かるさんのgooブログ <北国たより>

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人質解放――その陰で

2004-04-17 20:59:00 | インポート

西国地方は真夏日となり「水浴びをしたい気持・・・」と何方かの掲示板にカキコがありました。

北のこの地には、去り難たそうな冬が「名残の雪」を馳走して呉れています。

そんな日の夕方、イラクで不明を伝えられていました「邦人ジャーナリスト」お二人が無事解放され、TVに元気な姿を見せてくれました。

この8日の夜に始まったイラクの「邦人三人の拘束――人質事件」です。
一週間ぶりの15日夜、三人とも無事解放されとりあえず一件落着となりました。

二つの別々の「人質事件」ではありましたが、どちらも無事に戻られたことは喜ばしいことではあります。

この間、この事件をめぐって日本全国でさまざまなことが起こりました。

第一に「イラクへの自衛隊派遣」の是非がもう一度問われることになりました。

論議が深まる暇もなく法制化され、戦後初めて「自衛隊」として派遣されたこの事態を、「人質事件」があらためてその厳しい現実を国民に突きつけた格好になりました。

為に国民の多くが「自衛隊派遣」をもう一度見つめ直した・・・ということになります。

次に「自己責任」という、国家と個人との係わりが大きな問題として浮上してきました。

「個人主義優先」を主張する国民と、「・・・ではあるが国家を優先したい」為政者側との攻防が顕在化した今回の事件です。

「あれほど危険だから行くなと勧告したのに・・・」という意見と「・・・そういう状況だからこそ誰かが行って助ける必要がある」という見解が、ここ当分論争のネタになることでしょう。

さらに言えば、たまたま「無事解決」とはなったものの、日本政府の情報活動の貧困ぶりと、打つ手の頼りなさは目に余るものがありました。

同時にこの時代の、グロ―バルでリアルタイムなメデイアの底力を知ることができました。

日本国民の小さな行動が、結果として「拘束側」に伝わり解放の大きな要因になったことは特筆すべきことです。
というよりか「情報伝達技術」の進歩にはあらためて驚かされるのです。

大きな役割を果たしてくれた「イラクの聖職者」氏の発言にこの辺りのことが浮き彫りになりました。


今回の「人質事件」で一番得をしたのは誰か? を考えて見ました。

それはイラクの人々(一般人も、抵抗誘拐軍団も含めて)でもなく、アメリカでも、日本の国民、解放された人たち、でもありません。

これら一連の事件の報道の陰で、すっかり報道の活字が少なくなった、あるいはTV映像化されなくなった全国の「警察の裏金」問題・・・・

これこそが今回の事件で最も恩恵を被ったものでは無かったかと、小さな舌打ちの一つもしたくなるのです・・・・・・

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