日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

カールスルーエへ(3)

2015-03-16 22:06:47 | 海外(フランス、スペイン以外)
アートフェアも見て、街並みも見て、そして夕方になるころ、
ブラブラ駅に向かい、パリ行のTGVに乗り込む。短い、週末だけの旅が終わりそうになる。

じつはいろいろ考え事をしていて、それは仕事であったり、人生であったりと
最近あまり元気ではなかったのだが、晴れない気持ちはドイツに来ても同じように
襲ってくる。でも、ちょっと環境が変わって、例えば周りの景色や、周りで話されている言葉や
看板の文字が違うだけでも少しだけ心の助けになるものなのだ。

TGVの窓際の席に座って、音楽でも聞きながら窓からの景色をずっと見ていると、
電車はあっという間に国境を越えて、フランスに入ってしまう。30分も過ぎると
もうストラスブールの大聖堂が見えてくる。

ストラスブールを過ぎると、もう外の景色は穏やかな平原と農村が続く
フランスらしい風景。時計を見るともう18時30分ぐらいだ。三月頭の夕刻は
まだ暗くなることもなく、ゆっくりと夕映えが平原の景色を包み込んでいる。



まそんな景色をずっと眺めていると少しずつ気持ちが晴れてきた。
なんかバカみたいなんだが、夕日は誰にも平等に美しく見えて、また誰にも平等に照らし出すんだなあ、
なんて気持ちがしてきた。そんなことを考えているうちに、ゆっくりと
心の雲が晴れてきたような気がした。

カールスルーエへ(2)

2015-03-15 20:04:57 | 海外(フランス、スペイン以外)
アートフェアのあと、市街地に戻ってちょっとぶらぶらする。
市の中心部に座するカールスルーエ城まで行ったければ
その内部を見学しようなんて気持ちにはなれず。

カールスルーエは町中で工事をしていた。新しいトラムか地下鉄かの敷設工事。
観光スポットと聞いていた市役所前広場も工事中の柵があちこちに立って
見る影もない。

パリの生活で、仕事もなんだかごたごたとか胸糞悪くなることばっかりだったので、
フランスを離れて、ドイツで新しい空気を吸うことはなんてラッキーなんだと思う。



街角をぶらぶら歩いては都市の空気を感じる。
国境を超えただけで、こんなに町の雰囲気や人々の接し方が変わるもんなんだろうか。





カールスルーエへ(1)

2015-03-14 00:28:41 | 海外(フランス、スペイン以外)
カールスルーエでドイツでも有数のアートフェアが開催されるというので
なんだかいてもたっても居られなくなって出かけてみた。
土日を利用してTGVに乗って。

実はカールスルーエはフランスに近いドイツの都市で
ストラスブールから30分ぐらいしかかからない。パリからでも
3時間でついてしまうような、身近な都市なのだ。

で、一人でカールスルーエに乗り込んでみる。
町は人口30万人ぐらいのそこそこの町である。
そしてトラムに乗ってアートフェア会場に向かう。

そもそもあんまりカールスルーエのことを知らないんだが。

会場はすでにわさわさしている。


広大な敷地にはほとんどドイツのギャラリーばかり。
時々フランスの、でもストラスブールとかのギャラリーが顔を出す程度。

ちょっと目を引いた、ロシアの作家の作品。
結局、現在のトレンドはペインティング。壁面の、絵画作品ばかりが目立つのだった、


カールスルーエ

2015-03-01 09:48:05 | 海外(フランス、スペイン以外)
来週末、カールスルーエでアートフェアがあるというので
旅行の予約をした。出張でもなんでもなく、単なる興味から行くのだが。
カールスルーエはメディアアートをテーマとした現代美術館もあるし、
アート自体もメディアアートの占める比重が高い、と聞いたのだ
どんなもんかと思い、初めて行ってみる次第。

2月の半ばにバーデンバーデンに行ったばかりなんで、
なんかとんぼ返りな感じだが(バーデンからカールスルーエは
30分ぐらいしかかからない)。

最近は雑誌を読んでも、テレビやラジオをつけても
イスラムの話題ばかりだ。テレビでは例の事件のせいで
ソルドの人混みがかなり減ったという話題を放映していた。重苦しい雰囲気が
社会に漂っているようだ。フランスだけの話ではないが。

何も考えずに、無心で感動できるような風景を見てみたいなあとよく思う。
日常の悩みや社会の閉塞感なんか吹き飛ばしてしまうような。
ただ一方で、そんな風景や旅を受け入れる精神状態が自分にないと
心の目はきっと開かないんだろうな、と思う。

カールスルーエはどんな街なんだろうか。