日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

スペインと僕

2009-07-30 22:58:49 | スペイン
来週大学院の集中講座に会社を休んで出席するというので
重い腰をあげて、HP上で公開されているシラバスを調べたら、
やばい、四日間の集中講義に、読んでおく論文、しかも英語、
10本ぐらいあった。こんなんじゃ間に合わないよ。どうするんだ。

職場の隣の席に座っている同僚が妹と一緒に来週、
スペインに10日間ぐらい旅行に行くらしい。うらやましい。
僕は去年まで、少なくとも一年に一度はスペインに行くぐらいスペイン狂
だったんだが、今年は結局行く予定なし。
これじゃスペイン馬鹿の名がすたるぜ。
仕方ないんで、自宅でひとり、去年のGEO誌のスペイン特集の写真記事
など読みふける。セビリヤの8月のうだるような暑さの中の午後の街角、
バルの中の、天井からぶら下がった生ハム、グラナダの地平線まで続く
沃野(ベガ)などいろいろな情景が写真の中に凝縮されている。
なんかウズウズしてきた。スペインは僕の心の中に棲みついているんだなあ。




la baie(湾)

2009-07-29 21:47:29 | 音楽(種さん以外)
仕事の関係でフランス語の翻訳を読んでいたら
langue de terreという単語が出てきた。直訳したら「大地の舌」
なんて意味になるんだが、辞書を引くと「岬」のことを
このようにフランス語で言うらしい。まだフランス語のこと
僕は全然分かってないなあ。

ということでエチエンヌ・ダオーの曲で
もっとも美しいLA BAIE(湾)というのをYOU TUBE
で見つけました。






暑気払い@西荻

2009-07-28 23:56:33 | 西荻
フランス時代の知り合いがふらっと職場にあいさつ回りにやってきた。
知り合いと言っても今月の頭にフランス出張したとき向こうで会ったから
そんな久しぶり感はないんだけど。
実は来月4日にまた飲もうと約束した。

で、もっと昔からの、20代からの知り合いで吉祥寺で働いている
友人と西荻の駅前で会って飲みに行った。歳を聞いてみたら彼は
もう45歳だった。早いなあ、歳をとるのは。とはいえ、
僕ももう40歳だからそんなもんか。

例によって居酒屋で大声でポピュリズムとかファシズムとか
そういう話をしてしまった、3時間も。かなりうざい客だったかも。
11時30分まで駅前の居酒屋にいたんだけど、友人は終電に
乗れたんだろうか。埼玉なのに。

頭使うのが嫌になって

2009-07-26 20:45:19 | 日本
先週で大学院の前期の授業が終了。といっても
集中講義が来週あるんだが・・・。レポートもなんとか全部提出し、
今週末はとりあえず勉強を忘れ、だらだらと生活。
ふと思い立って熱海まで行ってみた。

空はカンカン照り。15年ぐらい前に一度熱海には来た事があるが
そのときは曇りだったんであまりいいイメージがない。
今日は雲ひとつない晴れ空。と思って歩いて海まで行くと
恐ろしいほどの家族連れの行楽客で海岸は埋め尽くされ唖然。
仕方ないのでゆっくりもできず、海沿いの散歩道などぶらぶら歩く。
あとロープウェーに乗って山の頂上の秘法館など訪問。
場末テイストあふれる展示になんかもらい泣きしたくなった。
帰りに駅前の商店街でエビフライ定食とか食べたんだけど
結構物価高いなあ。

知的インフラ

2009-07-23 22:43:11 | 東京
昨日は日食だった。東京はあいにく曇りだったけれど、
なぜかその時間だけ小鳥もセミも鳴くのをやめたらしい。
と種さんのブログに書いてあったけれど、悲しいかな鈍感な僕は
何も感じず、ただひたすら仕事場でパソコンの画面に向かっていた
のだった。

今日は夕方から大学院の授業に行き、同級生や修士2年の修士論文
の構成など聞く。ある学生が勢力均衡論についての発表をしたとき
教授が、あなたの知的インフラ的には非常にやりやすいテーマなのかも
しれないが、ということを指摘した。
モーゲンソーだってまだちゃんと読んでいない僕にとっては
すばらしい知的インフラだと思うんだけど、彼は。
その点僕なんて何の知的インフラも整備されてないよ、なんてはっと
思う自分だった。一体何冊読んで、どれだけ咀嚼すればいいんだろうね。

夜7時の西荻

2009-07-22 20:42:09 | 西荻
今日は体調がそんな優れなかったのと、明日修士論文のテーマについて
発表する準備をするために午後休みをもらった。
そのまま家に戻っても勉強する気になれないので中野と荻窪の喫茶店に
行ってコーヒーを飲みながら勉強する。勉強と言っても本を読むとか
そういうんじゃなくて、ひたすらあまりない知識を引っ張り出して
頭の中を整理するだけの作業なんだが。

合計3時間ほど勉強して、なんか頭もぼんやりしてきたんで
そのまま西荻に電車で移動。時計を見るとまだ午後7時前。あたりは
夕暮れ前。考えたら平日にこんな時間に西荻にいることなんかめったにない。
初めてか。さっきいた喫茶店も休日の客層とは違って、近所の
普段着着てるぽい主婦ばかりだった。曜日と時間帯によってこんなに
世界は違うもんなんだなあ、としばし感心。家に戻ってつける
ラジオの番組も全然違うし。

悲しいさよなら

2009-07-21 00:13:04 | 東京
永代橋近くにあるギャラリーまで沖縄の公立美術館の検閲の犠牲なった
という絵画作品を見に行く。本当は検閲に反対する、というシンポが
土曜にあったのでそっちにほうに行きたかったのだが大学院の授業のせいで
行けなかったため、結局展覧会だけ見ることに。
検閲に反対するさまざまな意見が壁に貼られていたが中にはかなり的外れな
検閲反対論などもあった。僕も検閲には反対だが、ヤミクモな反対には
嫌悪感を感じる。ただ権力に対して反抗することが目的になっているようなもの。

そのあと大学院に提出するレポートなど書く。恐ろしいことにこの週末
だけで提出レポートが5つもあった。なんとか3っつだけ仕上げる。
あとの二つはなんとか今週中にやろう。

ひょんなことでシャルロット・ゲンブズブールの音源を
ネットで発見。聞いているうちに泣きたい気持ちになる。
歳を取る事と孤独に苛まれることの不安がダブルで襲い掛かってくる
ような歌だ。
僕はまだ若い頃はコンプレックスはあったが、自分を他人より
哀れだなんて思ったことはなかったと思う。でもいまやいろんな同級生が
それぞれの道を歩んでいて自分もこんなんでいいんだろうか、
なんてたまに思うことがある。でもたいてい仕事と勉強に追われて
生産的な答えを得られないのだけれど。



彼女の亡霊

2009-07-19 00:58:24 | 西荻
午前中は大学院に行き今学期最後の授業を受ける。
国際政治経済の授業で、好きな質問をしていいというので
従属論と世界システム論について質問をする。質問ができるほど
あまり理解していないのだけれど。中心と周辺と半周辺が
あってそういう枠組みはまだ理論として今日、まだ優位なのかどうか。
とかそういうこと。でもいつもながら教授の答えはなんか僕の
期待しているものとちょっとずれてるんだよなあ。

そのあと自主的に勉強などし、夜9時半に新宿で待ち合わせし
高校時代からの親友と新宿西口に飲みに行く。立ち飲みとか
スペイン風バールとかいろいろ迷った挙句、結局
刺身が中心の日本料理(でもチェーンで安い)の居酒屋に行く。
僕のことを「鼻持ちならない」とか「かっこ悪い」とか
「常識知らず」とかいろいろ面と向かって批判してくれる友人は
彼しかいないので昔からの友人と言うのは貴重だと思う。

飲んだ後西荻に戻ってくるともう深夜12時10分前だった。そのまま
アパートに一人で帰るのも嫌な気がしたので、ぶらぶら南口の
盛り場というか居酒屋が集まっている界隈をどこか入るわけでもなく
ぶらぶらさまよった。深夜だけど、あちこち人が入って賑わっていた。
ふと昔西荻に住んでいた女の友人を思い出した。僕は荻窪に住んでいた
のだけど、よく西荻で会っては「ここのお店おいしいよ」と言っては
呑み屋とか定食屋を紹介してもらっては一緒に飲みに行っていたのだ。
何時間話しても厭きなくて、たいてい彼女とは夜中の2時や3時まで
語り合っていたっけ。いまや彼女はニューヨークに移住してしまい
実はもう7年ぐらい会っていないのだけれど。
西荻の南口の新しい居酒屋なんかの前を通るたびに、彼女がいたら
どんな風に言うだろう、なんて考えてみた。彼女がいたらまた
誘って明け方まで好きな話できるのになあ、なんて。
選挙のこととか、他人に理解してもらえないことの困難さとか、
本当に頭がいいということはどういうことか、とか三島由紀夫の小説のこととか
いろいろ好きなだけ話せるのになあ、なんて思ってしまった。
これは結局彼女の亡霊に向かって僕はコミュニケーションしようと
しているのだ。もちろん彼女は生きているけど、会えない意味では
亡霊と変わらない。

孤独な気持ちになって家に戻る。
ネットでひょんなことから大学生の頃よく聞いていた
ビリー・ジョエルのSO It GOESを聞く。
美しいバラードだ。聞いているうちに美しい風景が
浮かんできた。

いろいろな人生

2009-07-16 23:53:42 | 東京
今日会社の帰りに一人で定食屋でトンカツを食べていたら
お店の奥のほうに目の不自由なカップルが二人で食事をしていた。
歳は30代ぐらい。男のほうは非常に背が高く、恐ろしく太っていた。
女のほうはびっくりするぐらい小さく、何か甲高い声で帰っていた。
同じぐらいの時刻に店を出たのだが、二人は杖をついて、あちこちに
ぶつかりながらも手をつないで市ヶ谷の方面に歩いていった。
なんか心配でハラハラしながら見ていたのだが、途中でそんなこと
赤の他人である僕に思われても大きなお世話なんだろうな、と思いなおした。

家に帰りちょっと実家の母親と電話で話す。こないだもらった手紙の中に
僕より一つ年上で九州で公務員をしている従兄弟の写真が入っていた。
その話をすると「伸くん(従兄弟の名前)は太ってねえ」と母親が
呆れた声で言った。「結婚もしないで玄人の女の人と遊んでばっかり
いるみたいよ」と嫌悪感たっぷりに言った。うちの母親は悪気はないのだが
水商売の女性に非常に偏見があるのだ。イトコは昔は恐ろしいほど
クソ真面目で、しかもなんか僕に競争心を持っていたみたいで全然
親しくなれなかった。大人になった今も、もう20年近く話してないが
多分気安く話せないだろうな。あのイトコが太ってかつ女癖が悪く
なるとはなあ。

そのあとインターネットの新聞を読んでいたら、
「勝ち組なんて価値観なんてつまらない」みたいな投書が出ていた。
年収とか家柄とか出世とか地位とか、そんな勝ち組の人たちとの
話題にはついていけない、みたいな話だ。そりゃそうだが、
そんなこと考える余裕がある君だって恵まれてるんだよ、と思った。

若さとヒゲと

2009-07-15 23:29:05 | フランス
最近、自分がこき使われるのは多分見た目が若いせいなんじゃないか
ととみに思う。若いとなんか容赦なく、みんな下働きさせようとするしね。
見た目が若いと言っても、僕もよく近づいてみたら歳相応だし、目の下に
クマなんかできてるし、そんな若くもないんだが、一瞬見たらなんか
若く見えるらしいのだ。隣の部署の同僚も僕のことを33歳ぐらいかと
思っていたらしい。本当は40だよ。

ということもあり、今週はなんか老け顔にすべく、ずっと
ヒゲを伸ばしていた。伸ばしていたといいつつ、日曜から剃るのをやめた
だけなんで伸びた無精ひげみたいな感じだったのだが。
しかし今日、同じ部の女性から「いつまでそのヒゲを伸ばすのか」みたいな
ことを呼び出されて言われてしまった。はっと思い出したのが、
20代後半、実家で就職浪人をしていてそのときも一瞬ヒゲを伸ばしたのだが
母親から「ヒゲはあなたには似合わない」と一蹴され、すぐにヒゲを剃ったのだ。

ということでヒゲもそり、ぼさぼさだった髪も切り、
心機一転で鏡を見たら、前にも増して若作りな自分が立っていた。
こ・・・これは。

2009年夏のフランス(6)

2009-07-15 06:59:53 | パリ右岸
17区のほうに住んでいる、もうすぐ日本に帰国するという
友人宅に呼ばれて遊びに行く。彼と、彼の後任と僕の三人で
なんかよく分からないがダラダラと夜中まで話す。
歳がほぼ同じくらいの三人で(ということは3人とも
40歳か)、友人の後任は親が鹿児島出身ということで
しばし九州ネタで盛り上がる。種子島出身のおじさんもいるらしい。

話しているうちに、気がつけば午前3時。こりゃ地下鉄の時間終わってるよ。
どうしようか、と思っていたら、知らぬうちに眠りに落ちてしまい、
次の瞬間目を覚ましたら今度は午前7時になっていた。
しかも、話をしていた場所にそのまま。すげえ、口動かしたまま
その場で寝てしまったんだ。俺、学生の頃と何も変わってないっす。

2009年夏のフランス(5)

2009-07-13 23:13:21 | パリ左岸
どうも僕は、旅行中のときのほうが日本にいるときより
思索的になれるような気がする。東京じゃ、家に帰ると
何も頭に浮かばないし、その日あったことなんてたいてい忘れてしまうし。

パリでは久しぶりにフランスの友人とご飯を食べた。
そうそう、ワインの銘柄が発音が悪くて通じなかったのだ。

BROUILLYという白ワイン。
カタカナだとブルィイィイとかそんな感じになるか。
とくにBの後に来るROUの発音が苦手だ。
フランス語勉強を投げ出してしまいたくなる。いつまでやっても
うまくならない。

2009年夏のフランス(4)

2009-07-11 00:01:26 | パリ右岸
MARTIN PARRの写真展。
PARRの選び出した世界各国の写真家の展覧会と
自身のおびただしい数のコレクション、そして自身の新作シリーズ。
という構成の大掛かりな展覧会にはお金持ちで俗っぽい世界から
非常に洗練された風景写真まで多くのパノラマを見つけられる。
額縁がまるで一つの窓のようで、それぞれの世界を窓から
覗き込んでいるような錯覚。

2009年夏のフランス(3)

2009-07-09 04:56:16 | パリ右岸
仕事の合間に、パリにもう20年近く住んでいるという
カメラマンさんと雑談した。一年前に日本に戻ったことを話すと
「日本とフランスとどちらがいいですか?」と質問された。
普通僕はこの手の質問をされると、「どちらにもいいところがあるし、
なんとも言えない」と極めて優等生的な答えをするのだが、
このときはなんだか自然に口から、「いやあ、フランスのほうがいいですね」
なんてスラスラ出てきたのでなんか自分で笑ってしまった。

写真はPONT SULLY近くの街角。

2009年夏のフランス(2)

2009-07-08 21:51:34 | パリ左岸
パリ市内についてホテルに荷物を降ろす。
打合せも終わり少し時間が空いたので昔の友人に会いに行く。
会話中に次のような表現が出てきた。

Chat echaude craint l'eau froide

直訳すると火傷をした猫は冷水を恐れる、との意味。
日本のことわざで言えば、あつものに懲りて膾を吹く、ということか。
なんでそんな表現が出てきたのかあまり思い出せないが。
なんか用心深いこと言ったんだろうか。

そのあとホテルに戻って本を読んでいたら次のような
表現が出てきた。

Aliis licet: tibi non licet,

他人はそうであるかもしれないが、お前はそうであってはならない。

あるイタリア外交官の言葉だ。まさにそうだと思う。