手遅れ医者
筆者が工場勤め当時、工場では社員啓発の一環として、種々のテーマで有名人を招いての講演会があった。いろいろ聞かせていただいたけれど、2001年10月健康講演会での演芸ジャーナリスト大友一平氏の演題「21世紀に笑うのはあなた」-ストレスからの脱出法-には脱帽した。現在はストレス社会といわれ、自殺者毎年3万人。連続で3万人を超えている。日本が一番多いそうだ。またホームレスも増加している。そんな世相を、ストレスを笑いで吹き飛ばそうというものであった。
『「お笑い」というと馬鹿にされていました。最近ようやく風が吹いてきました。お笑いが認められるようになりました。人間は笑うことで、体内の免疫力が向上するという医学的なデータさえあります。ニコニコが大切、日本の諺にも「笑う門には福来る!」というのがあります。医療費急増、年間30兆円。薬づけ。この30年間で小売業は30万軒がなくなった。しかし、薬屋だけは6万軒増えました。でも健康の秘訣は笑うこと。しかも笑いには副作用はありません。
IT時代までいかなくても、何でも便利になりすぎた。スイッチ一つでご飯も炊ければ、洗濯も出来る。仕事だってオートメーション。本来個々の人間が関わってきたプロセスが抜けてしまった。達成感は希薄になるし、周囲の人々とのコミュニケーションも少なくなる。子供たちも仲間とコミュニケーションをとることが下手になった。不登校が13万人。私どもの時代には考えられなかった。
昔デジタル時計が全盛の時代があった。しかし今、ほとんどの人は以前のようにアナログ時計をしている。確かに1分1秒が大切なこともあるが、我々の人生では1分1秒なんてどうでもいいんです。時間なんて大体何時何分頃分かればいい。
以前、局アナからフリーに転じて3年後癌に倒れた有名なアナウンサーがいた。フリーとなって年収は50倍になった。しかし忙しくて中々医者に掛かれない。診察を受けた時は手遅れだった。手遅れはいけない。
落語に「手遅れ医者」というのがあります。どんな患者にもまず「手遅れです」という。直れば名医ということになる。ある時、兄弟の大工の兄貴が屋根から落ちて大怪我をした。手遅れ医者に担ぎこむと、案の定「手遅れです」。これには弟も流石に怒った。「今落ちたところですよ!!」。医者いわく「いや落ちる前にこなくてはダメです」』
話し替わって、2000年3月に講談社から出た「談志百選」*2)に載っていた面白い話。ある落語家のことである。
『金語楼師*3)も妙な発明をしていたが、奴も同様で「注ぎ口が二つある急須」を見た事がある。一度に二つの茶碗にお茶が注げる。という発明らしい。で、「三つ茶碗が出てきたらどうする」に件(くだん)の落語家、そのときは“万 事休ス”だとサ、実にくだらない。この落ちをいう為の発明らしい』
*2)立川談志(落語家。立川流家元。1936年- )著
*3)柳家金語楼(やなぎやきんごろう)。(1901年-1972年)
落語家、喜劇俳優。NHKテレビ『ジェスチャー』の白組キャプテンとして活躍。発明家でもあった。団塊世代には親しみのある喜劇人。
本稿、大友一平氏のご講演の内容につきましては、笑いの創作ネタの勝手な公開を避けるため、一部導入部分のみの紹介とさせていただきました。
筆者が工場勤め当時、工場では社員啓発の一環として、種々のテーマで有名人を招いての講演会があった。いろいろ聞かせていただいたけれど、2001年10月健康講演会での演芸ジャーナリスト大友一平氏の演題「21世紀に笑うのはあなた」-ストレスからの脱出法-には脱帽した。現在はストレス社会といわれ、自殺者毎年3万人。連続で3万人を超えている。日本が一番多いそうだ。またホームレスも増加している。そんな世相を、ストレスを笑いで吹き飛ばそうというものであった。
『「お笑い」というと馬鹿にされていました。最近ようやく風が吹いてきました。お笑いが認められるようになりました。人間は笑うことで、体内の免疫力が向上するという医学的なデータさえあります。ニコニコが大切、日本の諺にも「笑う門には福来る!」というのがあります。医療費急増、年間30兆円。薬づけ。この30年間で小売業は30万軒がなくなった。しかし、薬屋だけは6万軒増えました。でも健康の秘訣は笑うこと。しかも笑いには副作用はありません。
IT時代までいかなくても、何でも便利になりすぎた。スイッチ一つでご飯も炊ければ、洗濯も出来る。仕事だってオートメーション。本来個々の人間が関わってきたプロセスが抜けてしまった。達成感は希薄になるし、周囲の人々とのコミュニケーションも少なくなる。子供たちも仲間とコミュニケーションをとることが下手になった。不登校が13万人。私どもの時代には考えられなかった。
昔デジタル時計が全盛の時代があった。しかし今、ほとんどの人は以前のようにアナログ時計をしている。確かに1分1秒が大切なこともあるが、我々の人生では1分1秒なんてどうでもいいんです。時間なんて大体何時何分頃分かればいい。
以前、局アナからフリーに転じて3年後癌に倒れた有名なアナウンサーがいた。フリーとなって年収は50倍になった。しかし忙しくて中々医者に掛かれない。診察を受けた時は手遅れだった。手遅れはいけない。
落語に「手遅れ医者」というのがあります。どんな患者にもまず「手遅れです」という。直れば名医ということになる。ある時、兄弟の大工の兄貴が屋根から落ちて大怪我をした。手遅れ医者に担ぎこむと、案の定「手遅れです」。これには弟も流石に怒った。「今落ちたところですよ!!」。医者いわく「いや落ちる前にこなくてはダメです」』
話し替わって、2000年3月に講談社から出た「談志百選」*2)に載っていた面白い話。ある落語家のことである。
『金語楼師*3)も妙な発明をしていたが、奴も同様で「注ぎ口が二つある急須」を見た事がある。一度に二つの茶碗にお茶が注げる。という発明らしい。で、「三つ茶碗が出てきたらどうする」に件(くだん)の落語家、そのときは“万 事休ス”だとサ、実にくだらない。この落ちをいう為の発明らしい』
*2)立川談志(落語家。立川流家元。1936年- )著
*3)柳家金語楼(やなぎやきんごろう)。(1901年-1972年)
落語家、喜劇俳優。NHKテレビ『ジェスチャー』の白組キャプテンとして活躍。発明家でもあった。団塊世代には親しみのある喜劇人。
本稿、大友一平氏のご講演の内容につきましては、笑いの創作ネタの勝手な公開を避けるため、一部導入部分のみの紹介とさせていただきました。