日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

出張中のぼやき(3)

2008-10-28 23:44:36 | パリ左岸
久しぶりに、というか4ヶ月ぶりに昔の事務所に戻った。
僕はひょんなことから、というかたまたまアート関係の
仕事をしているのだが、いつも企画が陳腐なので
同僚に馬鹿にされる始末。たまたまバレリーがいたので
「次の企画のテーマは『暴力とセックス』だね」
などと冗談めかして言うと、
「それ、あんたの妄想でしょ。そんな冒険的な企画を
やり遂げられるんだったら、見直してあげてもいいけど」
などと返された。相変わらずものいいがきつい・・・。

日本に帰る前の日、フランス人の友人の家に夕飯を取りにいった。
彼女はアパルトマンの4階に住んでいる。夕食が終わって
アパルトマンを出る頃にはもう夜の11時過ぎ。すっかり
暗くなった舗道をそそくさとメトロの駅に向かって歩く。
何百メートルか歩いて、角を曲がる寸前、ふと思い立って
後ろを振り向くと、彼女が4階のアパルトマンの窓から
僕を眺めているのが見えた。ああ、僕が消えるまで見ていたんだ。
ただそれだけのことなんだが。

出張中のぼやき(続き)

2008-10-27 21:10:47 | パリ右岸
彼女は一人でいるときはひどく穏やかだ。
僕の友人がセルビア語で話しかけるときも、冷静に
落ち着いてしっかりとした口調で受け答えをする。
彼女は路上生活をやめようとしない。
一度は、公共のホームレスが寝泊りする施設に入れようと
したことがあった。少なくとも、屋根とベッドと食事が
保障されている場所だ。しかし、施設に入るなり
彼女は叫び出す。夜中じゅう、奇声を発し、うめき声をあげる。
すぐに施設から追い出されてしまう。これじゃ誰も眠れないと。
彼女は自分の意思でまた路上に戻っていった。
そして、さっき僕が曲がった路地に座っているのだ。

出張中のぼやき

2008-10-26 23:37:54 | パリ右岸
ようやくフランス出張から帰国。思えば12日に日本を出て
24日に戻ってくるなんてほぼ2週間近く西荻を離れていたことになる。
行きも帰りもエコノミークラスの窓際の席に押しやられ、
テトリスしようにもテレビモニターが故障して画面真っ暗、
という最悪のコンディションだったがなんとか日本に戻ってきた。
時差ぼけがつらい。

日本に戻る前に、セルビア人の友人にレピュブリック広場で会った。
郵便局にそのあと用があったので、広場から右岸をプラプラ歩いたのだが、
途中、サンドニ街近くでホームレスのおばあさんがうつろな顔で
路上に座り込み、宙を見ている光景に出くわす。

セルビア人の友人によると、彼女はセルビア人らしい。
90年代初めにパリに来て、普通に暮らしていたがそのうち
パスポートも財産もすべて強盗にあって失ってホームレスに。
出生証明などアソシエーションの力を借りてなんとか
セルビアから取り寄せたのだが、フランスの当局が受理せず
今に至るとか、なんとかいろいろ聞かされた。
要はセルビア人の友人の知り合いらしい。
ああ、そういう人生もあるんだなあ、
と思いながらまた先を進む。

自分

出張行ってきます

2008-10-12 06:09:37 | フランス
今日からフランス出張。今から成田空港行ってきます。
まだ、朝6時6分だよ。はや。世間じゃ3連休なのに・・・。
出張が終わればようやく休みも取れそうです。フランスから
日本に戻ってきて約3カ月。またフランスに出張で戻るというのも
なんか変な感じだ。とりあえず行ってきます。

準備不足

2008-10-11 01:02:25 | フランス
最近、とみに時間の不足を痛感する。
要は自分がやるべきことが山のようにあるのに全然こなせないで
焦ってるだけの話なんだが。

四谷駅前のパチンコ屋の前を夜10時過ぎに通る。
店内は明るく、パチンコ台に向かうサラリーマンが群れが
通りから垣間見える。あの人たちは、パチンコ台に向かって
銀色の玉とか、レバーの手元をひたすら見ている時間って、
時間の無駄だとか思わないのかな、などと思う。

そのあと、中央線に乗って中野で乗り換える。
中野駅のホームから、向かい側の雀荘で麻雀に講じる
サラリーマンの姿が見える。あの人たち、金曜の夜に
麻雀なんかやって、時間の無駄だとか思わないんだろうか。
などとまた思う。

そうやって家に帰ってくると散らかった我が家。
実は自分、日曜からフランス出張なのだ。しかも長期の。片付け、準備
予習などが鬼のように覆いかぶさってくる。自分こそ
効率よく物事を処理しなきゃいけないのに・・・。
なんて考えても無理か。自分は自分でしかないのだ。

コインランドリーで

2008-10-09 00:11:52 | 西荻
うちには洗濯機というものがいまだにない。
ちなみにアイロンもアイロン台もない。いつ引っ越すか分からないので
モノというか家財道具を持つのが嫌なのだ。自由で自分らしくて
いいと思うのだが、その反面、週に二回コインランドリーにいかないと
いけない羽目になり、これって、洗濯機買ったほうが長い目で見たら
経済的なのでは、とたまに思う。

などと夜もふけて、夜の12時過ぎ、乾燥機から中のワイシャツやら
靴下やら取り出そうとしている僕に、いきなり話しかける声が。
「この近所に住んでるの?」
振り向くと、70歳過ぎの疲れた顔のおばあさんが、ニコニコして
いすに座っていた。彼女もランドリーで洗濯機が乾くのを待っていたらしい。

実は僕は知らない人に話しかけられるのというのは昔から苦手なのだ。
その割りによく話しかけられるのだが。で、「ああ、はい、この近所です」
と話を切り返すと、そのあとおばさんがおせっかいにもいろんなことを
話し始めた。自分のことを話すというよりは、まあ、一般の世間話だな。
アイロンは持ってないのか?とか、今のシャツは干すときに一旦皺を
伸ばしたらいいとか(知ってるよ、そんなことと一瞬思う)、
田舎から自分の息子が来たとき、東京の暑さに参ったとか。

そのうち、洗濯物も全部取り出して会話がパタとやむ。
「おやすみなさい」と言って僕は先にランドリーを出たのだけど、
あのおばあさんとまた会うことがあるのかな。

ブルーライト横浜

2008-10-05 22:37:24 | 日本
タイトルは別に本文と関係ありません。

夜7時から、横浜の伊勢佐木町をちょっと入ったところにある
吉田町の路上で行われた演劇パフォーマンス(と呼んでいいのか?)
を見に、横浜まで足を伸ばす。あいにく雨が降っていて注意力が
散漫になってしまう。

帰りに、7年ほど前たまたま通りかかって、あまりのその昭和な
たたずまいに、さすがの僕もぎょっとしてしまった都橋商店街
に偶然また通りかかってしまう。でも今度はぎょっともせず、
逆に昔変わらないそのたたずまいに、ちょっとホッとするのだった。

早く帰るといろんなことができるもんだ

2008-10-03 22:08:23 | 西荻
最近、仕事が忙しく事務所に22時とか23時とかまで
残っていたせいで、ありえない時間に家についていた。
しかもたまたま運よく、22時前に事務所を出られたとしても、
そのあとプールに行ったりとかしてたから、
アパートにつくのは午後23時半とか。あまり変わらない。
で、翌日、朝早く予定があることもあって今日は久しぶりに
早めに事務所を出てみた。夜20時過ぎ。

吉祥寺でちょっと買い物して西荻に着くころになっても
まだ21時過ぎ。よく行く北口の定食屋に行ってみると、いつも
混んでいて入れないのに、この時間帯、客は3人だけ。余裕で
四人がけのテーブルを陣取り、悠々とチキン南蛮を食べる。

外に出ると、通りに人があふれている。時計を見るとまだ22時前。
そうか、この時間帯には人がまだこんなに活動しているんだ。
などと妙に納得。ついでに古本屋「ごごしまや」に行っていろいろ物色してみる。
早く帰るといろんなことができるのだ。調子に乗って旅行書専門店
「のまど」にも足を運ぼうとするが、疲れたので今日はやめておく。

今日は四谷

2008-10-02 00:20:38 | 東京
今日は四谷で飲んだ。
ベルギーでクンステンフェスティバルを見に行ったとき
知り合いになって、現在日本に戻ってきて建築家として
活躍している人と、四谷のちゃんこ鍋専門店で飲み会。
2年半ぶりの再開、近況など報告しあったのだった。

旅先というか、外国で友達になった人と日本で会うことは
なんだか嬉しい。非日常の状態で友情が芽生えて、それを
日常の中でまた確認するようなもんだろうし。

友達が少ない、とか社交性にかける、とかいろいろ言われる
僕だが、結構知人がいるじゃん、と自分に感心してみたりして。