日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

コンプレックス

2013-10-03 23:38:59 | パリ左岸
今日は仕事の関係で東京からクライアントが来ていたのだが、
その人の話を聞いているうちに落ち込んできたのでちょっと書いてみる。

その人は40台半ばで、まあ僕とあまりかわらない中年男性だ。
話を聞いてみると、どうも僕と同じぐらいの歳で、かつ大学も同じだった。
つまり1990年前後、僕と同じように福岡市内で青春を送っていたことになる。
彼は業界で有名な賞を受賞して、名刺を見ると彼の属する大企業の
ある課の室長をしているのがわかる。有名なプロジェクトを何回も成功させて、ネットとかにも
インタビュー記事が掲載されている。それどころか大学の広報誌にも
成功した先輩、みたいなくくりで記事が出ていた・・・。

そんな話を聞いていると、それと較べて自分はなんてふがいないんだろう、
みたいな劣等感がむくむくとわきあがってきた。珍しいんだが、こんな気持ちは。
同じ、福岡市で同じ大学に出ていたのに、何がこんな明暗を分けてしまったんだろう、
なんて劣等感がムクムクと沸いてきて、午後じゅう気持ちの悪さがつきまとってしまった。


30分といくつか

2013-03-22 23:17:46 | パリ左岸
今日は仕事関係のクレームを電話で受けていた。
クレームというか先週の仕事にかかわった人の反省とでも
いえるものなんだが。

その人は怒っていて、誠実に仕事を遂行しない、仕事の
パートナーを怒っていた。通訳業務だったのだが、仕事仲間が
かなりいい加減な仕事をしていたらしい。

僕は仕事を頼んだ側だったのだが、なんだか自分まで恐縮してきた。
というのも、仕事を誠実に遂行する、なんて普段すっかり忘れて仕事
しているからだ。責任ある仕事のために徹夜で資料読んだり、
分からないことを質問したり、とか久しくしていないのだ。
なんだか自分へのクレームのように聞こえてしまった。

それにしても通訳業務というのは本当に大変だと思う。
翻訳というのは原語をどれだけ理解しているかというよりも、
翻訳された言語の力をどれだけもっているかで決まる、ということを
前良く聴いた。人々が関心する和文仏訳は、どちらかというと
いかにフランス語力が高いのか、というほうが日本語の理解力より
重要なのだと思う。

といいつつ、僕もあまりフランス語が上達していないのだが。

年の瀬の街角

2012-12-23 11:32:08 | パリ左岸
年末でクリスマスも近いのに、フランスは秋のような気候・気温になってしまい、
せっかく買った防寒ジャケットの出番もまったくない様子。
夕方から雨まで降り出し、小雨の中で泣いているような街角。
オレンジの光がぼんやり空気に浮かび上がる。
年末・年始の挨拶、カードもメールも何もやってないなあ。


カクテル

2012-12-19 22:27:24 | パリ左岸
カクテル、といってもレセプションのほう。なんか仕事の関係で先日、
某フランス人ばかりのカクテルパーティーに出かけた。
知らない人と話をするのが苦手で、カクテルなんてまったく苦手なんで
本当に手持ち無沙汰になってしまうのだが、たまたま知っている人を
見つけて、そのフランス人と話した。
彼女はあきらかに会話を楽しむ気がないらしく、あっちこっちを
見ながら僕と会話をするので、しまいにはこっちまでアホらしくなってしまう。
こんなんじゃ家で一人でビール飲んでたほうが楽だよな。

1杯だけ飲んだシャンパンはすごい美味であった。

1年の後

2012-10-13 10:35:03 | パリ左岸
今週は、日本の友人の依頼で、日本から一人でパリに旅行に来ている
女性をレストランに案内する、ということをやっていた。
やはり自分にも経験があるのだが、一人旅で、一人でレストランに
行ってガツガツ料理を食べる、ということは結構厳しい。
レストランに入るのもなんか勇気がいるし、食べ始めても
なんか気のやり場に困るというか、あまりリラックスできない。
そうすると、スーパーでお惣菜なんか買って、ホテルの部屋で
食べる、とかそういうことになっちゃうんんだけどね。
女性は、なじみのクスクス屋を紹介した。東京でも今は食べられる
そうなんだが、やっぱり味がぜんぜん違う。豪快な羊肉。

となんやかんややっているうちに、去年フランスに来てもう
1年も経ってしまった。しかし、もう何年もいるような気がする。

牡蠣の月

2012-09-26 22:10:05 | パリ左岸
東京から出張で来ている同僚と近所のレストランへ。
レストランへ行くのは少しかしこまった感じになるので
あまり好きではない。しかし、メニューを見たり、お店の人と
話したりするのは楽しいと思う。まあ、最近になって
そう感じ始めただけだが。

ということで職場からあまり離れていない魚介のレストランへ。
生牡蠣の盛り合わせ(16個入り)があるではないか。
今年初めての牡蠣、ということで二つ返事で注文を。
食べているうちに、あまりに栄養価が高いからかだんだん
胃がもたれてきた。白ワインと一緒に食べていたのだが。
しかも、養殖の牡蠣なのに、大きさが一定ではない。かなり小さいもの
とか混じっている。天然の牡蠣だったんだろか。

などといろいろ考えながら牡蠣を食べていると、同僚から
「久しぶりに会ったのに、こっちの職場の愚痴とかないん?」
と聞かれる。なんか思ったのだが、頭に何も浮かんでこなかった。
不満ばっかり抱いて働いているのに、こういうときになると
何も言葉に出して言う気がなくなってしまうもんだ。

刊行物センター

2012-04-14 23:45:12 | パリ左岸
来週の金曜の夜から1週間、日本に帰ろうと思って、
休暇届けを出した。今となっては、帰っても帰らなくても
よかったのだが、年末に実家に帰らなかったことや、
あと、親がそんなにもう若くないことなんかを考えると
家族にはできるだけ会えばいいのかなあ、なんて思い
一週間の帰国を決めた。チケットは、もうかなり前に取ってたが
全然実感がわかず、今日ぐらいになってデパートに
スーツケースを買いに行った。

昔から使っていたパタゴニアの巨大なバックパックが
破れたりして使い物にならなくなったため、日本旅行用に
手ごろなバッグを買いにプランタンまで。
プランタンはラファイエットと同じく、中国人観光客で
あふれていたのだが、カバン売り場は上の方の階に(8階だった)
あることもあり、かなり閑散としていた。
僕は売り場でいろいろ迷って時間をかけることが苦手なので
近くにある、適当なものをとってレジに。最近のカバンは
PCをいかに収納するかでデザインを考えるみたいで
そんな風なケースを購入。しかし、僕は旅行に
PCを持っていくことはまずないだろう。

写真はそのあと通った、DOCUMENTATION FRANCAISE
の書店のウィンドー。大統領選関係の本ばかり。

見知らぬ観光客

2012-04-06 23:27:22 | パリ左岸
今日、会社帰りにいつものように会社と自宅と中間地点にある
わりと大型のスーパーマーケットで、野菜やらおかずやら、あとワインなど
を買っていたのだが、ふと、東洋系のおばさんがやってきて、
話しかけられる。

「あの…日本の方ですか?」
「は・・はい」
と答えると、そのおばさんの娘とおぼしき女性もいきなり
近寄ってくる。
「すみませんが、シ―ドルはどこに売ってますか?」との質問。

なるほど。たしかに僕はワイン売り場にいたのだが、このスーパーの
ワイン売り場は結構広くて、赤とかロゼとか白とか
延々と並んでいて、そのあとにラムとかパスティスとか
アペリティフのコーナー。そしてその次にビールの棚。
そのあと、ソフトドリンクに交じってシ―ドルが置かれている棚がある。
シ―ドルはもはやソフトドリンク扱い。
そりゃ、ワインの棚を見てもないよな。

ということで親切にシ―ドルの棚までその観光客とおぼしき
親子を連れて行って商品説明する自分。店員かよ、などと
自分に突っ込みを入れつつ。

Yシャツを買いに

2012-03-05 22:48:25 | パリ左岸
今日は、仕事帰りに職場にきていくYシャツを買いに行った。
サンシュルピス教会近くのあまり、高くないブランドのショップだ。
実は僕は買い物というのは非常に苦手で、できれば全部
通信販売で買いたいと思っているくらいなんだが、着るものも
なくなってきたので、仕方なく。

閉店間際だったので恐る恐る入ると、レジの元気のいい女の子が、
bonsoirと声をかける。仕方なく、ボンソワールともごもごと
返して、きょろきょろしているいと、レジからもっと大声で、
Qu'est ce que je peux faire pour vous? vous cherchez quelque chose?
(御用伺いましょうか?何をお探しですか?)
とものすごい早口でまくしたてられる。いつもは職場の、日本人相手に
気を使ってみんなわりとゆっくりフランス人スタッフは話してくれるので、
ああ、これがナチュラルスピードってやつだよ、と今更ながら実感。
-les chemise, chemise blanche
ととっさに答える。
そうするとものすごいスピードで出てきて、店の奥の方にある
紳士用シャツの売り場まで連れてってくれた。そして、
買ってもそのあとレシートを持ってくれば返品できるんで、
みたいなことまでもまるでマニュアルでもあるかのように
説明してくれた。かなりソツのない女の子である。

ということでなんか世話されて(というか当たり前のことなのだが)
太っ腹になって4枚もシャツを買ってしまった。

モスクのあたり

2012-02-19 19:57:21 | パリ左岸
パリにある唯一(たしか・・・)のモスクの近辺を
散策に出かける。
植物園、昔のパリ7大学の校舎、ムフタール街の三角地帯の
中心に位置するこのモスクの近辺に来たのは、5年ぶりぐらいになる。

来る理由もなかったのだが、なんとなく
そういえばカフェもあったし、気持ちいいのではないか、
とかそのぐらいの軽い気持ちだったのだが。
行ってみると、すごい混雑でカフェの前に行列が
できている。裏に回ると、パティオへの入り口、
そしてその先に礼拝所が広がっていた。


先輩になること

2012-02-17 22:39:34 | パリ左岸
今日は事務所の後輩とともに、外勤というか
フランスの外部の企業を訪問した。なれないフランス語で
一生懸命プレゼンする後輩を横で聞いて、要所要所で
補足のフランス語を入れるようなポジションで話を聞いていた。

なんか思ったんだが、10年近く前、まだ30ちょっとだった
ころの自分は、フランス語もたどたどしくて、必死になって
緊張しながら人前でフランス語を話していたと思う。
もちろん今でも、思うようにフランス語を話せるわけではないが、
歳は取ってしまったし、むしろなんか歳だけとって、立場だけ
どんどん進化して、自分より若い世代を指導するような
ポジションに期せずして立ってしまったような…。
それはそれで嫌なんだが…。

地下鉄に乗って

2012-01-27 22:52:10 | パリ左岸
最近は、残業が多く会社と家の往復するのみの生活なんだが、
今日は珍しく友人に誘われて、13区の中華街に中華料理を
食べに行った。

食事自体を済ませ、地下鉄6号線に乗って一人で座っていると、
隣の小柄な、60がらみのおじさんが話しかけてきた。
「電話?」と僕の携帯を見ながら言う。
「は・・・はい」といきなり話しかけられびっくりして返事すると、
「地下鉄の中は通話が切れるだろう」と繰り返し言う。

そのあと、中国人かと聞かれ、日本人だと答えると、
「ピオニエ、ピオニエ」と何度も言う。
なんのことを言っているのだろうと思って、
適当に流していると、そのうちおじさんは降りて行ってしまった。
あとから、気がついたのだが、オーディオメーカーの
pioneerのことを言いたかったのだと思う。たしかに
フランス語読みするとピオニエだし。


今日という日

2011-12-24 01:24:01 | パリ左岸
今日はクリスマス前の週末、金曜だったのだが
職場のフランス人職員も今朝からクリスマス休暇に入るか、
もしくは午後から休暇に入るか、という状況で
職場もひっそりとしていた。
試しに午後に仕事関係の人に複数にメールしてみたのだが
みんな1月上旬までバカンスまで不在、みたいな
メールが戻ってきたので、なんか働いていることが
馬鹿らしくなるような一日だった。

といっても、今年はいろいろあって結局帰国せず、
ぎりぎりまで職場で働こうと思っているのだが。

12月末のフランスは、家族を持たない身にはなんか
せつなくなるね。

邂逅 retrouvaille

2011-12-09 23:39:16 | パリ左岸
邂逅っつーか、再会かな。
たまたま今週はひょんなことで、昔パリに駐在していたころに
知っていた人がパリに来ていて偶然出くわしたり、もしくは
電話をもらったりして再会する機会が3回もあった。
すべて僕が30代前半のころ出会ったり、お世話になったりした
人たちばかりだ。月日の経つのは恐ろしいくらい早い。

ふと思ったのだが、年齢を重ねるとやっぱり個人の持っている
いやな面とか、特徴的な面が先鋭化する傾向があると思う。
僕の場合も、つい人前で必要以上に謙遜したり、強がったり、
やせ我慢したりする習性があるのだが、そういうのが
年齢とともにひどくなるような気がする。たとえば大変な時、
他人から優しく、「大変じゃない?」と声をかけてもらったとき、
普通に「うん、助けてほしい」と言えばいいのに、ついつい
「全然大丈夫だよ」なんて言ってしまってかわいくないと
よく若いころ言われていたのだが、今になっても変わらないままだ。
変わらないというかひどくなったかも。

突然のハガキ

2011-12-01 22:48:12 | パリ左岸
誕生日が来て、1歳年をとってしまった。とほほ。
かろうじてアラフォーなんだが、そろそろ言えなくなってくるなあ。
と言いつつ、別にぶくぶく太ってもないし、腹も出てないし、
髪も白髪そんなにないし、見た目30代半ばと思っているんだが。

とそれはおいといて、今日仕事をしていたらいきなり日本から
ダイレクトメールが届いた。それはハガキで、ある写真家の
新刊発売の案内だった。ちなみにその写真家の方は今では
メジャーになってしまったが、メジャーになる前に一度
仕事でお世話になったことがあって、何度か写真のネガを借りたり、
事務所にお邪魔して、愚にもつかない話をしたりしていた人だ。

もう10年ほど前のことで、一体どうして僕の職場の住所、
しかもフランス・・・、が分かったのか謎なんだがかなり
懐かしいかも。返事書いてみよう。