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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

茂美志や @滋賀県長浜市

2017年06月26日 | 滋賀県(老舗)

今から20年程前までは、ほぼ毎週、滋賀県に通っていた。ルアー・フィッシングにハマっていて、夜中の3時頃家を出て朝の5時にはフローター(釣り専用1人乗り浮輪)で琵琶湖の湖上に。当時、釣り仲間の間で共通の認識だったのは「滋賀県では何を食べても旨くない」だった(滋賀県の方、すいませんっ!)。当時はまだ今のように飲食店の情報が多くなかったので、主に湖北や湖東の地元の店中心で食事していたのだが、残念ながらいつも結論はそうだった(本当にすいません…。もちろん今では違うと思います)。そのうちにコンビニのおにぎりと携帯コンロで作った日清どん兵衛で済ますようになって…。

それはさておき、先日、米原市の醒井宿を訪れて古い建物や店を堪能したら、もう少し足を延ばしてみたくなり、次は長浜までバイクを走らせた。昔は湖岸ばかりに居たのでこの辺りに立ち寄った覚えがあまり無いが、現在は「黒壁スクエア」として人気観光コースになっており、この日も団体客やら大陸からの観光客でごった返し。人を入れずに写真を撮ることが困難な程の人出だった(全国の商店街復興モデルになっているんだとか)。昼過ぎの外れた時間だったが、ちょっとお腹に入れようと寄ったのは「名物のっぺいうどん」と書かれた看板が目に入った「茂美志や」(志は濁点あり)。混み合うアーケード街「大手門通り」にあり、創業は大正元年(1912)だそう。

複雑な部屋割りの中の奥のテーブル席に案内される。もちろん注文はしっかり品書きも見ず「のっぺいうどん」一択。壁に貼られた多くの有名人の色紙に目をやりつつ、改めて品書きを眺めてみて凍り付く…。「のっぺいうどん」とは大きな椎茸、生麩、湯葉、三つ葉、生姜の入った餡かけうどんだとのこと。こ、これは…。おおよそ好き嫌いの無い自分が、唯一苦手と言えるのが熱い和出汁の餡かけうどん。しかもその昔、滋賀県内の別のある店で餡かけうどんを食べ、これは苦手だナと認識した因縁のうどんとほぼ同じ仕様。それが「のっぺいうどん」という名前だったとは…。

しばらくして木の蓋がのった大きな丼ぶりが運ばれる。蓋を開けると巨大な椎茸が沈む大量の餡が現れた。熱過ぎて啜ることもままならない大量ののゆるいうどんと、たっぷり熱々の餡。好物の椎茸もここでは噛み切ることが困難で手を焼く。生姜を溶くと、さらに過去の記憶が鮮明になり…。具は食べ切ったものの、このブログ始まって以来、たぶん初めて出されたものを残しました。茂美志やさん、申し訳ない(全て私の個人的な苦手意識のなせることです)。食べ切れなかったショックも後を引き(笑)、勘定をしようとして複雑な店内レイアウトで出口に迷う体たらく…。(勘定は¥1,100)

 


 

↓ 人混みの多い通りから外れ、風情ある大通寺参道付近。

 

 ↓ 店のある大手門通りにある「まちづくり役場(旧・土田金物店)」(建築詳細不明)。旧商家を利用して地域の情報発信をしている非営利活動法人。

 

↓ 「黒壁スクエア」の中心、「黒壁ガラス館(旧・国立第百三十銀行長浜支店)」(明治33年・1900・建造)。長浜カトリック教会として使われていたことも。

 

 ↓ 室町時代からの旧家「北国街道・安藤家」(大正4年・1915・建造)。

↓ 長浜駅の南にある「長浜鉄道スクエア(旧・長浜駅舎)」(明治15年・1882・建造)。現存する最古の鉄道駅舎で、日本で初めて鉄道が走って10年程だというから凄い。

 

 

 


 

 

茂美志゛や

滋賀県長浜市元浜町7-15

 

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コメント (2)
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丁字屋 @滋賀県米原市

2017年06月23日 | 滋賀県(老舗)

建物も店の佇まいも全く古くないのだが、旧街道沿いでこの屋号だったら間違いなく歴史のある店だろうと訪れたのは、滋賀県米原市の醒井宿にある「丁字屋(丁字屋製菓)」(後から調べたらやはり100年以上の歴史があり、現在3代目だとか)。本当は飲み物を買おうと思って店に入ったのだが、アイスや惣菜パン、水まんじゅうなどの和菓子が並んでいたので物色。暑い日だったが、残念ながら涼しげな水まんじゅうはすでに売り切れていて、梅花藻のパウダー(!)が入っているという「梅花藻ソフトクリーム」を買い求める人が多かった。”丁字屋オリジナル”と書いてあるが、ま、そうだろう(笑)。自分はクラシックなデザインの包装に「江州(近江国=滋賀県の意)醒ヶ井宿」と書いてある「醒井餅」に目がいったので購入した。

「醒井餅」は、餅といってももちろん煎餅のこと。彦根藩の幕府献上品だったんだとか。やや大きめの胡麻醤油煎餅。表面は濡れておらず、カラッと乾いて軽い。見た目はごついが、乾いた食感と口当たりが新鮮。キリッとした醤油味と胡麻の風味があって甘くなく、なかなか旨い。訪問日には見つけられなかったが、他にも「忠太郎最中」なんてのもあるらしいので、次はそれで。(勘定は¥110/枚)

 


 

↓ 「醒井宿資料館(旧・醒井郵便局舎) 」(大正4年・1914・建造)。あのウィリアム・ヴォーリズ(William Merrell Vories)が設計だとか。国の登録有形文化財に指定されている。

 

こう見えて木造2階建ての擬洋風建築。昭和9年に外壁をモルタル塗りにしたらしいけど、それより前ははどんな姿だったんだろう? 昔の郵便局舎らしく隣の日本家屋とはつながっている。

  

↓ 通りからは少し分かり難いこじんまりとした「旧・醒井公会堂」(昭和11年・1936・建造)。現在何かに使われているかどうかは分からないが、こちらも登録有形文化財に指定されている。

 

 


 

 

丁字屋 (丁字屋製菓)

 滋賀県米原市醒井392

 

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ヤマキ醤油(醤油屋喜代治商店) @滋賀県米原市

2017年06月20日 | 滋賀県(老舗)

バイクで遠出しての滋賀県米原市の中山道・醒井宿(さめがいしゅく)。街道沿いには名水にも選ばれている「居醒の清水(いさめのしみず)」が流れ、その水面下には梅花藻(ばいかも)が揺れていた。抜群の透明度で流れる水中に、文字通り梅の花のような小さな白い花が涼しげで可愛らしい。夏になると水面から顔を出すんだとか(訪問5月)。それも見てみたいなァ。

 

街道沿いに建つ土蔵造りの「醤油屋喜代治商店(通称:ヤマキしょうゆ)」を覗いてみた。創業は明治39年(1906)で現在4代目とのこと。土間には醤油だけでなく、菓子類や酒肴、醤油を使ったプリンなども置いてある。この日乗ってきたバイクにはサドルバッグを付けていないので持ち帰りが困難、と思っていたら小さい小さいペットボトル(100ml)に入った醤油を発見。これを買って革ジャンのポケットに入れて帰ることにする。

金文字で「喜代治」と書かれた醤油は濃口本醸造醤油。2年仕込みだそうで、材料は全て滋賀産にこだわって作られているのだとか。さっそく家に帰って封を切り、豆腐とクリームチーズに垂らして味わってみる。さらっとした普段使っている醤油よりもコクがあり、しっかりした芳ばしい香り。開けたばかりなので余計に風味が強く感じる。次は刺身で。最近は刺身に濃口醤油は使っていなかったのでなんだかちょっと新鮮。刺身の時は淡い味の白身より、しっかりとした鉄の味する鮪の赤身や、鰹などの方が合うだろうか。(勘定は¥210/本)

この後の記事はこちら

 


 

↓ 街道沿いに建つ「旧・醒井尋常高等小学校玄関及び旧・醒井楼」(明治26年・1893・建造、移設修復、及び大正2年・1913・建造、修復)。明治時代の小学校の玄関を移設し、大正時代の料理旅館の建物と合わせた建物。看板からすると松尾寺が管理所有しているのかな。唐破風の鬼瓦の龍の彫刻や、その下の木部分、懸魚(げぎょ)の細工が圧巻。

 

 


 

 

有限会社 醤油屋喜代治商店 (ヤマキ醤油)

滋賀県米原市醒井370

 

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