日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

バルバラ(2)

2007-06-26 06:23:28 | パリ左岸
バルバラの「黒い鷲」という曲だが、詞の内容は
あなたが髪をさすってくれる、だの、
あなたがこの手を取ってくれる、だのかなりロマンチックなんだが
本当はそうでもないらしい。実は近親相姦を歌ったものらしい。

父親からバルバラが受けた性的虐待を詩的に、というか
シャンソンに昇華させたらしい。
同僚のバレリーが解説してくれたんだが、バルバラの美しい歌も
シャンソンの繊細な世界もそれですべてぶっとんだ。
当時バルバラが過去の重いトラウマを本にして出版したのだが、
その本の中にはこの父親との性的関係も赤裸々につづられていた。
その思いを乗り越えて作ったのがこの曲。
って、なんかフランスぽくていいエピソードだなあ。

バルバラ

2007-06-24 02:58:41 | パリ左岸
音楽の日、街中のあちこちでバンドの演奏
が聞こえ始める夕刻。事務所の廊下で同僚の
バレリーがフランスの代表的歌手、バルバラの
歌の物まねを振り付けつきでやっていた。
「黒い鷲」という曲だったんだが、鷲が羽を
羽ばたかせる動作を真似て、両手を大きく
上下に振り回していた。その姿を見て他の
同僚も大笑い。ていうか、面白すぎ。

写真はうちの中庭の景色。天気が悪いが緑がいっぱいっす。

最大公約数的な悪趣味

2007-06-21 06:35:04 | パリ左岸
今日は仕事の関係で外部の人たちの集まる
(主にフランス在住の外国人)会議に出たんだけど、
あまりの会議のゆるさに途中から帰りたくなった。
みんなべらべら喋るだけ喋って、何も進まないのだ。

会議の議題の一つで、あるイベントのポスターのデザインを決める、
ということがあったのだけれど、デザインの候補として出てきたのが
どれも凡庸なデザイン、すべてどこかでもう見たことあるような
ものばかり。なのに、みんな口を揃えて
すばらしいとかかっこいい、とか賛同の嵐。
多数決で決まったポスター案は、僕がもっとも凡庸
だと思ったデザインのポスターだった。
俺は認めないぜ、あんなデザイン。


夕方、13区の劇場にちょっと招待券をもらっていた
ダンスの公演を見に行く。ストイックすぎて自分に向かない
ことがすぐ分かる。確かに過剰なものは疲れるけど、
ストイックすぎるものって、観客にも禁欲を強いられるから
見ていてしんどくなるんだよね。

などとパリを東西南北に駆けずり回って一日が終わる。
まだ週の真ん中だよ。

そんなの火を見るより明らか

2007-06-20 06:52:12 | フランス語
火を見るより、ってこんな漢字だっけ?
とそれはそうとこの表現、フランス語でなんというか、
最近習得した。

C'est comme si on demandait au Pape s'il croit en Dieu

(それはローマ法王に神を信じるかどうか尋ねるようなもんだ)

職場でフランス人の同僚に話したら、
「そんなの俺のおばあちゃんが言ってた表現だよ」
などと返された。そんな古臭いのか。

歳月の流れととびうめ国体

2007-06-17 07:44:32 | 自分について
とびうめとは、福岡の太宰府にある有名な梅の木。
太宰府天満宮の境内にある菅原道真ゆかりの伝説の梅
なのだが、ある意味歴史・観光遺産に乏しい福岡県の
重要な観光資源の一つと言っていい。まあ、福岡の
観光名所と行ったら太宰府天満宮しかないもんなあ。

とびうめ国体は、その飛び梅にちなんだ名前をつけた
90年代に福岡で行われた国体の名前。僕はもう
その頃は学校を卒業して東京で働いていたけど。
福岡には国体だの、ユニバーシアードだの、よかトピアなど
県の発展の節目になる重要なイベントがたくさんあるのだった。

で、なんで国体の話なんか出すかというと、今週
ふとしたことでパリ在住の福岡出身日本人アーチストと
仕事で話す機会があったのだ。話していて、彼は
僕と彼が同じ世代だと思い親しく話してくれるのだが、
彼は32歳。僕なんか38歳だから微妙に時代感覚が
ずれるのだ。「とびうめ国体のとき福岡で高校生でした」
という彼に「もうそのころ東京で就職していたよ」などと
心の中で突っ込む自分。でも、わざわざ「本当は歳行ってます」
などと言うほどのことでもないと思い、黙って話を聴いていた自分。

出町柳~「おひさま」から

2007-06-13 13:45:02 | 種ともこ
新アルバム『おひさま』の中の一曲。
種さんいわくこれは「ご当地ソング」なんだそうだ。
って出町柳って何?と思いWIKIPEDIAで
調べると、京都の学生街の駅らしい。駅の周りには
京都大学や同志社大学、数々の予備校が集まっていて
関西では有名な学生街らしい。って、知らないって。
種さんは京都の大学行ってたんだもんな。

出町柳の中では失ってしまったものへの懐古が
一貫して歌われる。失った時間、失った空間、
失った人、失った約束、失った選択。
大人になるということはそうした喪失感に慣れて
しまうことなんだろうな、と思う。残念ですが。

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風が出てきた
約束したことなど
何一つ本当にならなかった
それでもここに来たよ

普段はこれといって何も起きない

2007-06-12 05:51:35 | パリ左岸
種さんのアルバムの感想を続けようと思ったが一休み。
長い週末が終わって職場復帰の月曜日。

なんやかんや言って自分の席の電話、朝から
鳴り続ける。どうでもいいことから、重要なことまで。
重要なことといっても自分ごとき、タカが知れているが。
某フランス人のカウンターパートからJAZZかなんかの
フェスティバルの実行委員会に名前を入れていいか、など
の問い合わせ。入れてもいいけど、JAZZなんて
興味ないよ。クラシックよりはまだ好きだけど。
僕は言語芸術が好きなのだ。

夕方、別のフランス人の同僚と話す。フランスの演劇は
ドイツの演劇とイタリアの演劇の影響をどちらも受けていて
舞台装置などその中間に位置する、などの話を聴く。
確かにフランスの古い劇場はすべてイタリア式劇場だが
コンテンポラリーなものになればなるほどドイツ的な劇場
要素が多いのかもしれない。

ブリュッセルのフェスティバルに行ったとき、ひょんなこと
で知り合い一緒に飲みに行ったベルギー在住の建築家の
方からメールが届く。僕よりずっと若いが(31歳ぐらい)
元気そうにやっているらしい。ちなみに彼は僕を
彼と同じ歳ぐらいかと思っていたらしいが。

前うちの事務所に勤めていてもうやめてしまった
フランス人の友人からもメールが届く。元気にやっているらしい。

メールであれ、実際の物理的な出会いであれ、あまりに
多くの人々が行ったり来たりするから最近ついていけない
自分だった。

おひさま

2007-06-10 16:47:57 | 種ともこ
種さんの新アルバム「おひさま」の表題曲、おひさま。
ひだまりの中で、明日の方向を向いて聴くべき曲という感じ。
のんびりしたメロディーとアレンジの中で、でも
未来への確かなメッセージがこめられている。

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夢見る頃をすぎて 何が変わったんだろう
明日もまた あたしでいられますように

おひさま おひさま カモン

let's dance all night

2007-06-07 08:07:09 | 種ともこ
種さんの新アルバム「おひさま」の中の一曲、
let's dance all night.
大時代的なタイトルで、なかなか恥ずかしい曲と
思いきや、キャッチーなメロディー、
心地よいアレンジに等身大の歌詞が乗っかって
なかなかいい感じなのだ。その曲の世界観といったら
等身大過ぎて、涙が出そうになる。
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眠いとか疲れたとか
思わない日はないけど
昔はもっと平気であそんでたよね

このまんま年老いていくのはいやだ
いつまでも若いつもりもヤダ
探してる 探すつもりもなかったものを

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本当にこのまま年老いていくのはいやだと
思う。なんか不完全燃焼しかしていないような
気がする。自分なりに。こんなんでいいんだろうか。


l'hay les roses という街

2007-06-05 06:08:16 | パリ郊外
l'hay les rosesの街にある有名なバラ園で行われている
イベントを見に行った。このパリの南の郊外にある町、
ラ・エ・レ・ローズと言うのだけれど、ぱっと街の
名前を見ただけではにわかに想像できない呼び名だ。
発音の法則にもちょっとだけずれているし。

バラ園は街を見下ろす高台にあった。
気持ちのいい芝生の広がる公園の中にバラ園がひっそり存在する。
季節のせいか、バラ園のすべての種類のバラが満開になって
芳しい香りを蔓延させている。こんな多くのバラがあるとは。
昔、大学生の頃ジュネーブに一人で旅行してバラ園に行ったことがあった。
あのときもわけの分からない名前のバラを見ながらバラ園を散策
したなあ。もっと身近なところでは、実家の近くの
久留米の石橋文化センターのバラ園に行って、咲き乱れる
バラの花を見ながら散策したことがあったっけ。
市民図書館と青木繁の復元アトリエとかあるあたり。
などとバラ園についてはいろいろ思い出がある自分だった。

バラ園の中ではスタンドが出て、バラの香りのジュースを
売っていたり、またバラ水で手を洗いませんか?などという
不思議な屋台があった。手を洗わせるための商売?

サンドニの劇場

2007-06-03 20:43:51 | パリ郊外
パリの北郊、サンドニにあるフィリップ・ジェラール劇場まで
コンテンポラリーダンスを見に行った。
ダンス自体は非常によかったんだが、なにせ遠い!地下鉄で
サンドニ・バジリクまで50分ぐらいかかって、駅からも
15分ぐらい歩かされる場所。
サンドニに行ったのはこれが二度目だったが、思ったより
中心街が大きくてびっくりした。

ダンスが終わったあと23時半ぐらい、暗い商店街をぶらぶら
一人でメトロまで歩いた。やることのない、時間をもてあました
人々が辻辻に立っていては、こちらをじろじろ見ていた。
若者もマグレバンのおじさんも、みんな漫然と話をしている。
荒涼とした郊外の夜。