日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

他人の不幸

2006-04-28 06:30:27 | 自分について
最近なんだかやたらと他人の不幸を聞く機会が多い。
というか正確に言うと他人から不幸話を打ち明けられる
ことが多いのだ。で、本当のことを言うとそんな経験から
学んだことはただひとつ。

他人の不幸は自分には理解できない。

もともと自分のこと不幸だと思ったこともないし、
「自分ってこんなに不幸だったんだ」なんて他人に話したことも
ないしな。ってこんなこと書くといろいろ打ち明けてくれた
友人たちに悪いんだが。

いろいろ他人の打ち明け話を聞くたびに、トーベ・ヤンソンの名作、
『ムーミン谷の11月』でミイのお姉さんが言った言葉を
思い出してしまう。

「安心しなさいよ、私たちより悪いものなんてありっこないんだから」

バンセンヌの森界隈

2006-04-26 15:08:39 | パリ右岸
あまりに陽気が良くて、ぽかぽかしていたので
久しぶりにバンセンヌの森に行ってみた。
久しぶり、というか二回目かも。行ったのは。

森の中はカップルやらファミリーで大賑わい。
僕も友人たちとグループで出かけ、芝生の上に
座ってダラダラ雑談などした。友人といっても
初対面のフランス人2人、ブルガリア人1名の
混成グループなんだが。
昔はこういうシチュエーションが非常に苦手で避ける傾向
にあったのだが、最近は大分平気になった。

雑談のあと森の中のパルク・フローラルへ。
70年代に開園したパリ市の大型植物園。
なんと盆栽館があり、丹念に育てられた盆栽が
数十点展示されていて、それを熱心に見守るフランス人
来館者が後を絶たない。
それもそのはず。こっちの「bonsai」熱は相当なもんだもんな。
連れのフランス人の友人が盆栽は本当に
HORTICULTURE(園芸)だと嘆息していた。HORTICULTUREのニュアンスが
よく僕には分からなかったが。

アンリ・ルソーという人

2006-04-22 15:05:16 | フランス
グランパレで大規模なアンリ・ルソーの回顧展が行われている。
回顧展自体にはいかずに(本当は行きたいのだが、時間がとれず)
本屋でカタログなど立ち読みしてみた。

『ビエーブル渓谷の春』(MOMA所蔵)という画が目に留まる。
ビエーブルというのはパリの南郊を流れる小さな川で
ポルト・オルレアンあたりからジャンティ、アルカイユ、アントニー
などの町を緩やかな谷状の地形を作りながら南下している。
近郊の自治体では自然環境を保存しようとして、手付かずの状態のまま
堤防を作らず、動植物の解放区にしたりしているらしい。

ルソーの画の中じゃ時代背景もあって、開発前の手付かずの
自然状態だったころの風景が描かれている。
もっとすごいのは後方に見える鉄道橋(か水道橋?)
これ今も残っていてRERのB線でオルリー空港行くとき窓から
見えるもんな。

5年ぶりにあった人

2006-04-21 06:46:45 | フランス
うちの会社のロンドン支店で働いていた
人に5年ぶりに再開。もううちの会社を退職して
別の会社にいるんだけどね。

あの頃カッコ良かった彼は年齢を重ねて
おなかの少しでた立派な中年のおじさんになっていた。
といってもまだ39歳ぐらいなんだが。
本当、中年ってだめだよな。ちょっと気を抜くと
だらしなさが外面に出て老け込んでしまう。
なんなんだか。
(と心の中で思ったが本人には何も言わず)

ちょっとしたコトバのはしばしで

2006-04-20 07:04:34 | フランス語
フランス人の友達の家に飯を食いに行ったら
ラングドック・ルシヨン地方という言葉が正しく
発音できないと指摘され、何度か練習させられてしまった。

languedoc-roussillon

その後、別の友人と電話で話し、
ジェラシーという単語とトゥールーズという都市名を
正しく発音したら、
「なんで日本人アクセントを隠すのか」などと
心外なことを言われた。って、いいじゃん、正しく話してるんだから。

jalousie toulouse

最近、ニューカレドニアってやっぱ現代の
フランスの植民地に違いない、と思うこと多し。
あっちからもらうフランス語のファクスも微妙に
フランス本土のフランス語と違うし。



フランボワイヤン様式

2006-04-17 17:23:21 | フランス
ペットショップボーイズのベストアルバムを聞いていたら
アルバム未収録の「flamboyant」という曲が
収録されていた。なかなか軽快な曲でいいのだが。
歌詞は以下のような感じ。

You're so flamboyant
the way you look
It gets you so much attention
Your sole employment
is getting more
You want police intervention
You're so flamboyant
the way you live

しかし、待てよ。そもそもフランボワイヤンとは「炎のような」という
一次的な意味のほかに、ゴシック建築後期のフランボワイヤン様式を
指しているのではないか。ペットショップボーイズのアレンジもなかなか
豪華絢爛な世界を目指しているのでは、なんて思わせる仕上がり。
(さっき軽快な歌などと書いたのと矛盾するか)

15世紀に起こったゴシック建築の進化は「フランボワイヤン様式」で
記憶されるだろう。教会の正面、ボールト、には至る所に建築的装飾が見られる。
教会の窓の上部にはしばしば、小さな炎の形をした波型のリブが見られる。
この形からフランボワイヤン様式との呼称の起源となった。
支柱の構成に関しては、すでに柱頭は排除され、ボールトのアーチが
直接柱につながっている。
他の特色としては正面玄関入り口上部に見られるアコラージュが建物全体の
美しさを引き立てている。この様式の建築の好例としてはルーアンの市役所、
ボルドーのサン・エロワ教会 などが挙げられる。
とさささ、と翻訳してみた。やはり建築の訳は難しい。

ポンピドーセンターへ

2006-04-17 04:54:45 | パリ右岸
日曜ということもあってポンピドーセンターに
『ロサンジェルス』展を見に行った。
休日ということもあってひど人ごみ。
まるで日本の美術館のようだった。

センターの最上階にあるスタイリッシュなレストラン、
「シェ・ジョルジュ」。スタルクがデザインしたんだっけ?
よく考えたら、ジョルジュってジョルジュ・ポンピドーの
ことなんだなあ。今まで気がつかなかった。

展覧会は散漫で、現代アートをまとめてみれるということで
は良かったんだけど、あんまりロサンジェルスとの
関連性が自分には感じられなかったなあ。

観光ガイドって

2006-04-15 17:55:33 | フランス
テレビで「世界のホテル」という番組を見ていて
それこそ北アフリカの砂漠の真ん中のオアシスに立地する
豪華ホテル(そんな水を使っていいのか? 周辺の住民の合意は?)とか、
ベルリンの元アーティストが経営する超デザインホテルとか
(そんな劇場のような照明の下で本当に眠れるのか?)
南アフリカ共和国とモザンビークの国境近くにある
自然保護区の中に位置するリゾートホテルとか
(レセプションは自然と一体となってるのが売りだけど
猛獣は侵入してこないのか?)
などといろいろテレビに向かって突っ込みながら、
自分とはまったく関係ないこれらのホテルを番組で見ていたのだが、
ふと気がついたことがある。

ナレーションがことあるたびに「コンデナスト・ガイドで
○○位に選ばれた・・・」などと言って
コンンデナスト・ガイドを持ち出すのだ。
そんなにこのガイドっていいもんなんだろうか?
というか見たことないけど。
ミシュランの高級版ってことか?

恋は理屈じゃない、をフランス語で

2006-04-12 14:48:35 | フランス語
言うとどうなるかというと、今日何かの雑談の中で
同僚のバレリーが言っていた、

L'AMOUR NE S'EXPLIQUE PAS

みたいな文章になるのかなあ。

今日の夜はパストゥールにあるDIX VINS(10のワイン)
という名前の店に夕飯を取りに言った。
音だけで聞くと、DIVIN(神々の、とか、このうえなく素晴らしい、の意)
と同じなので、それとかけてるのかなと思ったが、そのあと
DIX VINGT(10-20)とも同じなので、10時から20時までしか
開いていない店なのかな、とか、あとdivan(ソファーのこと)
にもちょっと発音が似てるので綺麗なソファーがあるのかなあ、
などといろいろ思いを巡らせて店に行ってみたが
どれもあたってなかった。料理はうまかったけど。

火星水路

2006-04-11 15:19:02 | 音楽(種さん以外)
久しぶりに遊佐未森の曲が聞きたくなって
日本から持ってきたアルバム「NIWA」を取り出してみた。

もうかなり前のアルバムなんだが全体の統一性、
曲のバランス、描こうとしている世界がはっきりしていて
全然じゃまにならない、良質のアルバムだと思う。
中でも珠玉の一作、「火星水路」。

火星に水路があると昔の人が思っていて、
でも実際に火星に行ってみたらそこには何もなかった
とかそういう歌なんですが、これがすごくいいのだ。


火星水路が見えるよ見えるよ
尽きせぬロマンきらめいて揺れてる
錯覚なんて無粋な一言
恋は幻 そんなことないと思うよ

図書館とガーデニング

2006-04-10 14:58:32 | パリ左岸
天気もいいし、日曜なので、フランソワ・ミッテラン国立図書館
の近くにあるパリ唯一のガーデニング総合デパート
トリュフォーに行ってみた。パリ唯一と言っても、ちょっと郊外に
行けばトリュフォーはいくらでもあるんだが。

先週も午後5時ぐらいに行ったのだが、お年寄りやニューファミリー
で店内が大混雑していて、店内に入ったとたん人いきれに嫌気がさして
早々と出てきてしまった。ということで今回はちょっと学んで
午後2時ごろいく。まだそう混雑も起こっていない。

あちこちにすさまじいばかりの種類の植物が売られている。
トマトの苗木から、オリーブの木まで。チューリップの花束(5本)
が2.5ユーロ(300円ぐらいか)って安いのか?
あと盆栽コーナーなんかもあった。

そういえば店内に「HAIE」という単語がたくさん書かれた
チラシが置かれていたけど、あれって「生垣」って意味なんだなあ。
勉強になった。


雑談で心救われる

2006-04-08 06:50:39 | パリ左岸
今週はいらいらしちゃって質の悪い一週間だったぜ。
怒りは溜めるとよくないのでほどほどに発散させたり
周りの人間にあたったり、など感情に素直な自分であった。

同僚の男と雑談をしていたら、郵便局の悪口になって
まったくフランスの郵便局は仕事をしないという話題に。
そのうちその男が郵便局は昔、PTTといっていたことを引き合いに。
poste téléphone et télégraphe
「郵便電話電報局」ということなんだけど、裏の意味は
petit travail tranquille
「ちょっとしたなんでもない仕事」
の略であって、なまけものしか働いていない、なんて冗談を
飛ばしていた。

そのうちまたストレスたまって同僚のバレリーに
いろいろこうるさい質問を投げかけていたら、
「そんななんでもかんでも質問するのはやめてよ。
じたばたしてもしょうがない。私たち、みんないつかは死ぬんだから」
なんて哲学的な返事をもらっちまったぜ。

辞書にない言葉

2006-04-06 15:00:48 | フランス語
日常会話に、仏和辞典なんかには出てないコトバがたくさん出てくる。
もちろん砕けた俗語的表現が多いんだけど。こういうのって
結局フランス人の友人に聞かないとわからないんだよねえ。

例えば"pharaonique"なんて単語は辞書には「エジプトのファラオ王朝時代の」
なんて意味しか出てこないけど、こっちの人は
「ものすごい!」なんて意味で使ってるし(若い層だが)。

いわゆる「おかま」という意味の「tarlouze」という単語も
あるが、これなんかそもそも辞書に出ていない(当たり前か)。
と思ってたらイギリスのテレビドラマのフランス語吹き替えの
台詞にこないだ出てきていた。

カッコいい、という意味のbeau comme un camion
なんて、なんでトラックが出てくるんだよ、なんて思うが。

love etc.

2006-04-03 05:01:15 | 読書生活
テレビで『LOVE ETC.』(1996)をやっていた。東京の
渋谷の映画館で観てからもう10年がたったのか。早い・・・。
昔からシャルロット・ゲンズブールは好きでこの映画も
3回ぐらい見に行ったっけ。

ちょっとテレビの番組批評欄を読んでみた。監督、
マリオン・ベルヌーがあまりにもスタイリッシュな
面に走りすぎて、それだけで終わっている。でも、同じテーマを
扱ったトリュフォーの「突然炎のごとく」には遠く及ばない、
など手厳しい。俳優の演技も酷評されていて、
「シャルロット・ゲンズブールはいつものように
退屈しているように見えるし、二人の男優(シャルル・ベルリング、
イバン・アタル)は好き勝手にやっている」
だってさ。

モナコ3日目

2006-04-02 00:40:36 | フランス
南仏三日目は少し趣向を変えて内陸へ車を走らせる。
天気があまり良くなく、灰色の空の下の高速。
20キロも走れば、セーヌマリティーム県(というか
カンヌやニースなど、いわゆるコートダジュールがすっぽり
収まる県)のSOUS PREFECTURE(準県庁)のあるグラースへ。

グラースというのは名前では知っていたけど、実際に訪れるのは
今回が初めて。もう何世紀も前から香水産業(製造のほう)が盛んで
「香水の首都」なんて呼ばれていて、パリで活躍する調香師の
大半がこの町出身だとか、なんかそういう背景知識は漠然とあったんだけど。
ちなみにこの町の香水産業はルネサンス期にフランスに来た
カトリーヌ・メディシスの香りつきの手袋に遡るとのこと。
ってガイドに書いてあった。メディシスはいろんな文化を伝えたんだなあ。

グラースの町は山の斜面にへばりつく様に発達した街で、
どこを歩いても坂道ばかり。丘の途中の駐車場から眼下の景色を眺める。
ちょっと曇っていて視界がさえない。ちょっと要塞都市のようだ。