爽やかな春を通り越して、真夏を思わせる陽気で早くも「暑いッ!!」という文字が躍る昨今のCAFEでの各頁へのカキコです。
そのことも地球の温暖化の所為、なのかどうか・・・ここのところ自然界の異変はなにかしら「急を告げる」感覚で出現してきます。
明けて一昨年の冬、中国をはじめ東南アジアに蔓延した「新型肺炎」は作冬には殆んど話題にならずに済みました。
替わって登場したのが「鳥インフルエンザ」の猛威で、降って湧いたような出来事でした。
「牛どん」のネタ肉が輸入停止となり、日本経済全体にも悪影響を及ぼしています。アメリカでの「牛海綿状脳症(BSE)」発生が原因です。国内では01年に発生し大混乱を来しました。
これからも「予測のつかない、予防も困難な」現象が私たちを襲うことになりそうです。
今日の雑記の主眼は、その現象自体のことではありません。
そんな事態に遭遇した時の二人の「経営者」のことを思ってみたのです。
※ 告発する者は、、、
01年の「狂牛病」発生時、極端に消費が落ち込んで困窮する業界を救うため、国による「国産牛肉の買い上げ」制度が実施されました。
この時、業界大手の「雪印食品」が禁じられている「輸入牛肉」も一緒に混ぜて買い取らせ、2億円ものお金を詐取しました。いわゆる「食肉偽装事件」です。
――いま叉事件になっています大阪の「ハンナン」は6億4千万の詐取だそうですが、今回ここでは触れません――
この時、この偽装工作の現場となったのが「西宮冷蔵」という会社でした。社長の水谷さんは迷った挙句、この偽装工作を告発しました。
結果として「雪印食品」は潰れました。
(これより先のミルク中毒事件で、「本家の雪印乳業」はすでに解体ずみ)
しかし、告発した「西宮冷蔵」も食肉業界や、他の利用者から“そっぽを向かれ”倒産の憂き目に遭いました。
どん底の生活を味わいながら水谷さんは、会社再興を目指したようです。
――この辺りのこと、距離的に遠い所為か、残念ながらこちらの新聞などには情報が載りませんでした。ですから詳しいところは間違っているかもしれません――
「西宮冷蔵」の倒産には多くの人々が憤慨しました。結果として数多くの人々の善意が結集し「約1千万円」もの寄付が集まりました。
その資金を元に「西宮冷蔵」が再出発した・・・と二、三日前報じていたTVニュースを偶然に見たのです。まことに喜ばしいニュースではありませんか。
この国のいまの在りようは「不正を告発」する人が「村八分」のような目に遇ってしまいます。
「社内告発者」を守るべき法律の整備が言われておりますが、経営者側や一部の政治家の横槍で、満足したものとは程遠いもになっております。
相変わらず「自分だけがよければ・・・」「その時良ければ・・・」「触らぬ神に崇り無し」と言った風潮が蔓延しています。それは「告発」と言ったことだけで無く、あらゆる事象に言えることです。
まさに「悪貨が良貨を駆逐」しつつある・・・世相は「鳥インフルエンザ」の事例に如実に現れました。
※ 告発された者、、、、
隣国の韓国などからのある程度の情報はあったのでしょうが、国内での「鳥インフルエンザ」の発症は突然で国民を驚かせました。
最初の山口県での事例では、いち早い、現時点での「最速の対処」が功を奏し被害の拡大を防ぐことが出来ました。
京都府の「浅田農場」での発症は、「農場の損害を拡大しない」ことを優先させた為、対応が遅れ、結果として他所にも被害が移りました。
部外者か内部の者かわかりませんが、密かな「告発」があって初めて事態が公になったのです。
降って湧いたような「鳥インフルエンザ」の蔓延は、いまのところ「養鶏場」の人たちも為すすべがありません。適切な対処を講じた上での損害は、公的に補償されてしかるべきかと大方の人は考えます。
「損害の拡大を恐れて」適切な対処をしなかった「浅田農場」は哀れです。経営者夫妻の自殺という悲劇を生み、社長は司直の手に委ねられ会社はほぼ解体のありさまです。
このこと「自業自得」と一言で片付けられるものかどうか・・・? 私にはなんとも申し上げられません。
告発「する者」と「される者」、あなたはどちらの側に立つべきとお思いでしょうか?
本当なら「告発」なんて、おどろおどろした言葉を使わなくても良いような・・・・・
そんな社会が望ましいところなのです。
残念ながらこの国の明日は、「告発」するにしても、されるにしても、
その両者のせめぎ合いが『ますます激しくなる』ように思えるのです。