日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

昔の友人というのは懐かしいものか

2009-01-30 00:01:03 | 西荻
前も書いたことがあるかもしれないが、そもそも
自分が西荻に住んだ理由にもなっている、昔の
西荻在住の友人で、今はニューヨークに住んでいる女性に
電話かけてみた。去年の秋に一度はがきを出したのだが、
何も返事がなく、クリスマスカードも届かなかったので
今、どんなことになっているのか心配な気持ちもあった。

年は僕と同学年。そう、ついこないだ40歳になったばかり。
電話すると相変わらず、脱力系な声で、「ああ、ごめん、
はがきはちゃんと着いたんだけど、今年は結局誰にも
クリスマスカード出さなかったんだよねえ」とのたまった。
彼女らしい、他人には手のつけられないペースだ。

国際電話だが、半年振りなんでくどくど電話で話す。最近
国連に出入りするようになった彼女の実感。
ディペンディングな人間ほど、互いに手をつなぎたがる。
なんて。相変わらずだなあ。僕は世界のすべての人と
手をつなごう、なんて気にはなれないけど、いろんな国の
いろんな境遇の人のことを知りたい、欲求はある。それってエゴなんだろうか。

「せっかく西荻住んでるんだから、バーとか行ったりしないの?」
などと聞かれる。僕は平日は、西荻に戻ってくるのは夜10時30分ごろで
へとへとになって、バーに立ち寄る元気は残ってないのだ。
「あたしが住んでたときは、一人でもよく言ってたよ」と彼女は
こともなげに言う。そう、なんか彼女はなんでもかんでも簡単に
言う人間なんだ。ほんとに、なんでもかんでも簡単なのかもしれないけど。

ふと、自分も西荻の、行きつけのバーなんか見つけたら楽しいんだろうな、
なんて心の触手が動くのを感じる。といいつつ、何もしないが、さしあたって。

どんな場所にいようとも

2009-01-27 23:41:27 | 自分について
久しぶりに懐かしいバレリーからのメール。なんのことはない、
共通の友人から彼女の話題が出たのでちょっとちゃかそうと思って
連絡を取ってみたのだ。先週のフランス出張では本当に
一瞬しか彼女を見かけなかったんで物足りなさ感がつきまとっていたのだ。
メールの彼女の言葉。

J'aime le personnage de Swann dans Proust, personne ne sait trop
tous les divers milieux qu'il frequente et cela lui va tres bien.

プルスートの(失われた時を求めてに出てくる)スワンのキャラクターが好き。
誰一人として、スワンの出入りしている、いろんな「世界」を把握していない。
そのことが彼にとっては非常に心地いいことなの。

人知れず、どんな社会階層の人とも交わり、交流を続けるスワン。
そんな秘密を持った大人のキャラクターのスワンのことを気に入るなんて
バレリーらしいなあ、と思う。

僕も昔は、日本のどんな職業の人とも話してみたいと思った。
僕のような平凡なつまらないサラリーマンから、若いバイト君、
トラックの運ちゃん、情緒不安定の女子高生、風俗の姉ちゃん。でも
周りの誰も僕の行動を理解しえないのだ。
最近保守化する自分を叱咤するようなバレリーだった。


恵比寿界隈をさまよう

2009-01-26 23:32:05 | 東京
久しぶりに、劇団関係の知り合いと恵比寿に飲みに行った。
恵比寿の駅前界隈にいいワインバーがある、とのこと。
思えば恵比寿に来るのは、10年ぶりぐらいだったかも。
駅前は様変わりしていて、細い路地裏にオシャレな感じの
バーや居酒屋が立ち並んでいた。
そういえば昔は都立図書館で勉強した後、明治通り沿いを通って
恵比寿駅まで歩いて帰ってたっけ、などと回想。
勤務先が赤坂とかにあったので、日比谷線で移動するのも楽だったのだ。
今は地下鉄自体めったに乗らなくなってしまった。もっぱら
総武線と中央線だ。

ワインバーは全体的に白い内装の店内に、サラリーマンや
自由業系のおしゃれな格好の若者、あと恵比寿界隈に住む外国人など
いろいろ集っていてなかなかいい感じだった。
中央線界隈のどろーっとした、オヤジオーラあふれる焼き鳥屋とは
一味も二味も違うのだった。どっちも好きだが。

フランス出張4日目

2009-01-25 23:48:11 | パリ右岸
4日目の午後、打ち合わせが終わって夕食まで時間ができたので、
久しぶりにセルビア人の友人に会いに行ってみた。成田空港で買った
せんべいのお土産を持って。
僕はなんとも思わなかったのだが、包装紙の柄が非常に日本的だと
思ったらしく、「家に帰ってアレックス(彼の妻)に見せたいから
箱は破らないでこのまま持って帰る」と言って、中を見ようとは
しなかった。塩からいせんべいがあの夫婦の口に合ったのだろうか。

ベオグラードの観光案内カードなどをもらう。ちなみに日本語では
英語式にベオグラードと言っているが、
フランス語だとBELGRADEベルグラードだ。
アレックス(本当の名前はアレクサンドラだけど)
がベオグラードにいい仕事を見つけたので、パリを
去ってベオグラードに引っ越す、と前あったとき話していたのだが、
よく話を聞いてみると、いろいろ考えた末に、結局引っ越さないこと
に決めたんだという。もう何ヶ月も先のことまで準備していたというのに。
友人は相変わらず人懐こい顔で、そんなことを笑って話していた。

フランス出張3日目

2009-01-25 12:47:09 | パリ左岸
1日中、打ち合わせと関係者に会ったりで時間が過ぎる。
行動範囲は14区とか15区とか。
それぞれの街に、都市の空気、とでもいえる様なものがあると思う。
たとえば西荻であれば、西荻日和、とでも呼びたくなるような
のどかな風が吹いているような、ゆったりした空気が流れている。
そういうタイトルの漫画があったっけ。
パリの15区は、なんかガサガサした、騒がしい空気がある。
住宅地で、若い家族がたくさん住んでいて、上品な猥雑感のようなもんか。

仕事の合間に昔の友人に会いに行ってみる。握手をしたときに感じる、
あったかい感情が甦る。ああ、こういう感情もあったんだなあ、
などとしばし考える。

フランス出張2日目

2009-01-24 13:28:30 | パリ右岸
次の日は休日だったせいもあり、一日自由行動に。
ネットで検索すると、以前から見たいと思っていた
市立近代美術館のラウル・デュフィ展が最終日、ということもあり
市立近代美術館へ。パレドトーキョーに行ってみると、
「一部、報道で間違った日付が告知されていますが、
デュフィ展は先週終了しました」との張り紙が。
はあ、そうですか。

気を取り直して、ジャックマール・アンドレ美術館で
開催中のバンダイク展へ足を向ける。建物の前まで来たところ
40人ぐらいの行列ができているのを見る。うわあ、まだ
11時なのにもうこんな行列かい。寒空の下並ぶのはうんざりなんで
引き返す。

チュイルリー公園の中のジュードポンム美術館へ。
映像系の展覧会をやってないかと思ってぶらっといったのだが、
閉まってました・・・。新しい展覧会が来週から始まるので
設営のための休館だそうで。

と、あちこちの美術館に振られてしまい、ちょっとふてくされ気味で
公園の中を歩く。チュイルリーの中の池の一部に氷が張っているのを見る。
そのあと奥のほうにある、台風でなぎ倒された材木のオブジェ、
アールテポベーラの、ジュゼッペ・ペノネの作品をじっと見る。
ペノネのオブジェを見るとなんか心が落ちつく。なんでだろうか。
植物とか、自然とかと直結しているようなアートだからだろうか。
そんな簡単なことじゃないよな。

フランス出張一日目

2009-01-22 23:25:15 | パリ左岸
10月にフランスに出張したのだが、仕事の関係でまたフランスに来ることに。
かなり寒い、と聞いていたのだが空港に着いた途端、小雨混じりの
湿った空気での中、そんな気温は下がっていない感じ。
「一週間前だったら、こんなもんじゃなかったよ」と受け入れ先の会社の
人からタクシーの中で説明を受ける。
ロワシービルのホテル群、IKEA、シトロエンの工場、
サンドニのスタッド・ド・フランスの脇などを通り抜ける。懐かしい風景だ。

機内では全然眠れず、珍しくフランス到着時に時差ぼけを起こしそうな気がする。
普通はフランスに着いたときは何でもなく、日本についたときに
つらくなるんだが。機内ではマンマ・ミーアの映画ばかり見ていた。
頭の中で、ABBAのメドレーがまだ流れているようだ。

市内についてチェックインしたあと、アンバリッドの近くの
韓国料理やに夕食を取りに行った。前に一回行ったことのある、
ヌーベルキュイジーヌのような、上品な韓国料理が出てくる店だ。
仕事仲間と話しながら、ちょっと前に見たフランスのドラマのセリフを
思い出した。

TU SERA JAMAIS HEUREUX
SI TU N'AS PAS LE COURAGE D'ALLER CHERCHER
CE QUE TU VEUX VRAIEMENT

本当に欲しいものを探そうとする勇気がなければ
絶対幸せにはなれないよ

欲しいものはフランスにあるんだか、日本にあるんだか
自分としてはよく分からなくなってきた。



何もしなくてよい

2009-01-17 00:28:07 | 東京
実は土曜から海外出張ということで今週は毎日バタバタしていたのだが
時間切れになりそうなときに限って、新たな仕事とかどうでもいいこととか
が飛び込んでくる。帰ろうと思うと新しいこと頼まれるし。
忙しくなって困るのは、カンがどんどん鈍ってくることだ。
自分の場合、論理的な思考ができないため、生活のかなりの部分を
カンに頼っているのだが、それが鈍るから失敗ばかり増えてくる。

くそ忙しいのに、今日、ある仕事の関係でのパーティーに行った。
50代以上のスーツのおじさんが会場にあふれていたが、皆、若作りで
テカテカのジャケットを羽織ったり、髪を茶髪に染めたりしてかなり
痛かった。年をとるのが怖いんだろうか?

パーティーから戻ってまた残業。そのうち、時計を見ると夜の10時半に。
やばい。今日はコインランドリーに行く日だった。明日から海外なので
今日洗濯しないと、洗濯物が1週間アパートに放置される。
しかもコインランドリー12時まで。慌てて会社を出て、西荻まで
全速力で帰る。駅の階段走ったり、改札口を走り抜けたりしていたら
40分で西荻についてしまった。早い・・・。


あのときの有明海

2009-01-14 23:55:46 | 福岡
実家の親が、年末に帰省したときに頼んでいた靴を
郵便で送ってきた。フランスで履いていて、日本まで
持ってきたティンバーランドのワークブーツだ。
かさばるので、フランスから福岡の実家に他の荷物と一緒に
送っていたのだが、帰省のとき久しぶりに見て、やっぱり
懐かしくなって送ってもらったのだ。

ブーツと一緒に母親が気を利かせて八女茶の特上を送ってくれていた。
二袋あって、賞味期限までにとても飲めないので一袋は会社に持っていった。
派遣の人に渡したら、たまたま八女茶のことを知っていて
「お~、すごい」などと感心されてしまった。八女茶は東京じゃ
知名度ないと思っていたがちょっと意外。

で、少し年末のことを思い出してみた。長崎の県立博物館に
展覧会を見に行ったことを書いたが、実は久留米から特急で
長崎に行ったのはこれが生まれて初めてだった。いつも長崎には
父が運転する車で、九州自動車道を通って行っていたからだ。
電車の窓から有明海が見えた。遠浅の海と海苔養殖のための竿が並ぶ姿。
その向こうに雲仙のある、島原半島が見えている。
九州で生まれて(生まれたのは鹿児島の離島なんで九州本土じゃないが)
鹿児島とか福岡とかずっと九州に住んでいたが、よく考えると
有明海の近くに住んだことはなかったかも。
有明海というのはこんなにただっ広くて、こんなに寒々しくて、
こんなに穏やかな海なんだなあ、と認識したっけ。

何もしないのが一番よくないのかも

2009-01-13 23:41:40 | 自分について
昨日は岩波ホールにグルジア映画「懺悔」を見に行った。
職場で同僚から「評判になってるよ」とチラシをもらったり、
あと出張で東京に来ていた山口の友人も見た、と言っていたので
どんなもんか足を運んでみたのだ。
列になっているチケット窓口でみんなが口々に「懺悔1枚」「シニア懺悔2枚」
みたいなことを異口同音に言っていてなんか免罪符売り場のようだった。

内容については割愛するが、最初はグルジアという国の暮らしのディテール
部屋の壁紙の色とか、手すりの奇妙な模様とかそういうのばっかりに
気がとられていたが、そのうち演劇的な、キッチュな演出とか
ついつい見入ってしまうストーリーに引き込まれ、あっという間の
2時間30分だった。でも見た後は、なんか以前と同じ目で
コミュニスムの時代を見れないなあ、と考え込んでしまった。

で、今日会社に行くと、びっくりするほどくだらない企画とか
平和ボケ日本としか思えないような会話が周りで繰り広げられちょっとぐったり。
ガザ地区じゃ空爆が終わらないのに、俺達こんなことやったり
言ってしてていいんだろうか、とか心の中で考えてワナワナする自分。
でももう国連になんか何も期待してないって。

前先輩が言っていた言葉を思い出す。
もっと耳をすませて、もっと大きく見開いておこう。
周りで起こるすべてのこと、見逃さないように。

ちなみに「懺悔」の中で引用されていた孔子の言葉は次のような文だった。
暗い部屋で黒猫を捕まえるのは難しい。黒猫がいないのならなおさら。

しばし日常を忘れて(スペイン語)

2009-01-12 00:46:40 | スペイン
最近、スペインに旅行していないので日常生活で
スペインに触れる機会と言えば、家で飯食いながら読む
スペインのガイドブックか、家の近所の通勤の通り道にある
スペイン料理屋(でも入ったことないのだ)か、もしくは
土曜のスペイン語教室ぐらいだ。

いまだに初心者コースをやっている自分だが、今日は新しい
先生が来た。各人簡単な自己紹介をしろ、というので
知っている乏しい数の文型を使って一生懸命自己紹介していたのだが、
先生から、「歳はいくつか?」と聞かれる。
確かに、「私は~歳です」というのは最初に習う文型なので
言う事自体は簡単なんだが・・・何を躊躇しているのだ、自分!
先生がニヤッと笑って、「トップシークレットなの?」などと茶化すので

tengo quarenta anos(40歳です)

としぶしぶ白状した。したら、スペイン人の先生がおまえそこまで
驚くかよ、というぐらいのリアクションで驚かれた。
そうだろうな、40には見えないよな。

ビジネスシューズを買いに

2009-01-09 23:51:44 | 東京
明日雪が降る、というので残業を切り上げて
急いで靴を新宿に買いに行った。
なんで雪と靴が関係するのかというと、実は
半年前から僕のビジネスシューズに穴が空いていて、
九州弁風に言うと穴がほげていて、となるが、
雨が降るたびに水がそこから浸みて一日中靴の中が
恐ろしく冷たい状態になっていたのだった。
で、雪ならもっと、ひどいことになるに違いない、
穴のない、新しい靴を買わなければ、と決意も新たに
新宿に走っていった。

しかし、ちょっと会社を出るのが遅くなってしまい、
京王デパートや小田急デパートに行くともう閉まっている。
上のほうの階のレストラン街に行くエレベーターしか動いていない。
しかたないので、某紳士服チェーンの、でも、靴も売っている
西口の店に行く。

一応、店は開いていて、靴も並べられていたのだが
恐ろしいことにどれ一つとして気に入るような靴はなかった。
ちなみに現在の、僕のはいていた靴は穴が空いているとは言え
ティンバーランドの、いい感じのシューズなのだ。
でも、この店の靴ときたら、先端が尖っているような靴ばかり。
魔女の靴かよ。先端恐怖症の僕にはつらいデザインだったのだが、
中でもなんとか尖ってる度の低いものを選んで買う。
時間があればもっといろいろ見て回りたかったんだけどね。

サブカルのことホントに知りたいのか?

2009-01-08 07:05:12 | アート
なんか最近サブカルチャーに関してなんやら研究したり
する本とか、真剣にディスカッションするシンポジウムとかの
案内とか受け取ったりしていて、そういう話を聞くたびに
昔からのサブカル世代としてはなんだか今更感が漂ってしまう。

サブカル研究なんて昔からあったわけだから、何も今更それが
新しいとは思わないし、社会学からみたら別に普通のことなんだけど、
主催者や企画者がすごい真面目な顔をして、今までサブカルを半ば疎かにして
いて最近発見しつつ、それを大衆に分かりやすく説明する(といいつつ、
全然わかりやすくなってないんだけど)みたいな趣旨がありありと
分かるような企画を話しているのを聞いてちょっと首をひねる。

う-ん、そもそもサブカルを代表するようなアイテム(漫画とか
ロックとか)って、娯楽的な要素が非常に強いし、そもそも
何も考えずに楽しみたいからみんな漫画を読むわけであって、
その背後にある漫画というサブカルの文化の中の位置づけとか、
社会との連携性とか、一般の人(自分も含め)は興味持てないって。
ただ単に楽しいから読むんであって、社会を知ろうと思って
読むわけじゃないよ。そういうシンポ自体を一般向けにやるという
考え方自体、インテリの思考なんだよ、などと近くにいた
企画者に言ってやろうと思ったけどやめた。

僕はそんなシンポより、伝統的な手法を使った博多の塩職人の
講演会のほうが聞きたい。例えば(笑)。そういうのって
押し付けっぽくないしね。

全然関係ないがこないだ久しぶりに近所の銭湯に行ってみたのだが
全然関係ない人の靴の鍵を持っていってしまい、途中で間違いに
気がついたが、本人まで戻さず(面倒くさくて)、番台に置いたまま
にしてしまった。社会人失格ですね・・・。





鎖国する精神

2009-01-05 23:37:05 | アート
せっかく福岡にいるのでちょっと足を伸ばして、
長崎県立博物館で開催中の「バチカンの名宝とキリシタン」展を見に行った。
足を伸ばして、といいつつ自宅から久大本線で久留米駅まで行き、
そこから鹿児島本線で鳥栖駅まで行き、そのあと鳥栖で長崎本線で
特急のかもめに乗り換えて、長崎駅まで。全部で3時間ぐらいかかったっす。
全然気軽にいけない・・・遠い。

さて、県立博物館は二階が常設展。鎖国時代の長崎の町の歴史を
中心に、当時の日本がどのように海外と交易や文化の吸収を行っていたのか
手にとるように分かる秀逸な展示空間になっていて、ついつい見入ってしまった。
鎖国というのがキリスト教が日本に伝播するのを抑えるため、との理由は
よく聞いていたが、他にも
南蛮貿易で富を得た西国の大名がこれ以上豊かにならないための
中央政権からの封じ込めの意味合いもあった、なんて解釈も。
鎖国もオランダとの出島だけでなく、在留の中国人を集めた
唐人屋敷の様子や中国との交易、そして対馬を通した朝鮮との交流など
厭きの来ない展示だった。

そして3階は企画展であるバチカン展。
日本とキリスト教の関係性をイエズス会の歴史とともになぞるような
なんだか厳かな展示空間だった。ゴルゴダの丘にも似ていたという
西坂の26聖人殉教の画などの圧倒的な迫力にしばしば沈黙。

福岡にいる自分(2)

2009-01-02 21:57:50 | 福岡
込み込みの新幹線で博多駅に付いた後、
工事中の駅舎を抜けて街へ出てみた。昔と同じように
駅の前には西日本銀行の本社とか朝日新聞のビルなどが
たっている。この光景は、たとえば僕が中学生の頃、
姉と二人で博多のいとこの家に遊びに行ったときに見た
駅前の光景となんら変わっていない。ちょっと左を見ると
郵便局の本局のビルもあるし。ただ、井筒屋博多店が無くなっていて、
九州新幹線の開通を見越した新しい駅ビルの建設が進んでいたが。

そのまま天神まで歩いていってみる。祇園の駅など
通ると、大学生の頃バイトをしていた博多区役所の建物が
目に入った。あの頃バイト先でみた無気力な、公務員達はどうしてるだろう。
あのバイトのせいで、公務員なんてなるもんじゃないと思った僕だった。

ところで、思うに、九州を出るとみんなから(特に東京での
話だが)、九州人は~とか、九州では~、みたいに言われる。
要するに九州を一くくりにして言われる。でも実際九州に
住んでいる人は分かると思うが、九州ってあまりに多様で
福岡では~、とか、大分では~、とかそういう話は聞くけど
九州を一くくりにまとめた話というのはまず出てこないのだ。
要するに統一感というのは全然ないのだ。だからたとえば九州国際空港
の建設地をめぐってあんなにもめるし、ほんと九州は
ひとつ、じゃなくて九州はひとつひとつ、なんだよなあ。