日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

たまにはフランス語口語表現でも

2006-08-31 06:27:07 | フランス語
最近旅行記というか日々の印象を記すことが多いので
ここらでフランス語表現の話など。しかも辞書に載ってないやつ。

elle est de Marseille!

直訳すると「彼女はマルセイユ(南仏の大都市)出身だ」
となりますが、意味は「彼女はそうとう大げさだ」というらしい。
マルセイユ等南仏の方々が誇張して話すことが多い、という評判から。

il est complètement à l'ouest.

これは直訳すると「彼は完全に西の方にいる」だけれど
実際の意味は「(疲れていて)彼は完全にボーとしている」
なんてニュアンスか。
同僚にいるんだよね。そういうやつが。

あとは今日読んだ新聞の中に美しい文章があったのでただ単に
記しときます。ミッシェル・ウェルベックの小説が原作の
映画評から。

deux quarantenaires en crise dans un monde en crise,
marqué par leur enfance difficile et qui essaient de trouver
des réponses à leur angoisse à travers la recherche de l'amour.
mais l'amour est-il vraiment un remède?
N'est-il pas plutôt une souffrance?

危機的な世界に生きる危機的な状況の二人の40代の男。
彼らは苦難に満ちた少年時代を過ごし、ともに愛の模索を通じて
この苦しみの答えを探そうとする。
しかし愛は本当に癒しの薬なんだろうか?
本当のところひとつの苦しみではないのか?

夜のモントルゴイユ街

2006-08-30 05:33:52 | パリ右岸
Quartier Montorgeuil à 21hOO

仕事帰りに市民プールに行ってその後
メトロの駅までぶらぶら一人で歩く。
途中、夜のモントルゴイユ街を通り過ぎる。
半分以上の店がもうシャッターを閉めているけれど、
カフェやレストランは暖かそうな明かりの元
大勢の客で賑わっている。
モントルゴイユ街はラウル・デュフィの画にも
何度も出てくる、伝統的な商店街だ。あの画は
どこで見たんだっけ?カルナバレだっただろうか。
夏の終わりの、夜のそぞろあるきは本当に心地いい。
たまに、こんなことをやっている大人に昔から
なりたかったのかなあ、なんて思うことがある。
小さな自己充足感だが。


アテンド通訳(の真似事)

2006-08-29 13:07:33 | フランス語
出張者を連れて機関訪問、通訳のようなことをやった。
話の内容が専門的過ぎて途中まで話についていけず。
というか専門用語(言葉にすると単純なことなんだけど、
それぞれの関連性が見えず)が満載でひたすら理解に苦しむ。

例えば、「項目」(ITEMS)の話をしたかと思えば
その後「項目編集」(VERSIONS)の話。
要は統計の取り方のトピックだったんだけどね。
itemsもversionも言葉としては知っているけど、ある研究試行において
項目をいくら作って、それを組み合わせたものを「項目編集」
と呼ぶ、ということに全然気がつかなかった。
話者は「いくらの項目がありますか?」とか
「編集の時の問題はなんですか?」とかバンバン質問するし。
そのあと「○○モデル」とか出てきてますます会談は
ドつぼにはまるのだった。つーか、事前に資料渡せ。

あとフランス語話者が長すぎてとてもノートしきれず、
自分の記憶力不足を実感。訳すとき、
最初の方に言った言葉忘れてるし、自分。
ということで今日はボロボロ。いやあ、謙虚にならないといけないよな、自分。
フランス語またやり直しかい。



大人になっていいこととは

2006-08-28 05:20:06 | フランス語
大人になっていいと思えることは
長い間解けなかった謎がある日、解けたりすることだ。
例えば最近、フランシス・レイ作曲のグルノーブルオリンピック
を描いたドキュメンタリー映画のテーマ、「白い恋人たち」
の話を雑談でする機会があった。

日本でも有名なこの曲、タイトルを知らなくてもメロディー
を聞けばみんな分かってしまうはず。
その曲の原題は13 jours en Franceというのだ。
中学生の頃、この曲の楽譜を練習していたときこの原題を目にしたのだが、
当時もちろんフランス語なんて分からないから、
「なぜ、『白い恋人たち』の元のタイトルが13だの
フランスだのそんな単語が入っているんだろう?」
とずっと不思議に思っていた。

今、この原題を見ると、直訳すれば「フランスの13日間」
グルノーブルオリンピックの13日間を追ったドキュメンタリー
だから全然不思議ではないタイトルなのだ。
というか「白い恋人たち」なんて邦題のほうが変。

この曲、下のサイトで聞けます。


http://www.francis-lai.com/fr/films/60s/13jours.html

そんなこと全然恥ずかしいことではない

2006-08-27 06:20:53 | 自分について
さっき、結構真面目な話を文章にしてブログに書いていたら
途中でパソコンがフリーズして全部消えてしまった。
あーなんか馬鹿らしくなってしまったぜ。ということでまた
初めから書き直すのもなんなんで全然違うこと書きます。

今週、周りの人間と話していたら、ある人のことをさして
(もちろん彼女はその場にいない)、「彼女には文化的アイデンティティー
がないからかわいそうだ。自分が何物なのか未だに分かっていない」
みたいなことを言っていた。

でも僕はこの歳(もう30代後半だよ)になってあえて言える。
「アイデンティティーなんて、そんなんどうでもいいじゃん」
アイデンティティーの確立とか、アイデンティティーの危機とか
よくそんな表現が氾濫しているけど、僕は、アイデンティティーが
なくったってそんなこと全然恥ずかしいことではないと思う。

(ここで言っているのはもちろん個人の心理レベルでの話。
少数民族に対する政治的意向によるアイデンティティーの抑圧の話とは違う)

男としてのアイデンティティー。
日本人としてのアイデンティティー。
30代サラリーマンとしてのアイデンティティー(なんだ、それ)。
だいたい自分が何物か分かってるやつなんているんだろうか?

太ってようが、恋人がいなかろうが、カッコ悪かろうが、
自信喪失症だろうが、なんら恥ずかしいことなんかないと思う。
それよりも他人の価値観に振り回されて自分の人生を生きていないことの
ほうがずっと恥ずかしいと思うよ。



翌日は知らんぷりで~マジョルカ島8

2006-08-26 05:26:11 | スペイン
島の裏側まで行って、疲労と発汗でひどい思いをした後、
翌日僕はまた何も無かったように海へ。

海辺にはまだ10時前だというのに人々が集まっている。
家族連れ、カップル、中年、老人のカップル。スペイン人、外国人。
いろいろな人々が思い思いに時間を過ごす。

みんな海を見ている。遠い水平線には何もない。
客船さえも何も現れない。ただ青い地中海だけがそこに横たわっている。

フランスで猥談ってか

2006-08-25 06:09:18 | パリ左岸

今日は同僚のフランス人二人(男)とランチに出る。彼らは
日本留学経験もあり、日本語も達者。ということで
日本語とフランス語ちゃんぽんで雑談。職場の女性で
誰がかわいいとか、日本で言われる美人の典型とは、とか、
本当どうでもいい男の話をする。別に猥談ってワケでもないんだが。
こんな話、フランスでもやっている自分っていったい・・・。
ちなみに他人にはいろいろしつこく尋ねるクセに自分の
体験は絶対話さないという僕はずるい性格なので結構聞き役。

テレビを見ていたら夏にビーチの管理をする人たちの
ドキュメンタリーが流れていた。海岸(PLAGE)で働く人、
海岸人(plagiste)というそうです。熊手みたいな箒で
砂浜整備するだけの仕事なんだけどね。あと海水浴客に
食事出したりするらしい。

月曜に出張者にくっついて、フランスの会社を訪問して
なんか通訳の真似事ようなことをしないといけないのだが、
まだ何も準備してないや。

シャルロット・ゲンズブールのニューアルバム

2006-08-24 06:27:04 | フランス
テレビのニュースを見ていたらどこかで見た顔、
シャルロット・ゲーンズブールだった。
8月28日になんと20年ぶりのセカンドアルバム
「5:55」が発売になるという話題。なんかいいタイトルだなあ。

映画にはコンスタントに出ている彼女、今月も
「science des rêves」というガエル・ガルシア・バーナルとの共演した
映画が封切りになっていたが、歌となると
自身の主演映画「love etc.」の主題歌を歌って以来じゃないか。
もちろんマドンナのアルバムに参加したり、エチエンヌ・ダオー
とデュエットというのはあるが。
ということで発売が楽しみなのだった。

http://www.myspace.com/charlottegainsbourg


社会的抑圧なんて

2006-08-23 06:12:31 | 自分について
~la pression sociale, autrement dit, la merde~

昼ごろ会社の近くの通りをぶらぶら歩いていたら
大声で僕の名前を呼ぶ人が。振り向くと同僚のバレリーが
カフェのテラスから手を振っている。一緒にランチを取らないかと。

バレリーともう一名の同僚と三人でランチを取る。
夏のバカンスの話しなど。話しながら気がついたことが。

バレリーはグループでの旅行と同じくらい一人旅もいいものだと
と思っているらしい。
「だって、そのほうがいろんな人と知り合える機会が多いじゃない」
と彼女は言った。孤独になる機会を見つけるためだけに一人旅を
するのではなく、人と知り合うために一人旅をするという
考え方もあるんだなあ。

彼女が言っていた、「正常すぎる人種は恐ろしく退屈だと」
まったく同感。正常すぎる、常識的過ぎる人間はちょっとの逸脱だって
受け入れられないのだ。そういう人間に日々苦しめられている僕にとっては
救いの一言だ。

「パリにいるときは面白い人種が多いからいいけど」
と彼女は言った。「田舎にいって、正常すぎる、節度のある
小さな人生を送っている人と交わると、私なんてビッチ呼ばわりされるんだから」
と笑いながらバレリーは言った。やっぱバレリーだ。
彼女、ビッチ呼ばわりされてもなんともないんだろうな。

名前のない道~マジョルカ島7

2006-08-21 15:03:41 | スペイン
ソレールは背後に1000メートル近い山脈を抱いた
静かな町だ。小さな教会の周りに古びた町並みが続いている。
僕は町を少し出て、そこから地図上では5キロほど離れた
海岸に行く予定だった。

町を一歩出る。かんかん照り。歩行者の誰もいない一般道を
車が高速でバンバン飛ばしていく。
地図で確かめた道をどんどん歩く。
「分け入っても分け入っても青い山」という俳句があったが
あんな感じ。進んでも進んでも海は見えない。
それどころか道はクネクネ曲がり、かつ標高が高くなってくる。
炎天下。汗が吹き出る。もちろん歩いているやつなんて僕しかいない。
みんな車。途中で冷やかし半分で僕にクラクションを鳴らしていく車も。

気がつくと標高500メートルぐらいになっている。
後ろを振り向くとソレールの町が遥か彼方に小さくなっている。
ああ、俺山越えしたんだ。海岸に行くはずだったのに。

オリーブの木陰で午睡~マジョルカ島6

2006-08-20 07:27:51 | スペイン
翌朝、ホテルを早々と出てスペイン広場までバスに乗る。
マジョルカ島の内陸部ソレールの街まで行く小さな電車に乗る。

電車は木造り。まるで阿蘇の登山トロッコ鉄道のようだ。
おもちゃのようで笑ってしまう。往復で14ユーロを払って切符を買う。

出発進行。
すごい大音響で電車が動き始める。最初は街角に敷かれた
路線をガラガラ進行する。そして街はいつの間にか消え
窓の外には荒涼とした風景が広がりはじめる。
オリーブ畑。スペインらしい風景だ。



象のババールの作者~ローラン・ド・ブランホッフ

2006-08-19 05:49:42 | フランス
マジョルカのことばかり書くのもちょっと飽きてきたので
ここらでちょっと一休み。

『象のババール』とはフランスの有名な絵本だが
その作者であるローラン・ド・ブランホッフのインタビューを
最近読んだ。今年81歳になる彼は『象のババール』シリーズを
もう60年以上も書き続けている。80年代からニューヨークに
移り住んでいる彼は現在はアメリカの出版社から絵本を出版しているらしい。
そんなババールも元はといえば彼の父親ジャン・ド・ブランホッフが
作り上げたキャラクター。彼は、父親の死後この象を引き継いで
描き続けたのだ。

「今後、あなたの後、ババールのキャラクターを誰かが
引き継いで描くということがありますか?」との記者の質問に
彼は下のように答えた。

NON. JE NE VOUDRAIS SURMENT PAS QUE QUELQU'UN, CHOISI
PAR MON EDITEUR, CONTINUE.
J'AI FAIT BABAR TOUTE MA VIE, JE L'AI COMMENCE EN MEME TEMPS
QUE MA VIE D'ADULTE. J'IMAGINE SA FIN AVEC MA MIENNE.

いいえ、編集者が選んだ誰かによってババールが描き続けられることを
私は望んでいません。(父親の死後)
私は一生かかってババールを描き続けました。
大人になるのと同時にババールを描くことを始めたのです。
そしてババールシリーズが終わるとき、私の人生も終わるんじゃないかと
想像しています。




パルマの街角~マジョルカ島5

2006-08-18 05:29:00 | スペイン
スペイン文化はよく「光と影」と表現されるが
確かにそんな感じ。強い日差しの中でできる
くっきりとした影。陰影の中でできるコントラストの中で
すべて成立している感じ。

写真は海水浴場から戻ってくるときに通った通り。
この近くに港湾、大型ショッピングセンター、
なぜかフランス資本のカルフールなどが並ぶ
一大ショッピングセンターが。

ちょっと海まで~マジョルカ島4

2006-08-17 16:25:02 | スペイン
翌朝8時に起きてホテルの窓を開けると
もう日差しが痛いぐらい強くなっている。
急いで朝食を取って外へ。地図で見たところ
ホテルの近くにひとつ海岸があったはず。

ホテルは小高い丘の上にあった。周りには
住宅とホテルが混在していている。僕の泊まっている
ホテルよりもっとデラックスな感じの大型ホテルが
いくつもある。どれも立派なエントランスと
大型のプールが印象的だ。

坂道を降りる。家々の隙間から青い地中海が見える。
大型船の停泊する港も。ここはスペイン本土や
イビサ島など他のバレアレス諸島行きのフェリーの
発着する港にも近いのだ。

10分も歩くと小さな岬へ向かう道に出る。
坂を上ってとぼとぼ歩いていると、海水浴場の看板が。
下を見ると、崖の下が小さな入り江になっていて
砂利の小さな海水浴場になっている。やった。海だ。

地中海のバカンス~マジョルカ島3

2006-08-17 01:01:38 | スペイン
ホテルまでは市内中心部から4キロほど離れているにも
かかわらず、無謀にも歩く。いやあ、いつも僕は無謀なのだ。
炎天下、汗だくになる。時はちょうどけだるい昼下り。
みんな昼寝をしている時間。街も眠っているかのよう。
通りには歩いている人は誰もいない。時々路線バスが
走っていくだけ。
どんどん郊外の住宅街に向かって歩いていく。
これで本当につくんだろうか、と思いながら。
地図は大して見ない。一応、頭の中で覚えこんだつもり。
ホアン・ミロ通りという長い通りを延々と歩く。
通りにはレストランや理髪店やスーパーがぽつぽつ散在している。