南の各地から、さくらの花の便りが届きます。
その花便りに誘われるようにスポーツの話題も満開です。
トリノ五輪はイナバウアーの華麗さと、カーリングの面白さで盛り上がりました。
首の皮一枚を残した王ジャパンは、第一回のWBC大会で世界を征し、その勢いを駆ってのペナント開幕は大勢のフアンの喚声に沸きました。
大相撲春場所は、優勝も三賞もモンゴル勢が独占し、日本人力士の面目が失われましたが、それなりに盛り上がった場所ではありました。
いま、甲子園では春の選抜野球がたけなわです。
重ね重ねの不祥事で出場を辞退した駒苫高校事件を乗り越えて、熱戦でフアンを魅了して欲しいところです。
と言うように、さくらの花便りとともにスポーツの醍醐味に酔い痴れる私たちですが、ひるがえって「この国のまつりごと」の成り行きを注視してみれば、一転、暗澹とした気分に襲われてしまいます。
件の、耐震強度偽装事件や談合事件などの「四点セット」追求はどこへやら、もっぱら「偽メール問題」の追及に終始し、予算案の審議も国民のもっと知りたいと思う部分は省略され、あっさりと承認されてしまいました。
さらにこの国の将来が大きく左右される憲法改正の兆し、教育基本法の手直し、近隣諸国との外交面での手詰まりなどなど・・・
とりわけ「格差拡大」と「増税への兆し」は庶民にとって深刻な事態です。
今では、しっかりとそれらのことを問い質す勢力も無力化し、ここしばらく「この国のまつりごと」は、上滑りしながら、あらぬ方向へと漂うことへの懸念が沸いたりするのです。
咲き乱れるさくらの花に酔い痴れながらも、頭の隅のどこかで、次の世の「この国の見事な開花」をも願わずには居れません。