ルポ・ラオス クラフト生産者を訪ねる旅

雑誌「エネルギーレビュー」2011年3月号((株)エネルギーレビューセンター)に、「ルポ・ラオス クラフト生産者を訪ねる旅」という記事が載っていた。
執筆者は、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)のボランティア、三島真知さん。

三島さんが訪ねたのは、ラオスのモン族のひとたち。
なんか聞いたことがあるなと思ったら、モン族は刺繍で有名で、その刺繍をつかった絵本が日本で出版されている。

三島さんが訪ねたのは、まずシビライ村というところ。

「ラオスが1975年以降、迫害を恐れてタイ国境の難民キャンプに逃れ、1992年以降の帰還事業により国に戻ったモン族・243人の村。当初、国連とラオス政府が用意した土地で子供が亡くなる不孝が続き、そこを離れてこの場所に移ったという」

この村には、難民キャンプでこの村のひとたちと出会い、その後も一緒に暮らしている元SVA職員の安井清子さんという女性がいるそう。
このひとは、先の絵本の訳者ではないだろうか。

モン族というのは、シビライ村のひとたちだけではない。
翌日、三島さんはタンピアゥ村というところを訪ねる。

「ここは内戦時代の1972年にタイ国境の難民キャンプに逃れたモン族の人たちのために、帰還事業で1993年に森を切り拓いて用意した土地で、133世帯950人が暮らしている。難民キャンプで支援活動をしていたカマクラフトというアメリカのNGOが、帰還後も村を支えている」

この村のクラフトは、モン族の暮らしを描いた「ライフシーン」という刺繍。
57人の女性たちが、農作業のかたわらつくっているという。

「この技法は、クリント・イーストウッド監督・主演の映画「グラン・トリノ」で、モン族の家庭の壁掛けとして登場するものになっているが、元々は難民キャンプ時代、文字を持たないモンの人々が民族の誇りと文化を失わないよう、暮らしや民話を表す方法として、欧米の支援者たちの指導で生まれたものだ」

このページには、レイアウトのバランスを逸したような、大きな写真が載せられている。
これが「ライフシーン」なのだろう、こんなキャプションがつけられている。

「モン族の歴史を描いた難民キャンプでの作品。大陸を南下、森の暮らし、戦乱、難民、アメリカへの移住などをつづった大作」

この「ライフシーン」を大きくとり上げたのは正解。
一瞥して胸を打つ作品だ。

ところで、先の絵本は「一冊たち絵本」でとりあげたことがある。
「サルとトラ」
「かたつむりとさる」
の2冊がそう。

「一冊たち絵本」は、ことしに入って400冊を超えたはず(もうよくおぼえてない)。
われながら、よく続くなあ。


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