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2023年 第5回

2023年01月13日 | ブログ
NHK大河

 「どうする家康」が始まった。NHKは昨年の大河の最終回に、今年の大河の主役である家康を登場させた。家康が源頼朝を尊敬しており、鎌倉幕府の歴史を綴った「吾妻鏡」を読んでいたという史実に添っての番宣であった。またNHKの「歴史探偵」では1月1日に「どうする家康」とのコラボを放映し、4日水曜日には正規の「歴史探偵」のテーマを今川義元にして、今年の大河の第一回で放送する「桶狭間」で打ち取られる義元の追悼として、さらに番宣を繰り返した。

 しかし、今川義元はこれ迄、織田信長の引き立て役としてドラマに登場しており、貴族趣味で愚かな戦国武将として描かれたイメージがあったが、実は戦国武将の中でも指折りの戦略家であり、若いころには出家していたことで、相当の教養人であったとの紹介であった。今回、狂言方和泉流の能楽師である野村萬斎さんを今川義元役にしていることで、NHKも大いに配慮したものであろう。

 ただ、歴史は勝者によって作られる。打ち取られた側への評価はどうしても低くなる。太平洋戦争の敗者となったわが国へも不当な批判が未だに続いている。特に中韓からが多いけれど、中共に関していえば、現在の中共など先の大戦の勝者などではなく、毛沢東など日本軍のお陰で、内戦に勝利し、蒋介石を台湾に封じ込めたと感謝の弁さえ残している。その後の中共の国内での同胞への虐殺は、日本軍のそれをけた違いに凌ぎ、今更日本軍への批判などお門違いである。

 徳川家康への評価は、特にこの国の西方では、豊臣を裏切り、一族を滅亡に追い込んだ「たぬき親父」とのイメージがつき纏った。一方秀吉は、百姓の子に生まれながら、関白にまで上り詰めた立身出世の手本として、現代に「今太閤」という言葉さえ生んだ。私の生まれた町には、元々現在の愛媛県松山市に聳える松山城があった。秀吉の有力な配下であった加藤喜明(よしあきら)の松山への移築によるものだ。そのような関係もあり、どうしても東西対抗は西軍となり、家康憎し秀吉贔屓となっていたように思う。

 秀吉の天下を取るまでの才知と行動力は確かに素晴らしいが、天下を取った晩年は褒められたものではなく、秀頼の出生疑惑もあり、一族の消滅は当然のなりゆきであった。一方家康は、弱小戦国大名家に生まれ、武田、信長そして秀吉の天下となっても臥薪嘗胆、当時としては長寿を全う。京、大阪に遠い、当時は湿地帯であった江戸に領地替えで封印されながら、江戸の水運を活用して見事な街づくりを行い、今や世界でも屈指の大都市東京の礎を築いた。

 260年続いた江戸幕府の武士や町人の人生観や生活の知恵や習慣、すなわち文化・文明はその後の日本人にも受け継がれ、戦後の経済復興にも繋がった。

 やはり家康は神君と呼ばれるに相応しい名君に違いなく、その生涯の有様は、現代人にも大いに参考になるであろう。初回15%程度の視聴率であったようだが、視聴率など気にせず頑張って欲しい。



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