一昨日から断続的に豪雨が続いている。全国ニュースでは熊本県など九州地方の雨が報じられているが、四国にもかなり降った。実家の近くでも大雨警報が発令され、隣町の内子町全域に非難準備が発令された。午前中雨の中バドミントン練習に参加し聞くと、市内の小中学校は昨日警報が発令されると自動的に休校になったそうだ。
昨日夕方一時雨が止み堤防沿いの道を散歩した時、消防団の法被姿の若者に会った。多分彼は一日中、川の水位を監視していたはずだ。彼によると意外にも上流の降雨量はそれ程でもなかったらしく、いつもなら本流からの逆流防止の為に閉じる小川の水門を閉じなかったという。
大雨だと思っていたが意外に大したこと無かったのかなと思い、実家に戻ってふと西側の山寄りの庭を見ると側溝から水が溢れて水浸しになっていた。そこまで気が回らなかった。側溝は幅・深さともに約1m余あり裏山からの雨水が流れるが、かつて何倍もの規模の豪雨でも溢れるのを見た記憶がなく驚いた。
なぜ側溝が溢れたのかすぐに分かった。溝の上流に生えた草(名前は知らないが、川の流れに沿って蔓が伸びて途中次々と茎に根が生えて蔓延る)で強い茎や葉を持っていて横にも縦にも伸びる、多分水辺の最強の雑草だ。横には何mでも伸び、縦は2m以上になり、こんもりした草の山の下が地面か側溝か分からなかった。
見ると側溝に蔓延ったこの草が根元からごっそり剥がされるように持って行かれ、我家の庭の角のちょっとした曲がり角で止められ堰になっていた。上流側が剥がれた側溝の底になる20cm厚の地面が何層かに重なり、下流側に2-3mの草が続いて堰を構成していた。
このまま放置出来ないと思い先ず平らな一枚歯の鍬、細く先に延びた歯の鍬、草刈り鎌、スコップを順次繰り出して堰を壊そうとしたが予想外に手強く歯が立たなかった。それではと遂には大きな斧まで持ち出した。だがうまく行かない。底の部分は単なる普通の土ではなく細かい間隔で縦横に走り回る根でしっかり強化されており、斧を振り下ろしても跳ね返される感じだった。
暫く悪戦苦闘を続けたが、そのうち左手の指が二か所切り傷で痛みを感じるようになり、右手の人差指の裏側にも痛みを感じる様になって続けられなくなった。名もなき草の葉が堅く意外に深い傷だった。右指を洗って見ると大きなマメが出来ていた。始めた時は軽く小川のゴミ掃除程度の積りで始めたので作業用の手袋もせず、水浸しの庭から不安定な姿勢で作業したせいだと思う。
情けないことに殆ど何も改善することなくギブアップした。名もなき草の抵抗もさることながら、溝の底に20-30cmの厚さで形成された「強化土」は手に負えなかった。しかし一番ショックだったのは、この強化土を一気に底から剥がしてしまった水の力には恐怖さえ感じた。堰の上流の側溝は草が生えていた跡形もなく、最初に作った時のセメントだけになっていた。
たった1m幅の水でも傾斜を流れ落ちて来た時の威力がどれほどものか実感させられた。津波で街が丸ごと持っていかれた東北地方の映像を見た時、SF映画を見るようにリアリティを感じなかった。だが、我が家の目の前で起こったたった1mの側溝の出来事が怖さを実感した。明日は午後から晴れるらしいので頑張ろう。■
昨日夕方一時雨が止み堤防沿いの道を散歩した時、消防団の法被姿の若者に会った。多分彼は一日中、川の水位を監視していたはずだ。彼によると意外にも上流の降雨量はそれ程でもなかったらしく、いつもなら本流からの逆流防止の為に閉じる小川の水門を閉じなかったという。
大雨だと思っていたが意外に大したこと無かったのかなと思い、実家に戻ってふと西側の山寄りの庭を見ると側溝から水が溢れて水浸しになっていた。そこまで気が回らなかった。側溝は幅・深さともに約1m余あり裏山からの雨水が流れるが、かつて何倍もの規模の豪雨でも溢れるのを見た記憶がなく驚いた。
なぜ側溝が溢れたのかすぐに分かった。溝の上流に生えた草(名前は知らないが、川の流れに沿って蔓が伸びて途中次々と茎に根が生えて蔓延る)で強い茎や葉を持っていて横にも縦にも伸びる、多分水辺の最強の雑草だ。横には何mでも伸び、縦は2m以上になり、こんもりした草の山の下が地面か側溝か分からなかった。
見ると側溝に蔓延ったこの草が根元からごっそり剥がされるように持って行かれ、我家の庭の角のちょっとした曲がり角で止められ堰になっていた。上流側が剥がれた側溝の底になる20cm厚の地面が何層かに重なり、下流側に2-3mの草が続いて堰を構成していた。
このまま放置出来ないと思い先ず平らな一枚歯の鍬、細く先に延びた歯の鍬、草刈り鎌、スコップを順次繰り出して堰を壊そうとしたが予想外に手強く歯が立たなかった。それではと遂には大きな斧まで持ち出した。だがうまく行かない。底の部分は単なる普通の土ではなく細かい間隔で縦横に走り回る根でしっかり強化されており、斧を振り下ろしても跳ね返される感じだった。
暫く悪戦苦闘を続けたが、そのうち左手の指が二か所切り傷で痛みを感じるようになり、右手の人差指の裏側にも痛みを感じる様になって続けられなくなった。名もなき草の葉が堅く意外に深い傷だった。右指を洗って見ると大きなマメが出来ていた。始めた時は軽く小川のゴミ掃除程度の積りで始めたので作業用の手袋もせず、水浸しの庭から不安定な姿勢で作業したせいだと思う。
情けないことに殆ど何も改善することなくギブアップした。名もなき草の抵抗もさることながら、溝の底に20-30cmの厚さで形成された「強化土」は手に負えなかった。しかし一番ショックだったのは、この強化土を一気に底から剥がしてしまった水の力には恐怖さえ感じた。堰の上流の側溝は草が生えていた跡形もなく、最初に作った時のセメントだけになっていた。
たった1m幅の水でも傾斜を流れ落ちて来た時の威力がどれほどものか実感させられた。津波で街が丸ごと持っていかれた東北地方の映像を見た時、SF映画を見るようにリアリティを感じなかった。だが、我が家の目の前で起こったたった1mの側溝の出来事が怖さを実感した。明日は午後から晴れるらしいので頑張ろう。■