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自民党総裁選2018 その4

2018年09月10日 | ブログ
引き際が品格を表す

 引き際を誤ると、折角の功績が汚れるような気がする。麻生副総理が総理大臣の時に、当時の民主党への政権交代が起こった。麻生さんは、英語は達者なのに日本語の漢字を読み違えたり、軽口がマスコミに突っ込まれたりしたが、失礼ながら結構「愛されキャラ」で、嫌味は感じていなかった。民主党政権の事業仕訳でまず消えた「アニメの殿堂」にしても、現政権で決めた博打場を作るより遥かに健全な国家事業構想だったと評価していた。

 しかし、寄せ集め政党への政権交代を支援するマスゴミテレビの報道番組は、仕事帰りに麻生さんが立ち寄るバーの前から中継で、「庶民感覚から遠いこんな所で飲んでいる」などと批判していた。公費ならいざ知らず、自分の財布から酒を飲むなら総理もサラリーマンもない。警備のやり難い所より、しっかりしたお店で飲むのは妥当である。つまらない批判をするテレビ報道のレベルを疑ったものだった。もっともマスコミはその言動に責任を取らない代表選手ではある。

 しかし、安倍政権での最近の麻生さんは、財務大臣の辞任の機会を逃したばかりか、個人的好悪から総裁立候補者の派閥がどうのと批判するなど、愛されキャラを打ち捨ててしまった。自身を振り返れば他人をとやかく言える立場ではなかろうに。先祖に大久保利通、吉田茂を持つというが、先祖に恥ずかしくないのだろうか。

 菅官房長官などもその在任期間の長さを顕彰されているようだが、政権当初の輝きはすでにない。総理の言い訳の追認と人気取り政策の広報に終始するようでは、こちらも引き際を失した長期在任に過ぎない。

 安定政権と言えば聞こえはいいが、後継者を育てず、単に新陳代謝が悪いだけの政権に成り果てている。有力派閥の長でも細田さんや岸田さん、6年前には総裁選に立候補した石原さんなども安倍3選支持表明は憂鬱な表情に見えた。自身が総理総裁候補に成り得ないなら、派閥の長も後継に譲って、後輩を育てる側にまわるべきであり、こちらも引き際が大切である。

 それにしても総裁の3選での在任期間は9年。世界の指導者から見れば特に長過ぎることはない。それでその任期を待たず腐るのは、この国の政治システムが悪いのであろう。あれだけ大騒ぎで小選挙区制にしたメリットは全く感じられず、デメリットばかりが語られるようになってしまった。

 大相撲の記録だけの大横綱も、スポーツ界の各協会のドンと呼ばれる面々も、引き際を逃して腐った根性を世間に晒してマスコミの餌食にされ、国民の顰蹙を買う。政治家、経営者、スポーツ選手、芸能人も現役は実力がある間であるべきだ。組織の中枢で権力を持った者は殊更自身も取り巻きも注意が必要である。特に政治家は「信なくば立たず」を建前にしてはならない。引き際は重要である。



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