「桜前線」は今、弘前城址公園を満開にして、津軽海峡をゆっくりと北上しているようです。
ですが、それを拒むように寒冷前線が南下し、きょうのこの地方は一時すっかり雪模様となってしまいました。
やっと迎えた「春」ですが、この天候では出かけるわけにも、庭の手入れもままならず、ほとんど一日家の中で過して、夕方のTV「報道特集」とそれに続く番組を見ることになりました。
「報道特集」は『タラバガニとアブラガニの偽表示』の話題でした。
昨年の12月、この雑記帳に「北海道の観光産業のこと」と題して、「偽表示をして観光客などを騙している」と書きました。
その代表的な事例として「タラバガニとアブラガニ」が挙がりました。
読んでいただいたお仲間には記憶に新しいことかと思います。
今日の「報道特集」はこれを真っ向から取り上げ、流通段階のどこで“すりかえられ”、だれが悪事を働いているのかを克明にレポートしております。
それで行きますと、結局「小売段階」で意識的に《タラバガニをアブラガニと偽表示しタラバと同じ価格で販売している》ことがわかりました。
札幌や小樽の「観光地土産鮮魚店」でのレポーターの執拗な質問に
――「何十年もこうして売ってるんだっ!!嫌なら買うなッ!!」――
と店員が浴びせる「罵声と捨て台詞」は、聞くだけでも憤りを通り越して悲しみを覚えます。
観光立国をたかだかと宣言する北海道です。
ですが、「見え透いた偽りを」相変わらず見て見ぬ振りをする行政、自らを律しきれない観光業界です。
なぜ「アブラガニをアブラガニ」として適正な価格で販売できないのか・・・・?
いつまで観光客を騙し続けるのか? 多くの観光客はとっくにお見通しですよ。。。と。
それが出来ないのなら、おこがましい「観光立国」の看板なんてさっさと下ろした方が、これ以上『恥じの上塗り』をしなくてもよいのでは・・・と思うのですが。
明るい話題に移りましょう。
「報道特集」の次ぎの番組「ZONE」では、日高産の競走馬「コスモバルク」の話しでした。
競走馬と言えば、去年から高知競馬場の「ハルウララ」が全国的に話題を独占しております。
負けても負けても健気に走るこの馬に、多くの人々は「己の姿を投影」し、得意な「判官びいき」感情を遺憾なく発揮する・・・「ハルウララ現象」ではあります。
「コスモバルク」――この馬は“負け続ける話題”の競走馬とは違います。
去年までの「道営競馬」に連戦連勝し、何年ぶりかで地方競馬から大舞台へ「選ばれた優駿」です。
これが北海道競馬の輝く星として先日のGⅠ「皐月賞」に出走(一番人気)し、惜しくも2着になりはしましたが、その差し足の鋭さは目を見張るものがありました。
結果として日本ダービーへの出走権を獲得したのです。
衰退の激しい「馬産地日高」地方ですが、この快挙はあの名馬として語り継がれる「ハイセイ―コー」「オグリキャップ」に次ぐ事例として期待は膨らむ一方です。
たった400万円で馬主に買われた「コスモバルク」です。
何億円もの値段で買われ、中央競馬のターフを我が物顔で走り抜ける「血統馬」たち。
それを鮮やかに「差し抜いて」駆ける雄姿を夢に見て、多くの道民はその馬「コスモバルク」を誇りに思うのです。
――なんとしても日本ダービーを制し、道民の、いや全国の競馬フアンの夢を叶えて欲しいものです――
「商う人」に恥じを感じ、「走りぬく馬」を誇りに思う私たち、なんとも奇妙で複雑な心境であること・・・お分り頂けますでしょうかどうか?