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“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「知能とはなにか ヒトとAIのあいだ」(田口善弘著/講談社)

2025-02-13 09:33:56 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:知能とはなにか ヒトとAIのあいだ

著者:田口善弘

発行:講談社(講談社現代新書)

 「AIは人類を上回る知能を持つか?」「シンギュラリティは起きるのか」。今世紀最大の論点に機械学習に精通した物理学者が挑む。チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広い学習ができる汎用性を持っている、そのため、将来、AIが何を学ぶかを人間が制御できなくなってしまう危険は否定できない。しかし、だからといって、AIが自我や意識を獲得し、自発的に行動して、人類を排除したり、抹殺したりするようになるだろうか。この命題については、著者はそのような恐れはないと主張する。少なくとも、現在の生成AIの延長線上には、人類に匹敵する知能と自我を持つ人工知能が誕生することはない、というのだ。その理由は、知能という言葉で一括りされているが、人工知能と私たち人類の持つ知能とは似て非なるものであるからだ。実は、私たちは「そもそも知能とはなにか」ということですら満足に答えることができずにいる。そこで、同書では、曖昧模糊とした「知能」を再定義し、人工知能と私たち人類が持つ「脳」という臓器が生み出す「ヒトの知能」との共通点と相違点を整理したうえで、自律的なAIが自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕生するという「シンギュラリティ」(技術的特異点)に達するという仮説の妥当性を論じていく。生成AIをめぐる混沌とした状況を物理学者が鮮やかに読み解く【目次】第0章 生成AI狂騒曲 第1章 過去の知能研究 第2章 深層学習から生成AIへ 第3章 脳の機能としての「知能」 第4章 ニューロンの集合体としての脳 第5章 世界のシミュレーターとしての生成AI 第6章 なぜ人間の脳は少ないサンプルで学習できるのか? 第7章 古典力学はまがい物? 第8章 知能研究の今後 第9章 非線形系非平衡多自由度系と生成AI
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>「めくるめく数理の世界」(甘利俊一著/サイエンス社)

2025-02-11 09:38:16 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:めくるめく数理の世界~情報幾何学/人工知能/神経回路網理論~

著者:甘利俊一

発行:サイエンス社

 ノーベル物理学賞分野AI研究で先駆的な成果を残した“日本人研究者”が語る数理の世界。その理論と舞台裏。甘利先生は、現在のAI研究に活用されている情報幾何学の創始者であり、先駆的な研究で世界に知られる神経回路網理論の数学的理論を構築、第一人者として基礎を築いた数理脳科学の分野でも多大な貢献をされてきた。これらの理論には密接なつながりがあり、その総括的な解説となる「理論面」と共に第1次AIブームから現在の第3次AIブームまで、これらの研究と理論がどのように絡み合ってAIの発展に寄与してきたのか、その「舞台裏」に迫る。激動の時代を生きた甘利先生の65年を超える研究生活を振り返り、その時々の時代背景と考究・情熱を独白的に綴った一冊。【目次】第1章 数理工学への入門 ― 大学院時代 第2章 AI研究と数理脳科学の原点 ― 九州大学時代 第3章 東京大学へ ― 激動の時代:神経回路網の数理 第4章 情報幾何の始まりと展開 第5章 世界への進出 ― ニューロブーム,バブル期とその崩壊 第6章 理化学研究所 ― 研究者の天国 第7章 研究は私の趣味 ― 退官後の研究
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生成AI・30の論点 2025-2026」

2025-02-05 09:52:17 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:生成AI・30の論点 2025-2026

著者:城田真琴

発行:日本経済新聞出版

 未来予測のプロが解説。人間を超えるAGIは登場するか?AIパソコン、AI検索は広がるか?エヌビディアの次の勝者は?ディープフェイク、ハルシネーションは防げるか?軍事利用は進むのか?生成AIの未来を占う上で注目すべき30の論点を、「ビジネス」「テクノロジー」「社会・経済」の3つのカテゴリに分けて解説。興味のあるテーマから読んでも、関連する論点を続けて読んでもOK。生成AIがどのように複数の分野に影響を与えているかが立体的に理解できる。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「AITuberを作ってみたら生成AIプログラミングがよくわかった件」(阿部由延 @sald_ra著/日経BP)

2025-02-03 09:36:56 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:AITuberを作ってみたら生成AIプログラミングがよくわかった件

著者:阿部由延 @sald_ra

発行:日経BP

 生成AIプログラミングはAITuberで始めるとわかりやすい。LLMを使って生成したテキストをYouTubeで配信するまで完全ガイド。プログラミングを学んでいる人なら、誰もが気になる生成AI。どのように生成AIを利用して、生成したデータをどのように生かすのか。どのようにアプリケーションに組み込むのか。実例が知りたいですよね。そこで、AITuberを作ってみるのはいかがでしょう。AITuberは、YouTube配信を行うAI。その根幹となるのが生成AI。YouTubeの配信に書き込まれたコメントを取得して、それに合う返答を生成する。ここで生成AIを使う。どのようにプログラムから返答を生成するのか、その実例が同書でわかる。AITuberのキャラクターにふさわしい返答を生成するには、どのようにプロンプトを作っていくのか、そのコードの原則がマスターできる。生成した文字列をどのようにアプリケーションに活用するのか、それもAITuberで実例を学べる。取得したテキストを音声に変換し、配信ソフトを使ってYouTubeで配信する。それに必要なモジュールを作り、配信を実行するためのプログラミングもくわしく解説。生成AIプログラミングでは、実際のアプリケーションにどう生成AIを落とし込んでいくのかまで学ぶのがなかなか難しい現状がある。同書ではAITuberを題材にすることで、YouTube配信という目に見えるゴールを目指して、アプリケーションを作り込んで行くことができる。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「コード×AI」(服部佑樹著/技術評論社)

2025-01-30 09:32:50 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:コード×AI~ソフトウェア開発者のための生成AI実践入門~

著者:服部佑樹

発行:技術評論社 

 GitHub CopilotやChatGPTなど、生成AIによるコード生成やコードリーデイング支援が流行っている。これらは破壊的なイノベーションで、いずれはすべての開発者や企業が導入するもの。ただ、現状では生成AI×コードを推進・導入している企業は多くはなく、さらに活用法については手探りの状況。同書では、生成AI×コードでなにができるか、どうすればよりよく活用できるかを解説。しっかりと活用していくための知識と、現場で活用できる実践が身に付く必携の一冊。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「人工知能のうしろから世界をのぞいてみる」(三宅陽一郎著/青土社)

2025-01-22 09:41:17 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:人工知能のうしろから世界をのぞいてみる

著者:三宅陽一郎

発行:青土社

 人間のような時間と空間の使い方を参考に組み立てられる人工知能。人間に限りなく近く…と設計されるかれらには、世界がどのように見えるのだろうか。喜びや悲しみなどの感情はあるのだろうか。どのように私たちに影響を与え、与えられ、拡張されているのか。人工知能、そして人工知能と共に生きる人間の主観世界のデザインを考えるために――。【目次】Ⅰ 物は心をもつのか 第1章 動かすこと、考えることー人工知能の理論を作るには 他 Ⅱ 空間をひらく 第4章 地図を求め、地図を持ち、地図を作るーデジタルゲームの世界設計 他 Ⅲ 経験になじむ 第7章 力になり、関係を取りもち、自身を発展させるーソーシャルゲームと人工知能 他 Ⅳ 物語のなかへ 第10章 他者のまなざし、人工知能のまなざし 他【著者】三宅陽一郎 ゲームAI開発者。京都大学で数学を専攻し、大阪大学大学院物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、デジタルゲームにおける人工知能の開発と研究に従事。博士(工学、東京大学)。2020年度人工知能学会論文賞受賞。現在、東京大学生産技術研究所特任教授、立教大学大学院人工知能科学研究科特任教授、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所客員教授、を務め、人工知能を人間に近づける探求を続けている。単著に『ボードゲームでわかる! コンピュータと人工知能のしくみ』(東京書籍)、『戦略ゲームAI解体新書』(翔泳社)、『人工知能のための哲学塾』『同 東洋哲学篇』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『人工知能が「生命」になるとき』(PLANETS)、『人工知能の作り方』『ゲームAI技術入門』(技術評論社)、『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ出版)などがある。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生成AIのしくみ」(岡野原 大輔著/岩波書店)

2025-01-09 09:36:32 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:生成AIのしくみ~〈流れ〉が画像・音声・動画をつくる~

著者:岡野原 大輔

発行:岩波書店

 水面に書いたインク文字が広がっていく過程を逆向きに再生できれば文字が浮かび上がる――〈流れ〉が生成AIの核心となるアイデアだ。高次元空間とはどんな世界なのか、拡散モデルなどの流れの数理はどのように生成AIを実現したのか。AI実装で先端を行く著者が、数式ではなく言葉で、重要な概念の意味を伝える画期的入門書。【目次】1 生成AIを作る 2 生成AIの歴史 3 流れをつかった生成 4 拡散モデルとフローマッチング 5 流れをつかった技術の今後 付録 機械学習のキーワード、確率と生成モデル、最尤法、機械学習、機械学習のしくみ、パラメータの調整=学習、ニューラルネットワーク、有限の学習データから無限のデータに適用可能なルールを獲得する汎化【著者】岡野原 大輔 2014/2 株式会社Preferred Networksを共同で創業 2006/3 株式会社Preferred Infrastructureを共同で創業 2005/4~2010/3 東京大学情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻(辻井研, 情報理工学博士)、2001/4 東京大学理学部情報科学科 東大ESS(English Speaking Society)に所属、2001/3 福島県立磐城高等学校卒、磐城高校ラグビー部に所属
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「AIにはない「思考力」の身につけ方」(今井むつみ著/筑摩書房)

2024-12-27 09:41:50 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:AIにはない「思考力」の身につけ方~ことばの学びはなぜ大切なのか?~

著者:今井むつみ

発行:筑摩書房

 なぜ“ChatGPTにおまかせ”ではダメなのか? カギは、人間がことばの学習で身につける「推論の力」が失われることにあった。すべての教育関係者・保護者必読の一冊。「思考力」というと、なんだか難しいことのように感じられるかもしれない。しかし、私たちは今この瞬間に文章を読みながら、思考力を駆使している。そしてその時に頭の中で働いているのは、「推論の力」だ。この力は人間だけにあり、AIにはないものだ。その違いと謎を解き明かしていく【目次】第1章 あなたはことばを、どう覚えてきたのか 第2章 問題解決に必要な「推論の力」 第3章 学校で必要になる「ことばの力」 第4章 AI時代の「考える力」【著作】今井むつみ 慶應義塾大学環境情報学部教授。1994年ノースウエスタン大学心理学博士。専門は認知科学、言語心理学、発達心理学。学力不振で苦しむ子どもたちの学力困難の原因を見えるようにするツール(たつじんテスト)や学習補助教材の開発にも取り組んでいる。著書に、『言語の本質――ことばはどう生まれ、進化したか』(中公新書)、『ことばの発達の謎を解く』(ちくまプリマー新書)ほか多数。
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●学技術書・理工学書<新刊情報>●「図解即戦力 ChatGPTのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」(中谷秀洋著/技術評論社)

2024-12-11 09:35:35 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:図解即戦力 ChatGPTのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書

著者:中谷秀洋

発行:技術評論社(図解即戦力シリーズ) 

 ChatGPTの登場によってAIが身近に感じられるようになった。AIを使いこなすことによって生活が豊かになる、そんな未来がすぐそこまできている。同書では、「大規模言語モデル」の基本から「トランスフォーマー」や「APIを使ったAI開発」ま、ChatGPTを支える技術を図を交えながら詳しく解説。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「AI経済の勝者」(アジェイ・アグラワル、ジョシュア・ガンズ、アヴィ・ゴールドファーブ著/早川書房)

2024-11-27 09:32:24 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:AI経済の勝者

著者:アジェイ・アグラワル、ジョシュア・ガンズ、アヴィ・ゴールドファーブ

訳者:小坂恵理

発行:早川書房

 「予測マシンの世紀」著者最新作。AIの進化は経済と労働をどう変えるのか。金融、マーケティング、医療、メディア……あらゆる分野にAIが組み込まれている今、経済界では何が起きているのか。AIが迅速に導入される分野とそうでない分野との違いとは何か。企業がAIを効果的に導入するための施策を語り、ありうべき未来の経済と労働を描く。
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