日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

種さんの新作

2015-10-25 08:46:03 | 種ともこ
種さんの2年ぶりの新作、Love song remains the same
がつい先週発売になった。海外に住んでいるので日本のCDショップに
買いに行けないので普通に配信サイトからダウンロードで買ってみた。

国府田マリコに提供した「引っ越し通知なし」と
予告動画で流されていた「三日月」はすでに知っていたのだが、
それ以外はすべて初めて。すこし緊張しながら一気に全部聞いてみる、
って、緊張する必要はないのだが。

第一印象として、種さんがここ数年発表していた恋愛三部作の中では
一番、出来がいいのでは、という感じ。キャッチーな三日月のせいで
全体の印象がちょっと変わってしまうのだが、自分的にはどちらかというと
かつての名盤「カナリア」をもっとグレードアップさせたような感じがする。

あるときはあっけらかんと、あるときは心の琴線を震わすように繊細に、
そして「三日月」のように激しい思いをうたう種さんの曲の世界に
酔いしれるようなひと時であった。


そしてラスト近い一曲、「岩手山」。これ、ここ5年で最高のラブソングだと思うよ。
岩手山という盛岡市の近くにある、富士山のような高い山を思い出しながら、
昔の恋愛を作者は思い出しながら歌っているんだけど、情景描写やその抒情性が
素晴らしい。

「岩手山」 

川沿いに少し歩けば 橋を渡るとそこに
あなたはきっと見つけられるわ 私の好きな花

その花をつんでください 思い出を束ねたら
ほら左手に見えてくるでしょう
雪を頂く岩手山

二人して登った日 雲を今 瞼にうつし

めぐり会い恋をしました
その喜びを胸に 旅に出ようと思っています
ありがとう さようなら

できるなら忘れずにいてほしい
あなただけたった一人に

幸せを祈っています その花があかしです
美しい山 懐かしい山
岩手山が見える 目を閉じればそこに

ありがとう さようなら






スキ!

2011-11-15 22:40:46 | 種ともこ
最近会社で日本人社員からも、フランス人スタッフからもクレームというか
苦情というか、いろいろ不満をぶつけられることが多い。
まあ、中間管理職的なポジションだから仕方ないのだけれど。そう考えると、
平社員って給与は安いけど、気楽でよかったよなあ、と思う。自分なんか
会社辞めることしか考えてなかったけど、よく考えると何の責任もない、
楽なポジションだったと思う。
あと、フランス人社員から怒鳴りつけられたり(フランス語で)感情を
爆発させられると、ああ、フランスだなあ、と思う。日本じゃ陰湿だから
ほぼ感情をあらわにしないけど、ここじゃエゴとエゴのぶつかり合いが日常的。

まあ、そんな中ようやく種さんの新しいアルバム、uh baby, baby
を聞く。念願の夢かなって。

これが素晴らしい。いい具合にリラックスしていて、肩の力が抜けていて、
でもキャッチーなメロディーと、はっとさせられるような歌詞が
非常に新鮮に心に突き刺さる。まさに女スナフキン。
「スキ!」というのはアルバムの中の一曲。スキ、という気持ちを
そのままストレートに表現した曲だ。

神様 私がいつかおばあちゃんになって
今日の日を振り返ることがあったとしたら
若くてバカでもそれでもかわいい所あるね
そんな風に思えるようにあなたを抱きしめて
ああ愛について語りたい
ああ愛について語りたい
このままずっとずっとずっとずっと
あなたがスキ あなたがスキ 
これ以上私を止めないで 思いはかけだしてく


自由でいること

2010-03-03 23:44:21 | 種ともこ
昼に、フランス時代にいろいろ仕事をお願いした
フリーの通訳の方が日本にたまたま来ていたので一緒に食事をした。
食事をするなり、「なんでも仕事しますので、よろしく
お願いします」などと営業トークをされる。おいおい、僕なんか
仕事を相手に頼む立場になんかないよ、と心の中で思ったが
何も言わなかった。それと同時に、僕は別に何も考えないで
久しぶりなんで昼飯でも食べて雑談でもしよう、なんて気持ちだったのだが、
仕事を探して営業して回っていることの一環なんだな、と思って
なんか引いてしまった。いや、本人は別に悪気があるわけじゃないのは
分かるので、なおさらなんだが。

僕は全然適応力などなくてかろうじて会社で働いているような人間だが、
フリーで働くほど才能も努力もないのでよく分からないのだが、
彼の態度など見ていると本当にフリーランスで働くといういうことは
大変なんだな、と思う。どこへも帰属意識なんかないんだけど。

10時ぐらいまで残業してぼーっとして帰途をたどると、
間違って三鷹まで乗り過ごしてしまう。早く帰りたかったのに
いつもの倍の時間をかけてアパートに戻る。

家でパソコンを開けると、1ヶ月ぶりに種さんがブログの更新をしていた。
心がパッカリと開いてしまって傷口が開いたまま仕事を休まないといけない
状況になっていたらしい。大切に生きていくこと。それを学ぶこと。


今年最後の種さん

2008-12-19 23:59:12 | 種ともこ
今年最後の種さんのコンサートイベントが
赤坂のカフェ、ファンソンカフェであったので行ってきた。
狭い店内は15人ほどしか入らないが、暖かいレンガの壁に
至近距離の種さんの生声が反響してとてもいい感じだった。

歌った曲はthe rainbow songとかあの頃アタシもカナコも、
流星群、泣いた、守ってあげられないこと、から
シンディローパーのカバー、クリスマスらしくワムのラストクリスマスなど
多彩なラインナップだった。

ところで種さん、久しぶりにツアーで日本を回っているとき
新幹線の窓から、農家の、大村昆の板なんかいまだに貼ってある
一軒家なんて見えてはなんとも懐かしい気持ちになったという。
あの家でたとえば自分が高校生だったら、どんな暮らしをしているだろう
なんて想像したりして。
そして、今自分が住んでいる狭い世界で、よかれと思っていることは
きっと、その大村昆の看板のかかっている家ではきっと通用しないんだろうな。
それが外国であったらなおさらそうなんだろうな。
だからこそ僕らは旅をするんだろうな、という話をしてくれた。
まったくそうだと思う。自分のつまんない世界観なんて全然通用しない
ような場所に行って、通用しないことを知るために旅をするんだろうな。

Be My Friend

2008-11-24 23:57:00 | 種ともこ
今日中野のベローチェにカフェオレ飲みに行こうとして
雨の中を中野サンプラザの前を通りかかったら、傘を差した
群集がむらがってなにやら待っていた。搬入口に数十人が
つっ立っている。どうも、コンサートがあってその出待ちをして
いるらしい。
なんか異様だ。その群集というのはみんな女性で、しかも
みんなおばさんなのだ。化粧の厚い・・・。雨の中、必死で立っている。
一体誰を待っているんだろう。と思って家に帰って、今夜の
中野サンプラザのコンサートを調べたら納得。フォーリーブスだった。

とそれはさておき、ずっと前から聞きたかった種さんがNHKの番組
「天才てれび君」用に作った曲が、YOUTUBEにアップされていた。

         *     *     *
Be My Friend

新しい街に 引越しするの
もう放課後のおしゃべりもできないね
泣いたりとかは違う気がする
でも ありがとう言わせてね それからもこれからも

Please Be My Friend
はなさいで気持ちつないでた糸を
時がたっても変わらないで 話をしよう

転校生よ 少し不安ね
でも違う自分がみつかるかもね
遠い街なの 川が流れて
きっとあそびに来てほしいな 約束よ これからも

Please Be My Friend
はなさいで気持ちつないでた糸を
時がたっても変わらないで 話をしよう

うまく言えないけど ちゃんと伝えたい 心のともだち

* * *

この詩がいいんだ、また種さんぽくて。しかも飽きがこないで。
「泣いたりとかは、違う気がする」
こういう感覚分かるなあ、と思う。10代のころ、単純に悲しくて、
単純に泣くような、そういう行動をとる同級生を横目で見ながら、
そういうんじゃないんだよねえ、なんて僕はどっかさめて思っていたっけ。
転校って言っても、ほんとのお別れじゃないし、そうなって欲しくないし、
そんな単純に悲しい気持ちになるのはおかしいんだよ。
そういうニュアンスなんだろうか。
「でも違う自分が見つかるかもね」
というところも秀逸です。

写真は乃木坂の旧乃木将軍邸



出町柳~「おひさま」から

2007-06-13 13:45:02 | 種ともこ
新アルバム『おひさま』の中の一曲。
種さんいわくこれは「ご当地ソング」なんだそうだ。
って出町柳って何?と思いWIKIPEDIAで
調べると、京都の学生街の駅らしい。駅の周りには
京都大学や同志社大学、数々の予備校が集まっていて
関西では有名な学生街らしい。って、知らないって。
種さんは京都の大学行ってたんだもんな。

出町柳の中では失ってしまったものへの懐古が
一貫して歌われる。失った時間、失った空間、
失った人、失った約束、失った選択。
大人になるということはそうした喪失感に慣れて
しまうことなんだろうな、と思う。残念ですが。

\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\

風が出てきた
約束したことなど
何一つ本当にならなかった
それでもここに来たよ

おひさま

2007-06-10 16:47:57 | 種ともこ
種さんの新アルバム「おひさま」の表題曲、おひさま。
ひだまりの中で、明日の方向を向いて聴くべき曲という感じ。
のんびりしたメロディーとアレンジの中で、でも
未来への確かなメッセージがこめられている。

\\\\\\\\\\

夢見る頃をすぎて 何が変わったんだろう
明日もまた あたしでいられますように

おひさま おひさま カモン

let's dance all night

2007-06-07 08:07:09 | 種ともこ
種さんの新アルバム「おひさま」の中の一曲、
let's dance all night.
大時代的なタイトルで、なかなか恥ずかしい曲と
思いきや、キャッチーなメロディー、
心地よいアレンジに等身大の歌詞が乗っかって
なかなかいい感じなのだ。その曲の世界観といったら
等身大過ぎて、涙が出そうになる。
********************************

眠いとか疲れたとか
思わない日はないけど
昔はもっと平気であそんでたよね

このまんま年老いていくのはいやだ
いつまでも若いつもりもヤダ
探してる 探すつもりもなかったものを

***********************************

本当にこのまま年老いていくのはいやだと
思う。なんか不完全燃焼しかしていないような
気がする。自分なりに。こんなんでいいんだろうか。


ひこうきぐも

2007-02-25 17:04:46 | 種ともこ
「ひこうきぐも」と言ってもユーミンのあの曲ではない。
種ともこのアルバム「mighty love」に収録されている彼女のオリジナル曲だ。

彼女が某インタビューで言っていた言葉。

"歌は作るものではない。思いつくものだ"

本当に種さんらしい言葉だと思う。この「ひこうきぐも」の中にも
心のどこかにひっかかった感情を、そのままストレートに
コトバにした歌詞がたくさん出てくる。


青空 ひさしぶりだ
はしからはし 白く遠くひこうきぐもがゆく
悲しい時はいつも
なぜ天気は必要以上にこんなにいいんだろう♪

そいうい僕も、今朝、窓から空を見ていたら
あまりにも天気がよかったので、無性にこの歌が聞きたくなったのだ。

集団主義のどこがいいんだか

2007-02-01 07:35:04 | 種ともこ
最近ある会社の人と喋っていて、どうもフランス社会では各人が
自分の主張を持ってまったく集団がまとまらない、という状態に
我慢できないらしく、「やっぱ日本社会のように各人が一緒にひとつの
方向を向いて調和を持つのがいい社会だと思います」と彼女が
言い放ったんで、ああ、こいつと喋ってもムダだと思い途中で
白けてしまった。そういう画一主義や集団主義が今の日本の
社会病理を作りあげてるんじゃん。

ということとは関係ないが種さんの20周年記念ブックに
とてもいい文章があったので引用する。

\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\
プロになって、ずっといい加減にやってきた。

ビジョンも夢も方向性も、何も持たなかった。今も持ちたくない。

「どんなミュージシャンになりたいですか」
そう聞かれるとげっそりした。しらねーよ。道は私の後ろにできるのだ。
前じゃない。かっこよく言えばそうだけど、自分の感じていることは
そんな高尚なものじゃない。ただコトバにならないことはコトバに
したくないだけなのだ。
\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\

自分もたまに「将来は○○で働きたい」と(大抵はすごい抽象的
なこと)を目を輝かせていう若者に会う。将来なんて
わかんないじゃん。そんなことコトバにしてみんなに主張することなのか。
とかってこの歳になっても思う。


雲に映る歌

2007-01-31 07:39:38 | 種ともこ
実家の親が僕に種ともこのライブDVDを国際宅急便で
送ってくれた。タワーレコードまで買いに行ったらしい。なんかすまない。
で、種さんの最新のライブをDVDで鑑賞して
いたのだが、その中に、アルバム『うれしいひとこと』の名曲
『雲に映る歌』が収録されていた。


どんな愛が欲しいの
分からないでもいいね
どんな愛が欲しいの
分からないでもいいね

この分からないでもいい、という歌詞は大学生の頃どれだけ
僕を救ってくれたものか。いまだになんだか人生も、社会も
会社員生活もよく分からないけど、分からないでもいい、という
境地なんであまり悩まない。もちろんちょっとは悩むが。
真剣に答えを出さないといけない人生の命題なんてあるんだろうか?
自分の罪悪感を駆り立てないといけないような問題とか。

the rainbow song(続き)

2006-11-29 06:44:14 | 種ともこ
せっかく、the rainbow songのことを書いたので
ここで歌詞でも。

いつか想い出すね 今日の景色すべて
なぜかせつないほど懐かしくなるはず

駆け出す光
プリズムくぐり七色にボクの心染める

追いかけていた
届かなかった
虹のありかを今
子午線こえて探しにいくから
one sweet dream will come true
生まれる奇蹟

un jour je me souviendrai
de toutes les scènes que je vois aujourd'hui
sans trop savoir pourquoi
cela m'évoquera la nostalgie

rayon du soleil qui brille
à travers un prisme
mon coeur rempli avec
sept couleurs

là où je cherchais
là où je n'arrivais pas
là où il y a mon arc en ciel



途中まで訳そうとしてやめました(笑)

ウタイツガレルウタ

2006-11-28 07:57:44 | 種ともこ
フワリ、フワリとした浮遊感。
波打ち際で潮が空気に溶けそうな感覚。
久しぶりに聞く種さんのthe rainbow songは
希望とか光とか、そういう言葉では説明できない
未来への期待感をメロディーに乗せて歌っている。

初めてこの曲を聴いたとき僕はまだ
20歳だった。卒業旅行のとき景色を見ながらこの
メロディーが頭の中をぐるぐる回っていた。
あれからもう15年も立ったなんて信じられない。
で、いまだに僕はこの曲も種さんも好きだ。
ということは僕は僕で変わらないんだろうな。

種さんのことば

2006-03-19 16:12:49 | 種ともこ
時間はくり返さない
言えなかったコトバは
もう二度と伝わらない
暗闇でしおれてく

種さんのアルバム「カナリア」の最後を飾る
名曲「伝説」。その中で種さんはコトバを
花に例えて、相手に伝わらなかったコトバは
水を与えられなかった花のように暗闇で「しおれてく」
と歌っている。

土を耕す
種を撒く
芽生える
育つ
つぼみをつける
咲く
咲き誇る
しおれる
しぼむ
枯れる

種さんにとってコトバははかない花のようなもんなんだろうな、
とふと思った。そういえばアルバム「感傷」の中の最後の曲
「花」で彼女はこう歌っている。

花は枯れる 花はしぼんでいく
時の風に吹かれて心を揺らす
でも晴れた午後に咲きそろって微笑んでる


おでん

2006-02-11 04:15:38 | 種ともこ
♪ちくわやがんもなど
大して特徴のない材料と
みりんやしょうゆなど
大して特徴のない調味料で
なべで作るおでん・・・

今、種さんのHPに行くとライブでしか発表されていない
アルバム未収録の曲「おでん」が視聴できます。

http://www.tomokotane.com/

哀愁を帯びたメロディーとペーソスに溢れた歌詞。
思うんだが、種さんは本当に「特徴のないもの」が
嫌いなんだと思う。うえの歌詞の「特徴のない」と
繰り返す部分、敵意がこもってるもんな。
ちなみに自分も「特徴のないもの」は嫌いっす。