かるさんのgooブログ <北国たより>

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「落ちた偶像」と「昇華した土偶」

2007-03-18 01:44:00 | インポート

ついこの間まで時代の寵児ともてはやされた「ホリエモン」が罪に問われ、2年6ヶ月の実刑の判決が言い渡されました。

若い起業家達があこがれた、巨大情報技術(IT)企業の姿はマボロシに終り、ホリエモンは「落ちた偶像」と化しました。

バブル崩壊後の改革の名の基に、既成秩序を打ち破る旗手としての登場は目を見張らせるものがあり,プロ野球チーム獲得騒動の時点では、私たちもホリエモンに声援を送りました。

その後のグレーゾーン的な商業活動や、担がれて政治家の方向を目指したり・・・などなどの行動を見るにつけ、彼の本質はいったい何なのか?と疑問を抱くようになっている内に「塀の中」へ転げ落ちて行ってしまったのです。

そんなニュースが国中に駆けめぐった17日、当地の新聞に「中空土偶」<名付けて、茅空(かっくう)>が重文から「国宝」に昇格するとの嬉しいニュースが載りました。

この土偶は、函館管内南茅部町で32年前に漁師の主婦が家の畑から偶然に掘り当てたもので、縄文時代後期(約3500年前)に作られたと推定されるものです。

「中空土偶」から、縄文後期の信仰や祭祀との関係など、当時の精神文化を解明する上で欠かせない学術的価値が高いと判断されたとのことです。

縄文時代の遺物が国宝に指定されるのは3件目で、土偶は2件目なんだそうです。
(ちなみに①は長野県茅野町の土偶「縄文のビーナス」、②は新潟県十日町市の深鉢形土器)

混沌とした現代社会の寵児は一瞬のうちに「落ちた偶像」と化し、いつか誰も見向きもしなくなる事でしょう。

ですが、長閑に安寧な日々を過していたと思われる人々の姿を遺した土偶<茅空>は、3500年を経た後も「昇華した土偶」として国宝と言う名誉をもらい受けることになったのです。

「偶像と土偶」文字面からしてまことに皮肉な3月17日の新聞記事ではありました。

(北の縄文CLUBのHP↓)
http://www.geocities.jp/kitanojoumonclub/daidoguu.htm