kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

中国大会2023〜マイル予選と準決勝〜

2023-06-21 | 陸上競技
中国大会のことを。

マイルと100mH、200mが同時展開。難しい部分もあります。自分達でアップをしてレースを作るくらいの水準になればいいなと思ってはいますが、「最後の一押し」ができるかどうかは大きな話だと思っています。これまでの私のスタイルはそこでかなり力を使ってきました。試合前の仕上げというか修正というか。ここができるかどうかで結果は変わってくると思うからです。

2日目の最後にマイルの予選がありました。ここはかなり大変。前の記事にあるように400mHで3人が準決勝に進み、更に2人が決勝を走っています。チーム状況に余裕はないので400mHの選手を使わないで予選を通過するということは不可能だと思っていました。400mが走れそうな選手はいるのですが、春先からラストで大幅な原則をしてしまう(止まるくらい)ので予選とはいえ万が一のことがあったら取り返しのつかないことになります。そこも踏まえてどうするか。

元々昨年まで1走を走っていた100m選手を投入する予定にしていました。今回は100mに出場しましたが向風2mの中で撃沈。県総体レベルであれば前半の遅れを取り戻せますが、中国大会になると致命的です。スタートの改善に取り組んでいます。それがいつできるようになるかでこれから先の結果は変わってくると思っています。爆発的に力が発揮できません。バウンディングであれば1歩目で飛び出すことができない。今は朝練でDM投げをひたすらやっています。重いものを一気に投げるというのは簡単ではありません。それでもここはやっておきたい。シャフト補強をやっても「重心の移動」が出せません。去年はずっと13秒かかっていたのも1歩目で止まってしまうからです。この状況で12秒44で走れるようになったのは大きいと思ってはいます。

昨年、本人と個別に話す時に「種目変更」を視野に入れながら考える必要があるかもしれないと伝えていました。持久力はそれなりにあるので。冬季練習の間に個別にスタートについてやっていました。マーク5歩など必要な要素を入れながらです。それにより少しだけ改善されています。しかし、まだ足りない。将来的にロングスプリントのほうが成功するのかもしれません。しかし、この子をエースにしないと4継は戦えません。それでもマイルには投入する。県総体の時にはマイルを走らせていません。ある程度競争が必要な部分もあります。

結局マイルはショートスプリンターのIさんが1走、2走は完全に固定していますが3年生のkaさん。ここはもう本当に任せています。マイルの時のKaさんほど頼りになる選手はいません。3走は400mHの準決勝まで走れた2年生のSさん、アンカーは400mHで3位になったKuさん。レースとしてはとにかくアンカーを休ませる展開をして欲しいと話していました。Kuさんが順位確保で余裕を持って走れるようにです。流石にしんどいでしょうから。流れ的には1走がまずまずの位置。2走は良い位置で持ってきてくれました。が、3走が前半他のチームを引っ張っていたのですが最後の100mで失速。これは痛い。アンカーが順位確保で走っていましたが結構頑張っていました。4分01秒06、かなり微妙。余裕をもって4分切くらいはしておきたいなというのもありました。次の日の流れのためです。

最終日はマイルの予選から。同時に100mHのアップも入ってきます。100mHも十分にインターハイを狙えるタイムを持ってきていました。経験不足から自信が持てないのでそこに対してどうするかです。本当に同時展開だったので細かく見れない。マイルは3年生がいるのでそれなりに安心かなというのもありました。アップの途中でマイルから離れて100mHへ。動き的にはまずまずかなと。上半身が浮いてしまう部分もあってどう対応するか。あまり多くの情報を与えるのは避けたい。安心させながらマイルの最後の刺激へ。ここも人によって違うと思いますが、スピード刺激を入れました。朝一のレースです。かなり動かしておかないと準決勝で走るのは厳しくなります。ここで力を発揮することができるかどうか。150mを2本走りました。ある程度動いているので大丈夫かなと。

準決勝に関しては県総体の決勝と同じメンバーで臨むことにしていました。1走を2年生のIさんから400mHで4位に入ったTさんへ変更。通常であれば中国大会で4位に入る選手ですから走れると思います。元々、走力ではなくハードリングでカバーしている選手ではあるので抜群に400mが速いというのはありません。良くて60秒くらいか、61秒くらいかなというのもあります。中国大会に進むことが決まった時点でこのオーダーは決めていました。予選はIさん、準決勝はTさん。どちらが走れるのか正直分からない部分もありましたし。

私がこの日最も危惧していたのは前日にTさんが3本走っているということです。普通に走っているのであれば問題はないのですが、大幅な自己ベストを出しています。その中で強く願い続けていたインターハイ出場権の獲得。これは「反動」が来るのではないかなと。身体的なダメージに加え、「張りつめていた気持ち」と「異常興奮」状態となり落ち着かないのではないか。これは正直分かりません。これまでの付き合いの中から「ひょっとしたら」というのがありました。肉体的なダメージと興奮とで十分な休養が取れなかったのではないか。

アップが終わってから招集所に行く間にTさんが「レース前に言うことではないのは分かっている」とい前置きの中で「私は今日はあまり動いていない」と言っていました。走ってみてそれがわかるのだと思います。見た感じの動きはそれほど悪くないと思っています。それでも私は「不安材料」があるなと先日に思っていました。力を発揮した分、大きなダメージもある。その反動も来る。当然の話ですが。それでも「準決勝は頼んだ」と言って送り出す。それしかないなと。

着順で入らないとどうなるか分からない部分もあります。何が何でも3位に。そう思っていました。しかし、現実問題は上位2チームは持ちタイムが3分51秒と3分52秒のチーム。通常では勝てません。更に3位争いをすると思っていたチームのアンカーは54秒22を持っている選手です。合わせて走ってくるだけで最後に抜けば終わりです。そんな相手にどれだけ差をつけられるか。アンカーに行くまでに絶対的優位な位置にいないといけないと思っていました。そのためには3走までの走りがどうなるかです。


準決勝、最初からTさんが飛ばしている感じがありましたがなかなか前に追いつきません。ラスト100mくらいで足が動いていないなという印象を受けました。前日の400mHのラストとは全く違う感じです。遅れてしまいました。こちらが想定するラップよりも1秒悪い。2走のkaさんはこの辺りは対応できるのですが、1走の時点で少し遅れていたので前半からガンガン走ってくれました。それでも優位な位置まで持ってくることはできませんでした。3走もある程度走ってくれていましたが、本来の走りはできていない。アンカーに渡るまでに4位を引き離しての3位にいないといけないと考えていたのが、バトンが渡った時には5位。これは決勝どころの話ではない。それでもアンカーが前を追いかけてくれていました。最後の50mで前を行く2チームを逆転。一瞬3位に上がりましたが54秒台の選手が余裕をもって差し返す。結局組の4着になってしまいました。3位が3分58秒88、うちが4位で3分58秒91、5位が3分59秒57。3位と4位の差が0.03秒です。下手をするとこの差で決勝に行けなくなる可能性もあります。

2組目の5着が3分59秒22。7番目のタイムで決勝に進むことができました。ここは本当に救われました。とはいえ、この状況では厳しい。他チームとの戦力分析をしないといけないところもあります。自分達がどうやってインターハイに行くのか。ここは指導する側の「戦術」と「レース展開のイメージ」だと思いました。それが正解なのかどうかは分かりませんが。あとはチーム内の選手の状況の把握。

そのタイミングですぐに100mHが実施される。時間をかけて頭を整理することができませんでした。100mHのインターハイも確実のものにしたい。慌てていたかもしれません。

長くなっているので記事を替えておきます。もう少しお付き合いください。
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中国大会2023~400mH2~

2023-06-21 | 陸上競技

中国大会のことを。

 

400mHに関することの続き。予選は無事に3人通過。問題なしです。3人準決勝に残っていますから2人と1人の組み合わせになります。どうなるかなと思っていましたが、2年生のSさんが1人、3年生Tさんと2年生Kさんが同じ組。この段階で同じ組になるというのは面白いですね。

 

準決勝1組目でSさんはまずまずの走りでしたが、前半速い選手たちに置いて行かれる。ラストはかなり離される。1分07秒14で5着。セカンドベストですがまだレースが形になりません。もう少し対応できれば64秒中盤までは見えています。経験不足。それが大きいかなと。

2組目。前半からKさんが積極的に走ります。本当はもう少し行ってもらいたいところですが。Kさんは62秒切りを最低目標にしていました。それくらい走れるのではないなと。これくらいの入りで行くのは最低限かなと。Tさんは前半からいい感じで走っています。5台目まで17歩にしましたが全体的に詰まる。6台目で逆足を使うのですがここで珍しく崩れました。踏切が近かったのではないかと思います。上に抜けてしまってバランスを大きく崩す。リズムが悪くなりました。内側の選手に先行されてしまい10台目で追いつきますがフィニッシュは少し負けてしまう。Kさんが1分03秒63で1着、Tさんが1分04秒79で3着、この組の4着が1分05秒17だったのでSさんは全体の9番目で決勝進出ならずでした。

 

Tさんとは6台目の部分の確認を徹底。自分ではどうなったか覚えていないようです。そうなると「見る」ことで負のイメージが出てしまうかなという気もしましたが、この区間が勝負を分けるというのは明確だったので17歩から18歩への切り替えでピッチアップする感覚を確認し続けました。手前みそになりますが中国地区の女子の400mHではうちのTさんが一番ハードリングがうまいと思っています。逆足の対応も含めて。だからこそ「技術面」でしっかりとロスをなくす努力をしてきました。Kさんは「粗削り」です。まだまだ洗練されていません。これからの選手。Tさんは3年生、何とかしてインターハイに入ってもらいたいなと考えていました。

予選準決勝の流れを見てみると「1分04秒20」が基準タイムになるかなと思っていました。その話をTさんにしていましたが、本人は「1分04秒2で行けるだろうけど以前からの目標であった1分03秒5を切ってインターハイに行く」と話していました。強い意志を感じますね。そのためにやってきていますから。

 

決勝。広島県5人、岡山県1人、山口県2人という割合です。ほかの種目でも完全に岡山と広島に差をつけられています。400mHでは一矢報いたい。それだけではなくこれまでやってきたことをここで示したい。これまで山口県では400mHで毎年インターハイに進んでいます。この数年は2人ずつ。その流れを崩したくないなと。他よりは専門性をもってやってきた部分があります。そこに対してどう示すか。

 

レースはランキング1位の選手がハイスピードで走ります。それについていく選手が1人。うちのKさんは若干遅れながらついていきます。本来であればここで前に行きたい。積極的に走れていたとは思いますが、ここで遅れてしまう部分に関してはまだ足りなかったなと。力はあると思いますがそれを出し切れていない。それでも圧倒的に3人が抜けていく感じがありました。Tさんは8レーン。1つ外側に中国合宿で一緒に練習した選手がいました。準決勝で1分04秒06を出しています。この選手をマークしていたらインターハイに進めると考えていました。

 

Kさんは少し前を走っていますが、5台目をほぼ一緒にTさんとアウトの選手が越えます。課題となる6台目、Tさんはかなりスムーズに超えました。逆足とは思えないくらいの感じで越えていきました。ここでかなり手ごたえを感じました。もうこの辺りからかなりの興奮を覚えていました。Kさんが先行していまが、前を行く2人から少しずつ離されている。このレースを見て最後まで17歩で押し切れるようなレースをしないと上位では戦えないなと感じました。身長が高いのに最後が19歩になるので本来の走りができません。無理をしてでも17歩で押し切るかせめて18歩にするか。勿体ない。そんな状態の中でTさんが8台目を越える。これまでの300mHではここまでで2秒離されていました。これまではこの距離を維持したままフィニッシュすることが多かった。今回はどうか。

 

疲労感はありますがTさんのハードリングは切れている。逆にKさんはチョコチョコなっている。勢いが違う。この時点で2人とも「インターハイ確定」だと言い切れるくらいの走りでした。10台目に行く前に確定くらいの走りをしてくれていました。この辺りからはずっと叫んでいたのではないかなと思います。他の人にはわかってもらえない部分だと思います。Kさんが3位、Tさんが4位。タイムが1分03秒03と1分03秒31。2人ともここでベスト更新してインターハイを決めました。涙が止まりませんでした。これに関しては本当に本当に「たどり着いた」という状況です。目には見えない信じられないくらいの苦労がありました。これまでのインターハイ出場を決めたときの感情がどうだったのかは正確に思い出せませんが、表現できない感情が自分自身を支配していました。特にTさんがインターハイを決めたことは人生の中で大きな話だと思います。私自身の人生にとって。「やり切った」と言えるくらいのエネルギーを注いできたので。

 

レースが終わってからTさんたちのところへ。Tさんは「Yの分まで走った」と言っていました。Yはずっと一緒にやっていた男子の400mH選手です。準決勝で9番目のタイムで決勝に残れませんでした。決勝のレースの前に招集所のところで「俺の分まで頼む」という声掛けをしていました。そのことを踏まえての話だと思います。多くの人に支えられてここまできた。「でも・・・」と。「先生が叫んだのが恥ずかしかった」と言っていました。レース終了後、かなり私が叫んでしましたから。

 

Tさんに関しては今持てる力を出し切れたかなと思います。かなり厳しい戦いだったのは間違いない。1年前の状況を考えたとき、昨年の秋の状況を考えたときここまでたどり着くと考えていた人がどれだけいるか。私は絶対にインターハイだと言い続けてきました。簡単な話ではない。紆余曲折ありましたし。その中で何度投げ出そうと思ったことか。それでも「役割を果たす」ためにやってきました。この決勝で1分03秒31という大幅ベストを出せたことは本当に価値のあることだと思います。レース後に保護者の方と涙を流しながら話をしました。この意味は大きいと思います。批判的にとらえられていた部分もあると思います。やはり「結果を残す」ためにどれだけのことをやるかは大きなことです。

 

Kさんは3位に入りました。1分03秒03。こちらは「やり切れた」とは言えない状況です。冷たいかもしれませんが。Tさんが1秒6ベストを更新しています。Kさんも同様にそれくらいは行けると思っています。予選で1分03秒5で走っていますから決勝では1分01秒台は最低レベルかなと思っていました。前半も後半も「改善しないといけない」部分がかなりあります。ここをどうするか。インターハイで決勝を狙いたい。その前提でどのようにレースを組み立てるか。課題は山積み。悔しさのほうが大きいなと。

 

自分自身の「やるべきこと」はできたかなと。Tさんをインターハイに進ませる。ここは必須でした。今の状況であれば「役目は終えた」という感覚まであります。陸上競技は良いかなという気持ちさえ浮かんでくる部分もあります。とはいえ、まだ種目が残っているのでやらないという選択はできませんでしたが。それくらいこの400mHには大きなエネルギーを使ってきました。自分の持っている知識をつぎ込んでここまで来た。この価値は大きい。

 

書きたいことは山のようにあるのですがひとまずこのくらいで。すごい時間でした。分かってもらえないと思いますが。

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