ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Rising Free : The Very Best Of TRB / Tom Robinson Band

2019年09月22日 | パンク・ニューウェーヴ

Rising Free : The Very Best Of TRB / Tom Robinson Band (1997)

セックス・ピストルズ(Sex Pistols)が登場した1976年に勃興したロンドンのパンク・ロック・ムーヴメント。ライヴを観に行った者が家に帰ってからバンドを始めるという”Do It Yourself”の精神であっという間に若者の間に蔓延した。そんなバンドの中で一風毛色が変わっていたトム・ロビンソン・バンド(Tom Robinson Band)。名前の通りリーダーはトム・ロビンソン。男っぽさを全面に出しているクラッシュ(The Clash)のようなバンドが多い中で、風貌もまじめだし、珍しく当時からゲイを公言していた。今でこそLGBTが一般的になってきたが、当時はまだまだ偏見の真っ只中。風当りも強かっただろうと想像出来る。

ロンドン・パンク、ニューヨーク・パンクにひと通りハマった自分だが、彼らのレコードはシングル盤を1枚持っているだけ。定評のあったファースト・アルバムも何故か買わなかった(クラッシュ推しだった自分にも偏見があったのかも)。このベスト盤は彼らの77~79年に発表した初期音源からコンパイルされたベスト盤。2曲(7、14)の未発表ライヴ曲が加えられている。”パンク”から想像するようなハードな音ではないのだが、ギターの音が心地よくコンパクトにまとまった曲群は、さしずめ今ならパワー・ポップとかギター・ポップと呼ばれるタイプ(そういう言い方ももう古いか…)。どの曲も出来が良く、こんなに自分にしっくりくるとは思わなかった。カヴァーもしているが、オリジナル曲でもディラン(Bob Dylan)の影響が強く感じられる。思うにパンク・ムーヴメント吹き荒れるイギリスで、そのジャンルに一括りにされてしまったのは、このバンドにとってちょっと不幸だったかもしれない。

オークションにて購入(¥425)

  • CD  (1997/6/16)
  • Disc : 1
  • Format : Import
  • Label : Caroline

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