かぶれの世界(新)

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ポピュリズムの原動力

2015-10-19 18:00:59 | ニュース
週末にかけてマスコミ各社が世論調査を行い、各社とも第3次安倍改造内閣の支持率が5%前後上昇したと静かに報じた。支持率下落でない限りマスコミが大きく扱わないのは予定通りだ。だが、私にはある意味憂慮すべき事態が起きたと思う。安全保障関連法を巡り低下したと言われる内閣支持率だが、私は今回については徐々に回復するだろうと予測した。そして概ねその通りになったと思う。今の内閣支持率が女性のポピュリズムを反映した部分がかなりの比率(10-20%程度)で存在するというのがその根拠だ。

近年の世論調査がその時々に吹く風の影響を受け易く、短期間に揺れ動く傾向が強いと考えていた。言い換えれば内容を十分理解しないで表面的な報道で判断が影響される傾向が強いと思っていた。他の典型的な例が効果が明確なはずのマイナンバーだ。税金逃れが難しくなる富裕層ならともかく、受益者になるはずの一般の人達が否定的という不思議な現象がある。下手なことを言うと世論を馬鹿にすることになると心配して、報道各社は結果の分析の公表を躊躇しているように感じる。だが、よく読むと間接的な指摘が垣間見られた。

その中でも間接的にポピュリズムを指摘した記事と思われるのが、昨日の日本経済新聞のコラム風見鶏の記事「女心と安倍政権の行方」(編集委員大石格)で、性別で内閣支持率が大きく異なった(女38%、男51%)、政党支持率でも男女差があり、支持率回復したと言って安閑としてられないよと警告するものだった。記事のどこにも女性のポピュリズムとの指摘はないが、逆に何故男性の半数以上が支持しているかも触れていない。私には中途半端な分析としか思えない。

上記記事が言わなかった部分を私が代弁すると、安保関連法案の議論を深めず反対論が「戦争法案」とか「徴兵制復活」とかシンボリックに決めつけ思考停止してしまったのは、第一に国会やマスコミの責任だったが、世論、特に女性の世論にも責任がある、と指摘しているというのが私の印象だ。印象で言って申し訳ないがテレビに出て来て声高に反対論を打つ人達というと、まず最初に女性の顔が浮かんだ。

誤解を恐れずに申し上げると、国際情勢がどうなのか現実を丸で理解していないし、興味もないような感じのオバチャン達だ。正しければ、論理的根拠よりも底の浅い感情的反発をしているのだから、彼女達の意見が長続きしない(スミマセン)。従って、時間の経過とともに風向きが変わると意見が変わる、支持率も変わる、そんな印象があった。そして、今の所、私の仮説通り内閣支持率が推移し始めたというのが私の印象だ。

実はこの傾向は今に始まった訳ではない。池上彰氏は70年日米安保も今回の安全保障関連法も、決定に至る政治のプロセスがおかしいといって反対運動に火が付き広がった、政策の内容に対する反対論の広がりではないと鋭く指摘をした。私は重要な指摘だと思うが、マスコミは無視した。彼は朝日新聞で対談した時にそう主張したが、少なくとも紙面上では安保法制反対のマスコミ代表みたいな朝日からの反論はなく黙殺された。

池上氏の指摘は複雑で困難な問題について判断しなければならない時、日本ではポピュリズムが拡がり政治を左右してしまう可能性があることを示している。しっかり現実認識し議論を深め、国民の理解が進み国民的コンセンサスに到達する、それが出来ずかつて国難を迎えた。その時の世論は男性中心だった。昨今はその重要な役割を果たしているのが女性だと私は感じる。多分、歴史上初めてのことだ。救いは、上記の様に彼女達の意見は長続きせずいつか収まる所に収まる可能性が強い。バカにした言い方でスミマセンが、それが救いだ。

最後に、戦争直後の食糧難の時違法のヤミ米を拒否して飢え死んだ裁判官の話を聞いて、法を守り死んだら何にもならないと誰でも思うだろう。このような場合の女性は柔軟に考えを変えるしなやかさがある。同じように憲法違反と言って安保法制に反対し、万が一国民の安全は守れない事態になったら女性らしいしなやかさで考え直してくれることを期待する。最後にもう一度、女性をけなす積りは全くありません。寧ろ、大好きです。■
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朝日は変わったのか?

2015-10-16 15:15:39 | ニュース
東京に戻って翌日、何気なく家族が購読している朝日新聞を見ると、中ごろに興味ある見出しの特集記事があった。池上彰氏の写真が目に飛び込んで来て大きな活字で「朝日新聞は変わりましたか」という表題で同紙の幹部との対談が掲載されていた。

私は普段朝日新聞を全く読まない。だが、吉田調書や慰安婦報道の誤報が昨年表面化し社長の謝罪会見の後、暫く経って購読を続けるか悩む家内に助言した(朝日は二度誤る2014/12/23投稿)。「改善されたかどうか指標として、池上氏のコラムが再開されたかどうかを判断基準にしたらどうかと家族に勧めたい。これまでの経緯を振り返ると池上氏は容易に妥協しないはずであり、彼のコラムが掲載されたということは朝日がまともになったと判断した時と考えてよい。」 

彼女は3ヵ月契約を延長し、助言通り池上氏のコラムが再開したら購読を続けると販売店に告げ、幸いにも今日まで続けている。だが、同紙の記事が具体的にどう変わったのか私は懐疑的だった。朝日の報道姿勢は東芝の粉飾決算と同じ会社ぐるみであり、報道姿勢は変えると約束したが記者や編集者を変えた訳ではない。東芝のように会計不正発覚後に内部告発が続出したとは聞いてない。トップの指示で記者は改心したか、逆に指示されて変わるほど柔だったのか。

池上氏との対談で長典俊(朝日新聞ゼネラルエディター)は、三つの基本方針「①事実と論評を分ける、②読者や社会に耳を傾ける、③過ちを認め訂正欄で説明する」に基づき、論調や全体のトーンは朝日らしく、事実に基づく見方を示し異論反論も載せるよう心掛けて来たと説明した。池上氏は安保関連法に賛成・反対の意見が載ったと変化を認める一方、情報を独占できない現在は記者の力が問われる、プロを育てよと助言している。

長氏の説明した三つの基本方針は、私が以前から思っていた朝日新聞の問題に応えるもので適切だと思う。と言っても実際に朝日の記事を読んでないのでそれ以上のコメントは出来ない。朝日がどの事件を取り上げ、紙面のどこに報じるかについては基本方針に関係なく、古き朝日のDNAが働いているように感じる。記者はそうやって育って来たし、長年同紙を読んで生まれた朝日ならこう言うはずだという私の思い込みが大体当たる。その意味では朝日は変わっていないし、簡単には変われない。

例えば、朝日の記者上がりの言論人は三つの基本方針を反映した発言をしているとは思えず、如何にもかつての朝日的だと思われる発言を繰り返すコメンテーターを見かける。現在の朝日の責任ではないが結果的に朝日新聞にも悪い印象を残すことになる。池上氏の助言を実現する為、多様な見方をするキャリアがある(海外のジャーナリストを含む)プロの記者を高給を払ってでも外部から採用したらどうだろうか。夫々の分野で一流の専門家と伍して取材できるプロの記者が育てば、朝日の紙面が劇的に変わったという印象を内外に与えることになるのは間違いないと思う。■
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田舎暮らし雑感15(エピローグ)

2015-10-14 11:50:44 | 日記
昨朝7時前に、帰京に先立って山刈を依頼していたMさん宅に電話した。年齢で体力に自信が無いというのを説き伏せ、「今年だけは頑張ってやる、来年は代わりの他人を見つける」という約束だったがまだやられてなかったからだ。奥さんが電話に出て来て、「主人は元気です、今朝栗拾いに出て行った、今は稲刈りと栗拾いで忙しいので、一段落着いてから山刈する」との返事で安心した。これで思い残すことなく東京に戻れる。

空港行きのリムジンバスの乗り場に向かう途中、川沿いの田んぼは意外にも半数近くが稲刈りが終わってないのに気が付いた。早いところは先月のお盆明け頃から稲刈りをしていた。田植えの時期はほぼ同じだったはずなのに、品種によって取り入れ時期がこんなに違うのかと改めて実感した。何時まで経っても農業オンチだ。

春から半年間で見た田畑で作業している農夫は殆ど老人ばかり、若者は一度も見なかった。多分、全員会社勤めで農業の後継者になるか極めて疑わしい。政府与党はTPPに対応して農業支援政策を検討していると報じられているが、余程注意しないと無駄な金をばらまくだけの支援になるとつくづく思った。いずれにしてもこの地の10-20年後の農業の姿が見えなかった。

LCCの飛行機はいつも通り15分程度遅れて来た。子連れの乗客が多く、飛行中機内のあちこちから赤ちゃんの泣き声が聞こえた。私のすぐ近くでも隣と斜め前の席は赤ちゃんと幼児の二人連れで、通路を挟んで横に座ったママに聞くと4か月の赤ちゃんというが旅慣れた感じで上手に乳をやっていた。不思議に誰も手伝う様子が無いので荷物の上げ下ろしを手伝った。

成田の第3ターミナルから東京駅行き900円のバスに乗った。第1ターミナルから青いワンピに白いスカーフでスタイルが良く洒落たいでたちの女性が乗り込んで来て私の横の席に座った。旅慣れた東南アジアの金持ち夫人という見かけで、横浜、箱根や鎌倉を紹介する英文のパンフレットを熱心に見始め、一通り見ると眠りこけた。私は気になってしょうがなかった。

是非とも話しをしてみたいと思ったのにきっかけをつかめず東京駅に近づいて来た。もう我慢できず軽く二の腕を突いて英語でブローシャを見せてくれと言うと、彼女は目を開けて日本人だという返事だった。彼女は行く国々でその国の人だと見られると言った。背筋が伸びてセンスのある衣服が無国籍風の印象を与えるのだろう。私の印象はシンガポールか香港の金持ち夫人みたいだというと、彼女は良くそう言われると否定しなかった。

英文のパンフレットを見ていたのは外国の友人を案内する為に見ていたという。私は会社勤めを始めた頃よく横浜に遊びに行った、その頃は元町とか桜木町・上野毛とかで飲んだ。パンフレットの新しいスポットは行ったことがなく殆ど知らないので助言できなかったが話しは弾んだ。

聞かれて母が介護を受ける松山からの戻りと答えると、偶然にも彼女の母上が香川県出身だという。四国にも外国人観光客が増えたという話になった。特に香川県の外国人観光客が急増したニュースを聞いたことがある。先日義弟と行った山間部の小さな町の内子町のそば屋のメニューが英語・中国語・朝鮮語だったというと驚いた。気が付くともう八重洲口の乗降場だった。彼女は一礼して颯爽と去って行った。ついに都会の生活に戻った。■
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周回遅れの読書録(5)

2015-10-12 22:12:05 | 本と雑誌
2か月間で読んだ本は恥ずかしながらたったの4冊、「読書録」などと気取って言えるほど読まなかった。だが、今回紹介する4冊はどれも読んで損はないと思う。中でもノーベル受賞した経済学者で当代きっての人気コラムニストであるクルーグマン・プリンストン大教授の「さっさと不況を終わらせろ」はお勧めだ。多分、私が今迄読んだ彼の著作の中で一番不真面目で好きだ。

著者の主張する金融財政政策が妥当か、現在の経済状況がうまい具合に比較・検証できるタイミングになっている。私は具体的に検証まではしなかったが、日々市場をチェックして得た印象から見て、本書程極端ではなかったが彼の主張と当たらずとも遠からずだ。しかし、重要な論点に差し掛かると必ず不真面目な掛け合いが入る、原文を読んでないので分からないが著者よりも翻訳者の仕業かもしれない。普通の経済書ではないが内容は深い。

「官報複合体」は日本メディアの権力に取り入って情報をとる取材法が特殊でガラパゴス化していると厳しく批判するもので、私が日頃から報道される内容に物足りなさを感じていた原因を構造的に解説してくれた。その取材スタイルの特異性が日本メディアの報道を信じられず、海外メディアの見方と比較したくなる原因ではないかと改めて思った。

残りの2冊「交渉術」と「ザ・リンク」も決して悪くない。普通に読書を勧めたい本だ。だが、上記の2冊は是非をつけて読書を勧めたい。少し言い訳をすると、私が興味を持って日々ウォッチしている領域である「経済」と「ジャーナリズム」であることも評価に影響したかもしれない。

(3.0+)さっさと不況を終わらせろ Pクルーグマン 2012 早川書房 リーマンショック後3年景気回復に手間取る米国政府やFRBに、財政赤字を心配せず大胆に財政・金融政策を取れ、3-4%のインフレターゲットを設定を勧め、一方で欧州危機の構造的問題を解き明かし緊縮策は逆効果と分かり易く説いたもの。

(3.0)官報複合体 牧野洋 2011 講談社 日米マスコミを比較して日本のジャーナリズムが記者クラブを通して強者(権力)の視点から報じる問題を指摘した佳作。日本メディアが通信社的性格で日付モノ、発表報道、匿名・仮名報道などが主流である一方、米国では弱者の声を直接聞き埋もれたニュースを掘り起こす調査報道だと指摘する。権力に取り入って素早く特ダネをつかむといった特殊な報道はガラパゴス化し世界で通用しない日本新聞の姿を鋭く描いている。

(2.5)交渉術 佐藤優 2009 文芸春秋 特殊な才能を持つ外交官だった著者がエリツィン・プーチン大統領と橋本・小渕・森首相等の日ロトップの生々しい交渉の裏側、ブルブリス・鈴木宗男議員との密な付き合いの中で如何にインテリジェンスと交渉からセックス・酒・ワイロ等まで描かれている興味深い内容。ロシア文化を熟知した佐藤優ワールド全開という感じだ。 

(2.5)ザ・リンク Cタッジ 2009 早川書房 ドイツのメッセル・ピットで発掘されたほぼ完ぺきな保存状態の化石が4700年前の霊長類のもので、キツネザルと真猿類に分かれて進化する前の貴重なミッシング・リンクだったことを考古学や生物学の分野から背景解説した書。興味はあるが私には余りに専門的で読書を楽しめる領域まで達しなかった。

凡例:
 (0):読む価値なし (1)読んで益は無い (2):読んで損は無い
 (3):お勧め、得るもの多い  (4):名著です  (5):人生観が変わった 
 0.5:中間の評価、例えば1.5は<暇なら読んだら良い>と<読んで損はない>の中間
 -/+:数値で表した評価より「やや低い」、又は「やや高い」評価です。

2: 古本屋で手に入れた本
L: 図書館で借りた本
新: 「定価」で買った本
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田舎暮らし雑感15(終)

2015-10-10 22:39:16 | 日記
田舎暮らし残り3日になった。いつもなら当然やっていたのに放置していた事を、ギリギリになってドタバタでやった。先日の古いお墓の掃除がそうだし、今日の緩斜面の畑とその隣の狭い畑の雑草取りだ。何れも表通りと民家に面しており、最低でも迷惑にならないようにしなければならない。母が元気だった頃の畑の雑草というより、山の斜面特有の笹が年々蔓延って最早畑という状況ではなかった。

この畑の雑草は粘りが強く混合油で動く草刈機ではてこずった。更に笹はもっと性質が悪く、刈り取るには鎌を振るうしかなかった。バドミントンで鍛えた腕力が役に立ったが明日は筋肉痛になるかも知れない。もっと酷かったのは隣の狭い畑に40年前父母が植えた梅の背丈に届かんとするほど伸びた笹だ。更に梅の枝落としは切れの悪い剪定ハサミで総てを切り取るのは無理、予想して予め用意していた小型の鋸が必要だった。

5時間余りかかって曲がりなりに最後の仕事を終えて、いよいよ長い田舎暮らしの総括をする時が来た。4月中頃田舎に来て間もなく5月連休明けに生爪をはがし、その直後に原因不明の痛風の症状が1か月続いた。普通に動けない日が1か月続き、その後遺症で運動能力が低下した。その後少しずつ体力回復していったが、運動能力という点では急に老化が進んだような気がした。

転換になったのはお盆明けに会社勤め時代の同僚で今も現役でネット販売を運営しているM氏に会って食事した時だ。その頃は体力回復の為ウォーキングに勤めており、4kmの道を歩いて待ち合わせ場所の喫茶店に行った。その帰りに車なら絶対通らない道を歩き市立体育館でバドミントン練習を見て、ママさんクラブにお願いして練習に参加させて貰った。その後2か月間にわたり週3日のペースでバドミントン練習をした。

バドミントン練習はかなりハードだと思うが、そこはママさんクラブで私の体調に丁度合っていたと思う。普段の生活やウォーキングでは使わない筋肉を鍛え目に見えて体力回復が進んだ。膝の痛みが軽減されたので、先月後半からもっと厳しいジョギングを再開して、体力がほぼ元に戻ったのを確かめることが出来た。大腿四頭筋の強化が脚力を強くし、膝にも良い影響が表れた。

田舎暮らしを体調面で分けると、谷に落ちた前半と谷から這い上がった後半に分けられる。今回は体調が影響していつもならもっと積極的に取り組んだお墓や田畑を十分に面倒見きれなかった。それが最後になってツケを払う原因になった。多少は雨が多かった天候のせいもある。実は後半は中国経済成長の停滞が明らかになった時期と偶然に一致し、この時期私の金融資産が大幅に減った。体力回復が気分転換になったかもしれない。

ついでに言うと、読書量がこのところ毎年減っている。今年は更にペースが下がって読まなかった、というか読めなかった。そこまで体調のせいにする積りはない。田舎にはちゃんとした図書館が無いのが理由の一つだ。以前より時間をかけて新聞を読むようになったのが二番目の理由、体調が三番目と言ったところだ。帰京したらもっと読書量を増やすよう工夫してみたいと思う。■
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