日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

明日から

2006-12-20 06:56:18 | 自分について
明日から日本に帰省します。東京と福岡に
合計10日ほど滞在してきます。久しぶりなんで楽しみ。

といいつつ、全然仕事が終わらず職場の机で一瞬途方に
暮れてしまった。これじゃ福岡に帰れんばい。
で、よく考えると自分の問題はよく考えが頭の中で整理されてない
ことだと思う。頭の中の思想の混乱が雑然とした机の上の状態にも、
行動のちぐはぐさにも現れているのだ。
つーか、ちゃんと頭の中を整理すれば生産性も上がって
もっとできる人間になれるのに。などと一瞬の思索。
そんでもってまたテンパった状態で日常に没頭するのだ。
明日出発できるのか?日本に。

レ・アール22時

2006-12-19 07:09:45 | パリ右岸
友人宅からの帰りに通ったので一枚。
フォーラム・デ・アールの北側の通り。
閉店後の街は人影もなくひっそりしている。
いつか深夜過ぎに南側の通りを通ったことがある。
薬の売人がたくさんいて物騒だった(おいおい)。
冬の北風、カチカチの舗道、遠くにはクリスマスのイルミネーション。

最上階のパリ

2006-12-18 07:42:30 | パリ右岸
留学生時代の古い友人のフランス人のおじいさんが遊びに来た。
おじいさんなんで生活のリズムがすべて前倒し。アペリティフの
時間も食事の時間もすべてが早く、午後5時にアペリティフを
とり始め午後8時半にはすべて食べ終わっていた。
昔の話などすると、なんだか自分が大人になったような気持ちになる。
まあ、僕はもういい大人なんだが。

写真はポンピドーセンターの最上階から見たパリ。
ちょっと暗くてなんだか分からないな。冬のパリの空はこんな風に
曇っていて、でも街の果てに少しだけ夕焼けの、ノスタルジーを
誘うような金色の空が広がっている。あの空の向こうにはノルマンディーがある。

トラム開通

2006-12-17 05:00:17 | パリ左岸
12月16日、14時、パリジャンはついに新しい路面電車に乗ることが
できる。ガリアリノ橋からポルト・イオブリーを結ぶトラム路線の開通にあわせ、
この土曜と日曜は無料で乗車が可能になる。

三年間の工事を経て、このトラムがついに開通する。13、14、15区
にまたがる7.9キロの軌道を時速20キロで横断するトラムはバスより早く、
全行程を24分で駆け抜ける。特筆すべきは運行の正確さだ。
ラッシュ時には4分間隔で発車する。

グレーをベースにさまざまなラインの装飾を施された車体は
一日あたり10万人の乗客の輸送が可能だという。これに伴い、ガリリアニ橋
とポルト・イブリー間の路線バスは廃止となったが、料金とチケットは
バスと同じ。カルネも一枚券もこれまで同様使用できるし、チケットは
バス、メトロ、RER共通だ。 カルト・オランジュはZONE1が
適用される。(ORANGEのニュースより)

クリスマス市場

2006-12-15 06:43:05 | パリ右岸
ポンピドーセンターに行ったら仮設の
マルシェ・ド・ノエル(クリスマス製品を売るスタンド)が
幾つかできていた。ああ、年の瀬なんだなあ。

つーか、日本に年末戻るために終わらせないといけない仕事が
ただでさえ多いのに、なんか毎日増えていくような気がする。
帰れるのか、本当に。しかも他人の仕事もさせられているような
気がするぜ。こんな社会でいいのか。

天神コア

2006-12-14 07:16:10 | 福岡
今日会社帰りにいつものようにスーパーによって
ワインだの、牛乳だのカゴに入れてレジに並んでいたら
いきなり停電。しかもレジの電気だけ。
待たされる人々。あちこち駆け回る従業員。進まないレジの行列。
とじりじり緊迫した空気が流れたが、20分ほどたった時点で
「今日は復旧しません」の一言。ひどか・・・。
辛抱強く待つんじゃなかった。などと思うことひとしきり。

とそれとは全然関係ないのだがネットのニュース(九州版)を
見ていたら

天神コアの紀伊国屋書店閉店

のニュースが。天神の紀伊国屋書店といったらもう何十年も前から
天神コアという天神のど真ん中にあるビルの最上階にある
天神地区最大の老舗書店だ。ちなみに天神というのは福岡最大の繁華街。
中学・高校生の頃は福岡に行ったら絶対立ち寄っていた書店だし、
福岡市内に住んでいた大学生の頃は毎週のように通っては
立ち読みしていた書店だった。あの頃は大型書店というのが福岡にも
あまりなくて、洋書が一番手に入るのはこの天神の紀伊国屋書店だったのだ。

あと、中学生だった頃、夏休みに姉と一緒に電車に乗って福岡市内の従兄弟
の家に遊びに行ったことがある。その時叔父さんに連れて行ってもらったのも
この紀伊国屋書店だった。辻邦夫の児童小説『ユリアと魔法の都』を叔父さんに
買ってもらったのを覚えている。
そのあと天神コアの別のフロアのレストランに叔父さんと、姉と
従兄弟2人と入ってチョコレートパフェかなんかを食べたんだよね。

天神コアビルに足を踏み入れるたび、エスカレーターを上って
紀伊国屋書店に入るたび、わくわくした気持ちを覚えた。
難しい哲学書とか、意味不明のタイトルの書籍を手にとっては
長く立ち読みしていたなあ、訳もなく。あの書店がなくなるとは。

ことばの温度

2006-12-13 06:56:24 | フランス語
フランス語を母語としない外国人がフランス語の手紙を書いた場合、
どうしておかしい文章になるのか?

思うにそれが何語であったとしてもひとつひとつの言葉には
気温というか温度があって、均整の取れた滑らかな文章というのは
それぞれの単語やフレーズが温度差なく、いわゆる同じ温度で
まとまっているのだと思う。
例えば、「少し」という単語と「ちょっと」や「少々」という単語は
それぞれ同じことを意味しているのに、温度が少しずつ違うのだ。
フランス語でも同じ「待つ」という意味でも、
「attendez」と言うのと、「patientez」というのでは全然感じが違う。
「怠惰な」という意味の単語も「paresseux」と「fainéant」では違う。

この単語やフレーズの温度というのが外国人にはつかみづらく、
例えば文章を書くときに、全然違う温度差の単語を放り込んだりするもんだから
奇異な文章になってしまうんだと思う。逆にネイティブは無意識に
同じ温度の単語を選択して文章を組み立てているのではないか。

などと真剣に考え事をしていたら、パリ在住の日本人コーディネーターが
書いたフランス語のメールが僕にもCCで送られてきた。
いろいろ難しく考えている自分が馬鹿みたいに思えるようなすごいメールだった。
つーか、ああいうメール書いててパリでコーディネーターってできるのか?
いや、他人のことは言うまい。つーかなんかむかついたんで書いてしまったぜ。


冷たい雨とメトロと

2006-12-12 07:01:33 | パリ右岸
今日は冷たい雨の降る日だった。
みんな寒い、寒いと言っているにもかかわらず
思い切り薄着していって周りで見ている同僚に「寒くないの?」と
心配される(というか馬鹿にされる)。

仕事の関係でDUPLEIXという女性と会う。
なんと彼女、初代インド総督のデュプレックスと同じ家系なんだそうだ。
すごい。ああ、東インド会社の歴史は綿々と今日につながっている
のだなあ、などと実感。ってそんなことに感心しているのは僕だけだったが。

地下鉄に乗ったら、まだ開通していないにもかかわらず
14号線の終点の駅が「国立図書館」から「olympiades」
に書き代えられていた。そうそう、12月26日から
毎週土曜日と祝日の前夜はメトロの最終が1時から2時になるらしい。
といっても寒すぎて出かける気にならないが。

ランド地方風サラダ

2006-12-11 07:42:09 | パリ右岸
地図を見ると分かると思うが、ランド地方というのはボルドーの南、
ボルドーとバスク地方の入り口ビアリッツあたりまでの間、
何百キロにも渡って海岸線と松林が続く、自然に恵まれた地域だ。
一度TGVに乗ってバスクまで行ったことがあるが、ボルドーから先は
地平線と松林しか車窓から見えなかった。

それでなんでランド地方かというと、今日はフランス人の友人が
自宅に来ることになっていた。で、いつも料理が下手で、作るには作るけど
よくわけの分からないものができあがってしまう僕なのだが
(ほんと、犬の餌みたいな料理がよくできあがる。まあ、一人だから
あまり気にせず食べているが)、客人が来るなら、ということで
一念発起してランド風サラダを作ったのだ。

ランド風サラダ、といっても実は簡単でプチトマトとグリーンの野菜
をオリーブオイルで絡めたうえに、鴨肉のレバーとフォアグラを入れるのみ。
結局、フォアグラが入っていることがランド風サラダの特色なのだ。

で、結果は、というと直前に友人が風邪引いて家にこれないことが分かり、
予定を変更してポンピドーセンターにイブ・クライン展を見に行く。
金色に塗られたスポンジのオブジェを見て少し気分が悪くなる。
でそのあと、家に戻ってきて一人でランド風サラダを食べた。
なかなかおいしい。ちょっとわびしかったが。

辞書にない言葉(2)

2006-12-09 16:57:56 | フランス語
辞書にない表現なんてそれこそ掃いて捨てるほどあって、
一々気にしていたらキリがないのだけれど、最近二つ
気になったのでここに書いておく。

de la confiture aux cochons(豚にジャム)

これはまさに日本語の「豚に真珠」と同じ意味。
ある大学の先生が(日本人)、言語は違っていても
比喩表現はそう変わらない、と言っていたけれどその好例かも。
ていっても、家畜との関わり方は文明が違ってもそう
変わらない訳だから、当たり前とも言えるけれど。

il n'y a pas le feu au lac.(湖に火事は起きていない)

これ、「慌てることはない」という意味になるんだが、なぜどうなるのか
ちょっと不明。確かに辞書にはil n'y a pas le feu à la maison
(家は火事じゃない)という同じ意味の表現が載っているが、
もっぱら聞くのは「湖」のほう。

パリの新しい路面電車

2006-12-08 06:44:06 | パリ左岸
新しいトラムが今月16日に開通するというので
街中にポスターがあふれている。
よく考えたらパリ市内の路面電車というのはこれが初めてかもしれない。
軌道はパリの外縁道路のすぐ内側を通るマレシャル通りの路面。
左岸のPORTE DE VERSAILLESからトルビアック方面まで延びる。

実は路面電車というのはどうもフランスでも最近見直されている
らしく、あちこちの地方都市でも新しい路線が敷かれたり
(ボルドー、カンなど)、パリ郊外でもどんどん新路線が
開通、もしくは延伸している。

明日の自分

2006-12-07 07:53:32 | 自分について
仕事をしていていいことはとりあえずいろんな人間と出会う
機会があることだ。全然社交的ではない僕ではあるが、仕事で
いろんな人に会うのは平気で、この一ヶ月日本人だのフランス人だの
多種多様な人間と出会った。中には人間的にも魅力的な人もいれば、
キャリアも肩書きも素晴らしいのになぜかまったく魅力のない人間もおり、
真面目に生きているのに不健康な感じしかしない若者もいた。
ほんと、人間ていろいろいるなあ、なんとおもう一ヶ月だった。

そんな中、はと我が身を今日振り返ってみた。地下鉄の中で、
ガラスに映る自分の顔を見ながら、ってドラマかよ。
自分のことをサラリーマンだとは思ったことは全然ないのだが
毎日のクソみたいなルーティーンをさせられている姿はまさに
サラリーマン以外の何者でもない、しかもかなり性質の悪い
安物のサラリーマン。そもそも自分が何になりたかったか、というと
*ヒッピー
*ロック歌手
*旅行ライター

だったのだが、今、一番現実的になれそうなのはヒッピーのようだ。
いまさらロック歌手なんてなれないし、フランスに住んでたら
旅行ライターなんて売り込みもできないしね。
ってあんまり軽口たたいたらヒッピーに失礼か。

フランスは雨が降ってます

2006-12-06 07:17:55 | フランス
ということでフランスというかパリ市内なんだけど
今日は一日中湿っぽく、冷たい雨が降ったり止んだりする
天気でした。カラッと晴れた夏の青空が懐かしい。

雨だとすぐ思い出すのがノルマンディー。
留学していた大学生時代に一人で年末・年始にバスと電車
旅行をしたのだが、カンからバスでオンフルールへ行き、
オンフルール、トルービルで夜を明かし、その後
またバスに乗ってルアーブルに移動、ルアーブルからは
ルーアンまで電車に乗って移動したっけ。

その間ずっと雨が降っていた。降ったり止んだり、止むと
素晴らしい青空が何もなかったように広がる。
ノルマンディーの冬特有の天気。
昔、読んでいたトーべ・ヤンソンのムーミンシリーズで
「静かなのが好きなヘムレンさん」という話があるのだが
ヘムレンさんは雨の日も晴れの日も延々と読書をする。
誰にも邪魔されず。そんな話を思い出した。ああいうヘムレンさん
みたいな不動の、何が起こっても微動だにしないキャラクターも
いいよな、などと思う。
教養だけつけて、それが何も社会の役に立っていないが。
知識も体力もすべては社会に還元するため、とは僕の
父が言っていた言葉。どっちもあんまりないが。

PETITES EQUIVOQUES SANS IMPORTANCE

2006-12-04 20:52:41 | 読書生活
アントニオ・タブッキの小説、
petites équivoques sans importancesを購入。
重要でもない、ささいな曖昧さ
とでもなるんだろうか、直訳すると。
この本は85年に既にタブッキが発表していたのだが
フランス語版が出たのは今年だそうだ。ちなみに日本語版
は既に出ているはず。

それにしてもこのカバー。素晴らしすぎ。
Gérard Castello-Lopesの写真だそうだが、
リスボンの庶民的な街角がリアルに出ている。
リスボンってこんな風に人々に長い影ができて、
物憂げな延々と続く午後があるんだよなあ。