kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

中国大会2023〜マイルの葛藤と100mH〜

2023-06-22 | 陸上競技
中国大会のことを。

前の記事の続きになりますが。マイルの予選が終わってから色々と考えさせられました。直接Tさんと話す中で確認していくしかないかなと。前日の大幅ベストと歓喜の中でどれだけ自分のコンディションを把握できているか。もちろん、走りたい気持ちはあると思います。普通考えたら中国大会の400mHで4位になった選手をマイルメンバーから外すということはあり得ません。「気持ちが乗っているから大丈夫だろう」と言われる部分もありましたが、これまでずっと見てきてこういう状況の時には冷静に判断しないといけないと思っています。実際話した内容はここには書きませんが、本人がどのように感じているのかも含めて総合的に判断しないといけないなと。本人には変更の可能性があることを伝えておきました。かなり嫌な気持ちになったのではないかなとは思っています。

かなり話をしました。そのタイミングで今度は100mHが始まります。本当に時間がない。持ちタイム的には6番目のKarさん。今シーズンから本格的に100mHを始めています。県大会レベルも前回が初めて。中国大会も初めて。その中でどのように力を発揮するか。しっかりとインターバルを走ることを常に言い続けています。それがなかなかできない部分もある。レース前の1本で2台目を跳ばずに止めました。後で聞くと「届かない」と・・・。

中国大会前の最後の刺激の時だったか。ここでも2台目で止まるというのがありました。「届かないと感じた」と言っていました。心理的なものが大きく影響しているのだと思います。通常考えてもこのレベルになって2台目までに届かないということは考えられません。やはり「直前の刺激」がどのような練習になるかは大きな部分だと思います。

実際の予選は前半かなり遅れる。「2台目が届かない」というプレッシャーがあったのだと思います。ここまで遅れてしまうとなかなか挽回できません。14秒86の2着。タイム的にはセカンドベストではありますが、本来の走りとは全く別の状態です。このタイムでは当然ながらインターハイには届きません。色々と確認しないといけないなと思う部分が。性格的なこともあるのでそこを踏まえての対応になるだろうなと。

すぐに女子の200mがありました。ここで走るIさんの走りを見てマイルメンバーをどうするか決めたいなと。レースは3レーン、200mに対しては苦手意識があります。先日の県総体では前半から全く走れずに5位になる。3位以内が十分狙えただけに勿体ないレースでした。今回は前半からしっかりと行くように伝えています。良い流れで入ってきましたがラスト30mくらいでピッチが落ちてきて同じ山口の選手に少し交わされました。タイム的には26秒24で「一応ベスト」ですが、12秒44で走れるようになっているので最低でも25秒台は出せないといけないなと思っています。

レース後に話をしましたが若干感情的になっていました。この辺りのコントロールができるようになるかどうか。負けず嫌いな部分があります。当然ですが。それでもこの部分をコントロールできるかどうかは重要だと思っています。走りについての話をするとともに「マイルを走れるかどうか」の話も。「走りたい」と言っていました。可能性がある選手であれば誰もが「走りたい」と思うはずです。これはTさんも同様です。ここでどのように判断するか。「6番以内でインターハイ」を狙っていますから大きな失敗は許されません。準決勝の段階ですでに「プラス」で決勝に進んでいるチームです。よほどの「起爆剤」がない限り7位で終わってしまいます。

この時点でIさんには「1走で行こう」という話を伝えました。昨日の走りがもう一度できるか、さらなるスピードで走れるか。ここは大きなポイントになります。26秒2で走ったスピードを生かして1走で流れを作る。無謀なのかもしれません。6番以内に入れなければ全て私の責任です。選手たちからも信頼はなくなるでしょう。それでも「確率」の問題を考えて行く中で「流れを作る」ことが重要だと判断しました。

もう一度Tさんと話をする。Tさんの走りたい気持ちも十分わかります。以前から3年生の力で下級生をインターハイに連れて行ってもらいたいと言い続けていましたから。本人は「走れそう」と言ってくれていましたが、現状のチームの位置を話していく。納得してもらえたかどうかは分かりません。それでもキャプテンでもあるTさんに理解してもらうしかないかなと。全員が走りたいという気持ちがあると思うので。

メンバー変更自体を全体に伝える前にマイルメンバー5人に「現状」と「戦略」の話をする。厳しい現実を伝えておく必要があります。実際、6番狙いしかないと思っていました。準決勝のレースを見てどれだけうちが上がるのかも含めて。広島のknbにはアンカーに54秒22の選手がいます。この選手が全力で走れば30m差でも厳しいかもしれないというのがありました。予選、準決勝とかなり余裕をもって「順位確保」で走っていました。これが全力で走ると間違いなく追いつかれます。準決勝では全力で行ったはずの3走までですでに前にknbがいました。こうなると・・・。もう一校は島根のtis。予選準決勝とうちよりも常に1秒速いタイムで走っています。さらに2年生のエース選手を使っていません。こうなると厳しい。2~3秒は上がるはずです。

「1・2走でとにかく流れを作る」ことが重要だというのを念押ししました。当然の話ですが。1走が遅れてしまうとそこを挽回するのが難しい。1走の走りは重要です。2走に関してはマイルで最も信頼できる3年生(マイルでは)。これまでも何とかしてくれていました。3走は59秒台を持っていますからここで挽回してくれると思っています。とにかくアンカーまでにknbに20m差、tisよりもバトンパスの時点で前にいたい。それが実現できれば6番でインターハイに行ける。それぞれが役割を果たして欲しいという話をしていました。本当はこのメンバーをそろえてきちんと説明する必要があると思います。まずは「決勝でやりたいレース」をイメージさせる。その後にどう役割を果たすのかの説明をしたいなと。

このタイミングで100mHの準決勝のためのアップの時間となる。戻ってくるからと伝えてハードルのアップへ。予選の走りの修正をしないといけないと思います1台目までの走りをどうするか。遅れてしまうと致命的です。ある一定水準のレベルで競技をしているのだから「遅れ」てしまうと流れに乗れません。この部分も話しながら。室内練習場でのアップになるのでハードルは跳べません。この段階でハードルを跳ぶ必要性はないと思っています。あとは思い切っていけるかどうか。

準決勝も予選と同様。前半が遅れてしまいます。心理的要因なのかもしれないですね。ハードリングが浮くとかではなく「遅れる」感じが。6台目から少しずつ追いつくのですがやはり間に合いません。ハードルインターバルのリズムが上がらない。これでは14秒5を切るのは難しい。最後追い込みましたが5着。3着が14秒67、4着が14秒68、5着が14秒70。本当にぎりぎりのラインですがプラスの2番目で決勝へ。目標が「決勝進出」であれば十分だと思います。が、インターハイ出場することが目標です。1組目の3着が14秒67。本当に接戦になる。

室内練習場で決勝のための準備をしようと伝えて、マイルメンバーのところへ。きちんとメンバー変更を伝えて納得させてから準備をさせるためです。ここは重要なことだと思っています。Tさんにも他のメンバーにも「理解」と「納得」が必要ですから。

待機場所に行くとほとんど人がいません。Tさんがいたので「他のメンバーは?」と確認すると「マイルメンバーはトレーナーさんのところに行きました」と。ん??私はTさんとIさんにしか伝えていません。確認はしませんでしたがTさんが自分の口で「メンバー変更」を他の選手に伝えたようです。かなり精神的にしんどいことだと思います。「走りたい」という気持ちを持っていると思います。それで自分から伝える。その分を選手も感じると思います。その覚悟を選手が持ってくれたのではないかなと。これまで一緒に走ってきたメンバーです。複雑な思いもあるはずです。

後でTさんと話をする中で「ほとんど眠れなかった」と言っていました。それはレース前には言えないことだったのだと思います。自分の調子を見て「あまり良くない」と思っていても「走れない」とは言えない。それをきちんと話ができたのは大きなことだと思います。「走らないことになってちょっと気が楽になった」とボソッと言っていましたが本音だと思います。「なんとかしないといけない」という部分と「思うように走れない」という葛藤の中での時間だったと思います。

トレーナーさんのところに行って、もう一度「作戦」と「展開」の確認。これまで考えていた部分を実際に走る選手にイメージさせます。展開的には「鍵になる部分」がある。1走がどれだけ走ってくれるか。2走まででどれだけ前につけるか。3走がライバル校より前でもってきてくれるか。アンカーが粘れるか。それぞれに大きな役割があります。ここを徹底。

100mH決勝。レース前の1本。抜き足のリズムが遅れています。前半の遅れにばかり目が行っていましたが、前半から遅れる原因は「抜き足の遅れ」だったのだと。当然、理由はありますがそこを明確にしてアップの時点で修正しておかないといけない。ハードルインターバルを走る。そのことを伝えることでその部分が伝わると思っていました。「4のリズム」と話しますが、リード脚が着いてから抜き足が着くまでの時間をどれだけ短くできるか。走りの中でハードルを越えていく。その一番の要因は抜き足が速く持ってこれるかどうかです。完全に私の責任だと思います。そこで気づきましたが声掛けができず。

レースは前半から遅れてしまいました。中盤追いつきそうになりますが前半の遅れは大きい。結局、14秒63で8位。インターハイ出場を果たせませんでした。本当に申し訳ない。

昨年の秋に「何かを変えたい」ということでハードルをやり始めました。昨年は100mを走っても1度も12秒台が出ない。ある指導者からは「皮肉」も言われました。これは「結果」だけを見れば仕方ないことだと思います。何が一番インターハイを狙える種目になるのかを考えてからの種目変更。せっかく種目変更をしたのに結果を残させてあげられませんでした。重ね重ね時間が足りない、間に合わなかったという言い訳をすることになります。すみません。保護者の方もいらっしゃっていました。本当に謝罪するしかないと思っています。もう少し的確に課題を修正ができていたら間に合ったかもしれません。2年生で決勝に残ったことを認めてくださる方もいるかもしれません。が、「結果」としては「インターハイに行けない」のです。ここから目を背けるわけにはいきません。

偉そうなことを書いていますが、結局全ての種目で「結果」を残せてはいません。女子の400mでプラスの5番目で準決勝に進めない。4継では0.02秒足りずに決勝に行けない。400mHもプラスの3番目で決勝進出ができない。男子の400mHも9番目でした。100mHも8番目。指導力不足だと思います。もっといい指導者であれば「結果」としてこの「あと少し」の「差」を埋められるかどうかで「指導者のレベル」が決まるとしたら、私は全く話にならない指導者だと思います。情けないですが。

それでもまだマイルがある。そこに向けてどうするか。複雑な思いを抱きながらできることをやりたいと考えていました。

長くなりました。また書きます。

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