kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

中国大会2023~葛藤と現状~

2023-06-22 | 陸上競技

中国大会のことを。

 

「最低限」のノルマは達成できたかなと。もちろん、すべての種目でインターハイの切符を手にしたい。しかし、それは現実問題として難しい。それでも「可能性」があった種目がいくつかあります。100mHに関してはランキング上位で出場しています。事前の練習で上手く走れなかったときに別の対応をしていたら違っていたかもしれない。4継に関しては47秒89のチームベストですが9番目。やはりリレーでのインターハイを経験させたい。それが達成できませんでした。

 

「1・2年生だけで組んでいる4継だから」と言われるかもしれません。「来年が楽しみだ」と。実際問題、来年どうなっているか分かりません。目の前の大会で結果を残すことは選手にとって本当に大きなことです。「来年がある」と考えていたら絶対に戦えないと思います。1年後に怪我をせずに走れる保証はどこにもないのですから。悔しいというよりも「申し訳ない」という気持ちが強くあります。「引責辞任」さえ考えないといけないと思うレベルです。元々、「結果が残せなかったら指導する必要性はない」と考えています。誰かが必要だと思ってくれたとしても誰かが「他の指導のほうが良い」と思うことは十分にある話です。すべての種目を網羅できるほどの指導はできません。顧客満足度であれば低いかなと思っています。

 

さらに色々と考えています。他の地区を見ると大半のレースが「予選・決勝」だったりします。近畿は6地区あるので準決勝も行われていますが、4日間開催です。中国地区は3日間で「予選・準決勝・決勝」を行います。他地区では「最大出力」を高めることを重視することができる。練習スタイル自体も考えないといけないのかなという部分があります。インターハイは5日間開催。400mHは予選と準決勝・決勝が別の日。それ以外の種目は1日に3本あります。タフでなければいけない。そこは間違いないですが「最大出力」を高めていくことも必要になります。それが「爆発力」になるのかなと。今のスタイルに足りない部分はそこだと思います。

 

練習としては「本数を重ねる」部分をそれほど増やさないようにしています。「無事これ名馬なり」です。怪我をしないように取り組むことはすごく大切だと思っています。タータンで走る量を減らして基本はアンツーカで走る。ハードルの技術練習に関しても極力タータンではやらない。走練習で本数を重ねるのはアンツーカ。これも基本だと思っています。今のスタイルでどれだけ戦えるのか。もうワンランク上を目指さない限りは「日本一」になることは不可能かなと。インターハイで入賞もしたことがないのに偉そうに「日本一」のことを言い続けています。目指さないと絶対に届かない。それだけは確かです。

 

爆発力がない。それは「練習内容」に起因するのではないかなと思っています。それなりに「結果」は出ているかもしれませんが、これでは「インターハイに行く」というだけです。リレーでインターハイの決勝を目指そうと思えば100mの11秒台のエースは必須。さらには平均値を12秒1くらいに引き上げないといけないと思っています。普通にやって届くのか。今のチーム状況であれば私ではない指導者が指導するほうが「伸ばせる」のかもしれない。私は「クラブチーム」か何かでそれなりにやることのほうがあっているかもしれない。正直分かりません。選手に「結果を出させる」というのは指導する側の使命だと思っています。何をもって「結果」とするのか。インターハイに進んだら「結果」なのか。「入賞」したら「結果」なのか。「日本一」になったら「結果」なのか。分からない部分があります。私自身が目指す「陸上競技」とは何か。それは周囲に受け入れられるのか。不透明です。

 

頭の中に様々なイメージがあります。時間が足りない中でやってきたこと。これは「現状」では間違っていなかったのではないかなと思っています。漠然と「インターハイに進む」ことを考えていた選手たちに明確な「目標」を与えることはできたのではないかなと。陸上競技はシビアだと思います。どれだけ「高い目標」を持ったとしても色々な要因で届かないことがあります。100mが14秒台の選手が「インターハイに行く」と言ってもなかなか現実味がありません。練習をほとんどしなくても速い選手もいます。専門的な指導がなくても「速い選手は速い」というのが現実です。きれいごとを並べて「誰もがインターハイに行ける」というのはその場をごまかしているだけです。6人、6チームしか行けないインターハイ。県で1位でも中国地区で負けたらインターハイには行けません。県全体のレベルが上がらないと「井の中の蛙」状態で勝ち上がることは不可能です。目指すのは「県で1番」ではなく「中国6番」だと思います。

 

女子の200m、1~5番までが広島県の選手でした。完全に置いていかれています。単独で抗うことでどこまで戦るのか。明らかに「力負けしている」現状を周りはどう考えるのか。「陸上競技」として今やっていることが正解かどうかも分かりません。「ハードル練習会」をやり続ける。可能であれば「スプリント練習会」をやり続ける必要性があるかもしれません。それを私がやるのか。やるのであれば「単独チーム」をもってやり続けるのは不可能ではないか。「単独チーム」でどうにかなるのか。もっと大きな視野が必要なのでないか。ここは本当に考えさせられます。

 

それほど親しくはないですが、山口県で唯一のポールの指導者がまたも2人をインターハイに連れていきます。ここは間違いなく「指導者の力」以外の何物でもないと思います。長い時間をかけて取り組んでいることが間違いなく形になる。指導の水準を下げてまで彼が指導する必要はないと思っています。もちろん、「普及」という視点では「自分から階段を下りていく」ことも必要かもしれません。しかし、「選手に上がってこい」と求めることも必要なのかなと思っています。選手に合わせることで間違いなく競技レベルは下がります。何が正解なのかは分かりません。時代の流れとともにやり方も考え方も変わっていくのかもしれないですね。


大きく変えるくらいならやりたくないなと思っています。これはあくまで私見なので周りの人がどう思っているのかは分かりませんが。教育や部活動自体が「やりにくい」状況になっているのは間違いありません。価値観の多様化による考え方の違いも顕在化しています。その中で本気でやろうとすれば間違いなく軋轢が生まれます。中学校の時の実績なんてほとんど関係ない気はしています。とはいえ、多くの選手や保護者は「インターハイに行ける」と信じているのかもしれません。そんなに簡単に行けるなら大半の選手はインターハイ選手です。1種目につきたった6人しか行けないインターハイ、どれだけ本気になって取り組めるかだと思いますね。


まとまりませんが。インターハイに行ったから手放して喜ぶ気はありません。そしてこれから先の自分のやり方についても冷静に考えたいと思っています。書きたいことを書きたいように。もちろんストレートではなくある程度言葉を選びながら。

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中国大会2023~マイル決勝~

2023-06-22 | 陸上競技

中国大会のことを。

 

100mHの決勝が終わってからマイルのアップに。ここにきて「絶対に行くぞ」という言葉かけはしません。必要以上の言葉かけは選手にとってマイナスだと思うからです。今やるべきことは「インターハイに行く」というのを考えるのではない。どうやって自分の走りをするのかということだけです。それ以外の情報は必要ない。「インターハイに行く」ということを考えたところでパフォーマンスは上がりません。

 

残念ながらこれまで「圧倒的な力」をもってインターハイを決めたことはありません。いつも下位入賞しながらインターハイに進んでいます。2年前に100mHで3位に入った時も「本当に行けるのか」という部分がありました。ハイレベルだったので。4継でhoshoの時に「3位を狙う」というのができたのが一番「高確率」だったかなと思います。県総体の予選でバトンが落ちた時は「終わった」という感じがありましたが、それ以後はきちんと走ってくれました。もっとタイムは出せたと思いますが。

 

そんな中で学習したことは「まー適当にやろう」ということです。ずっとkd先生から言われていた部分。「指導者が緊張していたら選手に伝わる」「インターハイに行きたいと思っている指導者の雰囲気は伝わる」とずっと言われていました。それもあって今は「インターハイに行きたい」というのをどうサポートするかだけを考えています。指導する側が「インターハイに行きたい」と思っている部分があるからです。自分自身が「インターハイに行きたい」という指導者も多々います。私は「別にいい」と思っているので。

 

本当に選手自身が「インターハイに行く」と思って取り組まなければ、指導者が一方的に引っ張るだけになります。それって最後に何が残るのか。もちろん、「意識改革」は必要です。それが本物になるかどうかは最後は「選手次第」だとは思いますが、そこに至るまでに引き上げるのが我々の仕事なのかなと。強い選手がいてほとんど指導しなくてもインターハイに行くところもあります。こういう場合は、指導者が素人でも全く関係ありません。「強いから行く」のです。山口県のように選手が分散する県では往々にしてあることです。しかし、「継続的に行く」ことがどれだけできるか。選手が入れ替わっても同じように「戦える」かどうかです。

 

前置き長くなっていますが。ということで、アップはいつも通り。室内練習場でやっていきました。それぞれの動きに対してどうアプローチするか。いいなと思う動きに対しては積極的に認めるようにしています。これは前からそうなのですが。気になる部分があれば「別の意識」ができるようにしていく。それだけです。付きっきりで時間をかけて一挙手一投足を指導することはありません。アップ上では「見守る」という指導者の方が多いのかもしれません。私は結構あれこれします。ここで結果は変わると思っているので。

 

室内練習場から招集所に向かう途中に本校の応援団がいました。選手は一人一人とグータッチをしながら進んでいました。最初にTさんが立っていたのも影響しているでしょうが。良い光景です。普段は一緒に練習する機会が少ない男子もこうやって応援してくれる。隣にいた他校の選手にも「応援してよ」と投げかけておきました。男子のマイルで決勝に残っている山口県のチームです。お互い様ですね。

 

特別に声掛けをして送り出した記憶はありません。「1・2走で流れを作ってほしい」「3走で59秒台で走れる選手は他にはいないから良い位置で持ってきてほしい」「アンカーまでにどれだけ差をつけられるか」という必要な情報だけ。それ以上でもそれ以下でもない。私にできるのはここまでですから。

 

マイル決勝。2~4走が100mのスタート側に向かって1本流しをします。この時にすでに応援が始まっていました。先頭になって声掛けをしているのがTさんでした。これはなかなかの状況。走らないけどできることはある。チームの先頭に立ってみんなを引っ張ってくれている。大きな力になります。

 

レースが始まる。1走は2年生のIさん。最初から行くしかないと思ってかなり飛ばしていきました。2レーンだったのもあり前側とは差が詰まります。が、4レーンからは「別格」の強さがありました。走りは悪くないのに前との差は詰まりません。本人も焦ったと思います。最後の直線に入るときには「詰まっているな」という感じがありましたが、ラスト50mくらいで少しずつ話されます。3レーンのチームにも差し返される。1走から2走にバトンが渡った時点で「最下位」でした。バトンを渡した時点で59秒0でしたが、このタイムでは「ついていけない」ということ。厳しい。

 

2走はKaさん。マイルになると圧倒的に力を示してくれます。今回の中国地区の400mは7番目が56秒80です。kaさんの持ちタイムとは7番目でも3秒違う。この圧倒的な差を埋めることができるか。最初から積極的に前を追ってくれました。内側というのもあってカーブから出るときに前と詰まります。とにかく行くしかないという部分。スピードはありませんが持久力はあります。最後の直線でかなり追いついてくれました。それでも6番争いをするかどうかの流れ。前のチームは全く見ていません。とにかく6番争いをすることだけでしたから。ラップが58秒7。何とかつないでくれました。

 

3走にバトンが渡るときに目の前を走っていたチームの2走が前を突然横切る。かなり危険でした。この状態で接触していたら間違いなく終わっていたと思います。うまく3走のSさんが交わしてくれましたが、かなりロスをしました。気持ちの良いレースをしてほしいと思っていましたからこういうのはどうかなと。ロスをして少し離れてしまいました。7番手だったと思います。Sさんが前に追いついてくれました。そこから接戦。が、スーパーエースを抱えているknbが離れていきました。もう1チームも少し離れています。この状況でアンカーに行けば勝負になる。最後までSさんが粘って6位でバトンを渡したと思います。7位のチームは離れています。ここも58秒7くらい。

 

アンカー勝負。うちのアンカーは400mHで3位に入ったKuさん。ポテンシャルはかなりのものです。まだ体ができていないので力を発揮できていませんが、きちんとやって日本一を狙わせたいと思っている選手です。ひとつ前に6番争いをすると考えていたtisが。アンカーはマルチスプリンター。100~400m、さらには100mHまでこなします。その選手を相手にKuさんがどれだけ走るか。前半の200mはかなり冷静に走っていました。余裕がある走り。後ろからknbの選手がおってきますがそれほど詰まらない。200m地点かKuさんが切り替えて前に出る。しびれる展開です。最後の直線で引き離しにかかる。相手も強いので離せません。が、この時点で後ろの選手が完全に離れています。インターハイは確定ライン。あとは順位とタイム。

 

5位でフィニッシュしました。が、フィニッシュタイマーには優勝校のタイムが出ています。「3分45秒1」・・・。いやいや、なんてことなんだ。前でどのような展開をしていたのか全く見ていませんがものすごいタイムで走っていました。2位も3分46秒28、3位が3分49秒29。中国地区でこのレベルのレースがあったのか。1位、2位はエリアレコードです。うちの記録は3分54秒75。アンカーの400mだけのラップが56秒台だったということです。フィニッシュまでの10mがあるのでそこまでの記録にはなっていないと思いますが。それでも県総体を3分57秒で通過したチームとしては十分やり切れたのではないかなと思います。

 

レースが終わって4人のところに行きました。もう何を言っているのか分からないくらい泣いていました。喜びの部分もあるし、安堵した部分もあったと思います。その姿を見た保護者の方はどう感じられたか。「競技」を通じて何かが変わった部分も感じてもらえたか。それなりにたくましさがあります。多くの関係者が喜んでくれることは大きな意味があります。

 

マイルを走った4人とTさんがあった時には全員が号泣していました。こういう姿は良いですね。これまでやってきたことが多少なりと報われる。この1か月間くらいはハードなことも求めていました。泣きながら走っている選手もいました。その中で「インターハイに進む」ということができたのはこの子たちにとっては大きな意味のあることです。周囲が無理だと言ってもこちら側が「必ず達成する」という気持ちで取り組めれば可能性は出てくる。信じてやれるかどうかだと思っています。昨年の秋に4分8秒かかっていたチームが数か月で全くの別のチームになる。高校生の力を感じています。

 

保護者の方も喜んでおられました。以前、部活動懇談会の際に「結果を出すことを最優先する」というような偉そうなことを言いました。人間的な成長も求めています。が、それ以上に「結果」をだす。何のためにうちに来て競技をしているのか。家を離れて寮で生活している選手もいます。そうであればそれに見合うだけの「結果」を保護者に感じてもらいたい。もちろん、100%の「結果」を出したとは思っていません。昨年度トラック種目での出場が0だったところからなんとかレベルアップはできたのかなと思っています。もちろん、上手くいかなかった種目もある。そこに対してのフォローがどうなるのか。大きな課題ではあります。

 

インターハイに進む。ここだけを目指してやってきました。ひょっとしたら過去最高に自分自身のエネルギーを使ったかもしれません。抜け殻のようになる可能性も十分あります。結果を残す。残せなかった部分に対しての「責任」はどうなのか。批判もあると思います。それもすべて加味しながら自分のこれから先のことを考えたいと思います。

 

長々と書いています。すみません。それほど面白くないかもしれませんが。記録として。

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中国大会2023〜マイルの葛藤と100mH〜

2023-06-22 | 陸上競技
中国大会のことを。

前の記事の続きになりますが。マイルの予選が終わってから色々と考えさせられました。直接Tさんと話す中で確認していくしかないかなと。前日の大幅ベストと歓喜の中でどれだけ自分のコンディションを把握できているか。もちろん、走りたい気持ちはあると思います。普通考えたら中国大会の400mHで4位になった選手をマイルメンバーから外すということはあり得ません。「気持ちが乗っているから大丈夫だろう」と言われる部分もありましたが、これまでずっと見てきてこういう状況の時には冷静に判断しないといけないと思っています。実際話した内容はここには書きませんが、本人がどのように感じているのかも含めて総合的に判断しないといけないなと。本人には変更の可能性があることを伝えておきました。かなり嫌な気持ちになったのではないかなとは思っています。

かなり話をしました。そのタイミングで今度は100mHが始まります。本当に時間がない。持ちタイム的には6番目のKarさん。今シーズンから本格的に100mHを始めています。県大会レベルも前回が初めて。中国大会も初めて。その中でどのように力を発揮するか。しっかりとインターバルを走ることを常に言い続けています。それがなかなかできない部分もある。レース前の1本で2台目を跳ばずに止めました。後で聞くと「届かない」と・・・。

中国大会前の最後の刺激の時だったか。ここでも2台目で止まるというのがありました。「届かないと感じた」と言っていました。心理的なものが大きく影響しているのだと思います。通常考えてもこのレベルになって2台目までに届かないということは考えられません。やはり「直前の刺激」がどのような練習になるかは大きな部分だと思います。

実際の予選は前半かなり遅れる。「2台目が届かない」というプレッシャーがあったのだと思います。ここまで遅れてしまうとなかなか挽回できません。14秒86の2着。タイム的にはセカンドベストではありますが、本来の走りとは全く別の状態です。このタイムでは当然ながらインターハイには届きません。色々と確認しないといけないなと思う部分が。性格的なこともあるのでそこを踏まえての対応になるだろうなと。

すぐに女子の200mがありました。ここで走るIさんの走りを見てマイルメンバーをどうするか決めたいなと。レースは3レーン、200mに対しては苦手意識があります。先日の県総体では前半から全く走れずに5位になる。3位以内が十分狙えただけに勿体ないレースでした。今回は前半からしっかりと行くように伝えています。良い流れで入ってきましたがラスト30mくらいでピッチが落ちてきて同じ山口の選手に少し交わされました。タイム的には26秒24で「一応ベスト」ですが、12秒44で走れるようになっているので最低でも25秒台は出せないといけないなと思っています。

レース後に話をしましたが若干感情的になっていました。この辺りのコントロールができるようになるかどうか。負けず嫌いな部分があります。当然ですが。それでもこの部分をコントロールできるかどうかは重要だと思っています。走りについての話をするとともに「マイルを走れるかどうか」の話も。「走りたい」と言っていました。可能性がある選手であれば誰もが「走りたい」と思うはずです。これはTさんも同様です。ここでどのように判断するか。「6番以内でインターハイ」を狙っていますから大きな失敗は許されません。準決勝の段階ですでに「プラス」で決勝に進んでいるチームです。よほどの「起爆剤」がない限り7位で終わってしまいます。

この時点でIさんには「1走で行こう」という話を伝えました。昨日の走りがもう一度できるか、さらなるスピードで走れるか。ここは大きなポイントになります。26秒2で走ったスピードを生かして1走で流れを作る。無謀なのかもしれません。6番以内に入れなければ全て私の責任です。選手たちからも信頼はなくなるでしょう。それでも「確率」の問題を考えて行く中で「流れを作る」ことが重要だと判断しました。

もう一度Tさんと話をする。Tさんの走りたい気持ちも十分わかります。以前から3年生の力で下級生をインターハイに連れて行ってもらいたいと言い続けていましたから。本人は「走れそう」と言ってくれていましたが、現状のチームの位置を話していく。納得してもらえたかどうかは分かりません。それでもキャプテンでもあるTさんに理解してもらうしかないかなと。全員が走りたいという気持ちがあると思うので。

メンバー変更自体を全体に伝える前にマイルメンバー5人に「現状」と「戦略」の話をする。厳しい現実を伝えておく必要があります。実際、6番狙いしかないと思っていました。準決勝のレースを見てどれだけうちが上がるのかも含めて。広島のknbにはアンカーに54秒22の選手がいます。この選手が全力で走れば30m差でも厳しいかもしれないというのがありました。予選、準決勝とかなり余裕をもって「順位確保」で走っていました。これが全力で走ると間違いなく追いつかれます。準決勝では全力で行ったはずの3走までですでに前にknbがいました。こうなると・・・。もう一校は島根のtis。予選準決勝とうちよりも常に1秒速いタイムで走っています。さらに2年生のエース選手を使っていません。こうなると厳しい。2~3秒は上がるはずです。

「1・2走でとにかく流れを作る」ことが重要だというのを念押ししました。当然の話ですが。1走が遅れてしまうとそこを挽回するのが難しい。1走の走りは重要です。2走に関してはマイルで最も信頼できる3年生(マイルでは)。これまでも何とかしてくれていました。3走は59秒台を持っていますからここで挽回してくれると思っています。とにかくアンカーまでにknbに20m差、tisよりもバトンパスの時点で前にいたい。それが実現できれば6番でインターハイに行ける。それぞれが役割を果たして欲しいという話をしていました。本当はこのメンバーをそろえてきちんと説明する必要があると思います。まずは「決勝でやりたいレース」をイメージさせる。その後にどう役割を果たすのかの説明をしたいなと。

このタイミングで100mHの準決勝のためのアップの時間となる。戻ってくるからと伝えてハードルのアップへ。予選の走りの修正をしないといけないと思います1台目までの走りをどうするか。遅れてしまうと致命的です。ある一定水準のレベルで競技をしているのだから「遅れ」てしまうと流れに乗れません。この部分も話しながら。室内練習場でのアップになるのでハードルは跳べません。この段階でハードルを跳ぶ必要性はないと思っています。あとは思い切っていけるかどうか。

準決勝も予選と同様。前半が遅れてしまいます。心理的要因なのかもしれないですね。ハードリングが浮くとかではなく「遅れる」感じが。6台目から少しずつ追いつくのですがやはり間に合いません。ハードルインターバルのリズムが上がらない。これでは14秒5を切るのは難しい。最後追い込みましたが5着。3着が14秒67、4着が14秒68、5着が14秒70。本当にぎりぎりのラインですがプラスの2番目で決勝へ。目標が「決勝進出」であれば十分だと思います。が、インターハイ出場することが目標です。1組目の3着が14秒67。本当に接戦になる。

室内練習場で決勝のための準備をしようと伝えて、マイルメンバーのところへ。きちんとメンバー変更を伝えて納得させてから準備をさせるためです。ここは重要なことだと思っています。Tさんにも他のメンバーにも「理解」と「納得」が必要ですから。

待機場所に行くとほとんど人がいません。Tさんがいたので「他のメンバーは?」と確認すると「マイルメンバーはトレーナーさんのところに行きました」と。ん??私はTさんとIさんにしか伝えていません。確認はしませんでしたがTさんが自分の口で「メンバー変更」を他の選手に伝えたようです。かなり精神的にしんどいことだと思います。「走りたい」という気持ちを持っていると思います。それで自分から伝える。その分を選手も感じると思います。その覚悟を選手が持ってくれたのではないかなと。これまで一緒に走ってきたメンバーです。複雑な思いもあるはずです。

後でTさんと話をする中で「ほとんど眠れなかった」と言っていました。それはレース前には言えないことだったのだと思います。自分の調子を見て「あまり良くない」と思っていても「走れない」とは言えない。それをきちんと話ができたのは大きなことだと思います。「走らないことになってちょっと気が楽になった」とボソッと言っていましたが本音だと思います。「なんとかしないといけない」という部分と「思うように走れない」という葛藤の中での時間だったと思います。

トレーナーさんのところに行って、もう一度「作戦」と「展開」の確認。これまで考えていた部分を実際に走る選手にイメージさせます。展開的には「鍵になる部分」がある。1走がどれだけ走ってくれるか。2走まででどれだけ前につけるか。3走がライバル校より前でもってきてくれるか。アンカーが粘れるか。それぞれに大きな役割があります。ここを徹底。

100mH決勝。レース前の1本。抜き足のリズムが遅れています。前半の遅れにばかり目が行っていましたが、前半から遅れる原因は「抜き足の遅れ」だったのだと。当然、理由はありますがそこを明確にしてアップの時点で修正しておかないといけない。ハードルインターバルを走る。そのことを伝えることでその部分が伝わると思っていました。「4のリズム」と話しますが、リード脚が着いてから抜き足が着くまでの時間をどれだけ短くできるか。走りの中でハードルを越えていく。その一番の要因は抜き足が速く持ってこれるかどうかです。完全に私の責任だと思います。そこで気づきましたが声掛けができず。

レースは前半から遅れてしまいました。中盤追いつきそうになりますが前半の遅れは大きい。結局、14秒63で8位。インターハイ出場を果たせませんでした。本当に申し訳ない。

昨年の秋に「何かを変えたい」ということでハードルをやり始めました。昨年は100mを走っても1度も12秒台が出ない。ある指導者からは「皮肉」も言われました。これは「結果」だけを見れば仕方ないことだと思います。何が一番インターハイを狙える種目になるのかを考えてからの種目変更。せっかく種目変更をしたのに結果を残させてあげられませんでした。重ね重ね時間が足りない、間に合わなかったという言い訳をすることになります。すみません。保護者の方もいらっしゃっていました。本当に謝罪するしかないと思っています。もう少し的確に課題を修正ができていたら間に合ったかもしれません。2年生で決勝に残ったことを認めてくださる方もいるかもしれません。が、「結果」としては「インターハイに行けない」のです。ここから目を背けるわけにはいきません。

偉そうなことを書いていますが、結局全ての種目で「結果」を残せてはいません。女子の400mでプラスの5番目で準決勝に進めない。4継では0.02秒足りずに決勝に行けない。400mHもプラスの3番目で決勝進出ができない。男子の400mHも9番目でした。100mHも8番目。指導力不足だと思います。もっといい指導者であれば「結果」としてこの「あと少し」の「差」を埋められるかどうかで「指導者のレベル」が決まるとしたら、私は全く話にならない指導者だと思います。情けないですが。

それでもまだマイルがある。そこに向けてどうするか。複雑な思いを抱きながらできることをやりたいと考えていました。

長くなりました。また書きます。
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