かるさんのgooブログ <北国たより>

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阿久悠さんを悼む

2007-08-03 22:49:00 | インポート
作詞家、阿久悠さんが8月1日癌で亡くなりました。

戦後、天才歌手「美空ひばり」の歌と共に育って来た年代の一人として、歌といえば「歌謡曲・演歌」しかあり得ない・・・と今も頑なに信じています。

方今、全盛を誇っているのは若者に支持されるJポップなどで、歌謡曲・演歌は、近ごろすっかり居所を失いTVでの番組もほとんど無くなってしまいました。

阿久悠さんは、この国の高度経済成長と時を同じくして、60年代から70~90年代に数多くの作詞を残しました。その作品はジャンルを問わず5000曲にも上り、レコード、CDの売り上げ枚数は6000万枚を超えると言われます。作詞の一つ一つに「時代を反映した、時代を紡ぐ心」が宿っています。

この間、新人・ベテラン歌手を問わず、氏が作詞した歌を唄わなかった人を探すのが難しいほどです。
「勝手にしやがれ・沢田研二」「UFO,ペッパー警部・ピンクレデー」「せんせい・森昌子」「あの鐘を鳴らすのはあなた・和田アキ子」「北の宿から・都はるみ」「津軽海峡冬景色・石川さゆり」「舟唄・八代亜紀」
「宇宙戦艦ヤマト・ささきいさお」「{ああ甲子園}君よ八月に熱くなれ・高岡健二」「ピンポンパン体操・杉並児童合唱団」etc.etc.・・・・・

歌謡曲・演歌が下火となったとは言え、誰もが氏の数々の作品のどれか一つくらいはたちどころに唄えるのではないかと思っています。

―――歌謡曲・演歌が下火とは言うものの、現実にはレコード(テープ)・CDがたくさん売れないだけで、中高年層にはいまだ確実な人気があるのです。

昨今スナックや居酒屋を訪れてみてください。唄われているのはほとんど歌謡曲・演歌です。カラオケ教室は未だどこも生徒で満杯です。
おじさん・おばさん達は一人が購入したテープをみんなでダビングして持っているのです。だから新品がたくさん売れないだけなのです―――

当然のことながら文筆活動にも力量を発揮し「瀬戸内少年野球団」(映画化された)などの小説、エッセーも多く残しています。

女性の心の繊細さ、切なさ、自然の厳しさ美しさ、明日への希望と勇気・・・とつぜん夢の世界に入ったりする数々の言葉の巧みさは見事です。

戦後の数多い作詞家の中でも、類を見ない才能を持った「阿久悠さん」の訃報を、いま無念に思います。

明日の晩あたり、居酒屋の片隅で“海峡をさびしく渡った”おんな心を一節唄ってみようか・・・などと思ったりする雨の夜です。

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白い彼岸花(阿久悠作)

白く咲いても彼岸花
赤いとんぼはやって来る
紅に混じって寂しげに
風にふるえる身であれど
咲きましょう、咲きましょう
歓ぶ人がある限り
白には白の夢があり
白には白の心あり



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