日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

現実との距離

2006-09-30 05:55:10 | パリ左岸
ブレヒトの演劇「BAAL」のチケットが自宅に届く。
ブレヒトの演劇ってそんなよく見た事はないんだが、この時期になると
なんかブレヒトを見たくなって、何の気もなしに購入してしまった。
果たして、演劇と台詞のフランス語についていけるだろうか?

週刊誌でzabou breitmanという映画監督のインタビューを読んでいたら
パリのメトロについて次のようなことを言っていた。
c'est idéal pour lire, écouter, rêver.
C'est important, sinon on perd le contact avec la réalité.

(読書、音楽を聴いたり、夢想するには理想的な空間。
これは大事かも、そうでないと現実との接点を失ってしまうもの。)

メトロと現実との接点を絡めて語るなんて
なかなかセンスがある人だなあ、と思った。

昼、関係者とミーティング。ミーティングしてすごい疲れるし、
すごい違和感を感じる。なんでだろう、と考えたんだけど、分かった事は
ミーティングに参加したみんなが「真面目」。「反省」することが好きだったり、
なんでもないことで驚いたり、狼狽したりする人種の人たちばっかりなのだ。
幸い僕はそんな真面目じゃないし、簡単に反省なんてしない。
簡単に物事に大騒ぎしたりしない、そんな驚いたりしない。
こりゃ気が合うはずねえよ。

服装の趣味など~gout vestimentaire

2006-09-28 06:46:19 | 自分について
コメントもいただいたのだが、最近、出張やら外勤などが立て続けにあって
かなりバテ気味。今週は土曜まで毎日外勤あるし。
知らない人に会うのは、仕事ではそんな抵抗はないのだが、いつか
一日で通算30名ぐらいの人と、サシもしくは電話で接して、こりゃ
耐えられないと思ったぜ。自分の範疇を超えているというか。
相手のこと忘れるしね。

でもなんでこんなに外勤が疲れるのかと言うと、ひとつはスーツを
着ないといけないからだと思う。俺、嫌なんだよね、あのスーツと
ネクタイとスラックスみたいなズボン。スラックスって一生慣れないと思う。
なんかダボっとしていて、空気がスースー入るというか・・・。
ジーンズみたいにざらざらした手触りでピシっと閉まりがないというか。
スーツが好きで、スーツを楽しそうに選んだり、もしくは
休みの日までスーツの延長のような格好をしている人間が信じられない。
あと先のとんがったビジネスシューズとか。なんであんなん履けるんだろうか。

c'est un peu cucu...
(ちょっとバカっぽい・・・)

同僚と話していて、つい出た表現。というかよく使うか。


久しぶりに外勤など

2006-09-27 05:38:09 | パリ右岸
久しぶりに営業というか、外部の人と会って話をする。
おかげでランチ食べ損ねた。なんという。
訪ねたオフィスビルはオペラ座界隈のちょっと古ぼけた建物。
建物6階、内装工事中で足の踏み場もないエントランスを抜けて
会議室に通された。会議室で、なんだかああでもない、こうでもない
説明をしつつ、相手の反応を見る。まったく無表情なので
満足しているのか、納得しているのか、不満なのかよく分からない。
ちなみに相手は日本人だったんだが。まあ、それはそれということで。

スーツを着てオペラ座界隈を歩くのはちとつらい。
日本人観光客がたくさんいるから。なんか日曜にスーツ着て街に
出たときの気持ちと似ている。みんな遊んでるのに自分だけ
罰を受けて働いている気分。もともとオペラ座界隈なんて
仕事でもなければ行かないけどね。

家に帰るとジム・ジャームッシュの「ブロークンフラワーズ」
をやっていた。途方に暮れたビル・マーレイの顔で終わる
エンディングが秀逸。

j'aime bien ce que tu as dit
君の言ったこと、僕も好きだと思う

なんて台詞が出てきて、はっと耳に入ってきた。

カッコ悪い男

2006-09-26 06:15:41 | 自分について
昔ハヤった絵本で「ウォリーを探せ」というのがあった。
赤と白の縞模様の服・長靴下・帽子、ジーパンそして、
クロぶちの眼鏡をかけたヒョロヒョロノッポの兄ちゃん、ウォリーが
群集にどさくさにまぎれて隠れいて、そのたくさんの人間の頭の中から
ウォリーを探す、というものだったと思う。
ウォリーだったよな、フランスで出てるやつはなぜか名前が
チャーリーになっていた様な気がする。

で、あのウォリーってものすごくカッコ悪いと思うんだが。
縞のセーターかなんかにマフラーしちゃって、のっそりしていて。
といいつつ、動きが機敏だからカメレオンのように群集に
保護色のように一体化するんだろうが。

最近、用事があってこっちの大学に行ったら、アジア人(というか
日本人?)と思われる留学生が芝生に座ってたんだが、
彼は東洋のウォリー、と呼んでもいいぐらいウォリーにそっくりだった。
小さい目に、細長い顔、で頭もウォリーみたいにもっさり。
パーマかかっている。で、もちろん丸い縁の太いめがね。
「カッコ悪いなあ」と思ってたらどうも口に出して言っていたらしく、
ウォリー君からジロっと睨まれてしまった。

パーマってかけたこと無いからよく分からないんだろうが、
男でパーマかけていて似合っている人に会ったことが無い。
あれ、本人は似合ってると思っているんだろうか?彼女は注意して
あげないんだろうか? もしくは自尊心を損なわないように心無い
お世辞なんか言って、パーマを存続させているんだろうか?
などといろいろ考えた。ちなみにウォーリーの頭はもっさりしてるけど
パーマはかかってなかったか。

パリのおしゃれな街角

2006-09-25 05:23:31 | パリ右岸
一応、パリ首都圏の流行には敏感、とされるヌーベル・オプスの
別冊、paris obs(9月21-27日版)に現在、パリで「IN」と
される街角のリストが載っていた。こういうのって刻々と
変わるから追いかけるとキリがないですが。

で、今一番branché(最先端な)とされる街角は以下のとおり。
カッコ内は区。

rue des filles du calvaire(3)
rue du petit thouars(3)
rue quincampoix(4)
rue condorcet(9)
rue paul bert(11)
rue de la villette(19)
rue de la mare(20)

全体にマレ周辺地区(3区)が中心になっているのが分かる。

逆に、「流行の終わりかけている街角」は以下。

rue montorgueil(2)
rue des frans bourgeois(3)
rue des martyrs(9)
rue oberkampf(11)
rue du commerce(15)

オーベルカンプなんて、バスティーユ後の流行の発信地、
おしゃれな街なんて名を馳せたもんだけれど、もうダサくなっているのか。
フラン・ブルジョワなんてマレのメインストリートだよな。





僕と温泉

2006-09-24 04:34:37 | 温泉
ウィーンに出張に行ったとき、地元の人から
オーストリア南部に温泉があることを教わった。
もちろんそんな場所に行く時間なんてなかったから
話だけ聞いて終わったんだけど。はて、そういえば
僕は長いこと温泉と言うものに行っていないな。

フランスには温泉なんて滅多にないからそんな機会ないし、
よく行くスペインにも、温泉なんてもんはまずない。
最近行ったといえば、二年前の正月に行った湯布院温泉ぐらい。
福岡にいるころはよく温泉行ったんだけどね。
船小屋温泉、二日市温泉、久留米温泉、片瀬温泉。
あとバイクに乗って長門湯本温泉に行ったことがあったっけ。
夏の宵に、湯治客がベンチに座って夕空を見上げながら
夕涼みをしていたのを思い出した。日本ぽい風景かも。

FETE DE L'HUMANITE 再び

2006-09-23 07:02:13 | パリ郊外
再びつーか、一年ぶりなんだけど、また
フランスの「赤旗祭り」ことfête de l'humanitéに行ってしまった。
l'humanitéはフランス共産党の新聞。

いつもながら大勢の人で賑わっている。フランス全国各地の
共産党の支部のスタンドから、海外の共産党(ポーランド、中国、
チリ、なぜかレバノンまで。あとイランの共産党のスタンドでは
いつまでもたっても演奏を始めないバンドがなぜか立ち尽くしていた。
あれは、いったい?)のスタンド、ブックフェア(マルクスの本ばかり)、
演劇コーナー、映画コーナー、ミニコンサートから大コンサートまで
本当にイベント満載なのだった。

僕は日曜に行って、マリー・ジョルジュ・ブッフェ(共産党党首)と
ユマニテ社長の演説のあと、BENABARのコンサートを観覧。
写真はコンサートの様子。

ロル・V・シュタインの歓喜

2006-09-22 05:51:34 | 読書生活
le ravissement de Lol V Stein

マルグリット・デュラスの最高傑作、
「ロル・V.シュタインの歓喜」のフランス語版を買って
寝る前に読んでいるのだが、これが最近の一番の楽しみ。
というか日本語訳(これがまた名訳なのだ)を何度も読み返し
フランス語でも何回か読んだのだが、全然飽きない。何度読み返しても
その魅力は尽きない、本当に傑作小説だ。

話はまったく簡単だ。若い頃の失恋を引きずった
ロル・V・シュタインが10年後にまたノルマンディーの
街に戻ってくる。失恋した相手はおらず、今の家庭で
また新しい生活を取り戻すのだが、ひょんなことから
かつての高校時代の親友の女性に再会する。
そして、かつての失恋による精神的外傷がまた眼を覚ます。

というように書いてしまうと、なんかおどろおどろしいが、
過去の精神的トラウマに対する感情の動き、人間の心の中で
起こっていること、そういったものがすべて描かれており
やっぱりデュラスは稀有の作家だったんだなあ、と思わずには
いられない、本当の傑作だ。ノルマンディーの乾いた空気、
街を歩くときに漂ってくる海の匂い、麦畑、ブルジョワ風の建築。
すべてデュラスの世界だ。

さよならウィーン~ウィーン3日目

2006-09-20 05:18:34 | 海外(フランス、スペイン以外)
Il vaut mieux parler à Dieu qu'à ses saints.
聖人より神と話したほうがいい

と誰かが言っていた。要はその辺のペーペーと交渉するより
直接大物にぶつかったほうがいい、とのニュアンスだったのだけど。

さてウィーンはあっという間に3日目になってしまった。もう最終日。
こっちの日本人から「○○さん(僕の名前)はフランス語が非常に
おできになるんですって?」と誉められたけど、全然嬉しくなかった。
というかそれを言った人自身フランス語を話さないし、かつ
僕がフランス語で話しているのを聞いたわけでもないのに、どうして
「非常におできになる」なんて言えるのだろうか?

などといろいろ考えながら帰りの電車の窓から外を見る。
一面の畑が広がっている。ウィーンかあ、もうちょっと勉強してから
来たいなあ。歴史もドイツ語も・・・。

結局はわが道を行く自分~ウィーン2日目(2)

2006-09-19 05:08:12 | 海外(フランス、スペイン以外)
大学生のときにどうしてもアフリカに行きたくなったことがある。
よく理由は分からないのだが。種ともこがアフリカに行って作った
「空に映るうた」を聞いたからかもしれない。
土の暑さ、草の静かさ、ゆっくる流れていく雲。
そういった歌詞からいろいろアフリカというものを想像していたのかも。
いや、もっと昔からアフリカ大陸を知りたかったのかもしれない。
長いこと(今でも)そこは未知の世界でまったく自分とかけ離れた
世界が広がっているのだから。

で、何とかしてアフリカ大陸の北の端、モロッコに行ってみた。
今思えば、モロッコに行っただけで「アフリカを見た」なんてよく
言えるもんだと思う。例えば、バングラデシュを一回訪れて
「アジアを見た」と言っているようなもんだ。

とりあえずモロッコに1週間ぐらい滞在して、それはかけがえのない
経験になった。確かにカルチャーショックのようなものも受けた。
けれど、なんだか違う。緩衝材がどっかにあったような気の抜けた感じ。
自分がアフリカを訪れたことによって劇的に変わったとか
そんなことはまったくなかったのだ。
でも行く前は、そうなると思っていたのだ。アフリカの大地を踏みしめたら
まったく違う自分になるんだとどこかで信じていたのかもしれない。
だからアフリカ旅行後、やっぱり自分は自分であったことに
ちょっとがっかりした。

ウィーンをぶらぶら打ち合わせの後またそぞろ歩きする。
写真はパリにもあるパッサージュのウィーン版。
きっと自分はどこまで行っても自分なんだろうな、と
ウィーンにあまり感動のない我が身を省みて思う。

息の詰まる都会~ウィーン2日目

2006-09-18 06:04:01 | 海外(フランス、スペイン以外)
翌日の午前中、ちょっと時間があったので町をぶらつく。
ホテルを出て、ドナウ川運河にかかる橋を渡り、
リンクの旧市街をあちこち迷いながらさまよう。
別に目的地があるわけじゃないので楽しいそぞろ歩きだ。

写真は途中で通ったサン・ステファン寺院の屋根。

ウィーンの市街地は歩いて、一瞬窒息しそうになった。
壮麗な歴史的建造物がいたるところに並んでいるのだが、なんだか
息が詰まるのだ。これはなぜか。
思うに街路樹のある広々とした通りがパリのように縦横無尽に走っていて
そこに建物が並んでいるわけじゃなくて、狭くごみごみした道の脇に
威圧的建築が揃っているからではないだろうか。
といっても少し行くと旧市街を出て気持ちのいい広い環状道路には出れるのだが。

ウィーン1日目(2)

2006-09-17 19:49:03 | 海外(フランス、スペイン以外)
ホテルの場所は頭の中の地図では明確なのだが
実際となるとなかなかたどり着かない。
時間もないっつーのに。

ウィーンの中心部からドナウ川運河にかかる橋を渡る。
思ったより小さい川だ。というか運河だから当たり前か。
本物のドナウ川はもうすこし市の外縁部に位置する。
川向こうは比較的低層の建物が並ぶ街区。ところどころに
歴史のありそうな黄色い建築物が見える。
ここが有名なユダヤ人街、レオポルトシュタット地区であのフロイトも
一時期住んだことがある場所、というのはパリに戻ってきて
ガイドブックで知ったよ。知っていればもっと堪能できたのに。

写真はドナウ川運河から市内中心部を眺める。

ウィーン1日目

2006-09-17 05:35:22 | 海外(フランス、スペイン以外)
朝が来て目覚ましがなって、朦朧とした頭で歯を磨き
とりあえず靴を履いてアパートを出る。
地下鉄に乗って凱旋門まで行き、空港行きのバスに乗る。
渋滞につかまりながらもようやく空港に着いて、急いでカウンターに行き
オーストリア航空のウィーン便のチェックインを済ます。
タラップを上り機内に入り、腰をかけて半分うとうとしながら
二時間過ごすともうウィーン国際空港に着陸する。

そして今、市内行きの電車の中。空港から市内まで16分だって。
それで、例によっていきなりの出張だったので
オーストリアのこと何も調べていない。ガイドさえも読んでいない。
ドイツ語も話せないし。ウィーンといえばフロイトなんだが
その住んでた家もどこか調べてないよ。

ビジョンなんかないって

2006-09-16 04:38:53 | 自分について
出張先のウィーンから無事フランスに帰国。
やっぱフランスはいいっす。
ウィーンは言葉が通じないというだけで非常なストレス。
地下鉄の自動券売機の画面すら読めない自分に
情けねえ、なんて思ったぜ。だってドイツ語なんて
習ったことないし。しかも何も準備していかなかったし。

ウィーンで一緒に夕飯を食べた日本人の女性(20代後半)
のテーブルでの話にちょっとショックを受けた(嘘)。
というか彼女、「人生設計」というものをちゃんと持っていて
○○歳までに結婚して、○○歳までに云々の試験を受けて、
とかものすごく先のことまで考えているのだ。しかも
一応、「今までそれを実現してきた」そうだ。これはすごい才能かも。
あと彼女は現在海外に住んでいるのだが、それも
先輩から「海外に出ないと自分の限界がどんなものか分からない」
と叱咤されて海外に飛び出したという。

すごい立派な子だなあ、と思ったけど自分には真似できないっす。
つーか、僕は人生にビジョンなんかないし。
あと「自分の限界」がどんなものかなんて考えたことすらなかったし。
海外に住むってそんな大層なことなんだろうか?
写真はウィーンとは関係ないっす。マジョルカ島だよん。



サンマルタン門、別のアングル

2006-09-13 06:11:06 | パリ右岸
別のアングルのサンマルタン門も撮ってみました。
通りはグランブールバールに続く大通り。
19世紀末からの大衆演劇の中心地で今も
多くの劇場というか芝居小屋が集まる界隈。
ヨーロッパ最大のスクリーンを持つ映画館REXもこの近く。

明日から海外出張なんでちょっとブログ休みます。