日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

表現の違い

2008-04-29 14:42:35 | フランス語
あまりに車に乗らないもんで、バッテリーが上がってしまった。
ただでさえ古い、かなりオンボロな車なのにウンともスンとも
言わない。同僚に手伝ってもらって、同僚の車からバッテリー
もらおうとしたら、同僚もそういうことやったことがなかったらしく、
接続法が分からない。しかもパーキングで手元も暗いので
事務所のメンテナンスのおじさんを呼んだら、二人でやってきた。
でその二人は接続の方法は分かるが、今度はボルトの場所が分からない
らしく、車自体変更。今度は警備員を呼んで、彼の車を借りる。
などとやっているうちに、大事になってきた。5分で終わるはずだったのにね。

しかもバッテリー入れてもらった後、「1時間ぐらい
ドライブしたほうがいい、そうしないとまたすぐバッテリーが上がる」
との同僚のアドバイスに基づき、車に乗って街に出る。
14区、15区。16区を通ってブーローニュの森を
すり抜けようとするといきなり雨が降ってきて前が見えない。
パッとしない、ノロノロ動くワイパーの向こうに
見えたのは傘を差した街娼・・・。雨も降って、結構肌寒い
気候だったのに、かなり薄着してました、彼女たち。

とそういうことが書きたかったんじゃなくて、雑誌を
読んでいたら、ロレーヌ地方ではje te le dis(言っとくよ、
みたいなニュアンス)という代わりにje te dis quoi
という言い回しを使うらしい。表現にも地方差があるんだな。
九州でしか使われない言い回し「穴をほがす」とか
「きばしが入っている(賢いこと)」とかそんな感じか。

行動主義

2008-04-28 04:45:26 | フランス語
友人が「行動主義」という本を読んでいた。
なるほどなあ、と思いながら新聞を読んでいると
こんなモリエールの戯曲の引用にたまたま出くわした。


Il faut faire et non pas dire,
(言うのではなく、行動せよ。)

日本語で言うところの、「不言実行」と言うやつですな。
まったく賛成。





ソフィー・カルのエクスポジション prenez soin de vous

2008-04-26 18:44:58 | フランス
ソフィーカルの新作展覧会、PRENEZ SOIN DE VOUS
(ご自愛ください、自分をいたわってください、
とかそういう意味になるのか)
を国立国会図書館まで見に行った。

入り口が分からず、建物の敷地の外側を一周してしまった。
もっと標識を分かりやすくしてもらいたい、っす。

4時ごろついたらもう人が並んでいる。
20分ぐらい入場待ち。重い扉をおそるおそる開けると
国立図書館の、あの由緒ある円形のドーム型の図書室が
エキスポジション会場に変わっていた。

天井からつるされたスクリーンには女性が手紙を声を上げて
何か手紙を読んでいる。図書室の壁にはいたるところに
巨大な写真パネルが掲示されている。そして読書机の上には
何十台ものモニターが設置され、モニターの中では
女優や心理学者や歌手からオウムや文楽人形まで、
無数の女性が手紙を声に出して読んでいる。

このキュレーションはダニエル・ビュラン。
エキスポの趣旨はこうだ。ソフィーがもらった恋人からの
別れの手紙を、他者に託し、他者に読んでもらい、消化して
もらうことで精神的トラウマを和らげるのだ。
他者とは100名の、上記した女優や歌手やオウム。
それぞれがそれぞれの解釈で手紙を読んでいる。
歌手の中にはcamilleやdiamsといった最近の売れっ子の歌手もいる。

で、自分はどうだったかというと、あんまりつまんなかったんだよな。
演出はいいと思ったけど・・・。

祭りの後

2008-04-25 06:11:20 | パリ左岸
日本から派遣されている同僚であまりフランス語が
できないやつがいる。やはりフランスで働くには
フランス語ができないと厳しいし、事務所内でのフランス人の
同僚とのコミュニケーションだってフランス語ができないと
難しいので、「フランス語ができないからって、億劫になって
消極的になるのはおかしい」みたいなコメントをしたら、
おまえは何も分かっていない、みたいな顔で非難された。
どうもフランス語が不得手な本人への配慮が足りなかったらしい。
「でもやっぱり語学ができないというのはハンディだし、
最初はいろいろ恥じをかきながら外国語は上達するのであって、
そういう過程を避けて、語学のせいにしてあれこれやらないのは
フェアじゃない」と反応したらもっと非難された。
極めて普通のことだと思うんだけどな。

今週はずっとパリで公演を行った某日本のコンテンポララリー
ダンスの公演団のために働いていた。その制作の人を知っていて
フランス側の制作者としていろいろ雑用をしていたのだ。
やっぱり共同制作というのは楽しい。公演の実現のためにあちこちに
電話をかけまくったり、カードを配ったり、打ち上げの準備をしたり、
楽屋の消耗品を買いに行ったり。みんなで一つになって作品を
総合的な過程として作り上げている、ということが実感できるのだ。

今日、最後まで残っていた公演団のメンバーが帰ってしまった。
ちとさびしい。また来ないかな。

疲労の度合い

2008-04-18 07:21:08 | パリ左岸
メトロに乗っていたら先週見た演劇、
「le plan B」の広告が大きく出ていた。
もうすぐ千秋楽らしいのだが、結構
宣伝費使っているなあ、と感心することひとしきり。
定期購読しているヌーベル・オプスにもしょっちゅう
案内記事出ているし。

なんか今日、真剣に仕事やりすぎて最後らへんは
疲労困憊してしまった。なんか気疲れと体力的疲れで
目に隈が出てしまい・・・。
普段は気にならない周りの同僚の口ぶりとかなんか
気が立って仕方なくなった。疲労って怖いなあ。

自己を省みる暇もなく

2008-04-17 06:05:12 | パリ左岸
先週はいろいろ思い悩んだり、あとコンサートや
演劇に出かけたりとある意味余裕があったのだが
今週は忙しすぎてまったく自己を省みる暇がない。
まあ、くよくよ悩まない分だけいいだけどね。

パリ市およびその近郊の劇場に電話をいろいろ
かけないといけない仕事があり、これは広報担当の
バレリーの仕事と思い電話リストを持っていくと、
「それは責任者のあんたの仕事でしょ!」とすごい
顔でつきかえされる。というか僕は単なる担当で
責任者じゃなんかじゃないんだけど、いつからそうなったんだよ。

仕方なく少なくとも10箇所ぐらいに電話する。
何のつてもない、日本人なのに・・・。
とかって甘えか。


世界がある場所

2008-04-12 16:07:28 | パリ右岸
昨日はシャンゼリゼ劇場へ現代劇「LE PLAN B」を見に。
LE PLAN Bというのは何かオールタナティブな計画のことを
意味する、と聞いていたのだが劇を見ていて別の意味なのかも、
と思い始めた。
劇自体はイギリスの若手新進作家のもので、
ミニマルな会話と極めて日常的なスケッチが繰り返される中で
セックス、ドラッグ、陰謀、不信などがあぶりだされるような作品。
見ていて、PLAN BというのはPLAN Q(これは性的関係を示す表現。
正しくはplan culと書く)とかけているのだなあ、ということも分かった。

で、そのあとよせばいいのに知り合いがステージに出るというので
シャンゼリゼのクラブ、world placeに行く。いきなり入り口で
黒人のガードマンが客の品定め。中に入ると黄色い声張り裂けんばかり
の若い金髪のきれいなおねえちゃんたちが通路やフロアにたむろ。
ああ、こういう世界もあったなあ、としばしノスタルジー。
入り口でもらったブレスレットをカウンターで見せたら飲み物が
ただになるのでシャンペンとパンチを立ち飲みする。
普段接している人々が堅実だけど地味な人ばっかりなので、
気分が変わっていいかも。



地に足のついていない一週間

2008-04-11 08:05:49 | パリ左岸
今週は比較的仕事に追われていないため、
ちょっと外出でもしようと思い、いろいろ予定を
入れていたところ、気がついたらすごい一週間になっていた。
火曜は他社の知り合いと韓国料理ディナー
水曜はフランス人の友人宅にてディナー
木曜はタダ券が手に入ったので市立劇場にて観劇、
そのあとジャズクラブへはしご、
金曜は20時半からやはり観劇(今度は有料)、
で23時からセルビアの友達が出演するジャズクラブに見物、
と家に深夜以前に帰ることはない、というスケジュール。
いいのか、ちょっとやりすぎかもな。

気持ちの問題

2008-04-08 06:02:04 | 自分について
最近よく今後の自分の人生を考えないといけない
局面に立ち会う機会が多く、結構あせってしまう。
まあ、この歳まで好き勝手に生きてきたので、
人生設計なんて考えたことがなかったのだ。というか
今でも考えないけど。

気がついたらもうそう若くもない年齢になっているし、
自分に無限の可能性がある、など考えていない。
だからと言って大企業の歯車のようになって定年を
迎えるのも嫌なのだ。
今まで本当にやりたいことをやって、見たいものを見たのか
なんて考えるとまだ悔いが残る、というか全然やってない。
行ける所まで行ってないと思うんだが。

ちょうど種さんの唄で次のようなものがあった。


このまま歳とっていくのはやだ
いつまでも若いつもりもやだ
探してる探すつもりなどなかったものを


こんなままで歳をとるのは嫌なんだけど
次の一手が見つからなくて待機している心境なんだよな。

4月の雪

2008-04-07 07:52:43 | パリ右岸
夜半に通りを歩いていたらなんと雪が降ってきた。
雨と雪が混じったような、冷たい雪が。
四月にパリに雪なんて初めての体験かも。さぶ。
やっぱ以上気象かも。

昔の雑誌を引っ張りだして読んでいたら
パリを舞台にしたフランスの漫画の特集をしていた。

ジャンフィリップ・ぺローの
『熱気の到来~予告のない出発』というBDが
なかなかフランスぽくていいのだ。
原題はPREMIERES CHALEURS DEPART SANS PREAVIS

デルフィーヌ、ニーナ、マキシムそしてほかの登場人物は
カフェあるいは映画館に集う。30歳、それぞれが心に
傷を持ち、一方で家庭を持ちたい願望もある。買い物、
ジョギング、すべてが彼らが住むサンマルタン運河近く
で行われる。


フランス家庭料理の定義について

2008-04-05 07:14:14 | パリ左岸
今日は夕方、同僚のバレリーと仕事の関係で
作業をしていたのだが、いきなりバレリーが顔を上げて
すがすがしい顔で僕に行った。
「日本に帰任してしまう前にうちに招待するから」
いったいどこから帰任の話が出てくるのか分からないので
「帰任なんて何もメドが立ってないから。同僚の○○のほうが
契約が先に終わるから日本に戻る時期が早いよ」
「じゃあ、○○とうちに来なさいよ。夕食に招待するから。
フランスの家庭料理を振舞うから」
と、どうしても家庭の食事に招待したい様子。
バレリーのこともう5年近く知っているが、彼女の家の
食事に招待するなんて話なんか出たの初めて。
なんかびっくりするよなあ。
しかもバレリー、いっつも外食ばかりして、やれ
あそこのコルシカ料理のレストランがうまいだの、
どこのビストロがいい、だのそんな話ばっかりで、
自分で料理したなんて話聞いたことないぞ。

人に近いこと

2008-04-02 05:38:29 | 自分について
バレンシア旅行、少し休み。
ということで新年度が始まってしまった、日本式に言うと。
今日はひっきりなしに日本語とかフランス語の電話が
デスクにかかってきて、しゃべりすぎて最後らへんは
くたびれて口が回らなくなり、フランス語がうまく発音
できなかった。フランス語は口の筋肉をよく弛緩させないと
話せないんだなあと納得。なんかなまってるみたいな
フランス語になってたもんな。

先週僕が出席していたパーティーにいた人から
電話がかかってきた。仕事のためのカクテルだったのだが、
肩をたたいたり、笑ったりと、まあ緊張感なく他人と
話していたのだが、他人との打ち解け方がよかった、と褒められた。
僕は普通にしてただけだったのだが、なんか嬉しかった。
他人とリラックスして接することが評価されるんだなあ。