かるさんのgooブログ <北国たより>

身近な話題を画像といっしょに・・・

もうひとつのよろこび 

2005-11-15 21:24:00 | インポート

この日、天皇家のお嬢さまが結婚され、この国挙げての祝賀ムードに溢れました。
天皇家の女性としては45年ぶりのお嫁入りだそうで、先ずはおめでたいことではあります。

例によって殆んどのTV局は、この祝賀報道でもちきりでした。
全国規模で考えれば止むを得ないところかとも思います。

ですが、北海道だけのことを言わせてもらえば、今日は道民にとって「・・・の結婚式」と同じくらい、いやそれ以上の関心事があったのです。

そうです。あの「駒大苫小牧高の三冠なるか!!」と言うその事です。
――地元の一局くらいこれを報道し、視聴者の選択肢を広げて欲しかったものです――

ご承知の通りこのチーム、夏の甲子園大会で連覇の偉業を成し遂げ、その勢いで秋の国体にも優勝してしまいました。

ここまでは三年生の出場も許されていた訳ですから、「うん、そんなこともあるか・・・」程度の喜びでした。
最後の神宮野球大会は、二年生までの新チームでの参加です。

多くの場合それ以前のチームが強ければ強いほど、新チームは脆くなりがちです。そのムードを打ち消しての優勝は立派なものでした。

甲子園連覇もさることながら、秋の国体、神宮野球大会と連続して三冠を勝ち取ったのは今回が初めてだそうです。

夏の甲子園連覇のときも書きましたが、長い間「出れば負け・・・」を繰り返してきた北海道勢が、まるで突然変異のように全国制覇するこの現象を、連覇後の不祥事に目をつぶりながら・・・・・

今日この日『もうひとつのよろこび』としてじっくり味わいたいと思うのです。



リンゴの悲哀

2005-11-11 00:10:00 | インポート

唐突な話しではあります。
天才歌手美空ひばりの持ち歌に「津軽のふるさと」というのがあります。

∮♪~“りんご~のふるさとは~北国の果て~”♭♪

哀愁を帯びたひばり節は、北国の美しさと寂しさと、それへの想いをリンゴに託して歌い上げています。

北海道で、そのリンゴの生産量がここ10年で3割も減って来ている・・・と先日の地元新聞のトップ記事で紹介されていました。
――全国的にも、80年代には100万トンを超えた生産量は、近ごろは80万トン前後に落ち込んでいるのだそうです――

減少の理由は「消費者の好みの変化」があるようで、一時期もてはやされた甘味の強い「デリシャス」が敬遠されて、現在は酸味の強い「ふじ」が流通の大半を占める・・・までになったとのこと。
この「ふじ」、生育期間が長く雪の到来の早い道内では栽培が難しいようです。

為にリンゴ主力生産地である道内余市町の農家の大半が、サクランボやミニトマトなどに転換したのでそうです。

明治の6年ごろ、開拓使によってアメリカから持ち込まれ栽培が始まった道内のリンゴ生産の歴史も、130年後の昨今、このままでは先細りになると言う他はありません。

リンゴは長い間、日本人が二番目に多く食べる果物でしたが、‘99年にその座をバナナに抜かれ、バナナは‘04年ついにミカンを抜いて一位の座についたとのことです。

どうやらバナナの躍進の主要因は「皮が剥き易い、やわらかい・・」などが上げられるようです。

それでもっても「食糧自給率」が欧米よりも低いこの国です。単純に「嗜好」だけで自国産を駆逐して良いものかどうか・・・

豊作の為の「米余り」を始め、地球規模で災害が起きた場合の根本的な心構えを、「嗜好、安価」だけを「志向」する私たちは、考えを正さねばなりません。

とは言うものの、生産地の人々の「生活向上」に何がしかのお役に立つべきと、毎月「ネグロスバナナ」を定期的に買わせていただいている我が家・・・の矛盾。

自国生産者への支援の心と、グローバルな市場経済の波も止む無し・・・との両方の想いが交錯し、このときばかりは「どこかの国の政府の無策」ぶりにいささか似通ってしまう、、、きのうきょうではあります。

そんな日は、「リンゴ畑から青々とした日本海」を眺めながら、リンゴと悲哀を分かち合いたい・・とも思ったりするのです。