かるさんのgooブログ <北国たより>

身近な話題を画像といっしょに・・・

恥じと誇り――TV「報道特集」他を見て 

2004-04-25 22:15:00 | インポート

「桜前線」は今、弘前城址公園を満開にして、津軽海峡をゆっくりと北上しているようです。
ですが、それを拒むように寒冷前線が南下し、きょうのこの地方は一時すっかり雪模様となってしまいました。

やっと迎えた「春」ですが、この天候では出かけるわけにも、庭の手入れもままならず、ほとんど一日家の中で過して、夕方のTV「報道特集」とそれに続く番組を見ることになりました。

「報道特集」は『タラバガニとアブラガニの偽表示』の話題でした。

昨年の12月、この雑記帳に「北海道の観光産業のこと」と題して、「偽表示をして観光客などを騙している」と書きました。
その代表的な事例として「タラバガニとアブラガニ」が挙がりました。

読んでいただいたお仲間には記憶に新しいことかと思います。

今日の「報道特集」はこれを真っ向から取り上げ、流通段階のどこで“すりかえられ”、だれが悪事を働いているのかを克明にレポートしております。
それで行きますと、結局「小売段階」で意識的に《タラバガニをアブラガニと偽表示しタラバと同じ価格で販売している》ことがわかりました。

札幌や小樽の「観光地土産鮮魚店」でのレポーターの執拗な質問に
――「何十年もこうして売ってるんだっ!!嫌なら買うなッ!!」――
と店員が浴びせる「罵声と捨て台詞」は、聞くだけでも憤りを通り越して悲しみを覚えます。

観光立国をたかだかと宣言する北海道です。
ですが、「見え透いた偽りを」相変わらず見て見ぬ振りをする行政、自らを律しきれない観光業界です。

なぜ「アブラガニをアブラガニ」として適正な価格で販売できないのか・・・・?
いつまで観光客を騙し続けるのか? 多くの観光客はとっくにお見通しですよ。。。と。

それが出来ないのなら、おこがましい「観光立国」の看板なんてさっさと下ろした方が、これ以上『恥じの上塗り』をしなくてもよいのでは・・・と思うのですが。


明るい話題に移りましょう。
「報道特集」の次ぎの番組「ZONE」では、日高産の競走馬「コスモバルク」の話しでした。

競走馬と言えば、去年から高知競馬場の「ハルウララ」が全国的に話題を独占しております。

負けても負けても健気に走るこの馬に、多くの人々は「己の姿を投影」し、得意な「判官びいき」感情を遺憾なく発揮する・・・「ハルウララ現象」ではあります。

「コスモバルク」――この馬は“負け続ける話題”の競走馬とは違います。

去年までの「道営競馬」に連戦連勝し、何年ぶりかで地方競馬から大舞台へ「選ばれた優駿」です。
これが北海道競馬の輝く星として先日のGⅠ「皐月賞」に出走(一番人気)し、惜しくも2着になりはしましたが、その差し足の鋭さは目を見張るものがありました。

結果として日本ダービーへの出走権を獲得したのです。

衰退の激しい「馬産地日高」地方ですが、この快挙はあの名馬として語り継がれる「ハイセイ―コー」「オグリキャップ」に次ぐ事例として期待は膨らむ一方です。

たった400万円で馬主に買われた「コスモバルク」です。
何億円もの値段で買われ、中央競馬のターフを我が物顔で走り抜ける「血統馬」たち。

それを鮮やかに「差し抜いて」駆ける雄姿を夢に見て、多くの道民はその馬「コスモバルク」を誇りに思うのです。

――なんとしても日本ダービーを制し、道民の、いや全国の競馬フアンの夢を叶えて欲しいものです――


「商う人」に恥じを感じ、「走りぬく馬」を誇りに思う私たち、なんとも奇妙で複雑な心境であること・・・お分り頂けますでしょうかどうか?



”告発”――する者とされる者

2004-04-23 00:34:00 | インポート
  
爽やかな春を通り越して、真夏を思わせる陽気で早くも「暑いッ!!」という文字が躍る昨今のCAFEでの各頁へのカキコです。

そのことも地球の温暖化の所為、なのかどうか・・・ここのところ自然界の異変はなにかしら「急を告げる」感覚で出現してきます。

明けて一昨年の冬、中国をはじめ東南アジアに蔓延した「新型肺炎」は作冬には殆んど話題にならずに済みました。

替わって登場したのが「鳥インフルエンザ」の猛威で、降って湧いたような出来事でした。

「牛どん」のネタ肉が輸入停止となり、日本経済全体にも悪影響を及ぼしています。アメリカでの「牛海綿状脳症(BSE)」発生が原因です。国内では01年に発生し大混乱を来しました。
これからも「予測のつかない、予防も困難な」現象が私たちを襲うことになりそうです。

今日の雑記の主眼は、その現象自体のことではありません。
そんな事態に遭遇した時の二人の「経営者」のことを思ってみたのです。

※ 告発する者は、、、

01年の「狂牛病」発生時、極端に消費が落ち込んで困窮する業界を救うため、国による「国産牛肉の買い上げ」制度が実施されました。

この時、業界大手の「雪印食品」が禁じられている「輸入牛肉」も一緒に混ぜて買い取らせ、2億円ものお金を詐取しました。いわゆる「食肉偽装事件」です。

――いま叉事件になっています大阪の「ハンナン」は6億4千万の詐取だそうですが、今回ここでは触れません――

この時、この偽装工作の現場となったのが「西宮冷蔵」という会社でした。社長の水谷さんは迷った挙句、この偽装工作を告発しました。

結果として「雪印食品」は潰れました。
(これより先のミルク中毒事件で、「本家の雪印乳業」はすでに解体ずみ)

しかし、告発した「西宮冷蔵」も食肉業界や、他の利用者から“そっぽを向かれ”倒産の憂き目に遭いました。

どん底の生活を味わいながら水谷さんは、会社再興を目指したようです。

――この辺りのこと、距離的に遠い所為か、残念ながらこちらの新聞などには情報が載りませんでした。ですから詳しいところは間違っているかもしれません――

「西宮冷蔵」の倒産には多くの人々が憤慨しました。結果として数多くの人々の善意が結集し「約1千万円」もの寄付が集まりました。

その資金を元に「西宮冷蔵」が再出発した・・・と二、三日前報じていたTVニュースを偶然に見たのです。まことに喜ばしいニュースではありませんか。

この国のいまの在りようは「不正を告発」する人が「村八分」のような目に遇ってしまいます。

「社内告発者」を守るべき法律の整備が言われておりますが、経営者側や一部の政治家の横槍で、満足したものとは程遠いもになっております。

相変わらず「自分だけがよければ・・・」「その時良ければ・・・」「触らぬ神に崇り無し」と言った風潮が蔓延しています。それは「告発」と言ったことだけで無く、あらゆる事象に言えることです。

まさに「悪貨が良貨を駆逐」しつつある・・・世相は「鳥インフルエンザ」の事例に如実に現れました。


※ 告発された者、、、、

隣国の韓国などからのある程度の情報はあったのでしょうが、国内での「鳥インフルエンザ」の発症は突然で国民を驚かせました。

最初の山口県での事例では、いち早い、現時点での「最速の対処」が功を奏し被害の拡大を防ぐことが出来ました。

京都府の「浅田農場」での発症は、「農場の損害を拡大しない」ことを優先させた為、対応が遅れ、結果として他所にも被害が移りました。

部外者か内部の者かわかりませんが、密かな「告発」があって初めて事態が公になったのです。

降って湧いたような「鳥インフルエンザ」の蔓延は、いまのところ「養鶏場」の人たちも為すすべがありません。適切な対処を講じた上での損害は、公的に補償されてしかるべきかと大方の人は考えます。

「損害の拡大を恐れて」適切な対処をしなかった「浅田農場」は哀れです。経営者夫妻の自殺という悲劇を生み、社長は司直の手に委ねられ会社はほぼ解体のありさまです。

このこと「自業自得」と一言で片付けられるものかどうか・・・? 私にはなんとも申し上げられません。


告発「する者」と「される者」、あなたはどちらの側に立つべきとお思いでしょうか?

本当なら「告発」なんて、おどろおどろした言葉を使わなくても良いような・・・・・
そんな社会が望ましいところなのです。

残念ながらこの国の明日は、「告発」するにしても、されるにしても、
その両者のせめぎ合いが『ますます激しくなる』ように思えるのです。




人質解放――その陰で

2004-04-17 20:59:00 | インポート

西国地方は真夏日となり「水浴びをしたい気持・・・」と何方かの掲示板にカキコがありました。

北のこの地には、去り難たそうな冬が「名残の雪」を馳走して呉れています。

そんな日の夕方、イラクで不明を伝えられていました「邦人ジャーナリスト」お二人が無事解放され、TVに元気な姿を見せてくれました。

この8日の夜に始まったイラクの「邦人三人の拘束――人質事件」です。
一週間ぶりの15日夜、三人とも無事解放されとりあえず一件落着となりました。

二つの別々の「人質事件」ではありましたが、どちらも無事に戻られたことは喜ばしいことではあります。

この間、この事件をめぐって日本全国でさまざまなことが起こりました。

第一に「イラクへの自衛隊派遣」の是非がもう一度問われることになりました。

論議が深まる暇もなく法制化され、戦後初めて「自衛隊」として派遣されたこの事態を、「人質事件」があらためてその厳しい現実を国民に突きつけた格好になりました。

為に国民の多くが「自衛隊派遣」をもう一度見つめ直した・・・ということになります。

次に「自己責任」という、国家と個人との係わりが大きな問題として浮上してきました。

「個人主義優先」を主張する国民と、「・・・ではあるが国家を優先したい」為政者側との攻防が顕在化した今回の事件です。

「あれほど危険だから行くなと勧告したのに・・・」という意見と「・・・そういう状況だからこそ誰かが行って助ける必要がある」という見解が、ここ当分論争のネタになることでしょう。

さらに言えば、たまたま「無事解決」とはなったものの、日本政府の情報活動の貧困ぶりと、打つ手の頼りなさは目に余るものがありました。

同時にこの時代の、グロ―バルでリアルタイムなメデイアの底力を知ることができました。

日本国民の小さな行動が、結果として「拘束側」に伝わり解放の大きな要因になったことは特筆すべきことです。
というよりか「情報伝達技術」の進歩にはあらためて驚かされるのです。

大きな役割を果たしてくれた「イラクの聖職者」氏の発言にこの辺りのことが浮き彫りになりました。


今回の「人質事件」で一番得をしたのは誰か? を考えて見ました。

それはイラクの人々(一般人も、抵抗誘拐軍団も含めて)でもなく、アメリカでも、日本の国民、解放された人たち、でもありません。

これら一連の事件の報道の陰で、すっかり報道の活字が少なくなった、あるいはTV映像化されなくなった全国の「警察の裏金」問題・・・・

これこそが今回の事件で最も恩恵を被ったものでは無かったかと、小さな舌打ちの一つもしたくなるのです・・・・・・


真夜中の署名――拘束邦人解放への努力

2004-04-09 23:59:00 | インポート
晴れてはいますが、冷たい風が強く、山の上にかかる星がことさら大きく見えております。
いまは夜の11時すぎ、cafe散歩に時間を忘れかけて居るところでした。

ご近所の方から電話があり「夜分ながら、これから署名のお願いに伺いたいが・・・」とのこと。
イラクで拘束された、邦人三人の救出を願う「政府への働きかけ署名」です。

8日夜、日本中を震撼させた「人質邦人三名の解放と自衛隊の撤退」交換要求です。

対米追随の是非、自衛隊派遣の違憲、合憲などの問題はさて置くとして、「派遣自衛隊への攻撃」「日本人への危害」などは当然予想されたことです。

いまさら「慌てふためく」為政者の行動が、なにやらうそ臭く見えます。
「多少の犠牲はやむを・・・」と最初から腹の中で思っていたのでは・・・と勘ぐりたくもなるのです。

拘束された三名のうち、二名までが北海道の人です。とりわけ今井紀明さん(18歳)は比較的近くに住まわれていて、父上は小学校の先生をなさって居られたとのこと。
そんなことからして、ご近所のかた方が署名運動に立ち上がった・・・と言うのがいきさつです。

映画の「007」やその他で主人公が大活躍し、人質を無事解放する―――ヴァーチャルの世界を見慣れた私たちに、厳しい現実が「生」で迫って来るこの頃です。

戦争のない、誰もが平穏な生活を享受できる世の中・・・それは望むべくも無い、と先回の雑記帳に書きました。
とは言いながらも、人は平和と平穏を望んで止みません。

我が家での署名を受け取り、寒い夜空をそそくさと次ぎの家に回る近所のおばさんです。
その背中にも「三人の無事解放」の切願が、ありありと伺えるのです。

-ぜひ無事に帰って来てもらいたいものと願うのみですー