日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

うれしいひとこと

2007-09-26 06:59:11 | パリ左岸
久しぶりにフランス人の友達の家に遊びに行く。
最近ぐっと冷え込んで、すっかり秋のような気候なのに
相変わらず上着も着ず、シャツ一枚で遊びに来た
僕に、「もっと着ないと風邪引くでしょ」みたいなことを言われる。
「il faut que tu sois plus couvert, sinon tu vas avoir froid」
とかそんな感じ、フランス語だと。
で、ああ、自分にもそんなこと心配して言ってくれる人間も
世界にはいるんだなあ、などと思ってちょっと感激してしまった。
まあ、見るに見かねて言ったのかもしれないが。
今日は、日本語で「頭痛」と言っても、フランス語だと
maux de têteとmigraineと二種類の単語で表され、
それぞれの違いについて少し教えてもらった。
日々勉強だよな、フランス語は。

パンタンの夕暮れ

2007-09-25 05:45:49 | パリ郊外
パンタンには先週仕事で行ったばかりだが、個人的に
調べたいことがあって、今日また一人でパンタンに行ってきた。
地下鉄の駅を降りると、雑然としたパンタンの町並みが広がる。
アジア系もアラブ系も、アフリカ系も
みんな融合した、現代フランスの多人種社会を
反映するような光景だ。

スラムになっているような街角があちこちにあった。
そこでは舗道に生ごみや家具のような粗大ごみが放置
されていて、その近くでアフリカ系の子供が遊んでいた。
夕暮れはその向こうに広がっている。

セルビアから来た人

2007-09-23 05:59:36 | パリ右岸
仕事の関係でセルビアの会社に勤める人とあった。
もちろんセルビア人である。ヴラディミールという名前。
セルビアというと全然イメージがなくて、東欧とか、ミロシェビッチとか
そういうことしか頭に浮かばないが、彼は普通の青年で
僕と同じぐらいの歳の、感じのいい兄ちゃんだった。
大学時代に友達になった、現在は東京の郊外で公共ホールの
運営をしている日本人の友達がいるらしく、僕が日本人だと知って
フレンドリーにいろいろ話をしてくれた。

彼に会ったのは久しぶりだったがメールのやり取りはこれまでもよく
していた。土曜でも日曜でも月曜の朝でも、本当にしょっちゅう
仕事をしているらしく、どんな時間でもメールがやってくる。
あんまり仕事熱心なんでこっちまで励まされる。一度なんか
「土曜や日曜に働くことなんて、自分にとってはなんともない」
なんてメールをもらったこともある。

フランスにおける日本年が1997年にあったことを話していて
「フランスにおけるセルビア年はもうあったのかい?」と聞くと
「いや、ここ数年はないだろうな」などと彼は言った。
「90年代の内戦時代にいやと言うほど悪いイメージがフランスに
できてしまったから、当分、フランスじゃそういう文化行事は
無理なんじゃない?」などと笑った。

世界は広いと本当に思う。九州から東京に出てきたときに、
あまりにも多くの、いろいろな日本の地方の人に出会って
日本は広いな、と思ったけどそれもまだまだだったと思う。
フランスに住んで、フランスはおろか、東欧の人々と会って、
少しでも彼らと話すと、なんだか外に出たような気になる。
少しでも井の中の蛙のような状態から開放された気持ちになる。
本当はもっといろんな国籍の人と知り合って、いろいろな
価値観に触れて、その前であえて自分がどんな人間なのか
示せるような人間にならないといけないんだろうな。

郊外とパリ、行ったり来たり

2007-09-21 15:32:20 | パリ郊外
今日は朝から仕事のアポでパンタンへ。
パリの東の郊外の町だ。地下鉄は通っているものの
遠い。1時間近くもかかってしまった。

昼間は事務所に戻って仕事。別のアポが2個入っている。
代わる代わる外部の人と話す。口だけ先に動いて
あまり脳は何も考えていない状態。

夕方からまたパリ郊外でアポ。今度は
アンギャン・レ・バンまで。
パンタンより遠いって。
カジノも湖も何も見ずに、仕事の話だけしてパリに戻る。
なんだか非人間的な一日だ。でもじゃあ人間的って
どんな一日なんだか、それもよく分からないが。

バルセロナの人

2007-09-20 06:32:38 | スペイン
今日仕事の関係でバルセロナの会社に電話をかけた。
電話の相手は、これまでメールのやり取りはあったけれど
話すのは初めてのフランス人の女性。

すごい若い女性かと思っていたのだけれど、電話口の
声はかなり低く、40代の女性という感じ。
だけどやっぱり話した感じは、メールの口調と同じく
どこまでもサンパティックな人なのだった。

彼女はもともとベルサイユの近くで育った、大学もパリの
フランス人なんだけれど、スペイン人の建築家のアシスタント
をしたせいで、8年ぐらい前からバルセロナに移住しているらしい。
気候も人間も、「言うことなし」とのこと。元フランシリアンの
彼女が言っているぐらいだから、バルセロナってホントに
気持ちのいい場所なんだろうな。

ジョルディ・サバールというカタロニア人の音楽家の
ことでちょっと話したんだけど、彼、バルセロナじゃ
大スターらしい。まあ僕が知らなさ過ぎるだけなんだけど。
CDしか聞いたことないですが、サバールは大好きな
音楽家だ。中世の楽器を再現して演奏するんだよね。
奥さんも有名な声楽家らしい。

フェット・ド・リュマニテ

2007-09-18 06:48:24 | パリ郊外
日曜にまたもやフェット・ド・リュマニテ(fête de l'humanité)
に行ってしまった。今年で三回目。年に一度の楽しみ、
パリ郊外、クルヌーブ公園で開催されるフランス共産党のお祭りだ。

フランス各地からの共産党ブースでは各地方の名産品を売っている。
たとえばツールーズの共産党ブースでは地元のワインとフォワグラの
メニューが食べられる。ポルトガル共産党のブースでは
なんとリスボン名物、いわしを店先で焼いては、香ばしい香りが流れる。
ベルギー共産党は名物のフレンチフライとベルギーワッフル。
ありとあらゆる地域、国のテナントが青空の下店を広げている。
快晴だったこともあって人が公園内に溢れかえっているのだ。

広大な芝生のグラウンドに設営された野外ステージでは
オーケストラからエスニックバンドまであらゆる演奏が聴ける。
ちょうど僕が通りかかったのは夕方6時ごろ。フェットの最後を
飾るコンサート、ルノーのステージだった。
国民的歌手ということは知っていたが、ルノーのステージを見るのは
これが初めて。マイクの調整がうまくいってなくて
最初はまったく聞きずらい。そのうち耳が慣れてきたが
やっぱ苦手かも。

今年も大勢の人のエネルギーと未来への希望と連帯と
いろいろなパワーが集まって、すごいフェスティバルなのだ。

レピュブリック界隈

2007-09-15 05:02:24 | パリ右岸
レピュブリック界隈に外勤に行く、同僚のバレリーと一緒に。
仕事相手にプレゼンしないといけなかったんだけど、
何せ相手はフランス人2人と日本人1名。フランス語で
バレリーがべらべらと説明する。こういう場で最初から最後まで
黙ってるとまた馬鹿だと思われるし、あとでバレリーに
「tu t'en dormais(寝てただろ!)」と言われるので、
とりあえず要所要所でフランス語でコメントする。
まあ相手の日本人は最初から最後までひとっことも喋らなかった
んだから、それに比べたらマシだろ、と思った。

が、僕の態度というか喋り方が気に入らなかったらしく、
面談後、建物の外でバレリーから怒られる。
「あんな内気な喋り方じゃ相手の注意なんか惹かないじゃないの!」
などときついことを言われる。そりゃあ、俺は外人だし、
彼女みたいに自由に、次から次へと自信たっぷりにフランス語
喋れないっつーの。
「これから、いろんな人と会うんだから、そんな自信のない
喋り方じゃ全然ダメなんだからね」などといろいろ言われる。

その後、レピュブリック広場まで舗道を歩きながら話す。
子供のころ彼女はこの界隈に住んでいたらしい。アラブ人も
フランス人も中国人もいろんな人種が交わって、コスモポリタンな
雰囲気の溢れるいい界隈だったらしい。確かに、こんな
ところで生まれ育ったら、バレリーみたいな自由な大人になるよな。
僕はたまにこうやって同僚と仕事以外の話もできたらいいのに、
なんて思う。どんな人間でどんなものを見て育ったのか。

どんなに自由に振舞ったって閉鎖的な人間は閉鎖的なんだと思う。
自己防衛的な、自分を守るために他人を遠ざけるような人間に
なりたくないと僕はいつも思っているのだけれど。


星の王子様

2007-09-14 06:50:41 | 読書生活
敬愛する種ともこがブログで「星の王子様」と夕焼けの
ことを書いていたのでいったい王子様と夕焼けにどんな関係が
あるのか、調べてみた。
(自分で勝手につけた訳)
============================
アメリカで正午のとき、みんな知ってることだけど、フランスでは
太陽が沈もうとしている。夕焼けを見るためには、一分でフランスまで
飛んでいけばいいのかもしれない。
でも、残念だけどフランスは遠いところにある。
でも、君の小っぽけな星じゃ、夕焼けを見るにはちょっとだけ
椅子を動かすだけでよかった。そして好きなだけ夕焼けを見ていたんだ。

「あるとき、一日で43回も夕焼けを見たんだ」

そして少ししてから君は言いたした。

「分かるかい、人はさびしいときは夕焼けを見たくなるんだ」

「じゃあ、一日に43回も夕焼けを見た日は、君はすごく悲しい
気持ちだったのかい?」

星の王子様は何も答えなかった。

変なオーラ

2007-09-14 06:40:34 | 自分について
今さっき、テレビのトーク番組の生放送に
ジャッキー・チェンが出ていた。フランス人の視聴者を
楽しませるために、片言のフランス語を話していたが、
哀れ。なんであんなに年取ったんだろうか。というか
仕方ないが。目なんかもすっかり小さくなって
これじゃ、初老のじいさんだよ、とテレビに向かって
突っ込んでしまったぜ。

とそれそうと、今週は僕はなんか変なオーラが出ている
らしく、よく知らない人から話しかけられたり、目が
あったりする。親切な人間に見えるのだろか?
昨晩も舗道を歩いていたら、レバノン人の男から
「どこの国出身か?」などと話しかけられ、こいつ
金を騙し取ろうとかそういう魂胆あるに違いない、
と思ったら「have a nice evening」とかって言って
去っていったし、今日は今日でいろいろあったし。


働くということ

2007-09-13 07:14:16 | パリ左岸
口汚い言い争い、怒鳴りあい、軽蔑、
なんかで一日が過ぎてしまった。早い、時間が過ぎるのが。

今、日本側の某企業とやりとりをやっていて
フランス人グループとそれとの間に入っているのだが、
例によって争いが絶えない。もともと仕事の資料
自体フランス語で来るから、それを担当者に
頼んでフランス語に訳してもらってフランス人グループに
伝えてるんだけど。今日に限って、情報の伝達に不具合発生。
説明しにいったらフランス人グループのシェフから
その場にいて、日本側に電話をかけて通訳を命じられる。
というか、俺、通訳要員じゃないんだけど。
頼まれるがままにフランス語の通訳をさせられ、日本側の
企業のスポークマンになり、通訳なんかしたせいで
フランス人のスタッフから怒鳴られたり八つ当たりされる。
というか、俺のせいじゃないんだけど。
直接日本企業にぶつけてよ。

そのあと夕方、ひょんなことで広報担当のバレリーに
逆鱗に触れる。要するに然るべき情報が彼女に行ってなかった
だけの話なんだけど。まあ、僕の責任でもある。
でも彼女の激昂といったら尋常じゃない。
2時間近く激昂しまくり、「他人に対する尊重の欠如」とか
「6年の仕事の後退」とか、「愚の骨頂」とかとりあえず
手がつけられないくらい怒りまくる。
2時間ぐらいしてやっと怒りは収まったが、その間ずっと
僕がバレリーのなだめ役。つーか、これも仕事の一部?



パーティ・アニマル

2007-09-11 06:21:05 | 自分について
先週の金曜は同僚のアパルトマンでpot、
土曜は自分の家に友達が来てfête、
日曜は仕事相手から夕食に招待されまたfêteと
フェットばかり週末に続いて、頭の中疲れモード。
アルコールも大量摂取してしまい、どうやって
家に戻ったか覚えてないし。こりゃ重症だ。

久しぶりに麦焼酎、「いいちこ」を飲んだ。
調子に乗って深酔いしたが、やっぱ焼酎はおいしい。

5区のレストランと僕

2007-09-09 19:28:13 | フランス語
雑誌を読んでいたら面白い記事が載っていたので記しておこう。
5区に新しくできたレストランについての記事だったんだけど、
問題はそのレストランの名前。

TOUSTEM(トゥステム)

もちろんこんな単語はフランス語に存在しないので
記者がいろいろ意味を考えている。何か同音の単語の
言葉遊びでこの名前がつけられたのではないか、と。

最初に思いついたのは

Tous t'aiment(トゥステム)
みんなが君を愛している、という意味。
来店するお客さんはみんな大歓迎です、みたいな
ことが言いたいんじゃないか?


その後に考え出したのが

Tous thèmes(トゥステム)
すべてのテーマ、という意味。
どんな食材でも、どんな料理でも出しますよ、みたいな
ことが言いたいのかな、などと推測。
結局結論は出ず、レストランの名前は
なぞのままなんだが。

セーヌ川の明かり

2007-09-07 05:53:04 | パリ右岸
仕事帰りにふらふらとセーヌ川沿いを歩く。
それはそれでいい風景なんだが、頭の中は不満と
憤りと仕事のストレスで一杯。なんかパッとしない。
ふと川面に視線を落とすと、極彩色のネオン、
バトームーシュが通り過ぎていった。
ああ、こんなに自分はストレスで鬱鬱としているのに
観光客は優雅にセーヌ川を遊覧して食事とか
しているんだ・・・。などとちょっと自分が惨めに。

手クセで済ませている

2007-09-06 06:20:16 | 自分について
フランス語の割と長いレターを書いてフランス人の
同僚に添削してもらった。彼女の答え、
「こういう文章書くんだったら、最初から必要な要素を
私に説明してくれて、最初から私が書いたほうが
時間とエネルギーの節約になるから、次からそうして」

確かに。文章長ければ長いほど、かつ内容が複雑で
あればあるほど最初の段階からフランス人の同僚に
書いてもらったほうが早いのだ。僕が下手にレター
書いて添削してもらうより。まっとうな答えである。

でもちょっと落ち込む。やはりどんなにがんばっても
満足なフランス語のレターを自分は書けないのだ。
というか自分の弱点は、というかいつもそうなんだが
なんでもかんでも手癖でやっているような気がする。
手癖でフランス語を学び、手癖でフランス語を話し、
なんか手癖で文章を書き、手癖で仕事しているような
気がする。要するに複式呼吸じゃないというか、
本腰が入っているような気がしないのだ。
これって致命的だなあ。

空港と工業団地と僕の車

2007-09-05 06:24:46 | パリ郊外
仕事の関係で車に乗って、空港近くの工業団地
まで行ってきた。僕は自慢じゃないが、驚くほど運転が下手で、
極力車には乗らないようにしていたのだが、
ロワシー近くの工業団地なんてタクシーで行くのも
馬鹿みたいだし、路線バスは恐ろしいほど本数が
少ないらしいし、結局重い腰を上げて車のエンジンを入れたってわけだ。

すでにパリ市内から環状道路に乗るのにてこずる。
というかあちこち工事中でなかなか道路に着かない。
やっと環状道路に乗ったと思ったら、反対方向の入り口だったり。
環状に乗っても今度は、ひどい渋滞。パリから空港方面行きの
高速に乗るだけで30分以上費やす。
空港までの高速はスムーズだったが、何せ自分、高速の運転
自体に慣れていない。よろよろよろけながら、フラフラ
運転するのだった。

工業団地に着いたころはもう空港近辺は黄昏どき。
こんなに倉庫があって、こんなにパーキングに
車が駐車されているのに、道路には人っ子一人いない。
道路を走っている車もまばら。工業団地特有の
殺伐とした空気が流れていた。

目的地到着。
なんだやればできるじゃん、自分。
よく考えたら車で高速に乗って空港来るのは
これが初めてだったんだ。