消費税10%導入の再延期が決まった。先に記事「不思議な内閣不信任案」で批評したように、再延期を巡る野党の動きは国民の為というより党利党略の臭いがプンプンした。現在の経済状況を考えれば再延期は妥当な判断だと思う。安倍首相が前に何を言ったかに拘らず、今国民の為にベストの判断は何か考えてくれる方がマシだ。
しかしそれとは別に、私は再延期の底流に不吉な予感がある。予感とは何か、先ず背景となる全体像について以下に私の理解を紹介する。
今年の初め「2016年天邪鬼占い」と題して皮肉を込めて、起こって欲しくない5つの予想を投稿した。年半ばにして早くもトランプが米大統領の有力候補になり、メルケルが難民問題で軌道修正して影響力維持に向かい、習近平の恐怖政治が進み身辺にきな臭さが聞こえて来る。占い全体のトレンドとして、「世界はポピュリズムを背景とした右傾化に向かっている」と世界を描いた。少し長くなるが、占いの抜粋を下記に紹介する。
------(天邪鬼占いの抜粋)------
今年も同じ路線ですがもっと毒のある本当にヤバイ予想を狙いました。
1)米国は気が狂い、世界の期待に反してトランプが米国大統領に。
2)ロシア経済が更に悪化、プーチンは更に冒険主義になり暴走。
3)メルケルは難民問題でつまづき首相の座が揺らぎ、レームダック化。
4)習近平は一段と恐怖政治に向かい、内外で厳しい対立を生む。
5)安倍首相は改革路線を断念しポピュリズム政治に向かう。
この当たりそうもない予測が二つ以上当たると今年は本当に危ない。
・・・・・・・・・・・・
恒例の「大胆占い」は経済予測ですが、「天邪鬼占い」は政治予測です。「天邪鬼占い」で予想したのは世界のリーダーの決断ですが、彼等の決断は世界各国の人々の心の揺れの反映だと考えています。私の占う2016年の世界はポピュリズムを背景にした右傾化懸念です。
・・・・・・・・・・・・
安倍首相の推進するアベノミクスは既に昨年頃から壁にぶつかっていると見られている。理由は明らかで成長路線を推進する為の規制改革が殆ど出来てないからだ。規制改革の別名は既得権益破壊であり、その別名は選挙だ。頻繁に繰り返される日本の選挙のシステム、特に小選挙区導入後はポピュリズムに陥り改革先送り傾向になりがちだ。
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私が不吉な予感があるとして問いかけるのは、今回消費税の導入再延期を決断した安倍首相も、上記の予想通り「 安倍首相は改革路線を断念しポピュリズム政治に向かう」の文脈として説明できるかどうかだ。言い換えると安倍首相ほど高い支持率を維持するリーダーでさえ、選挙を意識して国民に変化と痛みを求めることが出来ないのならもう誰もやれない。頻繁に選挙がある国ではピュリズム政治に陥り思い切った改革が出来なくなる、日本に未来は無いのではという思いだ。
日本経済成長が停滞している最大の原因は少子高齢化による人口減少、特に労働人口の減少である。潜在成長率を高める以外に根本的な解はない。政府がやろうとしているのは高齢者や女性が働き易くし、長期的には出生率を高めようとしているがそれだけでは全く力不足だ。直ぐに効果を出すためには一人当たりの生産(生産性)を高めることだ。徹底的に規制改革し良質の移民を大量に受け入れ、新しいアイデアの仕事の仕方や働き方やを後押しすべきなのだ。
アベノミクスは金融緩和による円安の恩恵で、過去最高の企業収益と雇用改善をもたらしたが、仕事の仕方を改革出来ず潜在成長率を高めるまでには至らなかった。結果として日銀のくれた時間の猶予は浪費されもう後が残ってない。安倍首相は追い詰められ、残された選択肢が消費税導入の再延期だったわけだ。
私がコンピューター技術者としてキャリアを始めた時、時代は大型コンピューターからパソコンへ移行する時で世界的な新企業が出現した。それから携帯電話やスマホの時代になり、次にGoogleとかAmazonの時代、そして今やウーバーとかエアーb&bだ。その度に時代を代表する企業が出て来て世界を席巻し、巨大なグローバル企業が現れた。日本でもこのような新しいプレーヤーがドンドン出てくる環境を作るのが、安倍内閣に期待したことだった。
だが、消費税導入再延期から見えて来たのは潜在成長率の停滞であり、その背景に全国に張り巡らされた規制の改革が遅々として進まなかった。残念ながら農協や旅館・タクシー業界などの既得権益を守る方が大事だったようだ。規制改革をやっても選挙で落選したら元も子もない、その為に高齢者へのバラマキも躊躇わない、これが民主主義政治或いはポピュリズム政治の現れだ。高い支持率の安倍政権でも出来ないなら、果たして日本に未来はあるのだろうか。勿論あるが、住みたいと思うイメージは湧かない。「天邪鬼占い」は現実味を帯びて来た。■
しかしそれとは別に、私は再延期の底流に不吉な予感がある。予感とは何か、先ず背景となる全体像について以下に私の理解を紹介する。
今年の初め「2016年天邪鬼占い」と題して皮肉を込めて、起こって欲しくない5つの予想を投稿した。年半ばにして早くもトランプが米大統領の有力候補になり、メルケルが難民問題で軌道修正して影響力維持に向かい、習近平の恐怖政治が進み身辺にきな臭さが聞こえて来る。占い全体のトレンドとして、「世界はポピュリズムを背景とした右傾化に向かっている」と世界を描いた。少し長くなるが、占いの抜粋を下記に紹介する。
------(天邪鬼占いの抜粋)------
今年も同じ路線ですがもっと毒のある本当にヤバイ予想を狙いました。
1)米国は気が狂い、世界の期待に反してトランプが米国大統領に。
2)ロシア経済が更に悪化、プーチンは更に冒険主義になり暴走。
3)メルケルは難民問題でつまづき首相の座が揺らぎ、レームダック化。
4)習近平は一段と恐怖政治に向かい、内外で厳しい対立を生む。
5)安倍首相は改革路線を断念しポピュリズム政治に向かう。
この当たりそうもない予測が二つ以上当たると今年は本当に危ない。
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恒例の「大胆占い」は経済予測ですが、「天邪鬼占い」は政治予測です。「天邪鬼占い」で予想したのは世界のリーダーの決断ですが、彼等の決断は世界各国の人々の心の揺れの反映だと考えています。私の占う2016年の世界はポピュリズムを背景にした右傾化懸念です。
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安倍首相の推進するアベノミクスは既に昨年頃から壁にぶつかっていると見られている。理由は明らかで成長路線を推進する為の規制改革が殆ど出来てないからだ。規制改革の別名は既得権益破壊であり、その別名は選挙だ。頻繁に繰り返される日本の選挙のシステム、特に小選挙区導入後はポピュリズムに陥り改革先送り傾向になりがちだ。
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私が不吉な予感があるとして問いかけるのは、今回消費税の導入再延期を決断した安倍首相も、上記の予想通り「 安倍首相は改革路線を断念しポピュリズム政治に向かう」の文脈として説明できるかどうかだ。言い換えると安倍首相ほど高い支持率を維持するリーダーでさえ、選挙を意識して国民に変化と痛みを求めることが出来ないのならもう誰もやれない。頻繁に選挙がある国ではピュリズム政治に陥り思い切った改革が出来なくなる、日本に未来は無いのではという思いだ。
日本経済成長が停滞している最大の原因は少子高齢化による人口減少、特に労働人口の減少である。潜在成長率を高める以外に根本的な解はない。政府がやろうとしているのは高齢者や女性が働き易くし、長期的には出生率を高めようとしているがそれだけでは全く力不足だ。直ぐに効果を出すためには一人当たりの生産(生産性)を高めることだ。徹底的に規制改革し良質の移民を大量に受け入れ、新しいアイデアの仕事の仕方や働き方やを後押しすべきなのだ。
アベノミクスは金融緩和による円安の恩恵で、過去最高の企業収益と雇用改善をもたらしたが、仕事の仕方を改革出来ず潜在成長率を高めるまでには至らなかった。結果として日銀のくれた時間の猶予は浪費されもう後が残ってない。安倍首相は追い詰められ、残された選択肢が消費税導入の再延期だったわけだ。
私がコンピューター技術者としてキャリアを始めた時、時代は大型コンピューターからパソコンへ移行する時で世界的な新企業が出現した。それから携帯電話やスマホの時代になり、次にGoogleとかAmazonの時代、そして今やウーバーとかエアーb&bだ。その度に時代を代表する企業が出て来て世界を席巻し、巨大なグローバル企業が現れた。日本でもこのような新しいプレーヤーがドンドン出てくる環境を作るのが、安倍内閣に期待したことだった。
だが、消費税導入再延期から見えて来たのは潜在成長率の停滞であり、その背景に全国に張り巡らされた規制の改革が遅々として進まなかった。残念ながら農協や旅館・タクシー業界などの既得権益を守る方が大事だったようだ。規制改革をやっても選挙で落選したら元も子もない、その為に高齢者へのバラマキも躊躇わない、これが民主主義政治或いはポピュリズム政治の現れだ。高い支持率の安倍政権でも出来ないなら、果たして日本に未来はあるのだろうか。勿論あるが、住みたいと思うイメージは湧かない。「天邪鬼占い」は現実味を帯びて来た。■