日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

着地すること

2010-04-30 00:02:26 | 読書生活
ふと昔読んだ小説を思い出した。タイトルとあらすじは時々思い出すのだが
正確な作者名なんかが分からなかったのだ。気になってネットで調べてみると
作者はエリザベス・ギルバート、『着地』(LANDING)というのが正式な
タイトルだった。ネットって便利だなあ。

「根無し草」それがテーマだ。主人公の女性は、もういい歳だというのに
いっこうに落ち着く気配もなく、行きずりの恋愛をアメリカの西海岸で
している。出会ったばかりの男をナンパしたりとか。そういう様子が
描写されているのだが、最後に、女が考える。人生にはいつか着地する
ときが来るのだ。でも、それは今じゃない。

多分、そんな筋だったとような気がする。なんか「着地」という単語が
重くって。最初に読んだのは30歳ぐらいだったんだが。なんか、自分、
まだ人生において着地していないような気がする。根無し草のような。
漂流しているのかなあ。

4月の東京

2010-04-25 00:27:48 | 東京
久しぶりに晴れて、青山通りをブラブラ歩いていたら
ビルとビルの間に東京タワーが見えたので一枚撮ってみた。

関係ないが、愚痴を他人に言ったりする習慣が自分にはないもんだから、
たまに同僚同士でいかに自分が大変な仕事をしているか、とかそういう
ことを言い合っている光景を見るとなんか引いてしまう。
感情を分け合うというのは大切なことなんだろうが。
悩みを相談したりとかもしないしなあ。

神田・アキバ界隈

2010-04-21 23:32:02 | 東京
週末に実家に電話をしたら、甥っ子のお守り(小学校2年生)で
実家は大忙しだということを母親が言っていた。ちょうど
姉がこの春から働き始めたので、姉が甥っ子を見れない時間は
実家の母親が預かっているらしい。
甥っ子がさびしがらないように、一人ぼっちで他人に
置いてけぼりになったような気持ちにならないように
母が一生懸命世話をしているらしい。
どうせ大人になったら孤独と向き合うことになるのだから
せめて子供の頃ぐらい幸せでいたほうがいいよなあ。

他業種の方に仕事の関係で神田・秋葉原を案内してもらう。
僕のことを若いと思ったらしく、「○○さん(僕の名前)は
大体33歳ぐらいですか?」と言われる。
「いえ、41歳です」と答えるとちょっと引いていた。

アキバの街はすっかり昔の面影はとどめておらず、電気街が
巨大なオタク街に変身中だった。みんなどこで
電気製品買ってんだろ、今。

寺山修司

2010-04-18 00:28:39 | 東京
阿佐ヶ谷の某劇場に、寺山修司の演劇「邪宗門」を見に行く。
なぜ見に行ったかと言うと、ただ単に、西荻の駅前を歩いていて
「邪宗門」の公演ポスターが貼ってあったからだ。
それから寺山修司の演劇を今まで何も見たことがなかったので
なんか見てみようと思ったのと、あと、「邪宗門」というのは
よくは知らないけれど大好きな北原白秋の初めての詩集のタイトルが
やはり「邪宗門」というものだったはず。

実際は濃厚な2時間、ところどころの斬新な演出、そして
目くらましのめまぐるしい舞台展開、寺山ワールド全開だったなあ。

冬に逆戻り

2010-04-16 23:19:02 | 西荻
東京はまるで冬に戻ったような天気。
残業のあと、冷たい雨の降りしきる中西荻駅に降り立つ。
冷え切った空気の中で街自体が泣いているようだ。

心に明かりを灯すことができればいいのに、と思う。
もうちょっと暖かくなりたい。ハートも気持ちも。
海でも見に行ってみたいこのごろ。
とはいえ、大学院の授業も始まり、時間に追われる生活が始まった。

授業出席

2010-04-12 21:42:43 | 自分について
修士2年の初の授業に出席する。昨年取れなかった国際政治の
基礎の授業だ。応用のコースをちょこちょこ取っていたのだが
ベースになる基礎をやはり取るべきと思い出席。
出席してみると、9割は修士1年の学生ばかりだった。

コースの全体のガイダンスのあと、一人ひとり短く自己紹介。
授業を取っているのは15名ほどいて、中には中国の留学生も。
一人、自信家な学生がいて、「この中で僕が一番、政治に近い
場所にいると思います」などというセリフをべらべら喋っていた。
ある意味、うらやましい。

国家のため

2010-04-10 00:24:46 | 東京
今日は仕事の関係でトーゴの公務員と話をする
機会があった。トーゴといってもアフリカのフランス語圏の
国と言うことは分かるが、本当はどこにあるか分からない。
ガーナとか、コートジボワールとかあっちのほうだろうな、と
言うところまでわかるけれど。
これって、日本がどこにあるか知らない欧州人みたいなもんか?
よく分からんが。

と言いつつトーゴ人の彼は非常に真面目で
自分の生活を話してくれたの。でも、思ったんだが
高貴な人って、何人でも高貴なんだなあ、と思った。
この感心なトーゴ人はすごい真面目で、トーゴで公務員を
やっているそうなんだが、残業代ゼロでも日曜出勤とか
深夜勤務とかやっていると言っていた。
「なんのために?」と僕が聞くと、「他にやる人がいないから。
それに国のために働いているという自覚があるから」と
言っていた。そんなこという公務員、日本にいるだろうか?

すごい平凡な感じ

2010-04-05 23:24:53 | 西荻
会社帰りに西荻駅前のスーパーでウーロン茶の
ペットボトルを買い、ビニール袋をぶら下げてタラタラ歩いて
いたのだが、ふとした瞬間に夜道に街灯に照らされる桜の木に
気がついた。桜の木は、いつも通る道を一本脇に入ったところに、
白い壁のちょっと古ぼけたマンションの脇にひっそりと
咲いている。花がなぜ美しいのかというのと、自分が美しいとも
知らずただひっそりと咲いているかだ、という詩を読んだことがあるが、
まさにそんな感じで、遠くから見ていると夜の風景に溶け込むような
美しい枝ぶりの桜だった。しかも満開。

ただボーっと見ていたのだが、そのうちにその白い壁のマンションは
実は昔西荻に住んでいた僕の友人の女性が住んでいたマンション
であることに突然気がついた。今まで彼女のことを何度も思い出して
はいたのだが、住んでいたマンションがどこかなんてすっかり
忘れていてなかばどうでもよくなっていたのだ。そういえば
あのマンションに上がりこんではよく話し込んでいたっけ。

突然懐かしい感情が込上げてきて、えもいわれぬ気分になった。
喪失感とか寂寥感とか、過去に対する距離感とかいろいろ感じた。
それで耐えられなくなって、足早にその場をさってしまった。
至極平凡な行動だが。

桜咲く

2010-04-03 10:24:28 | 東京
中野通りを歩く。並木の桜が満開になっている。
桜祭りも今週は開かれるらしい。

今週はよく、原動力(モーター)について考えていた。
何が僕の生活の原動力になっているのか? 何が仕事の原動力に
なっているのか? 何が研究の原動力になっているのか?
いや、よく分からないまま人生をやり過ごすのはいやだなあ、と
思ったので考えていただけなのだが、結局よく分からなかった。
高校の頃の同級生から来た葉書の返事もまだ書けないまま。