“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「アルキメデスの驚異の発想法」(上垣 渉著/集英社インターナショナル)●

2021-08-10 09:49:29 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:アルキメデスの驚異の発想法~数学と軍事~

著者:上垣 渉

発行:集英社インターナショナル(インターナショナル新書)

 現象から発想する力、発想を実現する力。天才的な数理科学者として広く知られているアルキメデス。小学校の算数の教科書では円周率がおよそ3.14であることを初めて発見した人物として紹介され、中学校の理科の教科書では、「浮力に関する法則」の項で「アルキメデスの原理」が説明されている。果たして「アルキメデス」とはどのような人物だったのだろうか。同書ではその生涯を追いながら、古代ギリシア思想におけるさまざまな制約下で、発想を形として実現させたアルキメデスの凄さを再発見する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●中国・吉利汽車集団(Geely)とローム、SiCパワーデバイスを中心とした戦略的パートナーシップを締結

2021-08-10 09:49:03 |    電気・電子工学
 中国を代表する自動車メーカーである吉利汽車集団(Geely)と、グローバル半導体メーカーであるロームは、自動車分野の先進的な技術開発における戦略的パートナーシップを締結した。

 Geelyとロームは、2018年より技術交流を開始し、さまざまな車載アプリケーションの開発で協力関係を築いてきた。今回のパートナーシップは両社の融合を一層促進し、自動車分野における技術革新を加速するもの。

 Geelyは、SiCパワーデバイスを中心としたロームの先進的なパワーソリューションを活用し、高効率のトラクションインバーターや車載充電システムを開発することで、電動車の航続距離伸長やバッテリコストの低減、充電時間短縮を目指す。

 さらに通信ICや各種ディスクリートなど幅広い製品とソリューションを活用し、高性能のADASやインテリジェントコックピットシステムを開発することで、ユーザーエクスペリエンスの向上を図る。

 なお、成果の第一弾として、Geelyが現在開発中の電気自動車用プラットホームに、ロームのSiCパワーデバイスを搭載したトラクションインバーターが採用された。(ローム)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●複合原子力科学研究所など、天体衝突を記録する結晶の生成を超高速計測

2021-08-10 09:48:17 |    宇宙・地球
 奥地拓生 複合原子力科学研究所教授、梅田悠平 複合原子力科学研究所・日本学術振興会特別研究員、瀬戸雄介 神戸大学講師、富岡尚敬 海洋研究開発機構主任研究員、宮西宏併 理化学研究所研究員、籔内俊毅 高輝度光科学研究センター主幹研究員、尾崎典雅 大阪大学准教授らの研究グループは、太陽系の天体衝突が記録された結晶の原子配列が生成する過程を、世界で初めて実験で計測した。

 今から46億年前に、誕生したばかりの太陽の周囲で無数の小天体が衝突と合体を繰り返した結果として地球型の惑星が形成された。これらの小天体では衝撃圧縮により構成物質の変化が起きたと考えられており、その痕跡である高密度の原子配列が隕石を構成する結晶に残された。

 同研究では、この高密度の配列のできかたを超高速のコマ送り動画として計測した。

 フォーカスしたレーザーパルスを結晶に打ち込んで衝撃圧縮を引き起こし、その直後に同じ場所にフォーカスしたフェムト秒X線パルスを照射して、変わりつつある原子配列をX線回折法で記録した。

 このような短時間の圧縮において、その開始からわずか1億分の1秒後に高密度の配列が生成することがわかった。この速さは従来の見解を覆すもの。

 小天体の衝突においても短時間の衝撃圧縮が頻繁に起きているため、その記録が隕石や小惑星サンプルリターン試料に残された可能性は高いといえる。

 それらを丁寧に探してゆけば、地球の誕生に至る初期太陽系の歴史を具体的に描けるようになると期待される。(海洋研究開発機構<JAMSTEC>)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「2020年度版 電気事業法の解説」(経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部産業保安グループ編/経済産業調査会)

2021-08-10 09:47:40 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:2020年度版 電気事業法の解説

編者:経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部産業保安グループ

発行:経済産業調査会

 同書は、平成17年に発刊された「2005年度版 電気事業法の解説」の改訂版として、その後行われた多くの改正点を加え、電気事業法について詳細に解説したもの。まず第一部においては、現在の電気事業制度を捉える基本的な視座を提供するため、これまでの電気事業制度の改革を概観している。また、法律、政省令、ガイドライン等の一連の行政ルールをとりまとめて整理したものであり、特に法律については第二部において各条文について逐条的に解説を加えている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする