かるさんのgooブログ <北国たより>

身近な話題を画像といっしょに・・・

「絆」を断ち切ったのは誰ですか?

2011-07-25 15:29:00 | インポート
NHKスペシャルー{飯舘村・・人間と放射能の記録・・を見て

 
あい変らず「原発事故」から抜けることができません。

23日夜の番組を多くの人がごらんになったことでしょうが、いままでに見たどんなドキュメンタリー番組よりも印象深く心に響き、なみだを流しながらの観賞でした。

「飯舘村」は「事故原発」から20km圏からわずかに外れていて、事故後の避難指示はありませんでした。

ですが放射線量が20ミリシーベルト/年間を超える恐れがあることから、4月11日に「計画的避難区域」に指定されました。

結果として1ヶ月以内に全村民が避難するよう指示されたのです。
5月15日から始った避難は、それぞれの家族に「不安と悲しみと怒りと絶望」を味わせることになるのです。

放送は村民の苦しみを、農業一家や牧畜業の家族に密着して克明に描写します。

冷害が続き貧しかったこの寒村が、何代にも亘る村人の努力でようやく豊かに暮らせるようになってきた最近です。

25年も牧畜に努力し、ブランド牛に育てることを誇りにしてきたお父さんは「種牛を避難させても戻れる望みが無い」」ことに絶望し、泣く泣く牧畜を断念することにしました。

手塩をかけて育てた「ブランド種牛(清姫いう名前です)」を手放す別れの場面は、どんな映画やドラマでも表せない悲しみがあります。

お父さんが、汚れた手で流れる涙をぬぐう画面は自分の涙でぼやけてしまうのです。

力をあわせて平穏に農業を営む4世代家族が、豊かな里山の生活を捨てねばならない悲しみと行く先の不安・・・・
兼業農家の畑を捨てることに悩みぬく若い農家の人・・・
村人の世話役をしながら、放射性物質の除去実験に協力するものの、行政に翻弄されて家を離れざるを得なかった家族・・・

飯館村の人びとにかぎらず、たくさんの人々が「放射性物質」に追われて、平穏な生活を奪われることになりました。
ここ数年、核家族化や貧困などで「家族崩壊」が顕著となりました。
そこで「絆(きずな)」という言葉が言われるようになりました。

さらにこんどの大震災被害者を励ます言葉としてさかんに使われています。たしかに大災害を乗り越えるにはこの国の人々すべてが、目的を一つにして相互の「絆」を強くする必要があります。

ですがこのたびの「原発事故」は、永い間培われてきた「ふつうの家族の絆」をあっさりと断ち切ってしまったのです。人びとのこの「絆」を断ち切ったのはいったい誰なのか? 自然災害のせいにするわけにはいきません。

7月23日の新聞報道にありましたが、‘09年の自○党への個人献金の72%(4702万円)が電力9社の役員からのものだったそうです(企業献金が批判を浴びて廃止した後)。役職別献金額は各社ほぼ横並びとのこと。

政府や電力会社が言うように、原発がほんとうに安全ならば、立地市町村へなぜそんなに「多額の特別交付金」をばらまかねばならないのか? 電力会社の政治献金はなぜそんなに多額になるのか?
そこにはどうしても「胡散臭さ」が付きまといます。

農家をはじめ牧畜業者も稲ワラ業者も、お肉屋さんも焼肉屋さんも、今回の「放射性物質汚染」に関してはなんの罪もありません。

安全性に懸念を表してきた学者や専門家、評論家を無視したり、潰してきた政治家、官僚、電力業界など「原発推進派」の面々こそ人々の「絆」を断ち切り、罪の無い多くの関連業者を塗炭の苦しみに遭わせている元凶だと思うのですが・・・・・


photo by karusan from OCNフォトフレンド
<公園内を周る電車>
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それでも「原発」は必要ですか?

2011-07-13 22:13:00 | インポート

「東日本大災害」から4ヶ月が過ぎました。

犠牲になられた方々、いまだ行方不明の人たち、避難所で不便を強いられている多くの人々に対し、痛めた心が癒やされません。

それでも津波に流された地域は、時間がかかるにしても復興の望みはあるでしょう。

一方「原発事故」で被害を受けた地域は、家屋や人的被害が少なかったものの、町ごと村ごとの一斉避難で苦労を強いられています。

本来なら何ごとも無く平穏な生活が送れたにもかかわらず、「目に見えない恐怖」に追われての不安は各別なものがあろうと察せられます。

いまここで言うのは憚られますが、はたしてこの地へ戻れる日がくるのでしょうかどうか・・・

「目に見えない恐怖」は強制避難をさせられた人々や地域だけでなく、全国的にも
世界的にも災いをもたらしています。

「放射性物質」による被害は土壌を汚染し、水源を汚染し、作物を汚染し、家畜を汚染し、はるか離れた地域の人々、とりわけ「子供たち」に恐怖に近い不安を抱かせています。
――マスクを掛けて、学校でも家庭でも外で遊べない多くの子どもたちの姿を、みなさんはどうごらんになりますか?――

さらにこの事故で、外国は日本からの「食糧の輸入」だけでなく、工業製品すら忌避しています。
いくら口を極めて弁明につとめても、「放射性物質の怖さ」を和らげることはできません。

にもかかわらずいまこの国で、「脱原発」の意見はは圧倒的な支持を得ていません。

「電力不足による不便さ」や「産業の停滞」「化石資源の不足」などを理由にした「原発依存」説が優位を占めています。

ですがこの国は地震や津波、火山噴火、台風など自然災害がことさら多い立地にあります。
明日にでも同じような災害が襲ってきても不思議なことではありません。

政府や関係団体がどんなに「安全宣言」しても、それは「儚い希望」にしかすぎません。
機械設備を動かすのは人力です。どんなに注意しても「人は間違い」を起こします。

現在の人智では「放射能・放射性物質」事故をただちにコントロールする能力はありませんし、ほぼ永遠に不可能でしょう。

であればこそいまこの国の経済が停滞したとしても、幾世代にもおよぶ「放射能被害」を残さない為に「脱原発」へ舵を切るべきと私は思うのです。

もちろん今すぐの「廃炉」は無理でしょうが、太陽熱、水力、火力、地熱、バイオなどなど自然エネルギーの利用速度を早めるべきなのです。

同時に、産業用消費電力よりも、一般家庭や無だな「電飾広告塔」の電力などをもっと節約すべきなのです。

世界に冠たるこの国の「科学技術」を駆使すれば、必ずやその目的は遠からず達成できると信じているのですが・・・

以上の考えは、けっして「退陣を表明している、迷走首相」の意見に左右されるものではありません。念のため・・・・



photo by karusan from OCNフォトフレンド
<霧の中のサイロ>
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いつになったら・・・義捐金配分のありさま

2011-07-03 19:47:00 | インポート
東日本大震災発生から4ヶ月になろうとしています。

被災地からの報道は一時より少なくなって、注目は「原発事故」への対応と節電現象、さらに政治の無能ぶりに注目が集まるこの頃です。

まだまだ避難所から離れられない多くの被災者、放射能汚染による被災避難者を合わせると少しも事態が好転しているとは思えません。
それらの人々に対する全国的、世界的な援助の手はいまも絶え間なく実施されています。

その援助の中で、最も直接的に効果のある「義捐金」を、代表的な「日本赤十字社」の例で見ると以下のようです。(日赤HPから)

①6月30日現在の応募金状況・・・約2,382千件で、金額にして 約2,583億7千万円

②7月1日現在の送金、配分状況・・・約2,324億4千万円(約90%の送金率)

政府が中に入って立ち上げた『義捐金配分割合決定委員会』が決定した配分の考え方は

①死亡・行方不明者1人当り35万円
②住宅全壊(全焼)1戸当り35万円、半壊(半焼)1戸当り18万円
③原発非難指示等による、1世帯当り35万円となっています。

義捐金の配布が遅れ、轟々たる非難を浴びた当局です。
割合決定委員会の基準に基づき、慌てて市町村の窓口へ送金したのですが・・・・

被災地の行政機能が壊滅的な被害を受けているため、各戸別の被害状況がつかめない。

原発被害により自宅と遠く離れ、地元市町村との連絡が取れない・・・などなどで被災者への義捐金が渡っていないのが実情のようです。

善意の義捐金が、いま以上に速やかに被災者の手許に届くことを願わずには居れません。

久しぶりに顔を合わせた友達の弁・・・「被災者にいま最も喜ばれる援助の手は、日赤や報道機関、自治体などを通さず、募金活動から被災者への義捐金配布まで一貫して行動する組織の立ち上げだろう!!」
「そしてその行動は圧倒的に国民に支持されるだろう!!」に深く頷くばかりでした。photo by karusan from OCNフォトフレンド<根室市の原生花園にあるミズナラの風樹林>
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