かるさんのgooブログ <北国たより>

身近な話題を画像といっしょに・・・

人命救助の悲劇

2005-07-18 20:18:00 | インポート

きのう17日、最高気温が29℃と夏らしい陽気となりました。加えて湿度が高く、エアコンを使う習慣の無い当地では、少し動くと汗が出るありさまでした。

こども達の夏休みはもう少し後になりますが、短い夏を有効に使いたい北国の人々は、この三連休を利用し、さっそくのアウトドア―行動に余念がありません。
用事で通り過ぎた海浜は、大勢の海水浴客で賑わっていました。

そんな風景の翌日は、必ずと言っていいくらい「水難事故」のニュースが流されます。
案の定今朝の新聞にありました。札幌近郊の海水浴場でのことです。

「沖に流された男児救助試み・・・会社員死亡、一人重体」の悲しい記事です。

昨日のこの海水浴場は、風が強いため「遊泳禁止」となっていました。
ですが、小学生の男児は浮き輪で遊んでいるうちに沖へ流されたのです。

両親の助けを求める声に、34歳の会社員がとっさに救助に向かったのですが・・・・溺れてしまいました。
それを見た27歳男性が二人を助けに泳ぎましたが、けっきょく溺れてしまったのです。

結果として最初の会社員は死亡し、次ぎの男性も助けられましたが「意識不明の重体」となりました。
小学生の男児は他の人に助けられ、無事だったとのことです。
なんとも言いようの無い悲しい事故ではあります。

日頃、この国の人々の「自分だけ良ければ・・・式の、質の低下傾向」を嘆くことがしばしばです。(もちろん自分は例外だ・・とは思っていませんが)

ですが、他人のためにとっさに「危険に飛び込む勇気」と「人間としての質の高さ」を見聞する時、救われる気持と共にその気高さに涙します。

何時でしたか、プラットホームに転落した人を救おうとして犠牲になった韓国人(中国人?)の留学生がいらっしゃいました。この事故は大きなニュースとなって日本中の人々が涙を流しました。

そんなニュースを見て、そのような場面が目の前に出現したとき、はたして自分はどんな行動を取れるのだろうか?と自問自答はしてみますが・・・・いつも結論はでません。

たぶん、そのことで犠牲になられた人々は「考えをめぐらしての」行動では無く、無意識で咄嗟に身体が動いたのでは?と推察します。

このことは、日頃の鍛錬とか何かでなく「人としての徳質」を生まれながらに持ち合わせた人にしかできない、そういう類の問題ではなかろうか・・・・と思ったりします。

それにしても、数少なくなる「気高い徳質」を持ち合わせたこれらの人々を、これ以上犠牲にさせないためにも、一人一人が気を配らねばなりません。

遊泳禁止を無視して男児を泳がせていた、そのご家族(男児の将来も含めて)・・・これからどんな気持で長い人生を送られることかと、
犠牲者のご家族の気持と併せて思い遣られるばかりです。


「知床」世界遺産に登録決定

2005-07-15 23:21:00 | インポート
    
03年10月のこの雑記に「明るくなりそうな話題」と題して、04年早々にも「知床」を世界遺産に登録してもらうべく推薦することになった・・・・ことを書きました。
登録は05年6月頃にでも決定するようだ、とも書きました。

月日が経つことの速さに、あらためて驚いています。あれからもう約一年半もの年月が経過したのです。

で、ご承知のように、この14日夜半(日本時間)ダーバンで開かれた「ユネスコ」の世界遺産委員会は、「知床」を世界自然遺産に登録することに決定しました。

この登録決定の報せに、いま地元はもちろん、北海道全体が湧き上がっています。

先回も書きましたが、国内での自然遺産登録は「屋久島」「白神山地」についで三番目になりますが、海域を含むのは「知床」が初めてだそうです。

ですが、この世界遺産登録を手離しで喜んでばかりもいられません。
この国の「最後の秘境」と言われる「知床」を、そのままの姿で後世に残すことの難しさが横たわっています。

この運動を長年推進されて来られた牛来斜里町長や、多くのトラスト運動者達(一坪地主を増やし開発を阻止した)が居る一方で、観光客の増加を狙う地元の人たち、なによりも、豊かな漁獲で生計を立てる漁業者との折り合いをどう成り立たせるのか?

この地球上で人類が生存して行く以上、いかなる手段を取ろうとも「自然破壊、食いつぶし」は必定です。

宿命かもしれませんが、人々はそれでも細心の注意を払って「豊かな自然を後世に残す」義務があるのです。

とはいうものの、「知床」の漁業者の「トドを生かして人間を殺すのか?」と言う発言に、この問題の難しさが端的に表れています。(トドは海のギャングと言われ、網を破って大量の魚を食べてしまう)

地球上の生物の一員でもある人類の、叡智と賢明な行動が・・・いま試されるところです。


「悪徳」の増殖

2005-07-02 22:30:00 | インポート

「少子化」傾向が急速に進むこの国の人口は、減少の一途をたどり、人口構成を見れば「高齢化」が進んでいます。

その危機的現象は、何年来とやかく言われてきましたが、対策らしきものは一向に見えてきません。

そんな、一国の存立を危うくするような不安定さを反映したのかどうか、近ごろは「悪徳」という言葉をひんぱんに聞かされ、その行為はこの国のあらゆる階層で増殖傾向にあります。

辞書には
「悪徳」・・道義にそむく不正な行為とあります。

その「道義にそむく」業界、業者のなんと多いことか・・・

いまホットニュースになっているリフォーム業者を始め、金融業者、建設業者、製薬業者、自動車メーカー、オレオレ詐欺集団、カード偽造搾取集団、偽札製造や麻薬密輸入とその販売集団・・・・
などなど枚挙にいとまがありません。

極めつきは官僚と政治屋です。
国民一人一人が身を削って納める「血税」を、いとも簡単に私利私欲の対象にしてしまいます。

「悪徳」を取り締まるべき警察官僚は、確かな裏金の存在を犯罪として認めません。

――北海道警察の裏金問題について、道議会に提出された<百条委員会設置>要求は、自○党、○明党の反対で6回も潰されました―――

「悪徳」な談合を40年間も平気で続けていた橋梁メーカー業界、その殆んどの企業が、この国では「一流企業」として奉られています。またそれを手助けして私欲に走る公団官僚達です。

この国の、増殖する一方の「悪徳化」傾向を、ますます「少子化」する、そのこども達がどうやって支えて行けば良いのやら・・・・途方に暮れながら「悪徳化」する、まるで出来の悪いロンドのような仕組みが、いま出来上がりつつあるようです。

辞書の中でもう一つ「悪趣」という言葉を見つけました。
――現世で悪事をした結果、行かねばならない苦しみの世界。。。。地獄、餓鬼、畜生、の三趣。

「悪徳」を常とする輩に、幽冥界ではなく、現世で「悪趣」の苦しみを味わってもらいたいものと・・・
一人密かに思う夏の一夜ではあります。