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武勇伝3

 このところ、父と息子の武勇伝(?)を続けて書き記したが、とうとう私にも披露することのできる武勇伝ができた。うれしい。さっそく書く。

 塾の手伝いをしてくれている大学生が、最近送迎用のバスの中に大きなハチがよく入り込んでいるので、車庫のあたりを調べてほしいと言ってきた。窓を開け放しておくと必ずといっていいほどハチがいるそうだ。毎回追い出してから車を出しているが、生徒が刺されても困るからすぐに調べてくれと言った。それは大変と、翌日になってバスの置いてある車庫を調べてみたら、あった!車庫の天井に直径5~6cmのハチの巣が1つ見つかった。巣は小さなものだが、大きなハチが一匹と小さなハチが一匹、巣のそばで羽をぶんぶんいわせている。

 

はっきり言ってびびった。こんな大きなハチはなかなか見たことがない。スズメバチなんだろうが、大きな体全体が赤黒く光っていて、羽音で威嚇している。どうしようかとためらったが、ぐずぐずしている時間はなかったので、度胸を決めて自分で退治することにした。そのために殺虫剤を取りに行った。殺虫剤を巣めがけて散布して、巣から離れない大きなハチをやっつけようと考えたのだ。


殺虫剤をおよそ1本使い果たした。小さいハチはすぐに飛び去ったが、大きなハチはなかなか離れようとしない。女王蜂なのだろうか?よくは分からないが、こちらももう後には引けない。まだか、まだかとぶつぶつ言いながらも、いつ襲ってくるかもしれないので、逃げる用意だけはしていた。緊張して胃が痛くなり始めたが、そのとき我慢できなくなったハチがぽとりと落ちた。

 

しばらくはぶんぶん羽を鳴らしながら苦しんでいたが、ようやく事切れたようだ。殺虫剤の恐ろしさを実感したが、これで安心だと思って、棒でハチの巣を叩き落した。

 

ハチの巣はいつ見ても美しい形をしている。これほどの芸術品とさえ呼べるものをハチが作り上げるのも自然の神秘だ。敬意を表しながら、ばらしてみた。言うまでもなくハチの子を見つけるためである。すると、大きなやつが2つ見つかった。


大きかった。以前酔っ払っていたときに、食べてみろと差し出されたハチの子を面白半分で生のまま食べたことがある。噛み潰すと、ぷちっと、中のものが口中にひろがっでなんとも言えなかったが、食べられないものではなかった。今回も蛮勇を奮って食べてやろうかなと一瞬思ったが、自分であれほど殺虫剤をかけたものから出てきたのをさすがに食べることはできないと思い直した。

 ああ、それにしても無事退治できてよかった。ほっとした。
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