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新、時事散歩 第14回

2024年05月10日 | ブログ
逆もまた真なり

 現代はキャッシュレスがトレンドであり、小売業ではクレジットカード払いや、PayPayのようなスマホでの決済など、購入額に伴うポイントを付与することで、消費者に利便性とお得感を与えて消費を促す方法が主流となっているようである。

 このIT活用のキャッシュレス化は政府も奨励したような趣もあるが、クレジットカードは、他人にカード番号を盗まれて不正使用される被害が、毎年100億円程度あるらしい。また、スマホによる決済では、最近、他人のスマホを勝手に機種変更し、不正使用で数百万円程度物品を購入していたという事件があったようだ。(テレビの報道番組より)

 スマホの機種変更には、マイナンバーカードの提示が必要だが、マイナンバーカードにはマイナンバーと共に氏名、住所、生年月日などの個人情報が記載されており、本人の写真も付いているが、管理の緩い個人情報と、犯罪者自身の顔写真を貼り付ければ、スマホの販売店では分からない。本来カードに付いているICチップから情報を読み込み本人確認が必要だが、その装置の普及は進んでいないそうだ。今回の事件は、大阪に住んでいた方のスマホを、犯罪者は愛知県のお店で機種変更していたそうで、悪知恵を真っ当に使えば、世の中に役立つのにと思う。

 要は便利なものには、必ず落とし穴があって、利便性を活用するにも十分な注意が必要である。一般のスーパーなどでの買い物もクレジット決済が普通になっているが、現金を支払う手間を省く以外に、購入額に対して付与されるポイント、一般的には200円で1ポイント(1円)、普通預金の金利よりは高い。お店によっては、日曜日はポイント10倍セールなど、直接の商品値引きよりポイント付与で購買意欲を駆り立てる。購入者によっては付与されたポイントを使わず期限を過ぎてしまう客も多いことで、値引きよりは利を維持出来る面もある。

 半面小売店は、クレジット会社に数%のマージンを支払わねばならず、客の利便性による売上増効果は減収を伴う。

 そこで、現金払いしか受け付けないドラッグストアが、近隣にも登場した。お店に掲示された宣伝文句に、クレジットが使えずポイント付与もない分、エブリデー・ロープライス(連日低価格)を実現とある。しかも表示価格はすべて消費税込みとなっており、支払額が判りやすい。レジでの決済は現金決済機を使うので、店員の手間は増えることなく、お釣りの間違いなども生じにくい。

 看板はドラッグストアでも、近年の当業界は、家庭用薬品は勿論、日用品からお酒類、冷凍食品まで品ぞろえは十分である。キャッシュレスサービスの正反対を行き、ポイント付与などのサービスの結果不平等の行き詰まりを、みごとにカバーした古くて新しい商法である。時代のトレンドを逆手に取り、物価高の昨今地元消費者にも好評のようである。ただ、周辺には従来からのドラッグストアもスーパーも多く、競合店は厳しい。



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