知的ストレッチ入門

「知的ストレッチ入門」(日垣隆 大和書房 2006)。

知的生産実用本。

とにかく文章を書くのが死ぬほど遅い。
著者は、毎月締め切りを50本かかえているそう。
あやかりたくて読んでみる。

まず知的ストレッチの基本3原則。
「インプットは必ずアウトプットを前提にする」
「うまくいった諸先輩がたの方法をどんどん採り入れる」
「おのれを知る」

アウトプットの正体は説得力。
アウトプットの力を磨くには、どんな質問にもとりあえず答えをだすようころがけることだそう。

さて、本の読みかた。
「まず素直に読む」
そうでなくちゃはじまらない。

面白かった箇所は、本の角を折る。
つかえる部分は、上に付箋。
紹介文献がほしいと思ったら、横に付箋。

で、いったん読み終わったら、角を折ったり、付箋を貼ったりしたところを再読。
これをやるのとやらないのでは、大ちがいだそう。
まさにアウトプット前提の読書。

そしてメモの技術。
この話が面白い。
世の中には、とにかくメモとれ派と、メモしなければならないことはたいしてことではない派がいる。
これはけっきょく個人差。
おのれを知ることにつきる。
…いやはや、ミもフタもないなあ。

また、すぐ片づけることの効用。
「時間がたてばたつほど処理にかかる時間が少なくなるということはない」
うーん、耳が痛い。

全集を読むことの効用についても書いてある。
「ひとりの人間がどれほど表現の幅があるかを知ることができる」
これは同感。
ひとりの人間に許された表現の幅は存外せまい。
表現者とは、おなじことをくり返すひとだといってもいいほど。

もちろん話はこれだけではない。
そろえておきたい道具や事典類、あつめた情報の整理、つかえる手帳のことまで具体的に書いてある。

文章はですます調。
ときおり、先生が授業中するみたいに、ポンと息抜き話が入る。
それが上手い。
できの悪い生徒は、息抜き話ばかりおぼえてしまうけれど。
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