日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

バーゼルに行く4

2015-06-28 21:21:32 | 海外(フランス、スペイン以外)
そして僕は翌日、今回の旅行の目的でもあるバーゼルアートフェア2015会場に行く。
会場はバーゼルの右岸のちょっとはずれにあるメセナ会場。いきなり静かな街角に
近代的で巨大な見本市会場が現れる。

バーゼルアートフェアは世界で最大のアートフェアで、世界各地から
ギャラリーやバイヤーはキュレーターが集まる、現代アートの最先端のような場所だ。
パリのFIACよりも数倍の大きさがある。

会場に入るとなんだか迷路のような空間が広がっている。世界各地の
ギャラリーブースが延々と続いている。一つ一つ見ていたらいつまでたっても
回り切れないので、足早に歩いていくけれどアート作品が四方八方に
展示されていてどこにどう精神を集中させていいのかわからない感じだ。
モダンなペインティングがあるかと思えば、ちょっと少し前の時代を感じさせる作品や、
20世紀初頭の作品を堂々と飾っているギャラリーもある。



見物につかれて隣の会場に移動。そこでは作家が思い思いに作品を発表している
unlimitedのコーナーが。


タイトル通り、想像力を思いのほか無限に広げた作品ばかり。






バーゼルに行く3

2015-06-26 22:00:34 | 海外(フランス、スペイン以外)
バーゼルというのは変な街だ。スイスで三番目に大きい街なのに
どこかこじんまりして、あまり人も歩いていない。
たまに広場でバスや市電を待っている人々を見かけるけれど、
なんだかのんびりしていて、まるでフランスの田舎の街で
バス待ちをしている人のようだ。

僕はあまり広くはない街をぶらぶら歩くのだけれど
いまいち方向感覚をつかめずにきょろきょろする。



写真はとりあえずバーゼルの市街地の中心といわれる街区。
どこがどう都会なんだかわからないけど。

ちなみに僕はこの旅行は一人で来たんだが、今回スイスの街のそっけなさに
あてられて、なんかだれか友人か彼女と来ればよかったと切に思ってしまった。
スイス人はみんなが裕福に見える。そのかわりみんな無関心だな。


バーゼルに行く2

2015-06-24 21:59:35 | 海外(フランス、スペイン以外)
駅を通りに抜けて、しばらく旧市街まで下りてゆく。
フランスと違って、チリひとつ落ちていない、こざっぱりした
舗道を僕は歩いていく。市街地はこじんまりとしていて、
高層ビルが立ち並ぶこともない。どちらかというと
古い歴史的建造物と新しめのオフィスビルが次から次へと
道すがら現れる。

しばらく行くと川が見えてきた。
これがライン川だ。川の水は濁っている。振り向くと
ライン川沿いに広がるバーゼルの街と、その象徴のような
丘の上に立つ大聖堂が風景の中にすっぽり収まった。


バーゼルに行く1

2015-06-23 23:20:38 | 海外(フランス、スペイン以外)
今度はバーゼルに行ってみる。バーゼルと言っても街は何度も
聞いたことがあった。アルザスで仕事があったとき、仕事関係の
クライアントはバーゼル空港から打ち合わせ先に来ていたし、それから
ヴィトラデザインミュージアムに行ったという知人と話をしたら、
彼女はバーゼルからバスに乗ってミュージアムに行ったといっていた。

そんな、何度もこれまで聞いたことのある街なんだが
なかなか行く気になれなかった。スイスであるので通貨がまず
ユーロではないし、また物価もフランスと比べて高いというのが
明白にわかっていたからだ。

そんな及び腰な僕がバーゼル行きを決断したのはほかでもない、
バーゼルアートフェアが今年も開かれるというので、
珍しく重い腰を上げて、フェアに行ってみようという
気になったのだ。

バーゼルアートフェアは世界でも最大規模のアートフェア。
世界各国からバイヤーや学芸員が集まり、有名なギャラリーが数えきれないほど
集まるフェアだ。ちょうどパリのFIACの拡大版みたいな感じ。


そんなことを考えていたらもうバーゼルの駅に着いたよ。

東京4日目

2015-06-06 19:16:26 | 東京
東京4日目は仕事の関係で、山手線の田町に出かけて行った。
ちょうど、夕方7時、薄暗くなり始めた街を歩いていくと
浮かび上がるようなフランス料理のビストロがそこにある。
そこで仕事関係の人たちと夕食会。

仕事の関係の夕食会というのは非常にぎこちない。
よそいきの顔で、よそいきの話をしないといけないから、
友達との飲み会と違って、食事もあんまり進まない。

昔のうちの父親が、職場の飲み会から戻って、
家でご飯を食べているのを見て、母親から
なんで飲みの場所でちゃんと食べてこないの?みたいなことを
よく言われていたのだが、今思うと父親もなんだか
居心地がいつも悪かったんだなあ。

日本の滞在が短すぎて、なんだか落ち着かない。
自分の国に帰ってきたという気持ちもわかない。
なにせ明日にはまたフランスに戻ることになっているから。

東京3日目

2015-06-02 22:39:22 | 東京
東京三日目の夜は、昔の同僚の女性(もう60歳過ぎの人)に
誘われて恵比須駅近くのおすすめのうなぎ屋に行ってみる。

パリにもうなぎ屋は一軒有名なのがあるが、やっぱり日本の
本格的なうなぎ屋の味とはちょっと違う。たまに無性にうなぎが
食べたくなる時があるので、かなり期待してお店に行く。

待ち合わせ時間が6時半だったので、話しても話してもなかなか
遅くならない。実は僕は東京にいたときはかなり夜型の人間だったので
いつも9時ぐらいから食事してたっけ。運ばれてきたうなぎは
何と言ったらいいのか、日本ならではの繊細な味付けで
連れてきてもらってよかったなあ、と思うことしきり。

僕は彼女に最近読んだ和辻哲郎の本の話をした。
彼女は図書館に勤めていただけあって文献の話が好きなのだ。
それは和辻哲郎がイタリアの古い史跡や寺院を巡っては
すぐれた芸術作品やギリシャローマ文明の足跡を鑑賞する本だ。
まるで和辻の目になったような錯覚を覚えるような本だ。
まるで和辻とともにイタリアを旅行し、まるで和辻とともに
窓の景色のイタリアらしい、何もない緑の野原を見ているような。

こんな紀行文一つでも、和辻はなんと感情豊かに
そして同時に深い洞察をもって書きしたためる人間なんだろうか?