日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

ここだけの話

2005-03-30 06:39:38 | 自分について
今晩は職場の同僚と中華料理のレストランで
ラーメンなど食っていた。何かの拍子に
学生時代の話になって、そういえば
小学生の頃、席替えなんかのとき
大騒ぎだったよなあ、なんて会話に。

どのクラスにも同性に嫌われるやつがいたり、
同性には嫌われるけど異性にはえらく人気のあるやつ、
同性にも異性にも嫌われるやつなんていて、
席替えの度にそういうやつの隣になりたくないとか、
なりたい、とか大騒ぎしてたよな、なんて。

で、思ったんだが、自分はどういう子供だったろうか?
同性にも人気はなかったが、異性にももちろん人気は
なかった。でも仲間はずれになるほど嫌われ者でも
なかったよなあ。昔はあんまり個性も強くなかったし。

今でも年上でも年下でもいいが、人間的に魅力の
ある人間を見ると、いいなあ、などと思う。
なにか人間としての引力みたいなもんが出ている人だ。
僕はもう36なんで、俗に「自分の顔に自信を持つ」
歳になっているはず。これまでどんな人生を生きてきたか
が顔に表れるような年齢・・・なのかも。
しかし・・・自分には何も人生の年輪も現れていない
ように思う。36にもあまり見えないし。
別に人間としての魅力もないしね。
なんて投げやりになったりして。

ダメなときはダメ

2005-03-28 20:37:30 | 種ともこ
冬の間、日本の友人が送ってくれた大貫妙子とか
をよく聞いていたのだが、今日久しぶりに種さんの
アルバム「OUT]を聞いてみた。これがよい!

一番いいのは、『ダメなときはダメ』という曲。
要は彼氏の浮気の現場を押さえるために彼のアパートまで
行くという不愉快なシチュエーションの歌なのだが、
件の彼氏が女の子と一緒にいるところを見て、次の一節。

「ミッキーマウス! なんか着てるやつに
あいつを盗られるなんて」

彼女はミッキーマウスのパジャマを着ていたらしい。
いやあ、種節が聞いているなあ。僕もミッキーマウスには
そこはかとない嫌悪感を催してしまうのだ。
昔、英会話教室に通っていたとき、生徒の中に
手芸とかが好きな専業主婦がいて、よくミッキーマウス
のプリントの手提げなんかを作ってきて周りのものに
見せびらかしてたっけ。気狂ってるのかよ、と
内心思ったが。

曲の最後はこんな締め。

空には月が浮かんでた
なんかこのまま一人で歩いていたかったの


ガーリック~マルセイユなど

2005-03-26 08:09:48 | パリ左岸
帰りがけに、ガーリックというかにんにくを
スーパーで買い求める。結構たくさん並べられていたので
つい手にとってカゴに入れてしまう。

去年の夏、友達とマルセイユに旅行したんだが、
マルセイユの旧港すぐ近くの街角に、
ガーリックのみを売っているスタンドが
通りに立ち並んでいた。そのいでたちがまた
すごいのだ。スタンドも隠れんばかりに
ガーリックが埋め尽くされている。スタンド自体
にんにくの真っ白さで埋め尽くされているのだ。

それ以外にもマルセイユは、アラブ人街とか、
アラブ人がたむろしてみんなでサッカーを 
見ているカフェなんかあって(入らなかったけど)
面白かったなあ。

翌日、僕は友人と近郊のスノッブな港町、カシスに
日帰りで出かけたっけ。

今でも、夕暮れ近く、旧港の客船やヨットの帆柱の
並ぶ景色をぼんやり見上げながら、ブイヤベースを
食べたレストランの情景を思い出す。去年の夏は
楽しかったなあ。


会話の途中で宙を見たりして

2005-03-24 07:36:27 | パリ右岸
東京から出張者が来ているせいで、
ガラにもなく接待など。三日連続。
サンジェルマンデプレ界隈の日本料理屋
などに赴く。

接待が好きな人などこの世に存在しないと
思うが僕にとっては拷問に等しい。
まあ、もともと気があって、とか趣味が一緒で
とかそういう共通の前提なんてない相手と
食事をするわけだから、面白い訳ないんだけど。

しかも相手がちっぽけなプライド振り回している
日本のサラリーマンの典型みたいなやつだと、
「ああ、こんなやつが自分の敵なんだなあ」
などと心の中で思ったりして。

それにしてもどうして日本からくるサラリーマン
って、二言目には「すいません、すいません」
って謝るんだろうか。謝ることが礼儀正しいとか
美徳だとか思っているんだろうか。
本音を欠いた言語は社会の撹乱要因だよ、なんて
相手の会話を聞くふりして、宙を眺めたりして。

アラブ世界研究所に行く

2005-03-23 07:38:48 | パリ左岸
平日なのに、なんだかやる気がでず、
5区のアラブ世界研究所にぶらっと
行ってしまった。

ファラオ展をやっていたので前から
ちょっと覗きたいと思っていたのだ。
会場に入った途端、ひどい熱気。
開幕からもう半年も経過するのに、
立つ場所を探すのも大変なくらいの混雑。
もともと展示スペースが広くないせいも
あるのだが、ゆっくり落ち着いて作品を見る
気にもなれない。

階を移動して、まったく人気のない
常設展示へ。昔の手書き原稿や、
タピスリーやどこかの国から出土した
割れた皿などをぼんやり眺める。

建物の踊り場部分からエッフェル塔や
対岸のパリの街並みが見えた。
曇り空の向こうのほうに春めいた空気が。

地震発生

2005-03-21 05:22:15 | 福岡
明け方四時ぐらいに国際電話で起こされる僕。
日本の友達から「福岡で地震だよ」と。
寝ぼけながらインターネットで調べると
確かに僕の実家のある北部九州地方で
大型の地震が起こったらしい。

慌てて久留米の両親に電話をする。
通じない。電話線が混雑しているらしい。
仕方なく沖縄の姉の家に電話する。
姉は地震のことも知らなかったらしく
「あ、そうなの?」などとのんきな返事。

何分か後に電話は通じて
実家は別に大丈夫だったとの電話。
まあ、福岡市からも離れてるしね。

フランスの八時のニュースを見ていたら福岡の
地震がこっちでも流れた。でも
映像に映っていたビルがどうしても
どこのものか思い出せず他人事のように
思ってしまう自分だったのだ。


再会するということ

2005-03-19 06:41:26 | パリ左岸
やっぱ歳を取れば取るほど、
「再会」するという行為が増えていく
のだなあ、などと今日は実感。
人生が長くなって、過去がどんどん
長くなっていくのだから、ある時期に
知っていた人間にインターバルを置いて
会うなんて、だんだん珍しくもなくなっていく
のだなあ。

というのも、自分が10年ほど前
フランス西部の田舎で留学していたときの
友人のフランス人(男)にばったり会ってしまった。

さすが、36歳(僕と同じ歳だ)
耳のところに白髪が出ていたり、少し丸くなったり
と若干変わっていたけど、大勢は大きく変わらず。
思いもよらぬ再会に一瞬驚いたが、
ちゃんと名前が出てきた。我ながら自分の記憶力に感心。

もう3年前からパリのビュット・ショーモンあたりに
住んでいるらしい。今度遊びに行くと約束して別れた。
僕はあまり物事に大して驚いたりしないのだが、
残酷とか、悲惨とか、悲劇とか、恍惚とか、
平気なほうなのだが、なぜか思いも寄らない
今日の再会には驚いてしまった。

ガス抜き

2005-03-18 06:51:26 | パリ左岸
ガス会社が工事を行なっていたらしく、
この前の金曜の夜帰ってきたら
いきなりアパートのガスが止められていた。
ドアの前には手紙が置かれていて、
ガスを再び使うためにはアパートの管理人の
立会いのもと、建物の廊下かどっかにある
外側のガスの元栓を開けないといけないとのこと。

金曜の夜はもう遅かったので、
土曜に管理人のポルトガル人のおばさんに
頼もうと思っていたのだが、寝坊して土曜は
朝11時に起床。
土曜の正午から日曜の夜までは管理人は
勤務時間外なので、モノを頼んではいけない
ことになっている。訪ねることすらできない。


で週が明けたのだが、朝は会社に遅刻寸前に
起きて行くので管理人のところに行く余裕はなし。
夜は夜で残業して10時ぐらいに戻っていたので
管理人を訪ねるには遅すぎる。
9時半以降にも訪ねたらいけないことになっている。
って何のための管理人なんだよ(泣)。

などとだらだらした生活を繰り返し
(もともと電気プレートもあるので、
ガスが使えなくてもあまり切羽詰っていなかった)
ようやく今日の夜、
管理人家を訪ねることができた。
といいつつ、おばさんはおらず、夫の
やはりポルトガル人のおじさんだけ。
おじさんは、「妻の仕事だから自分にゃ
全然関係ない」などという態度はとらず、
妻の携帯に電話をかけながらガスの元栓
明けてくれた。親切な人ですばい。


境界を越えて

2005-03-16 06:53:36 | パリ左岸
もうすぐ事務所をやめる同僚がいる。
彼女は日本人だけれど、多分フランス人の
彼氏がいるから彼と一緒にフランスに残る
んじゃないかなあ、仕事をやめても。
そんな話を同僚のヴァレリーとする。
彼女にとっては日本人がフランスに残る
ことは突拍子もないことらしく、
「それは大決断だ」なんて言ったりしている。

今日は彼女の手がすいていたらしく、
いろんな話をする。アメリカ人の友達の
話とか。あとジョスパン内閣のときの
教育相の話とか。彼女はウッディ・アレンの
映画は好きだけれど、『ブリジット・ジョーンズの日記』は
我慢できないらしい。僕は後者のほうが
好きだけれど。

僕は昔の、思春期の頃の自分を思い出す。
学校に適応できなくて、いつも不満そうな
顔をしている嫌なやつだったな。
今も職場や社会には全然適応してないが、
「適応なんてどうでもいいじゃん」みたいな
雰囲気が社会に漂っているので、なんか
リラックスできるのが救いかも。

残業三昧

2005-03-15 06:28:58 | パリ左岸
最近仕事が忙しく休日出勤しても
終わらないので、ついちょっと寄った
銀行で、顔見知りの銀行のおばさんに
愚痴っちまった。って何やってんだか。

テレビで『あなたが選ぶ偉大なフランス人100名』
という番組を放映していた。
アルベール・カミュのような大作家と、
ジャン・ジョレスのような20世紀初頭の
社会主義者と、柔道の金メダル保持者ダビッド・ドゥイエ
が同列にランキングされる無茶苦茶な選定。
元テニスチャンピオンのヤニック・ノアも
入っていたが、カミュよりも順位が上だった。
って比べるなよ。

日本語原稿をフランス語に翻訳する仕事を
フランス人同僚に頼む。文意が汲み取れない
というのでいろいろ説明しているうちに、
こりゃ自分がやったほうがまだ早いや、
という結論に。人にものを頼むことも
大変なんだよ。

恋愛指南

2005-03-13 09:00:59 | パリ左岸
ウィル・スミスの新作映画の
ポスターがあちこちに貼られている。
「結論としては、気に入られるに越したこと
はない」とかいうキャッチコピー。
AVOIR UN TICKET(チケットを持つ)
と書いて、「気に入られる」という意味に
なるのだが、その表現が入っている。
ウィル・スミスが恋愛の手ほどきをする
映画なんだが、ウィル・スミスに教えて
もらってもなあ、などとつい思ってしまう。
通勤路だけで3箇所ぐらいポスター貼ってるよ。

昨日から風の向きとか空の色とか
大気の匂いとか気圧とかが変わった。
春が来たようだ。ブーローニュの森のほうから(嘘)。
でも本当にどこかからか来たようだ。

夜。通りの向かい側のアパートで
パーティーやっているらしく騒音がここまで
届いてくる。うちの界隈は老人が多く、
カフェもバーもなく、純粋な住宅街なので
普段は夜は恐ろしい静寂なのだが、
今夜に限ってうるさい。若い頃は
パーティーとかよく行ったっけ。今じゃ
行く気にもならないが・・・。

ストの一日

2005-03-11 07:21:53 | パリ左岸
公務員の全国規模のストのせいで
交通機関麻痺。メトロも郊外電車RERも
動かない。でももう馴れているんで何も
驚かない。第一僕は会社の近くに住んで
いるんで徒歩通勤だしね。しかし、
確かに交通量は普段より多し、あと通りを
歩く人も気のせいかいつもより多いかも。

ランチは近所のクスクス料理レストランへ。
クスクスは野菜も多いし、おなかいっぱいに
なるし、僕はかなり好きかも。まあ
すぐおなかいっぱいになるので、一ヶ月に
一度ぐらいしか食べないけど。
そういえば僕が大学生のとき一人でモロッコ
に旅行したことがあるんだが、そのときも
クスクスを食べてたっけ。

家に帰るとスイス観光局から、よく分からないけど
バカンスの宣伝のダイレクトメールが来ていた。
こんな寒いのにもうバカンスの準備?
といいつつ、スイスのバカンスパンフレット
の請求を出す予定。またローザンヌに行ってみたい。
去年の秋にローザンヌに行ったのだが、駅前の
レストランのスイスワインが異常にうまかったのだ。
風光明媚だし・・・。

one fine day

2005-03-09 06:46:26 | パリ左岸
日本の友達が大貫妙子の新しいアルバム
『ONE FINE DAY』を送ってくれたのだが
これが非常によい。さすがミュージシャンのための
ミュージシャンと言われているだけのことはある。
あの繊細さとあの艶っぽさがたまらなくいい。
歌詞の世界も禁欲的だしな。

午後にフランス人の同僚と会議。
うまく発言できずちょっと自己嫌悪に。
会話のフランス語と会議の席のフランス語
というのはやっぱり明らかに違うのだ。
後者のほうが難しい。
働き始めたとき、学生のフランス語と
職業のフランス語というのは当たり前だが
すごい壁があるのを感じたけど、それを
また思い出した。

会議後、訳の分からないぐらい一度に
多方面の仕事が一斉に押し寄せる。
客と話しつつ、タクシー会社に配車の電話を
かけ、来客を会議室に案内したり、
上司に昼食会の招待者リストをもっていき、
その傍らパソコンのヘルプデスクもする。

木曜には交通機関のストがあるらしく
国内はまた荒れるよう。今日から有給をとると
宣言する同僚もちらほら。



30代は大変なんだ

2005-03-07 06:59:57 | Weblog
昨日のニューヨークの女友達との電話の会話で
彼女は「自分はアダルトチルドレンかも」
と言っていた。「いつまでたっても大人になれない」と。
そういう意味で使う言葉なのかよく分からないが、
確かに彼女は子供のまま36歳になったという感じ。

今日、久しぶりに高校時代の親友と話す。
彼は自分のことを「パーソナリティ障害」かもと
言っていた。感情が素直に動くこともないし、
恋愛も今までしたことがない、回避型性格だと。

僕の場合を考えてみると、どっちにも
あてはまるかもしれない。
かなり子供ぽいし、嫌な人間関係も回避
してしまうしな、って別に直す気はないが。

「雨戸を閉める」ことが言いたくて、
je ferme le volet と話していたら、それは
間違いでje ferme les voletsとしないといけない、
と直された。雨戸(VOLET)は、
複数形にしないといけないらしい。
「バナナ」という単語がいつも複数になるのと同じか。
難しいぜ。

グラン・ブールバール

2005-03-06 09:26:21 | パリ右岸
夕方ごろ、2年ぶりに
ニューヨークに住んでいる
昔の友達に電話する。
結婚して今はダンナとマンハッタンに
住んでいるのだが、相変わらず
ハイテンションで気持ちの
いいくらい風変わりな物言いはそのまま。
うれしくなってしまった。こういう会話、
こういう感性の友達って今全然自分の周り
にはいないのだ。

今、ニューヨークで移民の人に
英語を教えるボランティアをやっている
らしい、っておまえも外国人だよっつーの。
相変わらずたくさんの友達に囲まれて
元気でやっているらしい。少しほっとした。
あっちは僕にほっとされたくなんかない
だろうが。

彼女は東北の出身で、最近三年ぶりに
帰国して実家に戻ったらしい。
彼女の実家のある地方は、異常に
おくゆかしい伝統があって、何か
頼むために、まず「自分でやるから」
と三回ぐらい言うらしい。それが
「おまえやってくれ」という意味らしい。
「そんな回りくどい文化なんかいらない」
と彼女は放言していたが(笑)。

9時ごろから、パリの北、大衆演劇の
メッカ、グランブールバールのとある
劇場にカミュの「LES JUSTES」
を見に行く。これが不思議なことに
芝居の内容が分かりやすい!もちろん
台詞100パーセント聞き逃さず理解した
わけじゃないし、ダブルミーンングとか
あったとしても全然気がつかなかったの
だけれど、これまでと違って
内容が分かってしまった。
なんかうれしい。ちょっと進歩したかな。