐらい若く見えたのか、
ただ単にあの年代(60歳)のおじさんから
見れば僕の歳なんてまだ若いのか、よく分からないが
なんか印象に残る言葉だった。本当は今からだって
社会学者になりたかったらなれない理由はないのだ。
多分自分が人生を本気で変えたかったら、できないこと
なんてないんだろうな、と今でも思う。

レイモンド・カーバーの小説で風変わりなおじさんに
であった若い女性の話がある。彼女は会う人ごとに
どんなにそのおじさんが変わり者で、どんなに自分が
驚いたのかを一生懸命話そうとするが、
話しても、話しても伝えきれない何かが心に残るのを感じる。
そしてその「伝えきれない何か」
を探すのをいつの間にか忘れてしまうのだ。

着地点を探そうとしない自分に腹が立つ。
しかし、住む国も住む場所も人生も選ぶのは自分なんだ、
という自覚はあるんだが。


パーティーはこりごり

2008-02-04 06:26:33 | パリ右岸
いつもはそんなの自分には関係ないね、とつっぱねる
事務所スタッフの私的なパーティーにこの週末
重い腰を上げて行ってみた。たまには社交もやろうかな、と。

結果。後悔の嵐。二つのパーティーを掛け持ちしたのだが
(そういう自分もどうかと思うが)、最初のフランス人スタッフとの
パーティーは途中から参加者が口論をし始め、気まずい
雰囲気で幕切れ。
もう一つの日本人中心のパーティーは、ありがちだけど
日本的価値観を持った日本人が、会社の愚痴とか
人間関係をだべって終わるという、分かっていたけど
今更ながらその凡庸さに落胆して終わり。しかも最後らへん
また痴話喧嘩が始まり、同じように気まずい雰囲気で終了。
(その喧嘩の原因は僕の言動だったのだが)。

やっぱやりたくもないのに、慣れないことしちゃいけないな。
気の合う友達と話してるほうがずっと楽しいよな。

鴨沢祐仁さんのこと

2008-02-02 08:56:15 | 読書生活
漫画家兼イラストレーター鴨沢祐仁さんの訃報を聞いた。
彼のそのオシャレな絵柄と小気味よい科白にあふれた
世界が大好きだった。もともと種さんの
「みんな愛のせいね」というセカンドアルバムの
カバージャケットのイラストを担当していたこと
から知ったのだが、雑誌「ガロ」にも掲載された
「クシー君の夜の散歩」という作品を
読んで、どこかヨーロッパ風な街角で、ニッカー
ボッカーを履いて、永遠に大人にならないような、
おしゃれな少年を描く鴨沢祐仁さんの漫画に一時期
魅了されたものだ。なんだか一つの時代が終わってしまった
ようでちょっとさびしい。

あんなに一時期流行っていた鴨沢さんも晩年は
ひどい生活を送っていたらしく、アルコール中毒、
鬱病の治療、生活保護給付を受け
仕事もうまくいっていなかったらしい。

星がたくさん瞬いて、オシャレな服を着て、右手に
タバコを吸って愛犬と夜を闊歩していたクシー君も
いつか年をとって人生自体を疎む日が来たんだ、
と思うとかなりセンチメンタルな気持ちになった。