日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

予兆? 再発? 郊外より

2006-05-30 15:24:12 | パリ郊外
郊外の不良少年たちと警官とのちょっとした小競り合いなんて
去年の秋の例に限らずパリ郊外ではいつも起こっているらしいのだが、
昨晩から今朝にかけては、少し大きめの衝突が起こったらしい。
100人ほどのマスク(というかあの頭からかぶるやつ)
をつけた青年たちと警官の衝突。

場所は昨年秋にもっとも暴動がひどかったセーヌ・サンドニ県。
モンメルフェイュという街のボスケというシテ。
シテというのは団地というか低所得者向け高層団地が立ち並ぶ街区のことだ。
7名の警官が負傷、6名の青年が逮捕されたらしい。

衝突の発端は夜10時過ぎ。その何時間か前に行われたシテの若者の
逮捕に抗議する形で自動車とポリバケツを燃やしはじめたところに
警官が介入したという。
去年の暴動が発生した街、クリシー・ス・ボワは隣のコミューニュ。




パリは今日もパッとしない天気だ

2006-05-30 05:49:45 | パリ右岸
今日も曇り空でぱっとしない。本当にフランスはどうしたんだろう?
三月のような、少し肌寒い、ぞっとしない気候だ。空も曇りばかり。

週末よく休んだせいで目の下のクマがちょっと消えた。
日本人の顔を「薄い」と「濃い」に分けるならば
僕は「濃い」ほうだ。一緒に働いている上司が典型的な
「薄い」ほうなので・・・、唇が薄く、目が細く、眉も薄く、
まぶたが広く・・・、とそんな感じ。
日本にいるとどうってことはないが、フランスだと結構
周りから見かけで消極的だと思われるらしくソンをしている。
そういう人が近くにいると、「ああ自分はああじゃないなあ」
と日々実感してしまう。って性格悪いか。
九州人でよかったなあ。なんて。

日本語とフランス語

2006-05-27 18:21:51 | フランス語
certaines choses qui s'expriment bien dans une langue
n'ont pas d'équivalent dans l'autre.

ある種の事柄は、ある言語でうまく表現できても
別の言語ではそうはいかない

最近、フランス語の理論性と日本語のニュアンスに重きを置く
言語構造にはさまれてうんうん言っています。
つーかそんな大変なことじゃないけれど。

引用文はジャン・ピエール・ヴァルナーの
「文化のグローバリゼーション」から。






レバノン料理屋と世界の見方

2006-05-25 16:19:19 | パリ右岸
19区のサンマルタン運河近くのレバノン料理屋に
誘われて友人と行く。友人が呼んだフランス人と店で合流。
初対面の人々だったが、変な屈折や飾り気がなくて気持ちの
いい人々であった。
ばんばん自分の考えを(日本的に言えば本音)出してくる。

話を聞いていてちょっと自分を省みて暗い気持ちになった。
みんな三十代前半なんだが、大学でちゃんとした教育を受け
そのFORMATIONにあった仕事を見つけ、いかに情熱を持って
理解のない周囲を説得しながら働いているか、ということを
切々と語っていた。
僕は大学で勉強はしたけれど、今やっていることと全然関係ない。
周りを説得しながらプロジェクトを進めるほど情熱を持って努力もしていない。
苦労も閉塞感も、すべてやりたいことをやっているという事実で
帳消しにされるのだろうな。

他者に自分のことを説明し続けることの重要性は毎日感じる。
フランスではそれにつきるような気がする。
明確な言葉で自分を主張し続けること。
いつか大昔に種ともこが言っていた。
「自分は今世界の見方を勉強している」と。
主体的に世界と関わることが重要だとは分かってる。
でもこんな仕事の仕方じゃ僕は全然世界と主体的に関わっていない。
世界の見方だって、何ひとつ学んでないんだよな。




アルザス2日目

2006-05-22 15:28:36 | フランス
ストラスブールとコルマールの間の景色。
山の向こうはロレーヌの平原が広がっている。
反対側にはライン川が流れていてもうドイツとの国境。

そういえば大学があることで有名なフリブールの町
fribourgはドイツにもスイスにも同じ名前の街がある。
しかもどちらの大学も有名な神学部があるそうだ。
ってドイツのほうが知名度は高いかな。
ああ、アルザス、何しに来たんだろう、などと一瞬脱力して
眠ってしまいそうな陽気。

アルザス1日目(2)

2006-05-21 17:17:31 | フランス
ストラスブールで用を済ませた後、雨の中をコルマールへ。
コルマールってそういえば昔の同僚がドイツ語を専攻していて
しきりにコルマールを旅行したいと言っていたなあ。なぜだろう。

コルマールの駅前のホテルでチェックイン後、うとうと眠る。
惰眠をむさぼる、というのだろうか。古い表現だと。
で夜9時ごろ飯でも食おうか、とコルマールの町に出ると、
誰も道を歩いていない。まだ9時だぜ!

地元料理のレストランに入る。真っ白い、清潔なテーブルクロスの店。
時間が気になったので、ウェイターのおばさんに恐る恐る
「ラストオーダーは何時ですか?」と尋ねる。おばさんはキビキビと
「15分後」と答えた。ってそりゃないぜえ。

注文したシュークルーとはsucculent!
自分のこれまで食べてきたものはなんだったんだろう、
などとマジで考えてしまったぜい。
写真はコルマール駅。夕方でちょっと曇ってますが。

アルザス1日目

2006-05-20 14:36:24 | フランス
仕事の関係でアルザスへ。1日目はストラスブールへ。
あいにくひどい雨。よく考えるとフランス東部に来るのは
これが初めてだ。あんまり縁がないんだよね、東のほうって。
アルザス、ロレーヌ、ボージュ・・・。

例によって行く場所をよく調べなかっため、街中で迷子になる。
「鉄の男広場」という街の中心辺りまでくる。雨足も強くなり、
そこから先に進めなくなる。

隣で一緒に雨宿りをしているおばあさんに「クレベール広場ってどこ?」
と恐る恐る聞く。というか日本でもフランスでも僕は知らない人と
口を利くのは超苦手なのだ。しかしまあ、背に腹は代えられない。
ばあさん、困った顔をして「自分もよく知らないの、ほかのもっと
よくストラスブールを知っている人に聞いてみたほうがいい」
とすまなさそうに答える。
仕方ないので、近所のブティックに飛び込んでレジの店員に尋ねる。
今度はうまくいく。
というか探していた広場は雨宿りの場所から
歩いて2,3分の場所だったんですが。

ブティックから出てくると、おばあさんがまだ僕を待っていた。
「分かった?」「はい」と答える。
すると、おばあさんは
「自分もうれしいわ」JE SUIS CONTENTE POUR VOUS
とニコニコ笑って僕に言った。
親切なんだかよく分からないが、まあ、いっか。

写真はナンシーとストラスブールの間、車窓から見た景色。

ベルギー北海沿いの街

2006-05-18 13:55:00 | 海外(フランス、スペイン以外)
こないだベルギーに行ったとき立ち寄った
ニューポートの町。海岸沿いに別荘と思しきマンションが
立ち並んでいた。マンションはすべて新しく機能的で
あまりチャーミングな感じはしなかったが。
ハイシーズンじゃないこともあって町はひっそりしていた。

ここの海岸は、外海なこともあって潮の満ち引きが果てしない。
干潮と満潮時では海岸線が1キロぐらい移動するらしい。

全然関係ないが、友達のなり方というのは何通りもあって
そのうちのひとつに「不幸を共有することで友人になる」
こともあるのだろう。でもそれって不健康な人間関係だよな、
と今日思った。自分だったら、お互いに慰めあう友人関係は
勘弁してもらいたい。

パリの殺伐

2006-05-17 15:27:27 | パリ左岸
メトロに乗って13区までいく。ほぼ全線高架に
なっている6号線から外の景色を眺める。あまりに
殺風景とした街が広がっていたため思わずシャッターを切る。
駅で言えばnationaleもしくはchevaleretあたり。
周りには70年代の都市開発期に建設された高層住宅ばかり。
なんだか胸の空くような風景だ。

夜になって、久しぶりにニューヨークに住む友達と話す。
ひょんなことで「自分は子供の頃みそっかすで」
みたいなことを彼女が話した。「みそっかす」という
言葉も久しぶりに聞いた。自分はどちらかというと
「びりっかす」だったかなあ、なんて。意味は一緒だろうが。

人見知りしない術

2006-05-16 00:00:58 | 自分について
最近新しく同僚になった30代の日本人の女性と
ちょっと話してみた。彼女は大人らしく、ニコニコ
受け答えしてそつなく会話をする人だった。

僕はといえば、昔から転校が多かったせいで、新しい
環境で新しい人間と話すのがものすごく苦手だ。苦手というか
つらいかも。すぐ警戒心が前に出てしまうし、気後れしてしまう。
この気後れ感も歳をとってかなり薄れてきて、仕事であれば
なんとかこなすことができるようになったんだが。

でもすぐに他人と打ち解けて、会話のキャッチボールを
はじめようとする人間はいまだに僕の敵、みたいなもんだな。
などとふと思った。というか彼女がそうだという訳じゃないが。
ちょっと小気味よい会話の仕方を見ていて、
自分にはこんな真似はできない、でもできない自分でよかった、
などと思ってしまったのだ。

ストレートな人々、ストレートな言葉

2006-05-14 05:57:00 | パリ左岸
今日は週末だというのに会議に出たりして、
しかもその会議の出席者は日本人もフランス人も揃いも揃って
とっちゃん坊やみたいなやつばっかりでものすごく消耗。
でもとっちゃん坊やみたいなやつに限って歳をとると
社会で幅を効かすんだよ。いやだけど。

ほんで、会議が終わったら昨日、軽々しく口が滑って
怒らせてしまった同僚のバレリーと鉢合わせ。本当に
バレリーはストレートな人間だ。僕の顔を見るなり
また険しい顔になり、

あんたにはがっかりさせられた!
Tu m'a déçu!

なんて言われちまったぜ。というか、そういうこと言われる自分って。

アランソンの思い出

2006-05-13 06:03:07 | フランス
思い出つーか、携帯の画像を整理していたら
去年たずねたアランソンの画像が出てきた。
昔の家畜取引所、la halle au bléだ。

昔は家畜がうようよしていた、もしくは小麦が
山積みにされていたであろう、内部は今は
最新のマルチメディア機器を備えた文化センターになっていて
僕が訪ねたときには水彩画の展覧会をやっていたっけ。

アランソンはノルマンディーの南の端、
どんな観光客もいないような、ちょっと見捨てられたような
さびしい町だ。そこがまたいいところなんだけど。

フランス語の構造

2006-05-11 05:54:53 | フランス語
今日は同僚でちょっと日本のことを知っているおじさんとべらべら
喋っていたのだけど、ふとしたことで、
「日本語はフランス語に比べて洗練されている」と言われた。

どういうことかと聞いてみると、結局はフランス語はすぐにyes、 no
を伝える言語だけど、日本語は文章の最後まで行かないと、
肯定なんだか、否定なんだか分からない。そういうニュアンスを伝える
素地があるところがフランス語よりきっと粗野でないんだろう、
とおじさん、言ってました。それが本当だかどうかはさておき、
こっちに住んでいてたまに組織外の日本人と話すと、
「君、イエスかノーか、結論だけ早く言ってくれ。
そうじゃなきゃ、時間の無駄だから」と言いたくなる様な
人に出くわすことがよくある。今考えると本人の性格もあるけど、
日本語の構造のせいもあるんだな、きっと。

アンリ・ルソーという人(2)

2006-05-08 18:20:11 | フランス
なんやかや言ってアンリ・ルソー展に行ってしまった。
入り口で「26歳以下ですか?」などとチケット売りの姉ちゃんに言われ、
(アジア人ってそんな年齢不詳なのか?)などと思いながら入場料を
払う。10ユーロ、高い。

ほとんどの作品はカタログで見て知っていたのだが、やっぱり
実物を目の前にすると全然違う。『カルナバルの夜』の神秘さ、
『アンリ4世河岸からのサンルイ島』の静かな日常性。
いろいろ思ったんだが、やっぱアンリルソーの画って「静謐」という
言葉がよく似合うと思う。ちょっとフェルメールみたいだが。

展覧会場には昔のパリの様子を手に取るように分かる仕掛けがあちこちに
あり、たとえばアジェの写真が展示されたり、古い絵葉書、
ルソーが生きていた頃の時代背景を説明するような新聞
(LE PETIT JOURNAL)、万博の資料、など非常に力の入った
エクスポだった。

ジャングルの部屋。アンリルソーが描いた一連のジャングルの画。
これはすごい。というかアンリルソーは外国に行ったことがなく、
すべてパリの自然植物園の中にある動物園の動物と百科事典から
想像してこれらの画を描いたらしいんだけれど。恐ろしい想像力。
生き生きとした、ちょっと獰猛な熱帯世界が画の中で展開される。
お腹をすかせたライオンがこちらにまで飛び込んできそうだ。