日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

ちょっと心に残る言葉

2014-10-19 11:53:19 | フランス語
ベルギーのゲントから戻って、仕事が忙しくなり、また
その合間にナントに展覧会なんかを見に行っていた。

お酒は相変わらず飲んでいない。どうしてもっていうときだけ
週に一回ぐらいの頻度でちょっと飲むぐらい。おかげで
味覚が戻ってきたようだ。それから読書の時間も。

ということで今週はフランスの雑誌を読んでいたのだが、ある
イスラエルの女性作家のインタビューで以下のような言葉があった。

En fait, j'étais consciente,dès mon plus jeune age,
de pouvoir tout perdre en quelques secondes.
L'anxiété venait de là, du sentiment de
la fragilité de l'existence

実際に、子供のころからずっと、一瞬のうちにすべてが消えてしまうって
知っていた。不安な気持ちはすべてそこから来ていたの、
存在のはかなさの感覚から。

読んでいるうちにホロッとしてしまった。誰もが子供のころに感じる感覚。
大人になってからもっつきまとう、居心地の悪さ。



フランス語の妙

2012-10-26 21:33:51 | フランス語
最近仕事の関係で、ディスプレイデザイナーと話すことが多い。
展覧会のコンセプトを考えたり、作品を集めたり
するのに尽力するのはキュレーターというが、ディスプレイ
デザイナーもしくはセノグラファーとはその作品を展覧会場に
置いたときにどのような照明にするか、どのような配置にすれば
作品が一番輝くか、どのような壁の色にするか、などを考える
展示空間を作っていくクリエーターだ。

日本の場合は、セノグラファーの仕事があまり認知されていないため
キュレーターがなんでもかんでも展示を創って行くが、
こっちはキュレーターとセノグラファーの分業が明らかになっている。
逆に素材やコンセプトを伝えれば、あとは展示空間は
セノグラファーが構成してくれるのだ。

もちろんセノグラファーはフランス人。で図面を見ながら
フランス語で話すのだが、これが結構難しい。
単純に上とか下とか、言うだけならいいのだが、微妙なニュアンスや
位置関係をフランス語言うと結構お手上げ。そういえば
そういう文脈って、日本語でもあれとこれとそれと・・・、
とかいってあいまいに逃げていたもんな。フランス語は明晰な
言語なんでなおさら難しい。


創作すること

2012-09-30 10:43:58 | フランス語
週刊誌で、某映画監督の記事を読んでいたらこんなことが
書かれてあった。

creer, c'est rassembler les choses essentielles de la vie

創る、とは人生の本質的なものを集めあげる行為のことだ。

まったくそうだと思う。といいつつ、
自分は仕事でもそれ以外でも、何かを創ろうとするとき、
いい加減になってありていのもので楽してすませてしまう
傾向が最近多いのだが・・・。しばし反省。

鴨のローストの焼き方

2012-09-22 09:28:02 | フランス語
なんか、スペインの旅行をたらたら書いていいたら、もう
9月も下旬になってしまった。はや。

とそれはいいのだが、自分はレストランでステーキを食べるとき、
いつも焼き方はレア、フランス語で言うsaignantを頼んでいる。
そのほうが肉が柔らかいし、ジューシーだし、食べやすいからだ。
saignantの前にbleu、というほとんど火を通さない焼き方もあるようだが、
それは頼んだことがない。

で、昨晩、レストランに行って鴨のソテーを頼んで、焼き方を
聞かれたので、いつものように
"saignant"
というと、店の人に「はあ?」みたいな顔をされ
笑われてしまった。

一緒にいたフランス人に聞くと、レアはレアでも、鴨肉と
あと子牛なんかは、レアをsaignantとはいわず、rose(ロゼ)
というらしい。まあ確かに視覚的にはこっちのほうがあってるが。
今まで、ずっとsaignantといい続けていたが間違いだったのか・・・。

アクセント

2012-05-23 22:30:26 | フランス語
今日、健康診断を受けに職場近くのクリニックに行ったのだが、
普通のフランス人向けのクリニックで、それこそ、まったく
普通のフランス人の医師に対面。
診察中に、
「フランスに来てどのくらいになる?」と聞かれる。
正直に半年前に来た、と言ってもよかったのだが、
それじゃなんか変なんで、
「実はフランスと日本をよく行ったり来たりしてるんです」
と答える。そうすると、
「だからフランス語できるんだね。ほとんど外国人アクセントがない」
と誉められた。
しかし、だ。ほとんどないということは、やっぱりアクセントが
あるということに他ならないのでは、などと思っていたら…。


案の定、支払いのとき受付のおばちゃんが、
「あなたにはちゃんと説明するように、とドクターから
言われたから」などと言われ、やっぱ、先生も外国人だから
理解力が低いと思ってんじゃん、などと心の中で
思った自分だったのだ。

とっさのフランス語

2011-12-25 21:01:06 | フランス語
今日夕方あたり、界隈を散歩していたら、いきなりおばあさんから
「ムッシュー、シルブプレ」などと声をかけられた。
こんな見知らぬ人に声かけられるなんて予想していなかったので
驚いて振り向くと、「オトゥイユ教会はどこ?」なんて質問。
「あっちのほう」とドキドキしながら答えると、
「あっちって言っても、もっと詳しく教えて」と厚かましいこと
このうえない。

たぶん、心の準備があればもっと丁寧に教えられたんだろうが、
なんか不意打ちで、かつあまり定かではない場所(教会自体は
知っているのだが、正確な場所までは把握していなかった)だったので
「そんな遠くないよ、ここから」などとお茶を濁して去ってしまったぜ。


写真は散歩中に通りかかった駅。

フランス語個人レッスン2回目

2011-09-09 14:21:43 | フランス語
東京出張から戻ってきた後、凝りもせずにまた
フランス語の個人授業に行ってきた。これまで勝手に
自分は喋れると思ってフランス語を喋ってみたが、
やはりネイティブのフランス人の先生の前で、授業として
話すといろいろ直されることが多く、結構ひどいフランス語を
喋っていたんだなあ、と顔から火が出るような感じ。

たとえば「あなたは静かでいられる」とかいう意味で

VOUS POUVEZ ETRE DANS LE CALME

と言ったら、

VOUS POUVEZ ETRE AU CALME

になおされた。あとお酢のことを女性名詞かと思って
思わずLA VINAIGREと言ったら、男性名詞で、LE VINAIGREだった。
とかそんな感じ。語学って上達しないもんだな。

お国根性

2011-04-24 14:43:46 | フランス語
ファニー・アルダンの朗読するマルグリット・デユラス原作の
「死の病」をアマゾンで購入。実はアルダンの同名の一人芝居も
見に行ったことがあるのだが、改めて朗読で聞くとすばらしい。

あなたは彼女に見覚えがないはずだ。
でも同時に彼女をあちこちで見かけているはず。
ホテルで、通りで、電車で、バーで、本の中、
映画の中、あなた自身の中、あなたの中、あんたの中に、、、

という冒頭で始まるこの話は、一人の孤独な男が
町で見つけた売春婦を、期限付きで、夜の間だけ買う筋が展開される。
夜の部屋と、そこから見える孤独と同じくらい深い暗い海とが
絶望的な二人の会話の間に挿入される。
これぞフランス文学の醍醐味、という感じですばらしいのだ。

とそれはさておき、電車の中でピーター・バークの本を読んでいたら
「お国根性」(esprit de clocher)という単語が出てきた。
直訳すると、「教会の鐘の精神」ということになる。フランスの
小さな村には必ずコミュニティのシンボルである教会とその教会の鐘が
存在しているが、象徴的なその鐘をいつも思っている精神、
転じてある場所や、ある人間関係にばかり執着するような性質のことを
指すようになったという。だからお国根性なんだが。、

奇跡の小路

2011-03-08 22:19:01 | フランス語
奇跡小路
cour des miracles

ブローデルの本を読んでいたら出てきた表現だ。
中世の大都会で、物乞いや盲人、ホームレス、売春婦などが
たむろした界隈のこと。なぜ、奇跡なのかというと
盲人も、物乞いも、日中は不具を装い、道行く人の
憐れみを買い、施しを受け、夜になってこの界隈に戻ってくると、
まるで奇跡のように普通の状態に治ってしまうことから。

WIKIPEDIAによるとパリだけで12か所ほどあり
RUE DU BACや、あと二区のRUE DU CAIRE
なども奇跡小路として有名だったらしい。
フランス語らしい、なんかウィットにとんだ言い方だ。
現実はグロテスクだったのかもしれないが。

ゆっくり召し上がれ

2009-08-26 06:59:07 | フランス語
ジョナサンでかなり遅い時間に一人で夕飯を取っていたのだが、
結構暇だったので大学院の友達(スペイン在住経験あり)に
「今、ジョナサンで夕飯タイムです」と携帯メールを送ったら

BUEN PROVECHO!

という返事が送られてきた。フランス語のBON APPETIT
みたいな意味かな、と思ったら後で辞書で見たら
「ゆっくり召し上がれ」という意味だったのでフランス語とちょっと違うかも。
BON APPETITは「おいしく召し上がれ」みたいなニュアンスだもんな。

金曜の夜から、九州に戻るのだがまだ何も準備をしていない。
今日の夜も人に本を返しに行ったりしないといけないので
木曜の夜に集中してやるしかないな。

向上心とフランス語

2009-02-11 23:12:42 | フランス語
実は仕事の関係で、二週間後にプレゼンをしないといけないのだが
その一連の資料(候補)のなかにフランス語の新聞記事の山があった。
いくつかピックアップして配布資料にしようと思っていたのだが、
ハタと気がつく。
そのままじゃ使えないから、翻訳しなければ。
最初翻訳業者に出そうと思っていたのだが、やれ予算の制約とか
あと出しても結局はまた自分でチェックしないといけないことなど考えると
いろいろ面倒なことが多い。そこで発想を変える。
そうだ、自分で翻訳すればいいんだ!
1日2本翻訳すれば、5日で10本になるぜ!
と思って今日、ためしに2本翻訳してみた。集中してやったのに
2時間もかかってしまった。本当に10本翻訳できるんだろうか?
そういえば、大学院から4月上旬にフランス語のテストをやるという通知が
来てたっけ。自分の勉強も兼ねてやろうかな。

地名の不思議

2008-12-28 11:11:12 | フランス語
スペイン語の時間に、いきなり出てきたフランスの都市名。

Burdeos

一体、どこのことだろうと思ったら、ボルドー(Bordeaux)の
ことだった。全然違うやんけ!
ボルドーはフランスの西南にある、とかそういう簡単な
例文の中に出てきたんだけど・・・。

地名というのは不思議で、各国(というか各言語)がいかに
世界を見ているのかが垣間見れる要素かもしれない。
アーヘンの和約で有名なドイツのアーヘンの街なんて
フランス語だとaix la chapelle(エクス・ラ・シャペル)
だもんね。知らないと全然見当がつかない。
グローバリゼーションの時代だからこそ、バラバラの言語、
バラバラの地名が残ってたらいいなあ。

今日から福岡帰省します。




こだわりなんて何もない

2008-06-12 06:52:14 | フランス語
事務所の廊下を夜半に歩いていたら、夜警の
警備員と出くわした。顔見知りの、僕より少し
年上ぐらいの警備員だ。病気で休んでいた時期があり、
少し赤ら顔のスキンヘッドのやつだ。

「日本に戻るんだって?」とやつはいった。
「そうそう、仕方ないよ。もう長いことフランスにいたから」
「ああ、そう」と彼は言った。「自分もいつまでここで
働くか分からないけど。別にここにずっといたいわけじゃないし」
と警備員はぶつぶつ話し出した。
「行くんだったら、北イタリアに行きたい。知り合いが
北イタリアに移住したんだ」

そして彼は言った。

je peux partir du jour au lendemain.
il y a rien qui me retient ici.

(いつだってすぐにでも旅立てる。
ここには俺を引き止めるものなんて何もない。)

なんか映画みたいなセリフだよなあ、と思った。
いずれにせよ、何もこだわるものもない態度は潔い。
真に大事なものというのはそんなにないもんだ、と思う。

何も飲むものがない

2008-06-06 06:15:43 | フランス語
よくカクテルの案内に次のような文言を書く。

à la fin de la conférence,
nous nous retrouverons autour d'un verre.

(会議のあと、一杯のグラスを囲みましょう)

なんて表現なんだが、まあグラスをそれぞれ傾けて
談笑しましょう、みたいなニュアンスだ。

で、顧客用に行うカクテルの話をしていたのだが、
予算がなくて、どうするか、うんうんうなりながら
同僚のバレリーと打ち合わせをしていた。すると彼女、

nous ne pouvons nous retrourver autour de rien!
(何もなかったら、何も囲めないじゃん!)

などと言い放ってどっか行ってしまった。
やっぱりお金のこととか、細かいこととか考えるの
苦手なんだよ、あいつは。





表現の違い

2008-04-29 14:42:35 | フランス語
あまりに車に乗らないもんで、バッテリーが上がってしまった。
ただでさえ古い、かなりオンボロな車なのにウンともスンとも
言わない。同僚に手伝ってもらって、同僚の車からバッテリー
もらおうとしたら、同僚もそういうことやったことがなかったらしく、
接続法が分からない。しかもパーキングで手元も暗いので
事務所のメンテナンスのおじさんを呼んだら、二人でやってきた。
でその二人は接続の方法は分かるが、今度はボルトの場所が分からない
らしく、車自体変更。今度は警備員を呼んで、彼の車を借りる。
などとやっているうちに、大事になってきた。5分で終わるはずだったのにね。

しかもバッテリー入れてもらった後、「1時間ぐらい
ドライブしたほうがいい、そうしないとまたすぐバッテリーが上がる」
との同僚のアドバイスに基づき、車に乗って街に出る。
14区、15区。16区を通ってブーローニュの森を
すり抜けようとするといきなり雨が降ってきて前が見えない。
パッとしない、ノロノロ動くワイパーの向こうに
見えたのは傘を差した街娼・・・。雨も降って、結構肌寒い
気候だったのに、かなり薄着してました、彼女たち。

とそういうことが書きたかったんじゃなくて、雑誌を
読んでいたら、ロレーヌ地方ではje te le dis(言っとくよ、
みたいなニュアンス)という代わりにje te dis quoi
という言い回しを使うらしい。表現にも地方差があるんだな。
九州でしか使われない言い回し「穴をほがす」とか
「きばしが入っている(賢いこと)」とかそんな感じか。