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●科学技術ニュース●NEDO、次世代航空機の開発プロジェクトで新たなテーマに着手

2024-04-26 09:35:02 |    輸送機器工学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、グリーンイノベーション基金事業「次世代航空機の開発」プロジェクトで、液体水素燃料を用いた燃料電池電動推進システムや航空機電動化コア技術の開発など、新たに4件の研究テーマを採択した。

 これにより、カーボンニュートラル社会に不可欠な次世代航空機の機体装備品について、要素技術レベルでイノベーションを促進するとともに、将来技術における欧米企業と日本企業による共同研究開発の促進や国際標準化活動とも組み合わせながら、日本の航空機産業の国際競争力の飛躍的強化を目指す。

 NEDOは同プロジェクトを通じて、2050年カーボンニュートラルへの道筋を示し、航空機分野における温室効果ガス(GHG)の排出量削減に貢献する。

 航空需要は、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界的に大打撃を受けたが、2024年には2019年と同水準まで回復し、その後も新興国などの経済成長を背景に年3%程度の持続的な成長が見込まれている。加えて、航空機産業は広い裾野産業を有することから、適用技術が他の分野に波及する効果も期待される。

 機体・エンジンの国際共同開発において、現状、日本の航空機産業の参画比率は約2~3割。今後、世界的にカーボンニュートラルを目指す動きを市場機会とし、水素や電動化、素材といった日本の要素技術の強みを最大限活用することで、国際共同開発への参画比率向上を目指すとともに、航空分野の脱炭素化に貢献していくことが求められる。

 このような背景の下、NEDOは経済産業省が策定した研究開発・社会実装計画に基づき、このたび同プロジェクトとして既存のテーマに加えて、新たに研究テーマ4件を採択した。

 液体水素燃料を用いた燃料電池電動推進システムやそのコア技術の開発のほか、今後の航空機電動化の中核を支える電力制御、熱・エアマネジメントシステム、さらに電動化率向上技術の開発に取り組む。

 NEDOは同プロジェクトを通じて、航空機システムの要素技術レベルでのイノベーションを促進し、化石燃料に代わるエネルギーにより推進する次世代航空機の技術開発を実施する。これにより、国際協力開発や、将来技術における欧米企業と日本企業間の共同研究開発を促進するとともに、国際標準化活動を進め、日本の航空機産業の国際競争力の飛躍的強化に貢献する。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>

【採択テーマ】

【1】事業名:グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト

【2】予算:306億円(NEDO支援規模)

【3】期間:2024年度~2030年度(予定)

【4】採択テーマ:

【研究開発項目3】液体水素燃料を用いた燃料電池電動推進システムとコア技術開発

  〔1〕水素燃料電池電動推進システム技術開発
  〔2〕水素燃料電池コア技術開発

【研究開発項目4】電力制御、熱・エアマネジメントシステム及び電動化率向上技術開発

  〔1〕電力制御及び熱・エアマネジメントシステム技術開発
  〔2〕電動化率向上技術開発
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